ふたりの女王 メアリーとエリザベス

ふたりの女王 メアリーとエリザベスの画像・ジャケット写真

ふたりの女王 メアリーとエリザベス / シアーシャ・ローナン

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「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」 の解説・あらすじ・ストーリー

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解説・ストーリー

16世紀の英国を舞台に、従姉妹でありながらそれぞれスコットランドとイングランドの女王として対峙していくメアリー・スチュアートとエリザベスI世の数奇な運命をシアーシャ・ローナンとマーゴット・ロビーの主演で映画化した歴史ドラマ。監督は本作が長編映画監督デビューとなるジョーシー・ルーク。スコットランドに生まれたカトリックのメアリー・スチュアートは、0歳でスコットランド女王になるも、幼くしてフランスへ渡る。やがて16歳でフランス王妃となったメアリーだったが、18歳で未亡人となり、スコットランドへ帰国する。一方、隣国イングランドでは、エリザベスI世が25歳で即位していた。未だ世継ぎのいないエリザベスI世とその側近たちは、次第にメアリーの動向に神経を尖らせていくのだったが…。 JAN:4988102765170

「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」 の作品情報

作品情報

製作年: 2018年
製作国: イギリス
原題: MARY QUEEN OF SCOTS

「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

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ファイナル・ステージ

ユーザーレビュー:17件

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1〜 5件 / 全17件

悲劇の女王・・メアリー・スチュアート

投稿日:2019/07/30 レビュアー:カマンベール

16世紀のイギリス。
女王ふたりの権力闘争を描いた歴史ドラマです。
それに絡んでくる男たちの陰謀・策略。
恋多き女で子(子孫)を残したメアリー・スチュアートと、生涯独身を貫いたエリザベス1世。
対照的なふたりの王女、メアリーをシアーシャ・ローナン、エリザベス1世をマーゴット・ロビーが気合十分に演じています。

時は16世紀。メアリー・スチュアートの生涯は波乱万丈です。
0歳でスコットランド女王になり、16歳でフランスに嫁ぎ18歳で未亡人となる。
映画は18歳のメアリーがスコットランドに帰って来た所から始まります。
その頃隣国イングランドを統治していた女王がエリザベス1世。
メアリーとエリザベスは年齢は違うけれど従姉妹同士なのです。
メアリーは「お姉さま」と呼び慕うのですが・・・
位の低い身分の女中の子供であるエリザベスを内心では蔑んでいます。

イギリス王朝の映画は「女王陛下のお気に入り」を観たばかり。
こちらは18世紀のアン女王にまつわる話でした。

この映画は「エリザベス」と続編の「エリザベス:ゴールデンエイジ」でエリザベス1世をケイト・ブランシェットが演じたエリザベスを、
マーゴット・ロビーが演じている訳です。

結局はメアリーとエリザベスの覇権争いを描いた映画です。
フランスから帰国したメアリーはスコットランドに帰国して王位に就きます。
しかし故郷はイングランド女王エリザベス1世の支配下にありました。
メアリーはスコットランドだけではなくイングランドさえも自分の王位継承権を主張するのです。
エリザベスはメアリーの美しさ大胆さに怯えて、自分の地位を脅かす者としてメアリーを恐れるのです。

愛のない結婚をして子を産むメアリー。
野心と利用して権力の座に就くことしか考えない夫。
男たちの策略に傷つき、多くを失うメアリー。
別離・・・はたまた再婚・・・そして息子と割かれて幽閉されるメアリー。
前半はシァーシャ・ローナンの美しさ透明感が際立ち一人舞台です。
しかし後半は白塗りにしてやや年老いた感のあるマーゴット・ロビーの
存在感がグーンと増してくるのです。
男に翻弄されるメアリーと、男を断つ事で威厳を増し孤高の女王のカリスマ性を出したマーゴット・ロビー。
『女王はわたし一人だけ』
この言葉が重い。
それにしても女王の座の重圧と孤独・・イギリス王朝は女王あっての
イギリスですね。

現在のエリザベス女王の直接の子孫はメアリー・スチュアートの息子・
ジョージ1世なので、メアリー・スチュアートの血は現在のエリザベス女王まで500年近く途絶える事なく続いているのです。
なんとも皮肉な事ですね。
見応えある史実ドラマでした。
ふたりの女王・・シァーシャ・ローナンそしてマーゴット・ロビーに拍手です。

このレビューは気に入りましたか? 19人の会員が気に入ったと投稿しています

自己を滅し国家に仕えた“マイノリティ”としての「女王」 ネタバレ

投稿日:2019/09/08 レビュアー:MaiKo88

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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史料に遡れるだけでも古くから民族間の感情があり分断していた、イングランドとスコットランド。
プロテスタントとカトリックという宗教的対立も加わり、争いは激化していた16世紀。

スコットランドを統治下におく、イングランド女王エリザベス1世。“男として生きる”(妻や母になる女性としての道ではなく「女王」という政治家として生きる、の意)と決めた彼女。

一方、フランスに嫁いでいたスコットランドの女王メアリーは、18歳で未亡人となり故国に戻る。
若く才気溢れ美しく寛大で慈愛に満ちた彼女は、カトリック信仰に篤い女性。実の異母兄を含む、宮廷周辺の数々の男たちの陰謀策略をかいくぐり、男子を生み残し血統を存続させた。

「正当な血統」である自身の息子を従姉であるエリザベス1世に託すことで、イングランドとスコットランド統治の道を盤石にした、メアリー・スチュアートの系譜の正当性を裏付けようとした本作。

メアリーの息子ジェームズがエリザベス1世の後を継ぎイングランドとスコットランドを統治したことで現在のイギリス王室が存続しているので、メアリー・スチュアートの現代に繋がる功績は大きい。

しかしもちろん、そこには彼女の存在に対する嫉妬や葛藤を抱えながらもそれを受け入れた、エリザベス1世の賢明さ寛大さが大きく関与している。どちらが欠けたとしても両国の統治は成し得なかった。
「この両者がいたからこそ」の現在ということで、邦題はタイトルを「ふたりの女王」としたのだろうが…

まるでふたりの女王が対立していたかのような邦題にキャッチコピー。
しかし原題は「スコットランド女王メアリー」。
本編はメアリーを中心に描かれた、メアリーの半生を描く作品だ。

実はここに描かれているのは、メアリーとエリザベスの「女王対決」ではない。
むしろ、そこにあったのは「女王」という存在を煙たがる宮廷内の“男たち”。
対立していたのは「ふたりの女王」ではなく、彼女らに群がるその臣下の男たちだった。

ふたりの女王は彼らの傀儡となっていることを承知しながら、それぞれの生きる道を邁進する。

本作に描かれているのは、メアリーとエリザベスを「対立」させ、それを隠れ蓑に女王という女性君主に対抗し「女王」を君臨することで国家に君臨しようとした男性臣下たちの、「女王に対する」権力闘争なのだ。

腕力では敵わない相手、しかも多数派の男性臣下が居並ぶその中でも、知力を用いて最善を尽くそうとしたふたりの女王という描き方は、些か視点が女性より過ぎやしないだろうか?と思って調べたら、やはり本作の監督は女性であった。

作中で女王メアリーの寝室警護役として機能していたLGBTの従僕を、男性臣下たちが策略により殺害したことも、何か象徴的だった。「ふたりの女王の対立」という表面のその下に蠢く男と女の真の対立のなかで、罪を着せられ無惨に殺害された同性愛者。彼は、女王のプライベートルームで侍女たちと共に女性の恰好をして嬉しそうにはしゃぐ、女王にとっては“侍女”のような存在だった。その彼と寝た、メアリーの夫で男色家のヘンリーの暗殺が描かれていることも、何か象徴的だ。本作では、このふたり以外無惨に殺される者を描いてはいない。

「ふたりのカッコ付きの“男性”とふたりの“女王”」という構図が本作の中心にあるのは、興味深い。

本作は、“女王”という存在を「マイノリティ」(文字通りの“少数”者)という面から捉えようとした意欲作なのか。


なるほど、「女王」という特殊な存在(マイノリティ?)の心情は、その立場に立った者にしかわからない。

メアリーとエリザベスは深いところで互いに理解し合っていた、互いにとって稀有な存在だった、ということが、ラスト、一気に畳みかけるように描かれる。


白い雪が、まるで浄化するように舞う中でのエリザベス1世の苦渋の決断も、自らの宿命を受け入れるメアリーの潔さも、ふたりは既に互いに互いの宿命を呑み込んでいたのだ。

重苦しい中にも、観ていて何か清々しさすら感じるラストだった。

ふたりともに、種々葛藤を抱えながらも最終的には自分自身の欲求という“自己”を滅し、国家のためを第一に考えて行動した“女王”として生きて死んだ。

“私(わたくし)”の欲(出世・権力欲)に塗れた男性臣下たちよりはるかに美しく凛としていると感じるのは、私が女性だからだろうか。それとも“サムライ”の国の人間だからだろうか。

このレビューは気に入りましたか? 5人の会員が気に入ったと投稿しています

本当は平和を望んでいたクイーン・オブ・スコッツ

投稿日:2019/09/22 レビュアー:飛べない魔女

まあ、女性が権力を持つとこうなりますなぁ。
イングランドの女王であるエリザベル1世は王の愛人の子供。
一方スコットランドの女王であるメアリーは
スコットランド王ジェームスとフランス貴族の娘であることにより
イングランドの正統な王位継承者でもあることを主張する。
(なんでそうなるのか?頭の悪い私には、ちょっとこのへんが理解できない。。トホホ)
いずれにしても二人はいとこ同士になるそうな。
どちらの女性も王座を守ろうと必死になる一方で
王座を妬み蔑む男達の嫉妬と陰謀に利用されることになる。
メアリーはイングランドとスコットランドを一つにして
もう悲しい流血はやめようとエリザベスに提案するが
エリザベスは女王の座を奪おうとしているからそんなこと言うね、と
若く美しいメアリーに対してますます憎しみを募らせていく。
とはいうものの、二人は手紙のやり取りのみで
会ったことも、話したことも無い。
互いの肖像画を送り合って顔を確認しているだけ。
メアリーが子供を産んでから、なんだかんだあり
結局スコットランドを追われることになり
エリザベスに擁護を求めていくが、拒絶され、最終的にはエリザベスの署名により
処刑されてしまう。
息子ジェームスに自身が成しえなかった両国統一を託して首を切られたメアリー。
スコットランド王となったジェームスは、やがてイングランドの王位も受け継ぐことになる。
現在のロイヤルファミリーの血筋は
このジェームス王からの流れなので
結局は子供を産まなかったエリザベス1世の子孫は誰もいない。
ということは、死して勝利したのは
メアリーということにはならないだろうか?

それにしても、人はどうしてこうも権力を欲しがるんだろう?
そして権力は残酷な心を産むものだということを
人は早く知るべきだったろう。

シアーシャ・ローナン とマーゴット・ロビー、
女王になりきり
見事に演じきった二人の女優に拍手。

このレビューは気に入りましたか? 4人の会員が気に入ったと投稿しています

母は強し

投稿日:2019/09/18 レビュアー:hinakksk

 私はフェミニストを自認しているが、何でもかんでもフェミニズムの視点で解釈すればいいとは思っていない。16世紀という絶対君主の時代にジェンダーの概念を持ち込み、女王をあたかも身近な女性であるかのように描き、厳然とした史実を恣意的に読み直すこの映画には、賛同できなかった。カトリックとプロテスタントという宗教対立は女性の嫉妬に矮小化。出産を特権化し、男の野蛮を強調。孤軍奮闘するふたりの女王の女性同士の連帯を阻害する、権謀術数に明け暮れる冷酷で野心家の男たち、という単純化された構図。より大きな絶対権力という変数を無視している。

 16世紀の王や女王は、その出自の正当性により誕生の時から地位は保証されていて、そもそもジェンダーの問題を超越している。王位継承権を持つ者は通常1人ではないから、王座の転覆を図る謀反に晒されるのは、男性女性に関係なく同じである。リッチオ殺害事件のような陰謀は、油断すればどの治世でも起こり得ることだ。

 また、エリザベス1世を庶子とみなすのは、正しくない。彼女の母、アン・ブーリンは身分こそ低いが、自分の子が正当な王位継承者となるように、ヘンリー8世の愛人となることを敢然と拒否し、ふたりは正式に結婚している。そのためヘンリー8世は、離婚を許さないカトリック教会から離脱し、イギリス国教会を創設した程なのだ。アン・ブーリンは、娘エリザベスの地位を守るため、王に対する謀反の嫌疑を受け入れて、断頭台へと消えている。

 スコットランド女王メアリーもまた、息子ジェームズの地位の安泰のためなら、敵対するエリザベス1世に恭順の手紙を書くし、反乱軍には、ジェームズが王位を継承するならばと、自らの廃位を受け入れる。スコットランドを追われ、エリザベス1世の庇護を求め受け入れられるが、メアリーもまたイングランドの正当な王位継承権を持ち、エリザベスにとっては厄介で危険な存在だった。権力維持のためには、早晩メアリーの処刑は避けられなかっただろう。メアリーが命を賭した息子ジェームズは、エリザベス1世亡き後、イングランド王に即位する。この映画の刺激的なコピー、嫉妬や陰謀をものともせず、メアリーの命脈は現在にまで続いているのだ。

 ふたりの女王役のシアーシャ・ローナンとマーゴット・ロビーは、凛として威厳があり、堂々として美しく、女王という絶対君主を見事に演じている。

このレビューは気に入りましたか? 4人の会員が気に入ったと投稿しています

えげつない権力闘争をキレイに描いていた

投稿日:2020/01/31 レビュアー:勇光

ドラマとして観ればそこそこ面白い。
ただ、スコットランドの女王であるメアリーというのがなんでイングランドの王位継承権を申し立てるのかが説明されていない。で、ウィキを見た。メアリーはイングランド王であったヘンリー8世の姉マーガレット・テューダーの孫だそうだ。

ちなみに、エリザベス1世はヘンリー8世の2番目の奥さんの娘なのだが、その2番目の奥さんはエリザベスを産んだ後は流産をくりかえして男子を産めなかったため、不義密通の罪をきせられて処刑されている。このため、エリザベスの父親が本当にヘンリー8世だったのかに疑問が持たれていたそうだ。また、ヘンリー8世のあとに即位したのは3番目の奥さんの子のエドワード6世で、これは王位につくと異母姉であるエリザベスの王位継承権を無効にしたそうだ。そんなこんなで、エリザベスは即位した後もなかなか政権を安定させられなかったようだ。

で、映画の方であるが、とにかく映像が美しい。シアーシャ・ローナンはすっかり大人になって少女のときの輝きは薄れていたが目力は増していた。マーゴット・ロビーはトーニャをやったときも汚れ役だったが、今回はもっと顔を汚して頑張っており、それなりに迫力があった。
尚、スペインの無敵艦隊を破って世界に撃って出る前のイギリスは世界の2流国であり、王侯貴族ももっと田舎くさかったのではないかと思われるが、映画はそこを美化しているみたい。ただ、斬ったはったの野蛮な権力闘争はそのまま描いている。要するに、この時代のイギリス人は野蛮人であり、人殺しも平気だし、無実の者を罪に陥れるなんてことは日常茶飯事だったようだ。そういうなかで政治家をやるってのはホントに命がけだったろうと思う。エリザベスはそこを生き抜いたサバイバーで、メアリーは奔放にやって墓穴を掘った愚か者だったみたい。映画はそのへんのところをキレイに描いていたと思う。

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ふたりの女王 メアリーとエリザベス

ユーザーレビュー

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悲劇の女王・・メアリー・スチュアート

投稿日

2019/07/30

レビュアー

カマンベール

16世紀のイギリス。
女王ふたりの権力闘争を描いた歴史ドラマです。
それに絡んでくる男たちの陰謀・策略。
恋多き女で子(子孫)を残したメアリー・スチュアートと、生涯独身を貫いたエリザベス1世。
対照的なふたりの王女、メアリーをシアーシャ・ローナン、エリザベス1世をマーゴット・ロビーが気合十分に演じています。

時は16世紀。メアリー・スチュアートの生涯は波乱万丈です。
0歳でスコットランド女王になり、16歳でフランスに嫁ぎ18歳で未亡人となる。
映画は18歳のメアリーがスコットランドに帰って来た所から始まります。
その頃隣国イングランドを統治していた女王がエリザベス1世。
メアリーとエリザベスは年齢は違うけれど従姉妹同士なのです。
メアリーは「お姉さま」と呼び慕うのですが・・・
位の低い身分の女中の子供であるエリザベスを内心では蔑んでいます。

イギリス王朝の映画は「女王陛下のお気に入り」を観たばかり。
こちらは18世紀のアン女王にまつわる話でした。

この映画は「エリザベス」と続編の「エリザベス:ゴールデンエイジ」でエリザベス1世をケイト・ブランシェットが演じたエリザベスを、
マーゴット・ロビーが演じている訳です。

結局はメアリーとエリザベスの覇権争いを描いた映画です。
フランスから帰国したメアリーはスコットランドに帰国して王位に就きます。
しかし故郷はイングランド女王エリザベス1世の支配下にありました。
メアリーはスコットランドだけではなくイングランドさえも自分の王位継承権を主張するのです。
エリザベスはメアリーの美しさ大胆さに怯えて、自分の地位を脅かす者としてメアリーを恐れるのです。

愛のない結婚をして子を産むメアリー。
野心と利用して権力の座に就くことしか考えない夫。
男たちの策略に傷つき、多くを失うメアリー。
別離・・・はたまた再婚・・・そして息子と割かれて幽閉されるメアリー。
前半はシァーシャ・ローナンの美しさ透明感が際立ち一人舞台です。
しかし後半は白塗りにしてやや年老いた感のあるマーゴット・ロビーの
存在感がグーンと増してくるのです。
男に翻弄されるメアリーと、男を断つ事で威厳を増し孤高の女王のカリスマ性を出したマーゴット・ロビー。
『女王はわたし一人だけ』
この言葉が重い。
それにしても女王の座の重圧と孤独・・イギリス王朝は女王あっての
イギリスですね。

現在のエリザベス女王の直接の子孫はメアリー・スチュアートの息子・
ジョージ1世なので、メアリー・スチュアートの血は現在のエリザベス女王まで500年近く途絶える事なく続いているのです。
なんとも皮肉な事ですね。
見応えある史実ドラマでした。
ふたりの女王・・シァーシャ・ローナンそしてマーゴット・ロビーに拍手です。

自己を滅し国家に仕えた“マイノリティ”としての「女王」

投稿日

2019/09/08

レビュアー

MaiKo88

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史料に遡れるだけでも古くから民族間の感情があり分断していた、イングランドとスコットランド。
プロテスタントとカトリックという宗教的対立も加わり、争いは激化していた16世紀。

スコットランドを統治下におく、イングランド女王エリザベス1世。“男として生きる”(妻や母になる女性としての道ではなく「女王」という政治家として生きる、の意)と決めた彼女。

一方、フランスに嫁いでいたスコットランドの女王メアリーは、18歳で未亡人となり故国に戻る。
若く才気溢れ美しく寛大で慈愛に満ちた彼女は、カトリック信仰に篤い女性。実の異母兄を含む、宮廷周辺の数々の男たちの陰謀策略をかいくぐり、男子を生み残し血統を存続させた。

「正当な血統」である自身の息子を従姉であるエリザベス1世に託すことで、イングランドとスコットランド統治の道を盤石にした、メアリー・スチュアートの系譜の正当性を裏付けようとした本作。

メアリーの息子ジェームズがエリザベス1世の後を継ぎイングランドとスコットランドを統治したことで現在のイギリス王室が存続しているので、メアリー・スチュアートの現代に繋がる功績は大きい。

しかしもちろん、そこには彼女の存在に対する嫉妬や葛藤を抱えながらもそれを受け入れた、エリザベス1世の賢明さ寛大さが大きく関与している。どちらが欠けたとしても両国の統治は成し得なかった。
「この両者がいたからこそ」の現在ということで、邦題はタイトルを「ふたりの女王」としたのだろうが…

まるでふたりの女王が対立していたかのような邦題にキャッチコピー。
しかし原題は「スコットランド女王メアリー」。
本編はメアリーを中心に描かれた、メアリーの半生を描く作品だ。

実はここに描かれているのは、メアリーとエリザベスの「女王対決」ではない。
むしろ、そこにあったのは「女王」という存在を煙たがる宮廷内の“男たち”。
対立していたのは「ふたりの女王」ではなく、彼女らに群がるその臣下の男たちだった。

ふたりの女王は彼らの傀儡となっていることを承知しながら、それぞれの生きる道を邁進する。

本作に描かれているのは、メアリーとエリザベスを「対立」させ、それを隠れ蓑に女王という女性君主に対抗し「女王」を君臨することで国家に君臨しようとした男性臣下たちの、「女王に対する」権力闘争なのだ。

腕力では敵わない相手、しかも多数派の男性臣下が居並ぶその中でも、知力を用いて最善を尽くそうとしたふたりの女王という描き方は、些か視点が女性より過ぎやしないだろうか?と思って調べたら、やはり本作の監督は女性であった。

作中で女王メアリーの寝室警護役として機能していたLGBTの従僕を、男性臣下たちが策略により殺害したことも、何か象徴的だった。「ふたりの女王の対立」という表面のその下に蠢く男と女の真の対立のなかで、罪を着せられ無惨に殺害された同性愛者。彼は、女王のプライベートルームで侍女たちと共に女性の恰好をして嬉しそうにはしゃぐ、女王にとっては“侍女”のような存在だった。その彼と寝た、メアリーの夫で男色家のヘンリーの暗殺が描かれていることも、何か象徴的だ。本作では、このふたり以外無惨に殺される者を描いてはいない。

「ふたりのカッコ付きの“男性”とふたりの“女王”」という構図が本作の中心にあるのは、興味深い。

本作は、“女王”という存在を「マイノリティ」(文字通りの“少数”者)という面から捉えようとした意欲作なのか。


なるほど、「女王」という特殊な存在(マイノリティ?)の心情は、その立場に立った者にしかわからない。

メアリーとエリザベスは深いところで互いに理解し合っていた、互いにとって稀有な存在だった、ということが、ラスト、一気に畳みかけるように描かれる。


白い雪が、まるで浄化するように舞う中でのエリザベス1世の苦渋の決断も、自らの宿命を受け入れるメアリーの潔さも、ふたりは既に互いに互いの宿命を呑み込んでいたのだ。

重苦しい中にも、観ていて何か清々しさすら感じるラストだった。

ふたりともに、種々葛藤を抱えながらも最終的には自分自身の欲求という“自己”を滅し、国家のためを第一に考えて行動した“女王”として生きて死んだ。

“私(わたくし)”の欲(出世・権力欲)に塗れた男性臣下たちよりはるかに美しく凛としていると感じるのは、私が女性だからだろうか。それとも“サムライ”の国の人間だからだろうか。

本当は平和を望んでいたクイーン・オブ・スコッツ

投稿日

2019/09/22

レビュアー

飛べない魔女

まあ、女性が権力を持つとこうなりますなぁ。
イングランドの女王であるエリザベル1世は王の愛人の子供。
一方スコットランドの女王であるメアリーは
スコットランド王ジェームスとフランス貴族の娘であることにより
イングランドの正統な王位継承者でもあることを主張する。
(なんでそうなるのか?頭の悪い私には、ちょっとこのへんが理解できない。。トホホ)
いずれにしても二人はいとこ同士になるそうな。
どちらの女性も王座を守ろうと必死になる一方で
王座を妬み蔑む男達の嫉妬と陰謀に利用されることになる。
メアリーはイングランドとスコットランドを一つにして
もう悲しい流血はやめようとエリザベスに提案するが
エリザベスは女王の座を奪おうとしているからそんなこと言うね、と
若く美しいメアリーに対してますます憎しみを募らせていく。
とはいうものの、二人は手紙のやり取りのみで
会ったことも、話したことも無い。
互いの肖像画を送り合って顔を確認しているだけ。
メアリーが子供を産んでから、なんだかんだあり
結局スコットランドを追われることになり
エリザベスに擁護を求めていくが、拒絶され、最終的にはエリザベスの署名により
処刑されてしまう。
息子ジェームスに自身が成しえなかった両国統一を託して首を切られたメアリー。
スコットランド王となったジェームスは、やがてイングランドの王位も受け継ぐことになる。
現在のロイヤルファミリーの血筋は
このジェームス王からの流れなので
結局は子供を産まなかったエリザベス1世の子孫は誰もいない。
ということは、死して勝利したのは
メアリーということにはならないだろうか?

それにしても、人はどうしてこうも権力を欲しがるんだろう?
そして権力は残酷な心を産むものだということを
人は早く知るべきだったろう。

シアーシャ・ローナン とマーゴット・ロビー、
女王になりきり
見事に演じきった二人の女優に拍手。

母は強し

投稿日

2019/09/18

レビュアー

hinakksk

 私はフェミニストを自認しているが、何でもかんでもフェミニズムの視点で解釈すればいいとは思っていない。16世紀という絶対君主の時代にジェンダーの概念を持ち込み、女王をあたかも身近な女性であるかのように描き、厳然とした史実を恣意的に読み直すこの映画には、賛同できなかった。カトリックとプロテスタントという宗教対立は女性の嫉妬に矮小化。出産を特権化し、男の野蛮を強調。孤軍奮闘するふたりの女王の女性同士の連帯を阻害する、権謀術数に明け暮れる冷酷で野心家の男たち、という単純化された構図。より大きな絶対権力という変数を無視している。

 16世紀の王や女王は、その出自の正当性により誕生の時から地位は保証されていて、そもそもジェンダーの問題を超越している。王位継承権を持つ者は通常1人ではないから、王座の転覆を図る謀反に晒されるのは、男性女性に関係なく同じである。リッチオ殺害事件のような陰謀は、油断すればどの治世でも起こり得ることだ。

 また、エリザベス1世を庶子とみなすのは、正しくない。彼女の母、アン・ブーリンは身分こそ低いが、自分の子が正当な王位継承者となるように、ヘンリー8世の愛人となることを敢然と拒否し、ふたりは正式に結婚している。そのためヘンリー8世は、離婚を許さないカトリック教会から離脱し、イギリス国教会を創設した程なのだ。アン・ブーリンは、娘エリザベスの地位を守るため、王に対する謀反の嫌疑を受け入れて、断頭台へと消えている。

 スコットランド女王メアリーもまた、息子ジェームズの地位の安泰のためなら、敵対するエリザベス1世に恭順の手紙を書くし、反乱軍には、ジェームズが王位を継承するならばと、自らの廃位を受け入れる。スコットランドを追われ、エリザベス1世の庇護を求め受け入れられるが、メアリーもまたイングランドの正当な王位継承権を持ち、エリザベスにとっては厄介で危険な存在だった。権力維持のためには、早晩メアリーの処刑は避けられなかっただろう。メアリーが命を賭した息子ジェームズは、エリザベス1世亡き後、イングランド王に即位する。この映画の刺激的なコピー、嫉妬や陰謀をものともせず、メアリーの命脈は現在にまで続いているのだ。

 ふたりの女王役のシアーシャ・ローナンとマーゴット・ロビーは、凛として威厳があり、堂々として美しく、女王という絶対君主を見事に演じている。

えげつない権力闘争をキレイに描いていた

投稿日

2020/01/31

レビュアー

勇光

ドラマとして観ればそこそこ面白い。
ただ、スコットランドの女王であるメアリーというのがなんでイングランドの王位継承権を申し立てるのかが説明されていない。で、ウィキを見た。メアリーはイングランド王であったヘンリー8世の姉マーガレット・テューダーの孫だそうだ。

ちなみに、エリザベス1世はヘンリー8世の2番目の奥さんの娘なのだが、その2番目の奥さんはエリザベスを産んだ後は流産をくりかえして男子を産めなかったため、不義密通の罪をきせられて処刑されている。このため、エリザベスの父親が本当にヘンリー8世だったのかに疑問が持たれていたそうだ。また、ヘンリー8世のあとに即位したのは3番目の奥さんの子のエドワード6世で、これは王位につくと異母姉であるエリザベスの王位継承権を無効にしたそうだ。そんなこんなで、エリザベスは即位した後もなかなか政権を安定させられなかったようだ。

で、映画の方であるが、とにかく映像が美しい。シアーシャ・ローナンはすっかり大人になって少女のときの輝きは薄れていたが目力は増していた。マーゴット・ロビーはトーニャをやったときも汚れ役だったが、今回はもっと顔を汚して頑張っており、それなりに迫力があった。
尚、スペインの無敵艦隊を破って世界に撃って出る前のイギリスは世界の2流国であり、王侯貴族ももっと田舎くさかったのではないかと思われるが、映画はそこを美化しているみたい。ただ、斬ったはったの野蛮な権力闘争はそのまま描いている。要するに、この時代のイギリス人は野蛮人であり、人殺しも平気だし、無実の者を罪に陥れるなんてことは日常茶飯事だったようだ。そういうなかで政治家をやるってのはホントに命がけだったろうと思う。エリザベスはそこを生き抜いたサバイバーで、メアリーは奔放にやって墓穴を掘った愚か者だったみたい。映画はそのへんのところをキレイに描いていたと思う。

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