まっしろ

第1話を観た時は、物語そのものよりも「東王病院」のナース服にビックリ！
ひらひらのぺプラムがついた上着に、スカートはタイトスカートの大人っぽいものや、ギャザーやフレアが入った可愛らしいものなど、スカート丈もナースの体型やタイプに合ったデザインになっていました。
そして、今では珍しくなったナースキャップも付けています。
ナースの格に応じて、ナースキャップには真珠がつけられます。
例えば、看護師長なら真珠は3個、リーダー、サブリーダークラスなら2個、一人前と認められたら1個というふうにです。
因みに6か月未満の真珠無しのナースは、無印と呼ばれていました。
物語の舞台となる「東王病院」は、自由診療の高額の医療費を取るセレブ相手の病院で、とても庶民が受診できるような病院ではありません。
一流ホテルのスイートルームのような病室、提供される食事も病院食のイメージとは程遠い豪華さ。
東王病院の（お客様と呼ばれる）患者は、政財界、芸能界、スポーツ界、文化人などのお金持ちばかり、時には病気を装って世間から身を隠す政治家が入院してきます。
そんなお客様と、ホスピタリティのプロである病棟看護師、医療のプロである医師やオペナースたちによって繰り広げられる物語が、「ある、ある・・・」と共感できるものであったり、患者がそこまで求めてもいいんだ・・・と少し驚いたりもしました。
TPP批准後の自由診療制度を前提として描かれてはいますが、内容は堅苦しいものではなく、セレブの患者との恋愛、ひいては玉の輿を狙うナースや仕事と家庭、子育てとの両立に悩むナースの姿も描かれています。
最終回、長期入院の患者の希望で執り行われた「生前葬」には涙を誘われました。
以前、中井貴一主演のTVドラマ「風のガーデン」でも生前葬が行われていたと思うのですが、快復の見込みがなく死期がハッキリと分かっていたなら、生前葬もいいなと思ったのですが、本作を観ても同じようなことを感じてしまいました。
お世話になった方々に自分の言葉でちゃんとお礼を言ってから逝きたいと思いました。
でも、死を目前にして、誰でもが覚悟できるものではないし、参列者の方にも気持ちの負担が大きいかもしれません。
最後に、看護師役で主演の堀北真希ちゃんは、タイトなスカートのナース服に身を包み、大人っぽくはしていましたが、ハキハキとした可愛らしいナースでした。
何よりも楽しみだったのは、看護師長役の木村多江の演技でした。
病棟は「白い大奥」に例えられるようですが、まるで大奥の総取締のような立場で、その物言いも大奥そのもののようで、木村多江でなくてはあの役は務まらなかったでしょうし、ある意味、彼女こそが主役だったのでは？と思いました。
視聴率は悪かったようですが、どうしてだろう？面白かったですよ。