ローズの秘密の頁

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ローズの秘密の頁 / バネッサ・レッドグレーブ
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「ローズの秘密の頁」 の解説・あらすじ・ストーリー

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解説・ストーリー

ルーニー・マーラ、ヴァネッサ・レッドグレイヴのW主演による壮大なラブストーリー。病院で40年間過ごしてきた老女・ローズは、長年にわたり聖書の中に秘かに日記を綴っていた。彼女は半世紀前の記憶を遡り、グリーン医師に自らの人生を語り始める。

「ローズの秘密の頁」 の作品情報

作品情報

製作年: 2016年
製作国: アイルランド
原題: The Secret Scripture

「ローズの秘密の頁」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

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1〜 5件 / 全13件

聖書に綴られたローズの記録 ネタバレ

投稿日:2019/06/17 レビュアー:kazupon

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

監督:ジム・シェリダン(2016年・アイルランド・108分)
原作:セバスチャン・バリー『The Secret Scripture(秘密の聖書)』

ローズの若い頃をルーニー・マーラ、晩年をヴァネッサ・レッドグレイヴが演じています。
息子殺しの容疑をかけられ、無実を訴え続けるるローズは、40年もの間、聖マラキ病院(精神病院)に閉じ込められていました。
取り壊しがきまった聖マラキ病院を精神科医のスティーヴン・グリーン(エリック・バナ)が、ローズの症状の再評価に訪れます。
その際、ローズが聖書の中に書き綴った「ローズ記」があることを知り、ローズの回想とともに物語が展開して行きます。
・・・   ・・・   ・・・   ・・・   
ナチスドイツがフランスを占領した1942年頃、ローズは北アイルランドの戦況を逃れて叔母を頼って疎開して来ます。
叔母は“禁酒ホテル”を経営。ローズは、そこで働きます。
(後にローズの夫となる)マイケル・マクナルティ(ジャック・レイナー)は、正反対の職業―タバコや酒を売っていました。
当時、英国空軍はパイロット不足で、新聞に「アイルランド人男性求む」と広告を出していました。
マイケルはそれに応募し、自分が帰るまで待っていて欲しいとローズに言い残します。

海で泳ぐローズを見つけ、ひとりの男が近づいて来ます。
彼が言うには、「この国で男の目を直接見て良いのは、その男の妻だけだ」と言います。
その言葉を聞いている間もローズは男の目を真っすぐに見つめています。
後日、その男はカトリックのゴーント神父だと分かりました。
ゴーント神父は、ローズが行く先々に現れ、ついにはローズに言い寄るジャックと喧嘩になります。
叔母は、「あなたには男をそそのかす力がある」と、ローズを森の中の小屋にひとりで住まわせます。
そして、やがて訪れる不幸な運命・・・(私はすべてゴーント神父のせいと恨みます)
・・・   ・・・   ・・・   ・・・
そもそも、ローズが精神病院に幽閉されることになったのは、
「ローズは邪悪ではないが強情で、男たちを惹きつける。彼女は色情症かも知れない」
という、ゴーント神父によるローズの評価が原因です。
また、ローズが臨月の身重で海を泳いで対岸に渡り、そこで出産した男の子を殺した罪に問われたのもゴーント神父のせいと思います。
ゴーント神父も自らそのことを認めてはいたのでしょう。
しかし、理性で己の感情を押さえつけることは出来なかった。
彼が晩年を迎えてやっと、ある人物に真実を伝え、さらにローズの再評価を依頼したのです。
せめてもの罪滅ぼしにはなったかも知れないけれど、遅すぎです。
いや、ローズが生きてる間に真実と出会えてよかったのかも知れないと、少々複雑な思いです。
中盤を過ぎた辺りから、ひょっとして・・という予感はありました。
聖書のくり抜いた場所に、マイケルの勲章がピッタリと納まって、物語も落ち着くところに落ち着きました。
ルーニー・マーラのひたむきでキラキラした美しさ、ヴァネッサ・レッドグレイヴの自分自身を失わず、マイケルの愛を疑わない凛とした強さ。
聖書の余白に綴られた日記と、文字の上に描かれた神父の似顔絵。
これらが、今後、私の中に残るであろう本作の印象です。

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閉ざされた、ある女の真実

投稿日:2018/10/06 レビュアー:なんの因果

(2016年製作・アイルランド)ジム・シェリダン監督
全体的によくわからない(笑)。← 笑ってる場合じゃ・・・ないです。ショボン・
なんだけど、辛いシーンが多すぎて2度見る気にはならない。
ルーニー・マーラ、とても綺麗だ。
そのルーニー(ローズ)が、妊娠9ヶ月で海を泳いで(危なすぎます!)対岸で子供を産む。
追ってきた警官の証言で「子殺し」として隔離されるが・・。
「息子を殺していない!」と叫び続けるローズ。
電気ショックなどの虐待を受けたりして、記憶を失わないよう聖書の余白に日記を綴ってゆく。
以来、40年間、精神病棟に収容されている。
40年後、現在パートのローズはヴァネッサ・レッドグレイヴ。
ルーニーの雰囲気がありとても可愛い。役柄で悲しみをたたえているが、品があって綺麗なおばあ様だ。

ラストで運命の不思議さに驚くことになる。(もっと早くわかるべきだったと私は若干、不満。)
当時の政治情勢や、教会の対立などを理解してるとわかりやすいのかなと思う。
ご参考まで。

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ローズの眼力

投稿日:2018/10/17 レビュアー:飛べない魔女

とにかくルーニー・マーラーが美しすぎる!
あの眼力の瞳で見つめられたら
どんな男性もコロリでしょう。
美し過ぎたことが罪なのか?

アイルランドの片田舎の叔母の家に疎開してきたローズ。
その村では、男性の目を見ていいのはその妻だけだという閉鎖的な村。
美しいローズは神父をも虜にする。
パイロットのマイケルと恋に落ちるローズ。
それに嫉妬する神父。
そして起こった悲劇。

40年間もの間精神病院に収監されていたローラの生き様は
聖書の余白につれづれと綴ってありました。
信じていれば、待っていればいつかは訪れるかもしれない幸福だけをたよりに
生きてきた老いたローズをヴァネッサ・レッドグレイヴ が
これまた凛とした美しさで演じていました。

結局、あのイケメン神父は悪い人ではなかったということには
ちょっとほっとしましたが
もっと早く教えてあげてよ〜って思っちゃいましたよ。
あと、グリーン医師演じる、エリック・バナが素敵でした。

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聖書に刻み込まれた、この世の愛の記憶

投稿日:2018/10/15 レビュアー:hinakksk

 『しあわせの絵の具』が、あたたかな陽の愛の物語とすれば、この作品は、冷え冷えと悲しい陰の愛の記録。モードにとって描くことが生きることであったように、ローズにとっては書くこと(愛を忘れないよう記録すること)が生きることだった。

 若き日のローズが生き生きとして強く、誇り高く美しいのはもちろんのこと、ヴァネッサ・レッドグレイヴの演じる晩年のローズも、どんなに老いていようとも、凛として愛らしく、気品高く美しい。彼女の弾く、情熱を秘めた「月光」の、冴え冴えとしたピアノの音色のように。

 40年以上もの年月、不当に拘禁されて、どんなに酷く惨い非道な扱いを受けようとも、彼女は必死に自らの精神の孤高を保とうとし、ただひたすら夫と息子を信じ、たったひとつの愛を守り抜く。神の愛を記録した聖書に、この地上の愛を記憶し刻み込むのは、ゴーント神父やカトリック教会の偽善や自己欺瞞に対する大いなる皮肉だ。

 物語の半ばから、そうではないのかと感じていたのだが、最後に明らかとなる真実は、ローズが耐えた凄絶で過酷な40年余のパッションへの、神の恩寵のようにも思える。それとも、生き抜いたローズに対し、この世が報いる一筋の希望なのだろうか。

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マイケルの妻 ネタバレ

投稿日:2018/10/20 レビュアー:ポッシュ

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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(重大なネタバレあり。作品をご覧になってからお読みください)

美しい物語でした。

舞台は第二次世界大戦下のアイルランド。
ローズという名前の女性(ルーニー・マーラ)が、己の欲するままに恋をし、
古い因習の残る田舎で孤立していくところが、「ライアンの娘」(1970)を想起させる。
お相手が敵方の兵士(正確には違うのだけど、これは後述します)ってところなんかも符合する。

町を歩くだけで男どもを悩殺してしまうローズ。そういう自分を恥じるとか、或いは災厄のように感じて困惑するとか、
そんな内向きな心性が微塵もなく、常に顔を上げて、射るように人の目を見つめて話す、真っ直ぐな女性。

そんな彼女が、若い神父をも虜にしてしまった事から悲劇は始まる。
どうしても手の届かないローズに対し、嫉妬に狂った神父は彼女を「色情狂」と診断。
彼女は精神病院に強制入院させられてしまう・・・。

映画は、この病院で40年の年月を過ごした年老いたローズ(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)が、
転院のための再診断を受けるところから始まる。
教皇の命を受けて来院したグリーン医師(エリック・バナ)が狂言回しとなり、ローズの壮絶な半生が回想されるという構造。

シネマスコープの横広の画面に広がるアイルランドの荒涼とした風景が、心をとらえる。
「子殺し」の汚名を着せられたローズだが、窓辺に座る彼女の顔は、陽の光を真正面に浴びて白く輝いている。
一方、再診断など不要だと面倒がる病院長の顔には影が差して暗い。真理はどちらの側にあるのか
伺い知れる画(え)。
光と影を繊細に捉える室内シーンが美しくて、見惚れてしまった。
扉に続く奥の部屋を覗くようなカットが何度も出てきて、フェルメールの絵のようだった。
扉や壁で画面の多くを覆ってしまうマスキングの手法が冴えている。

そして、ラスト近くで判明する驚愕の事実。ここで、この物語の相貌は180度、変容する。
狂言回しだと思っていたグリーン医師が、突如として物語の中心に押し出される。
「子殺し」の話ではない。これは「子別れ」の話で、生き別れた子が母親を探し当てる物語だったのだ。

<補足>
ローズの恋の相手マイケルはアイルランド人のパイロット。同国人だが彼は親英派でイギリス空軍のパイロットに志願したから
アイルランドの民族主義者から敵とみなされ制裁を受けた、という事だと思います。ちょっと複雑。

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ローズの秘密の頁

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聖書に綴られたローズの記録

投稿日

2019/06/17

レビュアー

kazupon

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監督:ジム・シェリダン(2016年・アイルランド・108分)
原作:セバスチャン・バリー『The Secret Scripture(秘密の聖書)』

ローズの若い頃をルーニー・マーラ、晩年をヴァネッサ・レッドグレイヴが演じています。
息子殺しの容疑をかけられ、無実を訴え続けるるローズは、40年もの間、聖マラキ病院(精神病院)に閉じ込められていました。
取り壊しがきまった聖マラキ病院を精神科医のスティーヴン・グリーン(エリック・バナ)が、ローズの症状の再評価に訪れます。
その際、ローズが聖書の中に書き綴った「ローズ記」があることを知り、ローズの回想とともに物語が展開して行きます。
・・・   ・・・   ・・・   ・・・   
ナチスドイツがフランスを占領した1942年頃、ローズは北アイルランドの戦況を逃れて叔母を頼って疎開して来ます。
叔母は“禁酒ホテル”を経営。ローズは、そこで働きます。
(後にローズの夫となる)マイケル・マクナルティ(ジャック・レイナー)は、正反対の職業―タバコや酒を売っていました。
当時、英国空軍はパイロット不足で、新聞に「アイルランド人男性求む」と広告を出していました。
マイケルはそれに応募し、自分が帰るまで待っていて欲しいとローズに言い残します。

海で泳ぐローズを見つけ、ひとりの男が近づいて来ます。
彼が言うには、「この国で男の目を直接見て良いのは、その男の妻だけだ」と言います。
その言葉を聞いている間もローズは男の目を真っすぐに見つめています。
後日、その男はカトリックのゴーント神父だと分かりました。
ゴーント神父は、ローズが行く先々に現れ、ついにはローズに言い寄るジャックと喧嘩になります。
叔母は、「あなたには男をそそのかす力がある」と、ローズを森の中の小屋にひとりで住まわせます。
そして、やがて訪れる不幸な運命・・・(私はすべてゴーント神父のせいと恨みます)
・・・   ・・・   ・・・   ・・・
そもそも、ローズが精神病院に幽閉されることになったのは、
「ローズは邪悪ではないが強情で、男たちを惹きつける。彼女は色情症かも知れない」
という、ゴーント神父によるローズの評価が原因です。
また、ローズが臨月の身重で海を泳いで対岸に渡り、そこで出産した男の子を殺した罪に問われたのもゴーント神父のせいと思います。
ゴーント神父も自らそのことを認めてはいたのでしょう。
しかし、理性で己の感情を押さえつけることは出来なかった。
彼が晩年を迎えてやっと、ある人物に真実を伝え、さらにローズの再評価を依頼したのです。
せめてもの罪滅ぼしにはなったかも知れないけれど、遅すぎです。
いや、ローズが生きてる間に真実と出会えてよかったのかも知れないと、少々複雑な思いです。
中盤を過ぎた辺りから、ひょっとして・・という予感はありました。
聖書のくり抜いた場所に、マイケルの勲章がピッタリと納まって、物語も落ち着くところに落ち着きました。
ルーニー・マーラのひたむきでキラキラした美しさ、ヴァネッサ・レッドグレイヴの自分自身を失わず、マイケルの愛を疑わない凛とした強さ。
聖書の余白に綴られた日記と、文字の上に描かれた神父の似顔絵。
これらが、今後、私の中に残るであろう本作の印象です。

閉ざされた、ある女の真実

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2018/10/06

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なんの因果

(2016年製作・アイルランド)ジム・シェリダン監督
全体的によくわからない(笑)。← 笑ってる場合じゃ・・・ないです。ショボン・
なんだけど、辛いシーンが多すぎて2度見る気にはならない。
ルーニー・マーラ、とても綺麗だ。
そのルーニー(ローズ)が、妊娠9ヶ月で海を泳いで(危なすぎます!)対岸で子供を産む。
追ってきた警官の証言で「子殺し」として隔離されるが・・。
「息子を殺していない!」と叫び続けるローズ。
電気ショックなどの虐待を受けたりして、記憶を失わないよう聖書の余白に日記を綴ってゆく。
以来、40年間、精神病棟に収容されている。
40年後、現在パートのローズはヴァネッサ・レッドグレイヴ。
ルーニーの雰囲気がありとても可愛い。役柄で悲しみをたたえているが、品があって綺麗なおばあ様だ。

ラストで運命の不思議さに驚くことになる。(もっと早くわかるべきだったと私は若干、不満。)
当時の政治情勢や、教会の対立などを理解してるとわかりやすいのかなと思う。
ご参考まで。

ローズの眼力

投稿日

2018/10/17

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飛べない魔女

とにかくルーニー・マーラーが美しすぎる!
あの眼力の瞳で見つめられたら
どんな男性もコロリでしょう。
美し過ぎたことが罪なのか?

アイルランドの片田舎の叔母の家に疎開してきたローズ。
その村では、男性の目を見ていいのはその妻だけだという閉鎖的な村。
美しいローズは神父をも虜にする。
パイロットのマイケルと恋に落ちるローズ。
それに嫉妬する神父。
そして起こった悲劇。

40年間もの間精神病院に収監されていたローラの生き様は
聖書の余白につれづれと綴ってありました。
信じていれば、待っていればいつかは訪れるかもしれない幸福だけをたよりに
生きてきた老いたローズをヴァネッサ・レッドグレイヴ が
これまた凛とした美しさで演じていました。

結局、あのイケメン神父は悪い人ではなかったということには
ちょっとほっとしましたが
もっと早く教えてあげてよ〜って思っちゃいましたよ。
あと、グリーン医師演じる、エリック・バナが素敵でした。

聖書に刻み込まれた、この世の愛の記憶

投稿日

2018/10/15

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hinakksk

 『しあわせの絵の具』が、あたたかな陽の愛の物語とすれば、この作品は、冷え冷えと悲しい陰の愛の記録。モードにとって描くことが生きることであったように、ローズにとっては書くこと(愛を忘れないよう記録すること)が生きることだった。

 若き日のローズが生き生きとして強く、誇り高く美しいのはもちろんのこと、ヴァネッサ・レッドグレイヴの演じる晩年のローズも、どんなに老いていようとも、凛として愛らしく、気品高く美しい。彼女の弾く、情熱を秘めた「月光」の、冴え冴えとしたピアノの音色のように。

 40年以上もの年月、不当に拘禁されて、どんなに酷く惨い非道な扱いを受けようとも、彼女は必死に自らの精神の孤高を保とうとし、ただひたすら夫と息子を信じ、たったひとつの愛を守り抜く。神の愛を記録した聖書に、この地上の愛を記憶し刻み込むのは、ゴーント神父やカトリック教会の偽善や自己欺瞞に対する大いなる皮肉だ。

 物語の半ばから、そうではないのかと感じていたのだが、最後に明らかとなる真実は、ローズが耐えた凄絶で過酷な40年余のパッションへの、神の恩寵のようにも思える。それとも、生き抜いたローズに対し、この世が報いる一筋の希望なのだろうか。

マイケルの妻

投稿日

2018/10/20

レビュアー

ポッシュ

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(重大なネタバレあり。作品をご覧になってからお読みください)

美しい物語でした。

舞台は第二次世界大戦下のアイルランド。
ローズという名前の女性(ルーニー・マーラ)が、己の欲するままに恋をし、
古い因習の残る田舎で孤立していくところが、「ライアンの娘」(1970)を想起させる。
お相手が敵方の兵士(正確には違うのだけど、これは後述します)ってところなんかも符合する。

町を歩くだけで男どもを悩殺してしまうローズ。そういう自分を恥じるとか、或いは災厄のように感じて困惑するとか、
そんな内向きな心性が微塵もなく、常に顔を上げて、射るように人の目を見つめて話す、真っ直ぐな女性。

そんな彼女が、若い神父をも虜にしてしまった事から悲劇は始まる。
どうしても手の届かないローズに対し、嫉妬に狂った神父は彼女を「色情狂」と診断。
彼女は精神病院に強制入院させられてしまう・・・。

映画は、この病院で40年の年月を過ごした年老いたローズ(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)が、
転院のための再診断を受けるところから始まる。
教皇の命を受けて来院したグリーン医師(エリック・バナ)が狂言回しとなり、ローズの壮絶な半生が回想されるという構造。

シネマスコープの横広の画面に広がるアイルランドの荒涼とした風景が、心をとらえる。
「子殺し」の汚名を着せられたローズだが、窓辺に座る彼女の顔は、陽の光を真正面に浴びて白く輝いている。
一方、再診断など不要だと面倒がる病院長の顔には影が差して暗い。真理はどちらの側にあるのか
伺い知れる画(え)。
光と影を繊細に捉える室内シーンが美しくて、見惚れてしまった。
扉に続く奥の部屋を覗くようなカットが何度も出てきて、フェルメールの絵のようだった。
扉や壁で画面の多くを覆ってしまうマスキングの手法が冴えている。

そして、ラスト近くで判明する驚愕の事実。ここで、この物語の相貌は180度、変容する。
狂言回しだと思っていたグリーン医師が、突如として物語の中心に押し出される。
「子殺し」の話ではない。これは「子別れ」の話で、生き別れた子が母親を探し当てる物語だったのだ。

<補足>
ローズの恋の相手マイケルはアイルランド人のパイロット。同国人だが彼は親英派でイギリス空軍のパイロットに志願したから
アイルランドの民族主義者から敵とみなされ制裁を受けた、という事だと思います。ちょっと複雑。

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