ディス／コネクト

私的にはかなりのおすすめなんですが、このジャケットといい、宣伝がダサい気がします。
タイトルをわざわざ　/（スラッシュ）で区切ったのも、意図はわからなくはないけど、余計な感じです。

SNSを通じて、親しい女の子に送ったつもりだった恥ずかしい写真が流出してしまったことを苦に、自殺を図った少年。
探偵業をしている加害者の父親のクライアントの夫婦の話と、
弁護士である被害者の父親のクライアントであるTV局のレポーターの話。
人間関係とテーマのゆるやかなつながりはあるものも、３つの別の話が同時進行していきます。

子供を失った悲しみを癒せず、チャットにはまった主婦（ポーラ・パットン）は
個人情報をごっそり盗まれてしまって、夫婦は破産状態に。
夫役のアレキサンダー・スカルトガルド、よかった〜！！

sexcam　performer(ああいう行為ってそう言うんですね。）の少年に、
スクープ目当てで近づいたレポーター役のアンドレア・ライズブローも、
今までに観た作品とはちょっとちがった感じでよかったです。美人ですね〜。ヌードシーンあり。
この人が結局少年を救えないというのがなんとも・・・。中途半端な気持ちではだめなんですよね。

少年を自殺に追い込んだ加害少年が、時々見せる本音に同情したり・・・。
どのエピソードもハッピーエンドとはいきませんが、いろいろ考えさせられました。

大変おもしろかったです。

３つのストーリーが交錯する、やや複雑なプロットながら無理がない。
ネットにはびこる犯罪と悪意、そこに関わる人間と巻き込まれる人たち。
孤独を癒すツールだったはずのＳＮＳが、人生を狂わせる落とし穴になることもある。
「現代社会」の一端を切り取りつつ、登場人物それぞれの心情も丁寧にすくい取って見せてくれて、
見応えがあった。

実は非常にオーソドックスな人間ドラマじゃないですかね。
「魔が差した」ことから生まれた悲劇。
悪魔は寂しさや孤独に忍び寄る。
裏返せば、そこには「愛」を求めずにはいられない人間の姿があるってことか。

今どきちょっと珍しいかなってぐらい甘チャンな展開というか、
お、意外に素直じゃんという人物がゴロゴロいたのが昭和世代の自分には嬉しかった（笑）。

しっかし。
落ち着いたヒューマンドラマなのに、タイトルとジャケ写の雰囲気がキワモノっぽいのはホント残念だなぁ。
パープルローズさんが仰るとおり、宣伝ヘタクソ！（苦笑）

とても好きな作品です。
女子になりすました同級生にそそのかされて
裸の画像を送信した被害者少年。

幼い息子を亡くした悲しみから抜け出せないで、
チャットにすがっている主婦。

元警官の父親から、キツく当たられて寂しい、
加害者少年。

地方局テレビレポーターで、キャリア・アップのため、
性を売る少年の取材にのめり込む若くはない女性。

4つの話が重層的に絡み合い、まるでカメラのシャッター毎に
場面は目まぐるしく入れ替わります。
どの事件もインターネット・ソーシャルサービスの
チャットを通して始まり、悲劇をもたらします。
でも、以外と、不快では無く、心地良く感じて来る。
登場人物は皆良い人ばかりなのに、ネットの裏に
隠れている、姿の見えない加害者(カード情報、社会保険番号などを
盗んで、素知らぬ顔で大儲けしている)
監督はドキュメンタリー出身の
ヘンリー=アレックス・ルビンとかいう人です。
見終わって、どこかで救われている。
とても悲しいけれど、愛する人を、きちんと愛さなくては
・・・と思わせる作品です。

パープルローズさんがおすすめしていたので予約リストに入れた一本。
前知識ゼロで見ました。

いやあ、面白かったです。
切ない。ほんと切ない。
今時あふれてる、ただの「ネット社会に警鐘」とかじゃない、ちゃんと人の心がある映画でした。
ニュースで見てもどこか他人事だった問題がとても身近に感じられ、もっと真剣にネットと付き合わないと大変なことになると思わされました。

見えない相手だからこそ本音で話せたりする。
その想いをそのまま本人に伝えられればうまくいくかもしれないのに。
通常の生活を送っているだけでは、特に家族と向き合って話せる、そんな機会は少ないのかも。

あー、どうなっちゃうのこれ、最悪の結末以外考えられない、と思った後のラストが見事。
すべてが解決したわけじゃないけれど、人生だってすっきり終わるわけでもないし。

最初から最後まで面白くて、見た後は充実感と、誰かとこの映画について話したい気持ちでいっぱいになりました。
おすすめしてくれてあれがとう☆

『SNSで起きた事件をきっかけに、大切な相手との心の絆を取り戻そうとする人々の姿を描く』
TSUTAYAさんの映画紹介は、すごく良心的な記載レベルに留めていることに感心。

だって、公式サイトなんて、ストーリー説明こそ控えめだけど、詳細な人物相関図を載せてるから、
面白いところがバレバレで、観終わるまではうかつにアクセスできない代物だ。

ネタバレなしでもう少し語ると、本作は、SNSによるいたずらに関わる少年たち、
ポルノサイトで働く家出少年、そしてネット詐欺に合う人妻をめぐる、３つのエピソードが並行する。

ネットを介して繰り広げられるヒューマンドラマという点でのみ共通する、独立した三つの挿話。
後半に進むにつれ、登場人物が微妙に、そして絶妙に交錯してくるあたり、どことなく『クラッシュ』を
思い出させる。

そもそも、繋がりを断つことには、犠牲を伴うのだ、東映ヤクザものを例に出すまでもなく。
だから、この映画の各エピソードの主役たちもまた、ディスコネクトすることに、様々な犠牲を
払うことになる。

チャットを映画の一要素に採り入れているが、例えば最近では『白ゆき姫殺人事件』などにみられた、
文字を追うのに疲れる感じではない。

そして、何となく観た顔だが、すぐに名前の分かる有名俳優が出演していないのも
（無知なだけかもしれないが）、個人的には好感。

各エピソードとも、終盤で同時に超高速撮影のストップモーションになり、盛り上がりをみせる。
ここまでのそれぞれの話の持っていき方や絡み合いは、とても練られていて、割と好きな部類。

そこからの展開は、賛否が分かれそうだ。ひねりがあるというべきなのか、なさすぎるのか。
そして、よくよく考えると、どの事件も、原因は一人の登場人物にたどりつくような
気がしてくる。

ところで、なんで邦題にはスラッシュが入るんだろう。まあ、悪くないんだけど。