観相師−かんそうし−

２時間１９分と長めでしたが、微塵も感じず一気に見れました。前半は笑いあり楽しい感じの事の運びですが、後半「えーっ」こういう展開かと驚かされました。詳しく書くとネタばれになるかも・・・なので書きませんが。
物語の内容もさることながら俳優陣もいつもながら素晴らしい。ソン・ガンホ、イ・ジョンジェ最高の演技でした。観相師という題材とケユジョンナン(史実にあるクーデター）を絡ませたこの脚本も私は興味深かった。
レンタルして良かったな。この映画。

観終わってすぐは、気分が暗くなりましたね。。。

でも、何はともあれ！

さすが！ソン・ガンホ！やっぱりスゴイ！というのは当たり前で。。。

イ・ジョンジェの存在感も圧巻！なのだが。。。

今回はなんと言っても、”チョ・ジョンソク”でしょ！！！

彼の演じっぷりは見事です。

今までのどの役とも全く異なる人物を、いとも容易く演じています。

ともすれば、ソン・ガンホの脇に埋もれてしまいそうな役。。。

お調子者だが家族思いの義弟役を、邪魔にならず、でも目で追ってしまう。。。

という、絶妙な演技でした。

結末は決してハッピーエンドではないが、彼をどうしても責める気になれないのは、

”チョ・ジョンソク”の魅力！故かな。。。

ああ、これコメディなのね、って思いながら見ていたら
後半にいくにつれ話が重く暗くなる。
いつの時代も
どの国にも
権力の争いはあり、兄弟親戚とは言っても
平気で殺し合いするっていうのは万国共通なんですね。
生活のために観相（人相占いみたいなもの）を学んだ主人公ネギョン。
その才能を買われて王様の側に仕えることになりますが
妬みや恨み、どろどろの権力争いに巻き込まれて
やがてそれは悲劇へと導かれていきます。
ラストの悲しい結末に
前半のコメディタッチと１８０度変わってしまった映画の様子に
作り手の上手さを感じました。

あと、主演のソン・ガンホの姿が、どうしてもロバートの秋山にしか見えなくて
もうそれだけで笑ってしまいました^_^;
それと女性の衣装が華やかで中世のヨーロッパを思わせる素敵な服ばかりでした。

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　人の顔の相を見るだけでその人の性格とか運勢みたいなのを占うことができる主人公が、田舎で隠遁生活しているけど。だんだん朝鮮王朝の世界に入って行って政変に巻き込まれていく話。

　序盤は主人公が義弟とともに大騒ぎするコメディタッチな展開が続いていって、娼館で働いていくところからしだいに成り上がっていって王朝の覇権争いに巻き込まれていく。

　「虎」と「狼」の異名を持つ王の忠臣と王の弟の争いがメインで描かれ、それに主人公と義弟、主人公の息子も父親に反発して王朝に仕える。
　重厚な歴史劇として退屈せずに見ることができました。　

　ただ一気に悲劇性が増す後半から、主人公はただ巻き込まれるだけで才能である相を見ることをしないのが作劇としていかがなものだろうと思いますが。ソン・ガンホさんの独壇場のクライマックスがさすがの映画でした。
　それに犯人探しの面白さ、主人公の息子が善人として描かれていた「虎」の家臣にたてついたり、義弟が「狼」にとりいろうとしたりする行動の動機が見ててわからなかったです。
　韓国の王朝のことや力関係やらに親しみがないのも満足に楽しめない原因だと思いました。

見応えのある作品でした。
ソン・ガンホさんの演技、オーラはさすがです。チェ・ジョンソクさんとのコンビは面白かった。
首陽大君役のイ・ジョンジェさん、身震いがするほどの威圧感、恐怖感。
イ・ジョンソクくん、線は細いのに志は強く聡明で、父や叔父に可愛がられる息子の役はぴったりでした。
「悲しさ、虚しさ、無力さ、怖さ、運命、無常、後悔、懺悔」
この映画で感じたことです。