黄金のアデーレ 名画の帰還 / ヘレン・ミレン
黄金のアデーレ 名画の帰還
/サイモン・カーティス
平均評価点:
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全体の平均評価点: (5点満点)
(25)
解説・ストーリー
驚きの実話を基に、ナチスに略奪されたクリムトの名画“黄金のアデーレ”の正当な持ち主として名乗り出た82歳の女性が、駆け出し弁護士とともにオーストリア政府を相手に一歩も引かない返還闘争を繰り広げるさまを描いた感動のドラマ。主演はヘレン・ミレン、共演にライアン・レイノルズ。監督は「マリリン 7日間の恋」のサイモン・カーティス。1998年、アメリカに暮らす82歳のユダヤ人女性マリアは、亡くなった姉ルイーゼがオーストリア政府に対して“黄金のアデーレ”の返還を求めていたことを知る。それはマリアの伯母アデーレの肖像画で、第二次世界大戦中にナチスに略奪されたものだった。マリアは駆け出しの弁護士ランディに協力を仰ぎ、オーストリア政府相手に返還闘争を開始するが…。 JAN:4532612121027
驚きの実話を基に、ナチスに略奪されたクリムトの名画“黄金のアデーレ”の正当な持ち主として名乗り出た82歳の女性が、駆け出し弁護士とともにオーストリア政府を相手に一歩も引かない返還闘争を繰り広げるさまを描いた感動のドラマ。主演はヘレン・ミレン、共演にライアン・レイノルズ。監督は「マリリン 7日間の恋」のサイモン・カーティス。1998年、アメリカに暮らす82歳のユダヤ人女性マリアは、亡くなった姉ルイーゼがオーストリア政府に対して“黄金のアデーレ”の返還を求めていたことを知る。それはマリアの伯母アデーレの肖像画で、第二次世界大戦中にナチスに略奪されたものだった。マリアは駆け出しの弁護士ランディに協力を仰ぎ、オーストリア政府相手に返還闘争を開始するが…。 JAN:4532612121027
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「黄金のアデーレ 名画の帰還」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
驚きの実話を基に、ナチスに略奪されたクリムトの名画“黄金のアデーレ”の正当な持ち主として名乗り出た82歳の女性が、駆け出し弁護士とともにオーストリア政府を相手に一歩も引かない返還闘争を繰り広げるさまを描いた感動のドラマ。主演はヘレン・ミレン、共演にライアン・レイノルズ。監督は「マリリン 7日間の恋」のサイモン・カーティス。1998年、アメリカに暮らす82歳のユダヤ人女性マリアは、亡くなった姉ルイーゼがオーストリア政府に対して“黄金のアデーレ”の返還を求めていたことを知る。それはマリアの伯母アデーレの肖像画で、第二次世界大戦中にナチスに略奪されたものだった。マリアは駆け出しの弁護士ランディに協力を仰ぎ、オーストリア政府相手に返還闘争を開始するが…。 JAN:4532612121027
「黄金のアデーレ 名画の帰還」 の作品情報
「黄金のアデーレ 名画の帰還」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
黄金のアデーレ 名画の帰還の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
109分 |
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レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
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CPDP12198 |
2016年05月27日
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在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
52枚
|
0人
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0人
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【Blu-ray】黄金のアデーレ 名画の帰還(ブルーレイ)の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
109分 |
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レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
CPBP12199 |
2016年05月27日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
24枚
|
1人
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0人
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黄金のアデーレ 名画の帰還の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
109分 |
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レンタル開始日: |
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CPDP12198 |
2016年05月27日
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在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
52枚
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収録時間: |
字幕: |
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109分 |
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レンタル開始日: |
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CPBP12199 |
2016年05月27日
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1位登録者: |
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ユーザーレビュー:25件
歴史秘話
グスタフ・クリムトが描いた世界的名画「黄金のアデーレ」をめぐって実際に起こった裁判と「黄金のアデーレ」に秘められた数奇な物語を、ヘレン・ミレン主演で描きます。
アメリカに住む82歳のマリア・アルトマンがオーストリア政府を相手に裁判を起こします。世界中を驚かせたその裁判は、クリムトが描いたマリアの叔母アデーレの肖像画「黄金のアデーレ」の返還要求でした。ナチス統治下のオーストリアで、ナチスによって奪われたその名画には、マリア自身と彼女を取り巻く人々のさまざまな記憶が詰まっていました。
ナチスによってすべてを奪われた女性が、オーストリア政府を相手に訴訟を起こす話と共に、祖国を追われた女性が家族の尊厳を取り戻すまでの哀しい物語。
ウィーンのベルヴェデーレ美術館に飾られていた象徴的な名画が個人から不当に奪われたものだったとは!びっくりです。
戦争がもたらした悲劇がこの名画にも関わっていたことを知ります。
それは深い悲しみと喪失を封じ込めて生きて来たマリアが勇気を振り絞って過去と対峙した話でもありました。
同時に、新米弁護士のランディがマリアの心の傷の深さに気づき、芯のある弁護士に成長した話でもありました。
このレビューは気に入りましたか?
29人の会員が気に入ったと投稿しています
アデーレは確かに『家族の居間に』掛けられていた
毅然としたヘレン・ミレンと、共に戦う新米弁護士のランディ
(ライアン・レイノルズ)の最強コンビが、とても良かった。
そして何よりクリムトの名画(アデーレ)が素晴らしい。
クリムトの後援者だったマリア(ヘレン・ミレン)の叔父が、
妻(マリアの叔母)の肖像画を、描かせたのが『アギーレ』である。
その美しさとクリムトの独創性は図抜けている。
ほぼ正方形(138cm×138cm)で金箔が多用され絢爛豪華そして、
頽廃と官能を、秘めている。
オーストラリア政府をして『オートリアのモナリザ』と言わしめた
国宝級の絵画である。
マリアが取り戻そうと決意した当時はオートリアの美術館の所蔵品だった。
しかしそれは、家族の居間に掛けられていたものを、
ナチスドイツが、壁から引き剥がして持ち去った『絵画』なのである。
訴訟は国家間の難しい法律も絡み、裁判は始めオートリアで開かれ、
次にアメリカで開かれ、更にオーストリアに戻って開かれる。
勝ち目は無かった。しかし・・・
この国宝級の絵画は到底、個人の所有物の枠を超えています。
『居間』ではなく当然『美術館が所有し、一般に公開されるべき作品
です。
ただマリアのオーストリア脱出劇のスリル、
亡命したアメリカでひっそりカリフォルニアのブティックを経営する
一人のユダヤ人女性のマリア、
軽い気持で引き受けた『名画奪還』の裁判にのめり込む
新米弁護士ランディ・シェーンベルク(実際に大作曲家シェーンベルクの子孫なのです)、
人間ドラマとしてもとても魅力的な映画です。
やはりナチスの行った悪行が、こんなドラマを生んだのですが、
オーストリア生まれのクリムトなら、どの国の美術館に
飾られたいと、願うでしょう。
観終わって複雑な気持になりますよね。
このレビューは気に入りましたか?
10人の会員が気に入ったと投稿しています
尊厳を取り戻す。
クリムトがだいすきだ。
約20年前にたまたま立ち寄ったウィーンで分離派美術館、ヴェルヴェデーレ宮殿で
生で見たクリムトの作品群にがつんとやられたのがきっかけだ。
ヴェルヴェデーレ宮殿はだだっぴろく、観光客はわたしと友人くらいで、
しーんと静まり返った宮殿の中でたくさんのクリムト作品を見ることができた。
小作から大作まで、緻密でうつくしい独特の世界に圧倒された。
その際にもちろん、「黄金のアディーレ」も鑑賞している。
今日まで、恥ずかしいことに、わたしがそこで見たクリムトの作品群は
あのナチスによって略奪されたものとは全く知らなかった。
同じ旅で、ナチスが作ったユダヤ人収容所を見に、ミュンヘンのダッハウまで訪れている。
陰鬱で人の苦しみや悔しさ、悲しさ、死がこびりついた薄黒い建物に、言葉を失いぞっとした。
主人公マリア(ヘレン・ミレン)は、ウィーンで幼少期を過ごしたユダヤ人だ。
裕福な家庭で穏やかな生活をしていたが、戦争でナチスが台頭、その勢力はオーストリアにまで及び、家財はすべてナチスに没収される。
その中に、マリアの伯母、アディーレをクリムトに描かせたあの名画が含まれていた。
幼いマリアにやさしかった伯母。
のぼりたつような美しさをもった伯母を、マリアは幼心に憧れをもって見ていた。
その一族の在りし日を思い起こさせる宝をナチスに奪われ、その後オーストリアの所有物となった。
戦渦を逃れ、マリアはアメリカで静かに余生を送っていた。
82才。
ところが亡くなった姉があの、クリムトに描いてもらった伯母の絵を取り戻そうとしていたことを知る。
そこからマリアは大きな決心をする。
オーストリアという国家相手に、クリムトの名作を取り戻すという行動を起こすのだ。
これは実話だ。
こんな裁判があったなんて全く知らなかった。
なぜ今更。
そう思う人もいるだろう。
取り戻したあと、売却したことに反感をもつ人もいるだろう。
でも、マリアを責めることができる人なんて誰もいないんじゃないだろうか。
ユダヤの血を否定され、蔑まされ、人間扱いすらされなかった現実。
自分のいえに土足で上がり込まれ、次々に奪われていく理不尽な行為。
生き延びることのできたわずかな親族もバラバラになってしまった。
自分たちの尊厳を取り戻したい。
誇りを取り戻したい。
それだけじゃないだろうか。
難しい歴史や、複雑に入り組んだ裁判や、ウィーンでのユダヤ人の扱い、名画の行く末を、
サイモン・カーティス監督は分かりやすく、暗くなりすぎず、うまくまとめている。
自分が実際目にした、ヴェルヴェデーレ宮殿にあったクリムトのあの名画にこんな悲しい過去が
あったなんて、まったく知らなかった。
現在はアメリカの小さな美術館に収められているらしい。
ちらっとその画像を見た。
これはわたしの個人的な意見だけど、「黄金のアディーレ」はヴェルヴェデーレ宮殿の、
あの天上が高く、だだっぴろい空間によく映える。
戻るべきところに戻ったのかもしれないけれど、
ヴェルヴェデーレ宮殿に飾られている方が、あの作品はより神々しく映える気がしてしょうがない。
難しいところだ。
このレビューは気に入りましたか?
6人の会員が気に入ったと投稿しています
同じテーマの「ミケランジェロプロジェクト」より数倍いい
オンライン試写会にて鑑賞。
同じ頃に見たばかりの「ミケランジェロプロジェクト」と同じテーマでしたが
こちらのほうが作品的にはだいぶ掘り下げられていたように思います。
ナチスに奪われたおばの肖像画(クリムト作)の返還を求め、裁判を起こした女性の話。
事実をもとにした映画なので、絵を取り戻せることはわかっているんですが、
そこに至るまで本当にいろんなことがあり、人物の心情も深く描かれてて見ごたえがありました。
時々挟み込まれる回想シーンも緊迫感があって、胸が詰まる思いでした。
キャストも、主人公のヘレン・ミレンはいつもどおりすばらしい演技だったし、
弁護士役のライアン・レイノルズは、すごくデキる弁護士には到底見えないんだけど
逆にそれがよかった気がします。
「真実を知ること」「人としてまっとうに生きること」の大切さを改めて感じました。
誤りに気づいた時点で、できることもある。
人は強い意志をもって正しいことをすべきであり、それができる世の中であってほしいと思いました。
このレビューは気に入りましたか?
6人の会員が気に入ったと投稿しています
絵は絵に非ず:レゾンデートルを賭した闘い
家族の過去の栄華と悪夢を甦らせる1枚の肖像画をめぐって、人間が生きることの尊厳と矜持を描いた、すばらしい映画。
叔父フェルディナントが愛の証にクリムトに描いてもらった妻アデーレの肖像画。それは、家族の幸福と美と繁栄の象徴として、オーストリアに住む裕福なユダヤ人、ブロッホ=バウアー家の壁に飾られていた。ナチの迫害を逃れて亡命し、アメリカに住むマリアは、1998年に亡くなった姉の遺した手紙から、ナチによって簒奪されたその絵画を姉が取り戻そうとしていたことを知る。マリアは姉の遺志を継ごうと決意して、親友の息子で弁護士のランディに依頼する。
過去の記憶を死なせたくないと、二度と戻らないと誓っていたオーストリアを再訪さえして、ランディと共に奔走するが、今ではオーストリアの至宝となっている絵画を取り戻すことは容易ではない。叔母アデーレを描いた絵は、単なる家族の思い出や高価な美術品というにとどまらず、おぞましい過去の許されざる不正義の象徴なのだ。不正取得されたままの美しい肖像画は、若きランディの胸の底に封印されていた、やり場のない悲しみや怒りをもまた甦らせる。
言い知れない怒りと、自らのアイデンティティのためにもそれは絶対に正さなければならないという激しく強い思いが、彼を突き動かす。理解ある妻のサポートを得て、職も投げうって、心身を消耗する長期戦の裁判に躊躇するマリアを説得しつつ、彼は絵画奪還に邁進する。調停での、不正取得を認めてくれさえすれば肖像画はオーストリアに残してもいいというマリアの提案にすら、オーストリアの美術館側は鼻で笑ってにべもなく拒絶する。マリアやランディの思いの深さを考えれば、「黄金のアデーレ」が現在アメリカにあるのは当然だろう。
マリアを演じた、毅然として誇り高いヘレン・ミレンが実に見事だ。
このレビューは気に入りましたか?
5人の会員が気に入ったと投稿しています
ユーザーレビュー
歴史秘話
投稿日
2016/05/15
レビュアー
ミルクチョコ
グスタフ・クリムトが描いた世界的名画「黄金のアデーレ」をめぐって実際に起こった裁判と「黄金のアデーレ」に秘められた数奇な物語を、ヘレン・ミレン主演で描きます。
アメリカに住む82歳のマリア・アルトマンがオーストリア政府を相手に裁判を起こします。世界中を驚かせたその裁判は、クリムトが描いたマリアの叔母アデーレの肖像画「黄金のアデーレ」の返還要求でした。ナチス統治下のオーストリアで、ナチスによって奪われたその名画には、マリア自身と彼女を取り巻く人々のさまざまな記憶が詰まっていました。
ナチスによってすべてを奪われた女性が、オーストリア政府を相手に訴訟を起こす話と共に、祖国を追われた女性が家族の尊厳を取り戻すまでの哀しい物語。
ウィーンのベルヴェデーレ美術館に飾られていた象徴的な名画が個人から不当に奪われたものだったとは!びっくりです。
戦争がもたらした悲劇がこの名画にも関わっていたことを知ります。
それは深い悲しみと喪失を封じ込めて生きて来たマリアが勇気を振り絞って過去と対峙した話でもありました。
同時に、新米弁護士のランディがマリアの心の傷の深さに気づき、芯のある弁護士に成長した話でもありました。
アデーレは確かに『家族の居間に』掛けられていた
投稿日
2016/04/28
レビュアー
カマンベール
毅然としたヘレン・ミレンと、共に戦う新米弁護士のランディ
(ライアン・レイノルズ)の最強コンビが、とても良かった。
そして何よりクリムトの名画(アデーレ)が素晴らしい。
クリムトの後援者だったマリア(ヘレン・ミレン)の叔父が、
妻(マリアの叔母)の肖像画を、描かせたのが『アギーレ』である。
その美しさとクリムトの独創性は図抜けている。
ほぼ正方形(138cm×138cm)で金箔が多用され絢爛豪華そして、
頽廃と官能を、秘めている。
オーストラリア政府をして『オートリアのモナリザ』と言わしめた
国宝級の絵画である。
マリアが取り戻そうと決意した当時はオートリアの美術館の所蔵品だった。
しかしそれは、家族の居間に掛けられていたものを、
ナチスドイツが、壁から引き剥がして持ち去った『絵画』なのである。
訴訟は国家間の難しい法律も絡み、裁判は始めオートリアで開かれ、
次にアメリカで開かれ、更にオーストリアに戻って開かれる。
勝ち目は無かった。しかし・・・
この国宝級の絵画は到底、個人の所有物の枠を超えています。
『居間』ではなく当然『美術館が所有し、一般に公開されるべき作品
です。
ただマリアのオーストリア脱出劇のスリル、
亡命したアメリカでひっそりカリフォルニアのブティックを経営する
一人のユダヤ人女性のマリア、
軽い気持で引き受けた『名画奪還』の裁判にのめり込む
新米弁護士ランディ・シェーンベルク(実際に大作曲家シェーンベルクの子孫なのです)、
人間ドラマとしてもとても魅力的な映画です。
やはりナチスの行った悪行が、こんなドラマを生んだのですが、
オーストリア生まれのクリムトなら、どの国の美術館に
飾られたいと、願うでしょう。
観終わって複雑な気持になりますよね。
尊厳を取り戻す。
投稿日
2016/06/28
レビュアー
真
クリムトがだいすきだ。
約20年前にたまたま立ち寄ったウィーンで分離派美術館、ヴェルヴェデーレ宮殿で
生で見たクリムトの作品群にがつんとやられたのがきっかけだ。
ヴェルヴェデーレ宮殿はだだっぴろく、観光客はわたしと友人くらいで、
しーんと静まり返った宮殿の中でたくさんのクリムト作品を見ることができた。
小作から大作まで、緻密でうつくしい独特の世界に圧倒された。
その際にもちろん、「黄金のアディーレ」も鑑賞している。
今日まで、恥ずかしいことに、わたしがそこで見たクリムトの作品群は
あのナチスによって略奪されたものとは全く知らなかった。
同じ旅で、ナチスが作ったユダヤ人収容所を見に、ミュンヘンのダッハウまで訪れている。
陰鬱で人の苦しみや悔しさ、悲しさ、死がこびりついた薄黒い建物に、言葉を失いぞっとした。
主人公マリア(ヘレン・ミレン)は、ウィーンで幼少期を過ごしたユダヤ人だ。
裕福な家庭で穏やかな生活をしていたが、戦争でナチスが台頭、その勢力はオーストリアにまで及び、家財はすべてナチスに没収される。
その中に、マリアの伯母、アディーレをクリムトに描かせたあの名画が含まれていた。
幼いマリアにやさしかった伯母。
のぼりたつような美しさをもった伯母を、マリアは幼心に憧れをもって見ていた。
その一族の在りし日を思い起こさせる宝をナチスに奪われ、その後オーストリアの所有物となった。
戦渦を逃れ、マリアはアメリカで静かに余生を送っていた。
82才。
ところが亡くなった姉があの、クリムトに描いてもらった伯母の絵を取り戻そうとしていたことを知る。
そこからマリアは大きな決心をする。
オーストリアという国家相手に、クリムトの名作を取り戻すという行動を起こすのだ。
これは実話だ。
こんな裁判があったなんて全く知らなかった。
なぜ今更。
そう思う人もいるだろう。
取り戻したあと、売却したことに反感をもつ人もいるだろう。
でも、マリアを責めることができる人なんて誰もいないんじゃないだろうか。
ユダヤの血を否定され、蔑まされ、人間扱いすらされなかった現実。
自分のいえに土足で上がり込まれ、次々に奪われていく理不尽な行為。
生き延びることのできたわずかな親族もバラバラになってしまった。
自分たちの尊厳を取り戻したい。
誇りを取り戻したい。
それだけじゃないだろうか。
難しい歴史や、複雑に入り組んだ裁判や、ウィーンでのユダヤ人の扱い、名画の行く末を、
サイモン・カーティス監督は分かりやすく、暗くなりすぎず、うまくまとめている。
自分が実際目にした、ヴェルヴェデーレ宮殿にあったクリムトのあの名画にこんな悲しい過去が
あったなんて、まったく知らなかった。
現在はアメリカの小さな美術館に収められているらしい。
ちらっとその画像を見た。
これはわたしの個人的な意見だけど、「黄金のアディーレ」はヴェルヴェデーレ宮殿の、
あの天上が高く、だだっぴろい空間によく映える。
戻るべきところに戻ったのかもしれないけれど、
ヴェルヴェデーレ宮殿に飾られている方が、あの作品はより神々しく映える気がしてしょうがない。
難しいところだ。
同じテーマの「ミケランジェロプロジェクト」より数倍いい
投稿日
2016/05/25
レビュアー
みなみ
オンライン試写会にて鑑賞。
同じ頃に見たばかりの「ミケランジェロプロジェクト」と同じテーマでしたが
こちらのほうが作品的にはだいぶ掘り下げられていたように思います。
ナチスに奪われたおばの肖像画(クリムト作)の返還を求め、裁判を起こした女性の話。
事実をもとにした映画なので、絵を取り戻せることはわかっているんですが、
そこに至るまで本当にいろんなことがあり、人物の心情も深く描かれてて見ごたえがありました。
時々挟み込まれる回想シーンも緊迫感があって、胸が詰まる思いでした。
キャストも、主人公のヘレン・ミレンはいつもどおりすばらしい演技だったし、
弁護士役のライアン・レイノルズは、すごくデキる弁護士には到底見えないんだけど
逆にそれがよかった気がします。
「真実を知ること」「人としてまっとうに生きること」の大切さを改めて感じました。
誤りに気づいた時点で、できることもある。
人は強い意志をもって正しいことをすべきであり、それができる世の中であってほしいと思いました。
絵は絵に非ず:レゾンデートルを賭した闘い
投稿日
2019/07/05
レビュアー
hinakksk
家族の過去の栄華と悪夢を甦らせる1枚の肖像画をめぐって、人間が生きることの尊厳と矜持を描いた、すばらしい映画。
叔父フェルディナントが愛の証にクリムトに描いてもらった妻アデーレの肖像画。それは、家族の幸福と美と繁栄の象徴として、オーストリアに住む裕福なユダヤ人、ブロッホ=バウアー家の壁に飾られていた。ナチの迫害を逃れて亡命し、アメリカに住むマリアは、1998年に亡くなった姉の遺した手紙から、ナチによって簒奪されたその絵画を姉が取り戻そうとしていたことを知る。マリアは姉の遺志を継ごうと決意して、親友の息子で弁護士のランディに依頼する。
過去の記憶を死なせたくないと、二度と戻らないと誓っていたオーストリアを再訪さえして、ランディと共に奔走するが、今ではオーストリアの至宝となっている絵画を取り戻すことは容易ではない。叔母アデーレを描いた絵は、単なる家族の思い出や高価な美術品というにとどまらず、おぞましい過去の許されざる不正義の象徴なのだ。不正取得されたままの美しい肖像画は、若きランディの胸の底に封印されていた、やり場のない悲しみや怒りをもまた甦らせる。
言い知れない怒りと、自らのアイデンティティのためにもそれは絶対に正さなければならないという激しく強い思いが、彼を突き動かす。理解ある妻のサポートを得て、職も投げうって、心身を消耗する長期戦の裁判に躊躇するマリアを説得しつつ、彼は絵画奪還に邁進する。調停での、不正取得を認めてくれさえすれば肖像画はオーストリアに残してもいいというマリアの提案にすら、オーストリアの美術館側は鼻で笑ってにべもなく拒絶する。マリアやランディの思いの深さを考えれば、「黄金のアデーレ」が現在アメリカにあるのは当然だろう。
マリアを演じた、毅然として誇り高いヘレン・ミレンが実に見事だ。
新規登録で
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