アイアン・ソルジャー

衛生兵としての１５か月のアフガニスタン派遣を終え、
テキサスの基地に帰還したマギー（ミシェル・モナハン）。
賑やかな出迎えの人ごみの中に、マギーがいちばん会いたかった５歳の息子の姿はなかった。
元夫と暮らしていた息子は、元夫の新しい恋人にすっかり懐き、
本当の母親である自分のことを忘れかけてしまっていた。
奪い取るように強引に息子を連れ去り、ふたりで新しい暮らしを始めたのだが・・・。

息子のお気に入りのアヒルのおもちゃと一緒に、いっぱい写真を撮ってくるねという約束にしがみついていたのに、
息子はそんな約束などすっかり忘れてしまっていて、
「そんなの、赤ちゃんのおもちゃだよ。」と言われてしまったときの悲しみ。
せっかく料理を作っても、「アルマ（夫の恋人）のはこんなんじゃない。」と言われてしまった時の怒り。
そして、息子がやっと「ママ」と呼んでくれた時の喜び。
それらがひしひしと伝わってきて、とてもせつなかったです。

しかし、やっと息子とふたりの生活が軌道に乗り始めたというのに、ふたたびアフガニスタン派遣の命令が。
なんとか息子との生活を守る方法はないのか、悩んだ末に彼女が下した決断は・・・。

子供と仕事。どちらも大事で、自分を自分たらしめているもの。
どちらかを選ぶなんてできない。
優秀で責任感が強いからこそ、深くなる苦悩。
この映画の主人公のように特殊な職業でなくても、仕事を持つ女性はみんな悩んでいることでしょう。
なかなか見ごたえがありました。

ミシェル・モナハン、ヌードありです。

パッケージ写真もタイトルも本編とかけ離れていてがっかりした。アクション映画とは思えないストーリーにも関わらずアクション映画のジャンルに入っている。
戦争と家族の絆を描いた映画として観ればよい作品かも知れないが。。。アクション映画でな無いことは確実。
ツタヤの仕分けの担当者は内容を見てから登録ジャンルを仕分けて欲しい。

派手なアクションシーンはほとんどなく、戦地で働く一人の勇敢な女性の仕事の顔と女性の顔、子を持つ母親としての顔をそれぞれ丁寧に描いた、情の深い映画として、素直に物語に入り込めました。中でも、一年以上会わずにいた五歳の息子との絆が次第に緩和されていく様子には思わず込み上げました。とにかく、３つの顔を見事に演じ分けた主人公の表情に、同じ女性として共感したり感心することが出来ると思います。ヒューマンとして観るなら普通に楽しめますよ。

アフガニスタン等に派遣された兵士が帰還してもトラウマを抱え、日常生活に馴染めずトラブルばかり起こすとかの話は良くあるけど、家庭と任務や責任に苦悩する女性兵士が主役という題材は意外とないので珍しい話だった。

脚本もしっかりしていてとても良い作品です。
邦題は作品の中のセリフから取ったようですが日本人の感性からすれば全く意味不明です。邦題に惑わされず観てください。