愛しのアイリーン

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

　田舎の過疎化に国際結婚に介護に差別や偏見とかいろんな日本の問題が詰め込まれた話。

　登場人物のほとんどに感情移入できないような人間たちの集まりでガンガンモザイクがかかる演出も劇薬映画に仕上がっていて楽しい映画でした。

　人生を生きるのが不器用すぎる人間たちで、どうしてこうなっちゃうのかと見ていると最初は笑ってみていられるけど、しだいに悲しくなって行くという不思議な構成でした。性や生、暴力やエロスをこれでもかと描いていて好みは別れると思いますが、役者さんたちの熱演で引っ張られていく映画でした。

　ただ描かれることがヘビーなうえに登場人物が基本叫び続ける130分なので、中盤でグッタリしてしまう映画でも個人的にはありました。それに猟銃の管理ってこんなに適当なんだとびっくりする映画でした。

2018年。吉田恵輔監督。原作は新井英樹。

大作にして問題作。
日本の農村の「少子高齢化」「嫁不足」「外国人人妻」
「後継者問題」に正面から取り組んだ力作。

前半は42歳の独身男・岩男(安田顕)の軽妙な個性で、コメディタッチに進み、笑いながら観ていました。
パチンコ店の同僚(バツイチ子持ち）の河井青葉に大失恋したことから、フィリピン嫁取りツアーに参加した岩男は、幼妻アイリーンを連れて帰国する。
この展開は過疎の農村などでの、高齢になった独身男に良くある話だ。
300万円をかけて、連れて来たアイリーンとは言葉も通じず、
コミュニケーションもうまくいかない。

岩男の独断に怒り狂う母親(木野花・・・一世一代の怪演）は、
猟銃を持ち出して2人を脅し、家にも入れない。
(一人息子岩男への執着も度を越している）

そして後半になるとフィリピン人斡旋ヤクザの塩崎（伊勢谷友介）が、
絡んでくる所から急旋回して悲劇的転調をするのだ。

『寝ても覚めても』の直ぐ後にこの映画を観た。
この映画は絵空事でない現実を描いていた。
ヒリヒリする現実。
結婚出来ない40男。親の介護。密接なようでなんの頼りにもならない
近隣の住民。

ラストは原作漫画とは変えている。
ラストには賛否のある所だろう。
最後まで猛スピードで突っ走り、作品の完成度は高い。

この映画の存在すら知らず、全くの予備知識もなく観ました。
漫画が原作だということも鑑賞後にwikipediaで知りました。

国際結婚した日本人とフィリピーナがカルチャーギャップを乗り越えて、愛でたし愛でたし！ って安いラブコメかな〜
と高を括って、ポップコーン片手に鑑賞したら、予想と大違いでした。

オモシロいのですが、重くて、とてもイヤな気分になりました。
明け方まで眠れなかった程です。
ポップコーンも半分残してしまいました(汗)

日本で相手がいなくてフィリピン女性結婚する日本人男と、
金目当てに日本人と結婚するフィリピン人女性の救いのない話です。

登場する人物はみなどこかユーモラスなんだけど、
自分勝手で、下品で、時代遅れで、甘ったれで、人間的に破綻していて、
何か腹が立ちました。

とりわけ、ババァに対しては、それが木野花さんの超一流の演技であることも忘れて、本気でムカつきました。
現実でも丸メガネをかけた老女を見るとムカついてしまう程です。

しかし、あの時代、境遇、環境ではああいう風に生きるしかなく、
その中で何かを掴もう、何かを実現しようとする必死だったのではないでしょうか？

18を過ぎたら実家を出て、都市で学校に行ったり、就職したりして…
何人かの日本人と恋愛をして、そのうちの1人と結婚して、子供を作って…
多くの人が当然のようにやっていることだけど、
それは簡単なことなのか？

この話が作り話であることを忘れて、心が揺さぶられて
あれこれ思ったり考えたりする程、
この映画は私の人生に大きな影響を与えました！

オモシロかった〜、感動した〜
もいいですが、
こういう映画にたまには出会いたいものです。

認知症気味の父、過干渉の母を持つ過疎地に住む岩男。
振られたことにより、いきなりフィリピンに行き、嫁を連れてくるが、、、


すっげー作品。1時期問題になったフィリピン妻、介護、過疎、など詰め込まれた作品
放送禁止用語を絶叫するし、ぼかしがあるし、猟銃持った姑がでてくるし、最初はお笑いかと思ったけれど、やくざが出てきてから悲劇になっていく、ほんとはちょっと後味悪い（汗

途中で仲のいいシーンがあって、このまま進んでいってほしかったのにな。

しかし、姑（木野花）すっげー。あの振り切り方。
でもほんとは胸糞悪かった。うちの姑そっくりで、私も姑の主人への執着によるいびりで別居したし、義弟に至ってはばつ２だし（爆）

こんなことになったのは、おめーが悪い！と思ってみてました。

よく言えば色々な展開があって退屈しない。悪く言えば、要素詰め込み過ぎで一本芯が通っていない。

とりあえずエピソードで繋いでくる連載漫画原作の悪いところが出たような感じ。社会問題としての部分もちょっと表面的だし、人間ドラマとしても岩男とアイリーンの関係が丁寧に描写されているわけではない。まあ婆さんが主人公なのかもしれないけれど。

心理描写も人間の悪いところをしっかり描いているところもあれば、漫画チックに誤魔化している部分も多く、あんまり世界観に入って行きにくい。結構なキーになるはずの岩男の森の中の行動なんかも不自然なだけでドラマ感が希薄。

正直に言えば期待外れ。