いぬやしき

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原作は、奥浩哉氏の漫画。
因みに、「GANTZ」の作者でもある。
そう言えば、劇中、安堂の部屋の壁に「GANTZ」のポスターがあった。
2018年4月には、木梨憲武（犬屋敷）、佐藤健（獅子神）、本郷奏多（安堂）で実写映画が劇場公開された。

犬屋敷壱郎は、年齢は58歳だが見た目は老人という、白髪で老け顔の冴えないサラリーマンである。
獅子神 皓は、家族や友人にだけ心を開き、それ以外の人間には全く無関心な高校生だ。
この二人がある日、偶然にも同じ事故に巻き込まれてしまう。
その事故と言うのは、突如飛来したＵＦＯの墜落事故だった。
そして、二人は機械の体として生まれ変わってしまったのだ。
それぞれ、自分の体が機械であると自覚するのだが、その体が持つ能力の使い方、使い道は正反対だった。
二人は、現代医療では助からない重病の患者や怪我人を完治させる能力も持っていた。
犬屋敷は、人助けすることに力を使い、遠くで助けを求めている声が聞こえてくると駆け付けたり、病院に忍び込んで瀕死の患者を助け歩いていた。
犬屋敷は、誰かを助けた時に初めて自分の存在意義を見出していたのだ。
獅子神が人の命を助けたのは、唯一、彼の母を末期のすい臓ガンから救った時だった。
そして、彼が初めて人を殺したのは、親友の安堂をイジメから救う時だった。
獅子神は、ほとんどの力を殺戮するために使った。
獅子神は指鉄砲でバン！と撃つ真似をするだけで人を殺せるのだ。
獅子神が自分の「生」を実感できるのは、人を殺す時だけだった。
獅子神が殺人を繰り返していることを知った安堂は、自分をイジメから救ってくれた親友であろうと許すことが出来なかった。
獅子神と同じ力を持つ男が他にもいて、そちらは人の病気を治しているのを知ると猶更だった。
犬屋敷は安堂の依頼を受けて、獅子神の殺人を止めようとするが、獅子神の暴走は止まらない。
終盤、犬屋敷と獅子神の一騎打ち。
その時の獅子神の絞り出すような心の叫びが、虚しく悲しかった。
「俺が悪役で・・・何でじじいがヒーローなんだ！？」
それに対する犬屋敷の答えはこうだった。
「元々の持つ精神性なんだ。」と・・・
犬屋敷は、自身の一生を顧みて、見た目も性格も地味で他人からバカにされて来た意味を知るのだ。
この辺の哲学的（ちょっと大袈裟かも？）な犬屋敷の答えは、実際に犬屋敷の語りで聞いた方がいいだろう。
そんな時、巨大隕石が地球に向かって猛スピードで進んでいた。
このままでは激突を免れず、地球は滅亡の危機だった。
さて、獅子神が取った行動は？果たして犬屋敷は？地球と二人の運命は如何に？
と、講談風に締めくくっておく。（笑）
《声の出演》どなたも上手く、登場人物の個性に合っていたと思う。
犬屋敷・・・小日向文世
獅子神・・・村上虹郎
安堂・・・・本郷奏多

UFOの不時着事故で肉体を破壊された犬屋敷と獅子神だったが、宇宙人は
兵器ユニットを使用して彼らの体を復元する。
強力な兵器、機械の体となった二人だが、犬屋敷は人助け、獅子神は殺戮に
力を使うようになるのだった…
犬屋敷・小日向文世、獅子神・村上虹郎が演じています。

獅子神の幼馴染・安堂が好き。
安堂は、獅子神が殺人者と知って彼と絶交するという根性を見せる！
犬屋敷に獅子神の情報を与え、協力するようになる安堂。
人助けする犬屋敷に感動して、いちいち涙するし。滝涙ｗ
安堂を演じた本郷奏多が意外に上手くて驚く。

犬屋敷と獅子神の持つ能力、銃撃、飛行、ハッキング（これがすごい！）、
爆撃（これもすごい！）、治癒（どんな病も治す！神様に近い！）が、
スピード感と迫力をもって描かれています。

犬屋敷が、非行少年に社会的制裁を加えたり、暴力団を壊滅させたりするのに対し、
獅子神は、住宅に侵入して一家惨殺するのを皮切りに、ネット民、マスコミ、
警官を殺害、果ては日本に住む者全員を殺そうとする。
これらのシーンはエグいです…

機械の体になり「もう、人間ではなくなった」と思う犬屋敷と獅子神。
人間としての実感が得られる行為が、犬屋敷は「人助け」、
獅子神は「人殺し」だったのだ…

「なんでジジイがヒーローなんだ」という獅子神。知らんがな。
「親、恋人、友人だけが大事、他人はどうでもいい」って奴にヒーローは無理だろ。