沈まぬ太陽

映画版は上映時間の制約があるのでかなり駆け足、省略なのは致し方ないのだが、その点でもこのWOWWOWドラマ版はじっくり時間をかけて細部まで描いたので遙かに出来がいい。面子もこちらの方が全然合っている。特に上川隆也は山崎豊子の作品に適役である。しかし、自分がここで書きたいのは最近偶然知った「日航１２３便墜落の新事実」というこの事故(事件)の原因を追求したノンフィクション本についてだ。この本は当時日航でスチュワーデスだった著者がこの件で同僚、先輩・後輩のスチュワーデスを亡くした無念から自ら真相を求めて追求した力作である。内容には本当驚かされた。事故から３６年も経って初めて自分はこんな事故(事件)原因の疑惑があったのを知った。公では機体後方の圧力隔壁を製造元のボーイング社が修理点検ミスした事により離陸後直ぐに破損し垂直尾翼が吹き飛んで蛇行飛行しながら墜落したというのが定説だと云われていたので自分はそうとばかり思っていたのに、この本の告発には本当驚かされた。特に迷走飛行中の１２３便の後方でファントム戦闘機２機が追尾していたという多くの現地の地上からの目撃証言だ。更に１２３便は米軍もしくは自衛隊が絡んで訓練用のオレンジ色のミサイルを誤射した事で機体が破損し蛇行迷走飛行をして遂に墜落に繋がった疑いがあるという驚きの内容である。(機内から発見された乗客が撮った思われる写真に実体不明のオレンジ色の物体が写っているそうだ。) 更にその真夜中、まだ公には特定されていなかった墜落現場上空をヘリコプターが複数停滞飛行していたという現地住民の目撃証言である。著者の推理は現場の何か都合の悪い撃墜証拠隠滅の為にまだ生存者もいたであろうに、特定箇所を黒コゲで殆ど灰になるまで引火した事で現場にガソリンとタールの臭いが充満してこれが軍用の武器でゲル状燃料ではという驚きの疑惑だ。墜落現場近くの住民が場所が近いから概ね位置が分かっていたのに何故、公は直ぐに特定出来ずに迷走したのか？　政府はこの日、救助に向かう協力態勢を整えてスタンバイしていた消防等関係先の申し出を断り、自衛隊は夜間活動も訓練された部隊を現場にその夜、派遣しなかったたそうだ。自分がリアルタイムではっきり記憶しているのは当時、墜落箇所が夜通し特定出来ず情報が迷走していて判明したのが夜明け頃だったという事だ。これはその定説を根本から覆している。自分が憶えているのは当時の週刊誌に現場で黒コゲで形だけ人の容姿をかろうじて保っていたおぞましい墜落現場の写真である。墜落直後はまだ息があった乗客が結構いたのは生存者の証言からも分かっている。それを救助もせずに見殺しにして証拠を潰して逃げ去るとは何なんだ?　こんな疑惑を当時マスコミが大きくというか全く取り上げなかったのは何故だ?

本を基本に丁寧に描かれていて気を抜かずに最後まで見ました。
俳優陣も素晴らしいです。