ジミー、野を駆ける伝説

社会派ケン・ローチ監督が、権威主義的な教会や地主から庶民が理不尽な抑圧を受けていた1930年代アイルランドを舞台に、自由に生きる人生の喜びを説いた実在の活動家ジミー・グラルトンの生きざまを描いたドラマ。
1932年、内戦が終結してから10年がたったアイルランドに、アメリカで暮らしていた元活動家のジミーが戻って来ます。教会や地主に抑圧される庶民のために、憩いの場となる多目的ホールの再建に尽力したリベラルな活動家の生きざまを描きます。

物語は、土地の借用権をめぐる闘争が原因でアメリカ暮らしを余儀なくされてきたジミーが、1932年に10年ぶりに帰って来るところから始まります。
ささやかな娯楽や文化さえ抑圧され、権力に抗えば 人々を煽る危険な共産主義者だと言われる理不尽さ。小さな村だからこそよりその息苦しさが伝わって来ます。
そんな中にあって、芸術や文化に触れ人間らしい生活を謳歌したいという人々の先頭に立つジミーの姿は、人々に頼られる存在感。
歌い、踊り、娯楽を愛して人生を楽しむ。それだけの当たり前の「自由」が、どれだけ尊いものか気付かせてくれます。
古い価値観の中で、新しい感覚を持つことの難しさ。
辛い状況の中にも僅かながらユーモアを覗かせ、希望の光を予感させてくれるのが救いでした。

歴史背景がちょっとややこしかったですが、それはともかく。
現代にはなかなか見つけられないような、素朴でピュアな人々の姿が描かれています。

ジミーのお母さんがいい味出していました。やはり英雄の母だけあって、賢く強い人だったんでしょうね。ユーモラスでもありました。

舞台衣装を着たプロのパフォーマンスでなく一般の人によって日常生活の中で奏でられる音楽と踊られるダンスが素晴らしかったです。

自分のブログにもっと書きました。よろしければご訪問ください。http://onthewayto9.blog.fc2.com/blog-entry-10.html

当時の様子が見えるだけで、独自性がない。その政府に抑圧されていたという民主主義批判で自由解放民主ジミーを追い出す話。宗教を持たないとされ、社会主義コミュニティ、共産主義者と間違えられ、異端視される歴史的にもカトリックにありがちな排他性を露呈した。法王訪問もバチカンの影響に拍車を掛けた。ギネスビールを飲みながらアイルランドが垣間見える作品ではあった。アイルランド何も無い言うアイルランド人に違和感を覚えた。

いま一つ共感がわきませんでした。政治的にも宗教的にもなんか中途半端な国のような印象でした。イギリスにはとてもかなわない（おっと失礼）。風景とか、いろいろな情感の盛り上げはとても良い映画でした。

政治運動家ジミー・グラルトンの実話にもとづいた映画。アイルランドの歴史を知らないからちょっと難しかったけど政治的と言うよりは人間とは何か？的な作品だと思う。自由の重さや難しさを学んだ。音楽も良かった。


そんな自分も自由の身ではないから、何となく分かる。