誰のせいでもない

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誰のせいでもない / ジェームズ・フランコ
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「誰のせいでもない」 の解説・あらすじ・ストーリー

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解説・ストーリー

ヴィム・ヴェンダース監督によるヒューマンサスペンス。カナダ、モントリオール郊外。作家のトマスは恋人との関係がうまくいかず、執筆もスランプに陥っていた。そんなある日、雪深い道を車で走っていた彼は、飛び出してきた少年を轢いてしまい…。※PG12※一般告知解禁日:4月1日

「誰のせいでもない」 の作品情報

作品情報

製作年: 2015年
製作国: ドイツ/カナダ/フランス/スウェーデン/ノル
原題: EVERY THING WILL BE FINE

「誰のせいでもない」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

関連作品

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ロード・オブ・クエスト 〜ドラゴンとユニコーンの剣〜

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インターセクション

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1〜 5件 / 全5件

作家のパラドクス

投稿日:2017/07/25 レビュアー:裸足のラヴァース 2.0

冒頭の雪景色の中のジェームスフランコがとても良い 彼は俳優
としての存在感が増して来てるね ニコラスレイ「危険な場所で」の
ロバートライアンの雰囲気のノワールなのか 雪とヴェンダースの
記憶がないな しかし子供の交通事故死で「乱れ雲」か

あれ ストーリーがあるのね と ジェームスとシャーロットの傷を
共有する者通しのメロドラマになるか しかし語りの時間はすぐに
吹っ飛んでしまう 苦悩の時期とでもゆうべき時は過去の出来事に
シャーロットも舞台からしばし消え去る 宗教に逃げる女

改めて 物語の無いヴェンダース映画の魅力がじわりと頭をもたげて
くる アクションからエモーションを生じていく様な映画の運動とは
少し違う 奇妙な尻切れとんぼなフェードアウト 時間は二年四年と
どんどん飛んで行く

悲劇に意味はあったのか 人生の一齣 結局 時だけが過ぎて行くのか
ヴェンダースも この様な老年の心境を描く様になったのか レイの
「ニックスムーヴィ」アントニオーニの「愛のめぐりあい」を
想起することになる

ジェームスフランコはプロの作家として書かなければならない
それが芸術家の使命なのだ やけっぱちの行きどころなきピスと
物言わぬハグで この芸術家映画は静かに終わるだろう

本を書くことは恐ろしく まるである種の痛みを伴う病気と戦う
ようなものだ ージョージオーウェル

このレビューは気に入りましたか? 10人の会員が気に入ったと投稿しています

なんとなくとか、つかみどころがないとしか言えない

投稿日:2017/06/06 レビュアー:なんの因果

原題・EVERY THING WILL BE FINE(すべてうまくゆく、大丈夫)
まったりとした雪景色から始まった映像であるが、この調子で最後まである意味重苦しく
展開する。
作家の苦悩など凡人にはわからないものであろうが、終始トマス(ジェームズ・フランコ)の
苦しみ、苦痛?の顔が画面を支配する。
もっと、運命の機微とか因果のめぐり、のようなストーリーを予想したのであるが、
意外にも淡々と2年後4年後とすすむのである。

しかし、おかしくないか、坂道でソリ遊びをしているのに、母親(シャルロット)は室内で本を読んでいる。
車が通らない訳じゃないんだから、親は注意すべきだったであろう。
加害者トマスと被害者の親、というワクを越えて、ビミョーな親密とも言える会話をする二人だが、
私にはこのへんなかなか理解できない。
事故当時の恋人サラ(レイチェル・マクアダムス)は、少し老けたが可愛らしく、この人が
出るととりあえず明るくなる。
後半のパートナー・アン(マリ・ジョゼ・クローズ)は、神経症的な演技で気に障る部分も
あるのだが娘役が性格がカワイイのでなんとか持ってる印象。
シャルロット・ゲンズブールもよく演じていると思うし、役者は豪華だと思う。

しかし言いたい事は、すごく「細かいこと」なのであろう。
いろいろ考えさせるところはあると思うのだが、私のようなものには、結局、
よくわからん、というのが正直な感想。
地味というと怒られそうなので「緩やかな人間関係・苦悩とともに」とか。
おもしろいのかと言われると「それほどでも」としか言えませぬ。
映像とか景色とかは満点ではある。

このレビューは気に入りましたか? 8人の会員が気に入ったと投稿しています

なお、この世は 美しさをたたえ我々を包んでいてくれる ネタバレ

投稿日:2019/08/19 レビュアー:ポッシュ

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

作家が主人公の映画ってつい最近もなんか観たなーと思ったら「ライ麦畑の反逆児」でした。
サリンジャーは辛い戦争体験すらも糧にして作品に昇華させたんですよね。
「ライ麦畑の崖っぷちで、落っこちそうになる子ども達を片っ端からキャッチする人になりたい」
なんてナイーヴすぎる発想は、常人の健康なマインドからは出てこないだろうと思う。

で、こちらの作品。
新作が書けないスランプ状態の作家トマス(ジェームズ・フランコ)は、恋人と上手くいってない中、
交通事故で近所の子どもを死なせ、自暴自棄になって自殺未遂騒ぎまで起こす。
ここまではけっこうドラマティックな展開なのだけど、静謐な画(え)に物語が溶解するように
穏やかな空気に包まれている。ゆったりと横移動するカメラワークが印象的。
ワイドスクリーンに広がる雪景色や、色のトーンをそろえた室内シーンなど
(病室のターコイズブルーの美しさったら!)辛い出来事が重なっても、なお、この世は
美しさをたたえ我々を包んでいてくれる・・・という「世界の確かさ」みたいなものが感じられた。

不幸な事故の経験が作家としての飛躍につながり成功していくトマス。
前述のサリンジャーのように「死」に向き合ったことは、彼の中で何かが変わるきっかけとなったのか。
作中で編集者が言う。
「君たち作家のパラドックスは・・・何が起きても、それらが創造の源になる」

なるほど、この男は悲しみや苦しみのドン底にいても、どこかに冷めたもう一人の自分がいて、
物事を俯瞰で見たり鋭く観察しているような気がする。
そして、(たぶん)無意識のうちに、物語の主人公然とした行動を起こしている。
事故から数年経って事故現場を訪れ、被害者の母親に再会したのも、手助けがしたいのなんのと
言い訳してたけど、小説のネタ探しじゃなかったのかい?(これ、件の母親にもズバリ指摘されてる)

後半、遊園地で事故が起きたときに冷静に人命救助してたのも、なんとなく、
そんなメタ認知由来の行動に見える。(今度は奥さんにそこんとこ突かれる。「あなたは冷静過ぎる」と)

あの、いつも眠たげに目を細めてるところが、常に本心を隠して一歩引いた場所から
世の中を見てるように思えて仕方ない。

そのクセ、他人の感情には鈍感なとこが憎たらしい(苦笑)。
数年ぶりに再会した元恋人が「結婚して子どもがいる」と言えば、「願いがかなって良かったね」だと。
それまでホントに邪気なく再会を喜んでいた彼女の顔色がサッと変わる。レイチェル・マクアダムスの
繊細な演技が見もの。思わずピシャっと男の頬を打ったのは、
「私はあなたとの子どもが欲しかった・・・!」って事でしょう。

一つひとつのシーンが丁寧に積み重ねられて、登場人物それぞれの人生がずっしりとした
確かな実感をもって流れていく。ゆっくりと瞬きするようなフェイドアウト・フェイドインで
2年後、4年後と時間が飛びすさるが、性急な語りではない。

終盤、事故死した子の兄、当時はまだ小さかった男の子が学生になりトマスに連絡をしてくる。
この子の登場がトマスにちょっとした動揺を与え、少しサスペンスフルな展開になるのが面白い。
トマスに父親の面影を求めてグイグイ来る感じが、ちょっとコワくて次の行動が予測できないのだ。
そんな少年の事をけっこう邪険に扱うトマス。弟をひき殺しておいて、そりゃないんじゃね?
「本にサインを」ってねだられると、自分の名前だけジャッジャッと書いて終わりですよ。
思わず、「え?“クリストファーへ”って書いてくんないの?」みたいな顔つきでトマスを見る少年。
最後まで、他人の気持ちには寄り添えないままなのか?この男は?・・・っと不安になるが、
クライマックスで小さな事件が起きて、トマスは少年と和解する。
かつて、自分がこの親子に許してもらったように、自分もこの子を許そうと。
少年を見送ったトマスの顔に浮かぶ笑顔が、本当に暖かで柔らかで幸せそうだったので
見ている自分もちょっぴり幸せな気分になれた。

原題は「Every Thing Will Be Fine」
大丈夫、なんとかなるよ、全てうまく行くって・・・。
いい作品でした。

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許し許され誰かを思いやる心

投稿日:2017/06/30 レビュアー:飛べない魔女

なかなか奥の深い作品かもしれません。
主人公トマスの心の揺れ動きを11年に渡って描いていきます。
(その割には誰も老けず変わらない(笑))
雪道の中、考え事をしながら運転していたトマスは不意に飛び出してきたソリに
あわてて急ブレーキを踏みます。
恐る恐る車の前を見てみると、幼い少年クリストファーが放心状態で座り込んでいました。
ホッとして少年を家まで送るトマス。
ところがもう一人弟がいたことを知り愕然とします。

このことでトマスを責める人は誰もいません。
あれは起こりうるべくして起こった事故だと。
子供が車道で遊んでいたという事実は、親の責任にもなるでしょう。
現に母親もトマスを責めることなく、自分を悔いているようです。
その母親と加害者であるトマスの間に生まれる不思議な空気。
この二人の間に何か男女の発展が生まれるのかと想像しましたが
物語は安易にはそうはなりませんでした。
そもそも自分のことしか頭になかった小説家のトマスが
この事故をきっかけにして、
自分自身の中のどこか大切な心の一部分をも失ったようになっていきます。
その描き方は抽象的でよく判らないこともあるのですが
終始トマスを中心としての心理描写になっていきます。
そして終盤に起こるちょっとした変化。
ここもまたちょっと意味不明なのですが、
何故クリストファーがトマスを求めるのか
肩車をしてもらった記憶からくる父親像なのか?
ラストの彼の表情で何かがふっきれたことが判りちょっとホッとしました。
理解しずらいストーリーなるも
とてつもなく奥の深いストーリーのような気がします。

あ、あと”サスペンス”と紹介されていますが、特にサスペンスではないですので
あしからず。
そして、ジェームス・フランコ、やはりタイプです(笑)

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Fine with you.

投稿日:2017/06/20 レビュアー:casey25

主人公は作家である。そもそも作家として必要な資質は何であろうか? まず感受性が鋭いこと。感受性の鈍い作家など成功するわけがない。そして論理的であること。底に理性を感じさせない文章は説得力が無い。書くことに情熱があること。これなしには書き続けることはできない。
男はこれらの資質を備え自己の求めるものに忠実かつ正直に生きてきた。
しかしそれを本人以外から見れば自個中心的で思いやりがない男と映り人を傷つけ自らも深く傷つくこともあった。
しかし彼自身も子供を轢いたり結婚して妻の連れ子と一緒に暮らしたりして徐々に変わっていく。
非常に俗な表現をすれば少しづつ「丸くなっていく」のである。
そして
Everything will be fine with me.からEverything will be fine with youと自然に言えるように
なっていくのである。

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誰のせいでもない

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作家のパラドクス

投稿日

2017/07/25

レビュアー

裸足のラヴァース 2.0

冒頭の雪景色の中のジェームスフランコがとても良い 彼は俳優
としての存在感が増して来てるね ニコラスレイ「危険な場所で」の
ロバートライアンの雰囲気のノワールなのか 雪とヴェンダースの
記憶がないな しかし子供の交通事故死で「乱れ雲」か

あれ ストーリーがあるのね と ジェームスとシャーロットの傷を
共有する者通しのメロドラマになるか しかし語りの時間はすぐに
吹っ飛んでしまう 苦悩の時期とでもゆうべき時は過去の出来事に
シャーロットも舞台からしばし消え去る 宗教に逃げる女

改めて 物語の無いヴェンダース映画の魅力がじわりと頭をもたげて
くる アクションからエモーションを生じていく様な映画の運動とは
少し違う 奇妙な尻切れとんぼなフェードアウト 時間は二年四年と
どんどん飛んで行く

悲劇に意味はあったのか 人生の一齣 結局 時だけが過ぎて行くのか
ヴェンダースも この様な老年の心境を描く様になったのか レイの
「ニックスムーヴィ」アントニオーニの「愛のめぐりあい」を
想起することになる

ジェームスフランコはプロの作家として書かなければならない
それが芸術家の使命なのだ やけっぱちの行きどころなきピスと
物言わぬハグで この芸術家映画は静かに終わるだろう

本を書くことは恐ろしく まるである種の痛みを伴う病気と戦う
ようなものだ ージョージオーウェル

なんとなくとか、つかみどころがないとしか言えない

投稿日

2017/06/06

レビュアー

なんの因果

原題・EVERY THING WILL BE FINE(すべてうまくゆく、大丈夫)
まったりとした雪景色から始まった映像であるが、この調子で最後まである意味重苦しく
展開する。
作家の苦悩など凡人にはわからないものであろうが、終始トマス(ジェームズ・フランコ)の
苦しみ、苦痛?の顔が画面を支配する。
もっと、運命の機微とか因果のめぐり、のようなストーリーを予想したのであるが、
意外にも淡々と2年後4年後とすすむのである。

しかし、おかしくないか、坂道でソリ遊びをしているのに、母親(シャルロット)は室内で本を読んでいる。
車が通らない訳じゃないんだから、親は注意すべきだったであろう。
加害者トマスと被害者の親、というワクを越えて、ビミョーな親密とも言える会話をする二人だが、
私にはこのへんなかなか理解できない。
事故当時の恋人サラ(レイチェル・マクアダムス)は、少し老けたが可愛らしく、この人が
出るととりあえず明るくなる。
後半のパートナー・アン(マリ・ジョゼ・クローズ)は、神経症的な演技で気に障る部分も
あるのだが娘役が性格がカワイイのでなんとか持ってる印象。
シャルロット・ゲンズブールもよく演じていると思うし、役者は豪華だと思う。

しかし言いたい事は、すごく「細かいこと」なのであろう。
いろいろ考えさせるところはあると思うのだが、私のようなものには、結局、
よくわからん、というのが正直な感想。
地味というと怒られそうなので「緩やかな人間関係・苦悩とともに」とか。
おもしろいのかと言われると「それほどでも」としか言えませぬ。
映像とか景色とかは満点ではある。

なお、この世は 美しさをたたえ我々を包んでいてくれる

投稿日

2019/08/19

レビュアー

ポッシュ

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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作家が主人公の映画ってつい最近もなんか観たなーと思ったら「ライ麦畑の反逆児」でした。
サリンジャーは辛い戦争体験すらも糧にして作品に昇華させたんですよね。
「ライ麦畑の崖っぷちで、落っこちそうになる子ども達を片っ端からキャッチする人になりたい」
なんてナイーヴすぎる発想は、常人の健康なマインドからは出てこないだろうと思う。

で、こちらの作品。
新作が書けないスランプ状態の作家トマス(ジェームズ・フランコ)は、恋人と上手くいってない中、
交通事故で近所の子どもを死なせ、自暴自棄になって自殺未遂騒ぎまで起こす。
ここまではけっこうドラマティックな展開なのだけど、静謐な画(え)に物語が溶解するように
穏やかな空気に包まれている。ゆったりと横移動するカメラワークが印象的。
ワイドスクリーンに広がる雪景色や、色のトーンをそろえた室内シーンなど
(病室のターコイズブルーの美しさったら!)辛い出来事が重なっても、なお、この世は
美しさをたたえ我々を包んでいてくれる・・・という「世界の確かさ」みたいなものが感じられた。

不幸な事故の経験が作家としての飛躍につながり成功していくトマス。
前述のサリンジャーのように「死」に向き合ったことは、彼の中で何かが変わるきっかけとなったのか。
作中で編集者が言う。
「君たち作家のパラドックスは・・・何が起きても、それらが創造の源になる」

なるほど、この男は悲しみや苦しみのドン底にいても、どこかに冷めたもう一人の自分がいて、
物事を俯瞰で見たり鋭く観察しているような気がする。
そして、(たぶん)無意識のうちに、物語の主人公然とした行動を起こしている。
事故から数年経って事故現場を訪れ、被害者の母親に再会したのも、手助けがしたいのなんのと
言い訳してたけど、小説のネタ探しじゃなかったのかい?(これ、件の母親にもズバリ指摘されてる)

後半、遊園地で事故が起きたときに冷静に人命救助してたのも、なんとなく、
そんなメタ認知由来の行動に見える。(今度は奥さんにそこんとこ突かれる。「あなたは冷静過ぎる」と)

あの、いつも眠たげに目を細めてるところが、常に本心を隠して一歩引いた場所から
世の中を見てるように思えて仕方ない。

そのクセ、他人の感情には鈍感なとこが憎たらしい(苦笑)。
数年ぶりに再会した元恋人が「結婚して子どもがいる」と言えば、「願いがかなって良かったね」だと。
それまでホントに邪気なく再会を喜んでいた彼女の顔色がサッと変わる。レイチェル・マクアダムスの
繊細な演技が見もの。思わずピシャっと男の頬を打ったのは、
「私はあなたとの子どもが欲しかった・・・!」って事でしょう。

一つひとつのシーンが丁寧に積み重ねられて、登場人物それぞれの人生がずっしりとした
確かな実感をもって流れていく。ゆっくりと瞬きするようなフェイドアウト・フェイドインで
2年後、4年後と時間が飛びすさるが、性急な語りではない。

終盤、事故死した子の兄、当時はまだ小さかった男の子が学生になりトマスに連絡をしてくる。
この子の登場がトマスにちょっとした動揺を与え、少しサスペンスフルな展開になるのが面白い。
トマスに父親の面影を求めてグイグイ来る感じが、ちょっとコワくて次の行動が予測できないのだ。
そんな少年の事をけっこう邪険に扱うトマス。弟をひき殺しておいて、そりゃないんじゃね?
「本にサインを」ってねだられると、自分の名前だけジャッジャッと書いて終わりですよ。
思わず、「え?“クリストファーへ”って書いてくんないの?」みたいな顔つきでトマスを見る少年。
最後まで、他人の気持ちには寄り添えないままなのか?この男は?・・・っと不安になるが、
クライマックスで小さな事件が起きて、トマスは少年と和解する。
かつて、自分がこの親子に許してもらったように、自分もこの子を許そうと。
少年を見送ったトマスの顔に浮かぶ笑顔が、本当に暖かで柔らかで幸せそうだったので
見ている自分もちょっぴり幸せな気分になれた。

原題は「Every Thing Will Be Fine」
大丈夫、なんとかなるよ、全てうまく行くって・・・。
いい作品でした。

許し許され誰かを思いやる心

投稿日

2017/06/30

レビュアー

飛べない魔女

なかなか奥の深い作品かもしれません。
主人公トマスの心の揺れ動きを11年に渡って描いていきます。
(その割には誰も老けず変わらない(笑))
雪道の中、考え事をしながら運転していたトマスは不意に飛び出してきたソリに
あわてて急ブレーキを踏みます。
恐る恐る車の前を見てみると、幼い少年クリストファーが放心状態で座り込んでいました。
ホッとして少年を家まで送るトマス。
ところがもう一人弟がいたことを知り愕然とします。

このことでトマスを責める人は誰もいません。
あれは起こりうるべくして起こった事故だと。
子供が車道で遊んでいたという事実は、親の責任にもなるでしょう。
現に母親もトマスを責めることなく、自分を悔いているようです。
その母親と加害者であるトマスの間に生まれる不思議な空気。
この二人の間に何か男女の発展が生まれるのかと想像しましたが
物語は安易にはそうはなりませんでした。
そもそも自分のことしか頭になかった小説家のトマスが
この事故をきっかけにして、
自分自身の中のどこか大切な心の一部分をも失ったようになっていきます。
その描き方は抽象的でよく判らないこともあるのですが
終始トマスを中心としての心理描写になっていきます。
そして終盤に起こるちょっとした変化。
ここもまたちょっと意味不明なのですが、
何故クリストファーがトマスを求めるのか
肩車をしてもらった記憶からくる父親像なのか?
ラストの彼の表情で何かがふっきれたことが判りちょっとホッとしました。
理解しずらいストーリーなるも
とてつもなく奥の深いストーリーのような気がします。

あ、あと”サスペンス”と紹介されていますが、特にサスペンスではないですので
あしからず。
そして、ジェームス・フランコ、やはりタイプです(笑)

Fine with you.

投稿日

2017/06/20

レビュアー

casey25

主人公は作家である。そもそも作家として必要な資質は何であろうか? まず感受性が鋭いこと。感受性の鈍い作家など成功するわけがない。そして論理的であること。底に理性を感じさせない文章は説得力が無い。書くことに情熱があること。これなしには書き続けることはできない。
男はこれらの資質を備え自己の求めるものに忠実かつ正直に生きてきた。
しかしそれを本人以外から見れば自個中心的で思いやりがない男と映り人を傷つけ自らも深く傷つくこともあった。
しかし彼自身も子供を轢いたり結婚して妻の連れ子と一緒に暮らしたりして徐々に変わっていく。
非常に俗な表現をすれば少しづつ「丸くなっていく」のである。
そして
Everything will be fine with me.からEverything will be fine with youと自然に言えるように
なっていくのである。

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