泥棒貴族

1966年（アメリカ)犯罪コメディ映画。

マイケル・ケインの過去作がDVD化されて嬉しいです。
(先日は1967年作のスパイ・アクション映画・・『10億ドルの頭脳』を
観ました。

こちらはイギリス貴族夫妻(マイケル・ケイン&シャーリー・マクレーン)が、美術品の秘宝(彫像)を、アラブの富豪から盗み出す・・そういった
犯罪コメディです。

なぜ香港の踊り子ニコール(シャーリー・マクレーン)が、ハリー・ディーン(マイケル・ケイン)の泥棒の片棒を担ぐことになったのか？
それは、アラブの富豪シャベンダーの亡き妻に生き写しだったから・・・。

シャベンダーの夕食会に招待された2人は、邸宅への侵入方法や、
秘宝のありかを探りを入れて、速攻で盗もうとしますが、
マイケル・ケインの盗み道具はペンチにハンマーにライターとわずかなガソリン。
そのアナログさが、時代を感じさせて良いですね、逆に。

クールなマイケル・ケインと可愛いシャーリー・マクレーン。
2人が恋に落ちるのもお約束通り。

舞台となる香港や中東のセットも60年代の雰囲気を醸し出していて、
興味深いですね。
ラストのオチなんかも、なかなかオシャレです。

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またまた脚本家アルヴィン・サージェントを追いかけて観ました！

アラブの石油王からお宝の彫像を盗むという屈託のない泥棒バナシなので、
「ルパン三世」的に気楽に愉しめる作品ですね。
「ジュリア」（1977）と「普通の人々」（1980）でアカデミー脚色賞を獲ってる
アルヴィン・サージェントですが、こんな軽いエンタメもイケるとな。
とは言え、キャラの深みやセリフの妙など、やっぱり一味違いますぞ。

この大掛かりな作戦に巻き込まれるシャーリー・マクレーン。
石油王の亡き奥様にソックリという美貌を見込まれてスカウトされた彼女が、
意外にも聡明で機転が利いて大活躍してしまうという展開が、女子ゴコロをくすぐる。

一方、とりすました紳士然としたマイケル・ケイン。
練りに練った計画案を披露するところまでは切れ者風だったのが、いざ実践となると
案外ポンコツでヘマをしまくるというハズし具合もツボを押さえている。
エレベーターの中で一個の計画がオジャンになったとき、目が泳ぎまくってた
ケインがおっかしくて。クスクス笑ってしまった。
↑・・・と書いた後で本作を観返したところ、この目の動きは実は意味があったと分かりました。
　これについては余りにもネタバレ過ぎるのでコメント欄で。

もう、この美男美女のコンビを見てるだけで幸せな気分に浸れますー。
おしゃべりが止まらないシャーリーにすっかりペースを崩されてイライラする
ケインってのが可笑しい。気取ったイギリス英語で怒鳴ってる人って
なんであんなに滑稽に見えるんだろ。
前にYoutubeで“イギリスのご婦人が近所の工事音がうるさいって怒鳴り込んできた”
みたいな動画を見たけど、これもめっちゃ笑えた。
嫌味の破壊力がハンパないです、クイーンズ・イングリッシュって。

そんなこんなで中盤までは「こんなハズじゃ」っていうワチャワチャが続いて
それが後半に向けての踏切版となっているのです。
カンペキだった計画は覆されまくって一体どうなっちゃうの？という観客の心配と関心を
ググーッと引き付けておいて、そーくるかの後半戦は面白さが一気に加速。

さらにはターゲットとなる大富豪も、なかなかの食わせ物。
どの人物も物語が進むにつれて当初の印象をバンバン裏切ってくる。
見えている景色がクルクル変わる万華鏡のような面白さにグイグイ引き込まれてしまった。

まぁ〜、なにしろ、シャーリー・マクレーンの魅力ですかねー。
一見、ハスッパに見えて実は頭がよく、物事の本質を見抜いていそうな面差し。
ケインが買い与えたカラフルなチャイナドレスを着て泥棒計画に一役買っていた彼女は、
その時々のウソの色をまとっていたと。でも、真相を知って「犯罪に関わりたくない」と
一度は計画から降りようとするも、ケインを愛し始めていたので彼を翻意させるために戻ってくる。
決意も新たに現れた彼女は純白のイブニングドレスに身を包み、ヘアスタイルも
自分自身の好みに合わせ、これこそが本当の私、と表明している。
ため息出ちゃうくらいキレイ。

とにもかくにも美しいシャーリー・マクレーンの活躍をご堪能あれ！

　イギリス貴族を詐称するハリーが、綿密な（？）作戦を基に、アラブの大富豪から高価な美術品を盗み出す話。泥棒は２度（３度？）おいしい。

　大富豪の亡き妻に生き写しという理由で、訳もわからず泥棒計画に巻き込まれてしまうニコールだが、指示にいちいち反論する気ままなマイペースぶりや、彼女に振り回されて為す術なしのハリーの困惑ぶりが楽しい。しかも実践では彼女の方が機転が利き、ずっと有能で笑ってしまう。

　大富豪のシャバンダー氏はハリーより一枚も二枚も上手。作戦の予定は限りなく未定の状況で、はたしてこの大胆不敵な泥棒応用編は上手くいくのやら…？

　贋作が絡んでいる点といい、盗みのシチュエーションが似ている点といい、落ちがおしゃれなのも含めて、チャーミング度においては『おしゃれ泥棒』と双璧かも。古き佳き時代の雰囲気がします。

いやホント。予習して「本当のオチ」まで知ってはいけません。
視聴後にWiki読んだら、ネタばれしてるもんなぁ。

マイケル・ケインつながりで予習ナシで視聴。ソレがよかった。
1973年の「燃えよドラゴン」を思わせる（こっちが1966年で早いが）香港湾を望む風景でオープン。
ありゃりゃ。ドレフィス主任警部ことH・ロム！　さらに高田純二（違います！）
さらにさらに！　出迎えの「ホテル支配人」も見た顔だぞ〜〜
（分かった人はワタシと同じ宇宙大作戦ファン）
で、第1幕。「起」
「彼女がひとことも話さない？」と思ったら、こういう訳ね。S・マクレーンのオリエンタルな美しさ！
で、第2幕で「承・転」と2点3点観客の予想を超えて進展し、ここがS・マクレーンのキュートさ爆発。
「結」。
一応、「一つ前のオチ」でスッキリ解決。おしゃれである。
さらに！
あたくし、「一つ前のオチ」を見た瞬間に「最後のオチ」を空想しちゃったんだが…
…ですよねぇ。当然そう来るでしょ。
似たようなオチはこの手の美術品サギ話によくあると思いますが、さすが英国風に洒落てまとめました。

ラストが意外でおもしろい