ミリオンダラー・アーム

インド初のメジャーリーガーを発掘したスポーツエージェント、JB・バーンスタインの実話を映画化したドラマ。
キャリアの危機に陥ったスポーツエージェントのバーンスタイン（ジョン・ハム）は、一発逆転を狙い、野球未開の地インドでコンテスト形式のリアリティショー番組「ミリオンダラー・アーム」という番組を製作し、豪腕投手の原石を見つけようと計画します。番組で勝ち残った2人の青年を連れてアメリカに帰国したバーンスタインは、彼らに野球を教えこんでメジャーリーガーに育てあげようとします。

才能はあるもののズブな素人をプロに成長させるのは並大抵の努力じゃできませんよね。
人を商売道具としか見ていなかったエージェントが損得抜きで彼らの面倒を見るようになり、人間らしさが灯る瞬間、思わぬ幸福が訪れます。
エージェント本人とインド人選手２人の成長が嫌み無く描かれていると思います。
インドの田舎から出てきた少年たちの気持ち、彼らを送り出す家族の気持ち、そしてサブ監督を希望したアミトの存在が中々よかったように思います。彼はインド人の代弁者であったのかもしれません。
夢を見れるって大事なことですよね。夢を諦めない心と、固い絆の素晴らしさを教えてもらったような気がします。
いつも寝ているのに、アラン・.アーキンの存在感が凄いです。
ディズニーブランドらしい、安定感のある作品でした。

せっかくのイイ気分に水を掛けるのも何ですが、テストを受けた
2人のインド人青年はパイレーツとマイナー契約を結びました。
1人は2A、もう1人はルーキーリーグ止まりだったそうです。
ですから厳密に言うと、大リーガーではありません。

ミリオンダラー・アームというリアリティ番組も、この一回以外に
開催された記録はありません。

でもJT・バーンスタインの同名小説をベースに脚色して、こんなにも
心温まる映画になったのですね。
マッドメンでお馴染みのジョン・ハムのハリウッド映画初主演作。
ディズニー製作映画なんて、超ラッキー！
裏の借家のレディはサリーがとっても良くお似合い。
それでキャスティングされたのかも？
気分のイイ映画でした。

良く調べずにテキトーに借りたので
インドのクリケット選手がメジャーリーグで活躍するハチャメチャおバカコメディだと思ってた（笑）

実際の内容は
事務所カツカツで破産寸前のスポーツエージェント・ＪＢは一発逆転の策として
野球未開の地・インドからスター選手を発掘することを企む。
「クリケットが盛んな国だから野球も出来んじゃねーの」というあまりにも安直な発想。
野球チームのオーナーのチャンに「なんせ１０億人の市場でっせ、グッズやユニフォームやらの売り上げでウッハウハ」
と持ちかけて金を出させ、インドで「ミリオンダラーアーム」という
素人参加のオーディション番組を行い、勝ち抜いた二人の青年をアメリカに連れて来るが・・・
という話

前半は「ビジネスマンのインド奮戦記」みたいな内容。
賄賂大好きなお役所や、超テキトーな商習慣
近年発展しているとはいえ、まだまだ貧乏でキチャないインドに戸惑うＪＢさん。

後半はアメリカが舞台。
苦労して連れてきたものの、しょせん“マシな素人”レベルの二人のインド人青年。
英語も話せないし、環境にもなじめない、そもそも野球を全然知らないし・・
そんな彼らの面倒を見つつ、事務所の立て直しや隣人とのラブコメに精を出すＪＢさんなのでした。

実話ベースなので、もの凄いことは起こらないけど
爽やかハートウォーミングコメディで面白かった。

爽やか
爽快
楽しい
思わず笑みがこぼれてくるお話でした。
悪い人は出てこないし、エッチなシーンもありません。
インド時間を象徴するようなシーンには思わずニヤリ。
ここは時間の流れが違うのですね。

ド素人で英語も話せなないインド人青年の二人の奮闘ぶりと
破産寸前で自分の再起を掛けて走り回るスポーツエージェントのＪＢが
ビジネスライクから愛情をもって彼らと接していくことになる過程が
実に丁寧に描かれています。


インドのコーディネーターが言います。

「村で育つということは、一生ここから出れないということ、
そんな彼らに夢とチャンスを与えてくれてありがとう」

発展途上ではあるものの、
１２億もの人口を抱えるインドという国の実情がこのセリフに込められていたように思いました。

観終わった後に爽快感が残るこういう映画、好きです♪

評価７８点(１００点満点)
本作が実話をベースに制作されたものだということにちよっと驚いてしまう。
大きな契約を逃して崖っぷちのスポーツエージェントのJBバーンスタイン、インドからメジャーリーガーを発掘しようという発想で目をつけたのがクリケット、
イギリス発祥のスボーツであり長く英国が統治していたインドではメジャーなスポーツである。
ルールはよく知らないがボールを投げてそれをスティックで打ち返す、野球の原点がそこにある。
もしインド人のメジャーリーガーが誕生すれば十数億いる人々が野球ファンになるかもしれないという発想は素足で生活している地に靴を売り込むような無限大の可能性を秘めているではないか。
速いボールを投げる選手を求めて「ミリオンダラーコンテスト」をインド各地で開催、これぞアメリカンドリームを求める人々で熱気ムンムンとプロジェクトの第一段階は大成功。
次なる挑戦は速いボールを投げられるだけで野球を知らない素人がプロのテストに受かるのか。
二人のインド人青年は純粋無垢、言葉、文化、習慣の違うアメリカでとまどうばかり、そんな彼らが本当に成功するのだろうかという成り行きに興味はつきないところ。
本作には友情、人と人の絆、ロマンスも笑いもホロ苦さもサクセスストーリーと絡めてなかなか盛りだくさんの要素が満載の後味のよい作品。
ベテランスカウトのとぼけた味もなかなかよい。