ミス・メドウズ〜悪魔なのか？　天使なのか？〜

トム・クルーズの元嫁ケイティ・ホームズ主演の微妙なドラマ（笑）。
サイコ・ホラー風味のサスペンス？

「悪いヤツには正義の鉄槌を！」が度を超して、その「やりすぎ感」が
ぶっ飛んでて面白い、みたいな作品はけっこうあると思うのだけど。
今、頭に思い浮かんでるのは「シリアルママ」（1994）で、
良き母、良き妻が「非常識な人間」に怒り狂ってサイコキラーと化す
っていうコメディでした。
キャスリーン・ターナーが二の腕ぷるぷるさせて包丁ふりあげてる姿が可笑しかった。

そうだなー、やっぱりギャグとして振り切っちゃった方が見やすいし、面白いと思う。
その点で、こちらの「ミス・メドウス」はトラウマ話でしんみりさせちゃうのがねー。
シリアス路線でいくなら「ダーティ・ハリー」みたいなハードボイルド調でも良かったのかなとも思ったり。
ちょっと、どっちつかずと言うか中途半端な印象を持ちました。

でも、理由もなくただ「人を殺したいー」って話よりは、ずーっと理解可能で
ラストの落とし方も含めて、内容のわりに気分不快にはならず。
そこはケイティのキャラも奏効してるんでしょかね。
なんつーか、あのフニャ〜っとした笑顔は、トム様がやられたのも分かる
滋養のありそな温熱感に溢れているのでした（笑）。

確かに「シリアル　ママ」に似ている。米国好きの「法が裁けないなら私が罰を」のカテゴリーに入るものだ。これが行き過ぎると老人ホームの殺戮のような確信犯になりかねない。

ただコメディとしてはいささか見てる途中で飽きが来る。どうにか最後のオチにたどり着くのだがそれもそう意外ではない。

私はこの映画のケイティホームズと、ニコールキッドマン、ペネロペ　クルスと関係のあった難読症のトム君を本当に羨ましいと思った。きっとトム君は凄くマメなのだと思う。

小学校の代理教師をしているミス・メドウズは、手入れの行き届いたヴィンテージ・カーに乗り、
草花の手入れをし、いつも愛らしい服装をしている魅力的な女性。
しかし、世界を変えるため、悪人には容赦のない鉄槌を下す！

見た目キレイだけど、ものすごいイッちゃってるサイコパスの話かと思ってたら違いました。
正義を行いたい、世界を変えたいと独自の理念を持ちつつ、恋愛も仕事も普通にしています。

可愛らしすぎる服装とか、いきなりタップダンスとか、危うい雰囲気は漏れ漏れしていますが、
笑顔から苦悩、激怒まで、くるくる表情が変わるミス・メドウズから目が離せません。
意外性のないストーリーとも感じましたが、ヒロインの魅力に引っ張られてしまいました。

情報量が多いから吹き替えもけっこう好きなんだけど、本作はオリジナルがおすすめです。
演技力が段違いでした…

ミス・メドウズのトラウマとか、ミス・メドウズの犯行に気付いた保安官とか、
サスペンス的なシーンより、ミス・メドウズの悪人粛清のシーンがスピード感があって好き。
さっきまで普通だったのに、悪人の犯行を目撃したら即キレて粛清！怖っ！

ミス・メドウズは、このまま世界を変える活動を続けていくんだろうか。
町に現れる青い鳥や鹿たちは理想の世界にいる生き物で、彼女だけに見えているのかな。

小児性愛者が、子供の気を引く目的で飼っている犬が可哀相で見てらんない！
キュンキュン鳴いていた…そういう描写はいらんから、マジで…
ヤツはミス・メドウズに「俺たちは同じだ。治療を受けろ」とか言っていたけど、全く違うから

懐かしさを感じる穏やかな住宅街をリズミカルに闊歩する魅力的な女教師。誰の心にも正邪に対する葛藤はあるしなかなか素地に染み込んだ感性は容易く変えられない。即断しなければ悲惨な状況になる場合、素直な自分の気持ちに従って行動できればどんなに気分が良いか、彼女はそれを見せてくれる。

話の内容は、女の人が悪いヤツにお仕置きする！
必殺仕事人までいかないけど、なかなか面白い。
シリアルママという作品も同じようなパターン。
続編もあるといいんですけど・・・。