アナーキー

監督さんは役者に【動きの指示】を出さなかったのでしょうか？
エド・ハリスずうっと立ってるだけでした。
活劇も戦闘も無いのです。
警察とギャングの親玉シンベリン(エド・ハリスの役名でこの映画の原題・・・このシェークスピア劇・・・あまり聞きませんね)
は敵対している。双方は戦い合った・・・って言うけど、戦いは終わってるの。
一事が万事、事後なのね。
奥さんは死にました。
奥さんは、あなたを嫌ってました。
古典的長セリフを気取ってるけど、なんか整理されてないから、ゴチャゴチャ回りくどい。

基本「ロミオとジュリエット」的な内容なんですね。
それを、スマホにタブレット(写真見せたり)パソコンで地図を探したり、かと思ったら「無国籍ウエスタン調」だったり・・・
要するに適当。
ミラ・ジョボビッチが歌ったのは「悪い冗談」としか思えませんでしたww

アナーキー（２０１４年・アメリカ、カラー、９８分）

本日現在９件のレビューが投稿されており、そのすべてが極めて低評価という作品です。
エド・ハリスのファンなのですが、共演陣の豪華さもあり、とりあえず観てみました。

ギャングのボスで麻薬王のシンベリン（エド・ハリス）は、後妻にクィーン（ミラ・ジョヴォヴィッチ）を迎え入れていた。彼女には一人息子のクロートン（アントン・イェルチン）がいたが、なんとシンベリンは自分の娘イノジェン（ダコタ・ジョンソン）とクロートンを結婚させようと画策していた。イノジェンはこれに反発し、一家の子分ポステュマス（ペン・バッジリー）と結婚してしまう。激怒したシンベリンはポステュマスを組織から追放した。イノジェンとポステュマスは秘かに会って互いの愛情を確認した。ある日、ポステュマスは友人の紹介でヤーキモー（イーサン・ホーク）という男に会うが、ポステュマスが妻イノジェンとの愛を異常に強調して話すため、ヤーキモーは頭にきて賭けを持ち掛ける。それは ‘イノジェンという女が本当にお前の思っている女かどうか’ というものだった。果たしてこの賭けが、組織を巻き込む大事件に繋がっていく．．．。

いつものように、観終わってから自分なりにストーリーの要約作業にかかるのですが、本作は時間がかかりました。シンベリンの組織内のこと、組織対警察の関係、むかし組織にいた男の出現、これらが同時並行で次々と描かれる（展開する）ため、登場人物の繋がりに注意して観ていないと、置いてけぼりにされる可能性大だったからです。確かに不自然な点がいくつかあったり、ご都合主義的なシーンもありましたが、全体的に脚本はよく練られていたと思います。

シンベリンと後妻のクィーンが車の窓越しにキスする場面がありますが、シンベリンが去ったあと、クィーンは露骨に自分の唇を手で拭いていました。２人の関係の一端が垣間見れるシーンです。
クィーンは行きつけの病院で医者に劇薬を（毒薬）処方させて部下に手渡したり、時にはシンベリンが警察に強硬な態度をとろうとするのを抑えたりと、意味深な行動をとります。演じたミラ・ジョヴォヴィッチの貫禄さえ感じる（出演時３８歳）表情が印象的でした。

エド・ハリスのファンと書きましたが、彼の出演作品は３３本観ています。
何れも抜群の存在感でスクリーンを魅了し、本作でのギャングのボス役も迫力がありました。
昔から派手なアクションをこなすタイプではなく、表情の演技でみせる俳優さんです。
残念なのは今だにアカデミー賞の受賞がないこと。過去に４度のノミネートがあり、そろそろ獲ってもおかしくないと常々思っています。

クロートンを演じたアントン・イェルチンは２７歳の若さで早世しましたが、上手い俳優でした。
「スパイダー」や「１５ミニッツ」の頃の子役は印象にありませんが、「ターミネーター４」で若きカイル・リースを演じた頃は将来性を感じました。ニコラス・ケイジと共演した「ラスト・エイベンジ」では準主役を演じていただけに残念です。

実質的な主役と言っていいイノジェンを演じたダコタ・ジョンソン。
自分の中では同じ「ダコタ」ということで、ダコタ・ファニングとダコタ・ジョンソンの区別がつかないでいました（顔も含めて）が、２０１８年「サスペリア」のヒロインと判って、納得しました。
そうそう、母メラニー・グリフィス、父ドン・ジョンソン、祖母ティッピ・ヘドレンでした。

ジョン・レグイザモが設け役でしたし、少ないシーンながらビル・プルマンも出ています。
黒人俳優ではデルロイ・リンドーが渋い役柄、ヴォンディ・カーティス＝ホールも警察官役で出ています。そんな中、イーサン・ホークは何とも情けない役で、よく引き受けたものだと思います。

シェイクスピアの戯曲を現代マフィアに置き換えたというふれこみですが、普通の暗黒サスペンスドラマとして、そこそこ楽しめる映画でした。

あの女が総て悪い・・ですむかい！！

予備知識なく観てたら、劇のようなセリフが多く、ありえへんような展開がバンバン続きます。これは、シェークスピアだな、と思って最期までみたら、やっぱりそうでした。

この手のやつは、人の愚かさを描かないと成立しないのですが、そういうことはなく、大層なことをまくし立てる割には、全員が短絡的。だから、話が軽すぎる。

めちゃくちゃやって、最後は女が全て悪い、って、そんなんで済むかい！現代には昔の劇的な話は無理があるのよね。武器、情報量が全然違うんだもん。それを無理やりはめこもうとしているから、無茶苦茶な話でした。そして、主人公はイーサン・ホーク？？

時間の無駄使い。出演者名に騙された。ゴミ以下

情報なしで観てびっくりの珍品。シェークスピアのシンベリンを現代マフィアに置き換えているのだが、ほぼ戯曲まま（たぶん）。大真面目でロマンチックで悲劇的な台詞と、チンピラめいた麻薬組織、スマホやタブレット、Googleの共演は、笑うに笑えぬトホホな気持ちを呼ぶ。シェークスピア研究者にはお勧め。20点。