ラバランチュラ２（ボルケーノ・スパイダー）

本作品は『ラバランチュラ／全員出動！』の続編。本作品は『ボルケーノ・スパイダー』だが、何故かセル版の邦題は、『ラバランチュラ２』となっている。調べてみたら、キャストは主要メンバーが続投している。なのに、どうしてレンタル版の邦題が違うんだ？(汗)

さて、本作品は、ガラクタのような作品だった。(笑)

いわゆる「ガラクタ」ってヤツは役には立たないが、何故だか欲しくなってしまうとか、そういう品のことである。フリマや骨董市なんかに並んでいる品は妙に魅力的だ。
いつだったか危うく馬鹿デカい鉄製のコーヒーミルを買ってしまいそうになったことがある。毎朝、珈琲を淹れているとはいえ、ミシンよりも大きなミルなんか使うワケがない。(笑)　でも、なんか、他を圧倒する大きさと重量は、それだけで持っている価値があるように思われ、ついつい売り主に値段を聞いてしまった。
破格に安かった。売り主の嘘か本当か分からない来歴と蘊蓄を聞いてグッと気持ちが傾いてしまった。長いこと逡巡し、なでたり叩いたりしていたが、結局買わなかった。理由は、とても一人では持ち上げられなかったから。(苦笑)
持ち上げることが出来ないものは持って帰れない。どう考えても、販売価格の何倍もの送料がかかる。何も運送会社に儲けさせてやることもあるまい、という理由で踏ん切った。
でも、いまでも、あのミルのことを思い出すと、「惜しいことをした」と唇を噛んでしまう。あれくらいムダで魅力的な品には滅多にお目にかかれない。

本作品も同じ。時間のムダだし、ひとつも学ぶべきところがない。でも、私には、抗いがたい魅力があるのだ。(苦笑)

――突然、地面から溶岩が吹き出し、フロリダの街フォートローダーデールを襲う。然も、火山弾と一緒に地上に現れたのは巨大な蜘蛛“ラバランチュラ”だった。
そのニュースを撮影中に聞いたＢ級俳優のコルトンは、仲間たちと一緒にヘリでフロリダに向かう。危険にさらされている義理の娘レイラを見つけ出し、フロリダを救うのだ。
……というお話し。

前作よりはパワーダウンしているのが残念。いまいちノリ切れていないように見える。こういう作品は、理屈抜きで勢いとスピード感とタイミングで圧しきらないといけない。

目を惹いたのは、ジミー・ベリンガーが出演していたこと。ディズニーチャンネルのＴＶシリーズ『うわさのツインズ／リブとマディ』にチョイ役で出演していた。もともと小太りで剽軽なお芝居をする子役だったが、大人になったら“ただのデブ”になってしまった。(汗)
子役は、そのままの姿カタチで大人になるから失敗するので、ジェリー・オコンネルみたいにダイエットと肉体改造をするとか、韓流スターのク○・サ○ウみたいに整形して似ても似つかないオバサマ好みのヤサ男に変身するとか、この際だから“女優”になってしまうとか、イメージを払拭するインパクトのある変化が必要だ。（ＬＧＢＴを揶揄しているワケではありませんので、念のため。悪しからずご了承下さい）

また、ＴＶシリーズ『BONES／骨は語る』で国務省の役人を演じたダニー・ウッドバーンも、コルトンのマネージャ役で出演している。彼もまたマイノリティだ。

アメリカやカナダのＴＶＭ等を観ていると、さまざまな人種の俳優さんが出て来る。障害を持つ方を積極的に起用したり、或いはマイノリティの世界をフィーチャーした脚本を採用したり、制作上の規定を厳格に実施している。裏側ではいろいろあるのかも知れないが、個人的には「スゴイなぁ」といつも感心している。どんな人種でも、どんな障害を持っていても、俳優としての矜持をもって堂々とカメラの前でハリウッドスターと渡り合う。

日本ではＴＶ番組のヤラセ問題がネットを賑わせているが、この違いは「何だろ？」と思わずタメ息が漏れてしまう。所詮はタレントのバラエティ番組だ、「他国の文化をバカにした」とか糾弾するレベルじゃないと思う。そもそもが、短時間で作ってタレ流しされる番組に、真実や事実を求める方が間違っている。製作サイドの意向で、都合のいいように編集されてしまっているのだから……。ガラクタ市にすら並べられないモノばかりだと思うぞ。

ラバランチュラやスペクタクルシーンのＣＧやＶＦＸは、相変わらずチープだ。見どころとしては『ジュラシック・パーク』等のパロディを随所に盛り込んでいるところではなかろうか。
厨房で子供たちがラプトルから隠れるシーンと同じカット割りと編集で見せ、その後に横断幕が落ちて来たのを見て思わず笑ってしまった。(笑)　『３』があるのかどうかは知らないが、続きを撮るなら、ラスベガスか東京を舞台にして欲しいなぁ。(笑)

とは言え、あくまでもガラクタですから、ヒトサマにはオススメ致しません！

相変わらずのノリで楽しかった
理屈は抜きです