ポリーナ、私を踊る

2016年(フランス／108分)

一人のダンサー・ポリーナが、自分の踊りを探し求める軌跡を、
ビターにストイックに描いています。
「ポリーナの理想の踊り」を探し求める姿は、ある時は自分勝手に見えるし、ある時は、痛々しい。
でも妥協しない姿が素晴らしい。
幼い時からボリショイ・バレー団のプリマを目指し両親と共に、
頑張ってきたのに、コンテンポラリーダンスに惹かれてフランスのバレー団に所属するが、心を開き切れない挫折の中、怪我をしてしまう。
ベルギーに渡って、お金も尽きて、バーのウェイトレスになったり、
堕ちてゆく予感もするが、ポリーナは踏ん張る。
ダンスがポリーナのすべてだから・・・ポリーナを支えるのも自分のダンスなのだ。
ラストにボーイフレンドと踊る前衛的なデュエットが胸を打つ。
この映画は甘くない。
シュガーレスです。
コンクールで優勝したり、愛が実ったり・・・そういう甘さは微塵もない・・・そこが潔い映画です。

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　最初に興ざめなことを言ってしまうと、舞台芸術の上演にはもの凄くお金がかかる。美術、衣装、音楽、照明、それに練習場所と練習時間の確保は必須。上演を前提とするダンスを志す人には、それに値するだけの情熱とストイックさが求められるということだ。

　ポリーナがダンスに献身し、心の声に従って、より自由なダンスへと移っていく過程はよく分かる。コンテンポラリーの舞台に衝撃を受け、ボリショイバレエを離れて南仏のバレエカンパニーに行くところまではとてもいいと思う。その後パートナーのボーイフレンドとぎくしゃくし、あげく怪我をして復帰したら、彼にはすでに新たなダンスパートナーがいる。指導者のリリアに主役を踊らせてほしいと直訴するが断られると、ストイックに努力するどころか、ここは私の場所ではないとばかりにコンテンポラリーをあっさりと捨てる。主役で踊る熱意以外には淡々としていて、とても当初の情熱や覚悟は感じられない。

　両親の期待を裏切ってまでも自分の心のダンスを求め、ついにはベルギーまで行くが、ポリーナ自身に説得性がないと、ベルギーでの彼女の艱難辛苦も、そしてその果てにある成功も響いてこない。クラシックバレエからコンテンポラリー、さらにモダンダンスへというポリーナの方向性からしても、所々に挿入された完成度の高いダンス、特に最後の雪のように静謐な美しい創作ダンスを見せるための映画ではないかと思えてくる。

てっきりバレリーナになる話かなと思って見ていたので全然違う展開で驚きました。ポリーナ役の女優さん少女時代はかわいいし、大人になった女性もすごくきれいだなと思いました。
彼女のダンスに対する情熱やストイックなところはすごいなと思いました。
でも、両親の気持ちを想うと複雑な気持ちになりました。ダンスの方向性が変わる気持ちは分かるけど、いきなり辞めるのではなく一度でもボリジョイバレイ団でステージに立って両親に見せてから自分の夢に向かっても良かったのではと思いました。
ダンスを見て気持ちが変わったんだと思うけど映画の感じから見ると彼と離れたくないからフランスに行くのかなと思ってしまったり、彼女がどうしても自分勝手にも見えてしまい少し残念に思えました。

でも踊ってるシーンはすごくきれいで見ていて感動しました。