モンスター・オブ・レジェンド

レビュータイトルはさだまさしさんのシングル曲『案山子』の歌詞より。
この曲のイメージから私の中では”案山子”といえば故郷を思い浮かべ、
歌詞の立場が入れ替わり、子供が親を心配する状況に変化してきているのですが、
アメリカの”案山子”事情はどうも物騒です…

不死身の怪物という存在で、都合よく100年の眠りから解き放たれ、
因縁のあるヒロイン一家を襲撃するだけには収まらず、結局は見境なく周囲の人々に襲い掛かるという
設定ガバガバのクリーチャーパニック作品。

クリーチャーのCGの出来が思いのほか良いことと、
登場人物の女の子のルックスが良いのが嬉しい誤算ではありますが、
クリーチャーの設定の緩さ、ヒロインの魅力度の低さ、キャラ演出不足等（←エロも無しよっ！）
シナリオ次第では良作になり得た残念な作品のように映りました。
（最初被害者が一番可愛かったのも残念なところかも…）

何と言ったら良いのだろう。唐突に物語が始まり、ブツッと終わってしまう作品が、最近多いような気がする。特にＴＶMも含めてＢ級未満のモンスター・ホラー映画で、その傾向が顕著な気がする。(苦笑)
本編中に謎解きがされたり、真相や理由が明らかにされることはない。ひたすら残酷な場面やアクションシーンを繋ぐだけ。だから、ストーリーは展開しないし、何も解決しない。或る意味、ポ○ノに近い。(苦笑)

確かに、トビー・フーパー監督の『悪魔のいけにえ(74)』は、これに近いカタチだった。
でも、キチンとした人物描写と強烈なキャラクタの創造、異様なテンションは、比類がない。
もっと遡ると、『死霊の盆踊り(65)』なんかが、このパターンのような気がする。元を辿って行くと、ハーシェル・ゴードン・ルイスあたりに行き着くのかも知れない。

本作品は、出来の悪い高校生の更正プログラムとしてトウモロコシ畑に遣って来た教師と生徒たちが、未知のモンスター（カカシ？）に襲われるお話し。のっけからモンスターの襲撃シーンから始まるので、全体的にスピード感のある仕上りになっている。

それに、ビデオゲームのように次から次へとステージを移して行くので、単調ながら飽きさせない工夫もなされている。トウモロコシ畑、納屋、母屋、森、近くの農家の家、廃船置き場、フェリーと、なかなか魅力的。ロケハンが楽しそうだ。(笑)
ただ、演出が凡庸なので、ステージが変わっても同じことの繰り返しだったのは、ザンネン。それぞれのステージに合わせた表現があるはずなのだが、特性を活かせていなかった。(溜息)

そもそも脚本がヘタクソで、必然性のない理由で、モンスターに襲われやすいように、被害者を１人にする。それも、ヘタクソな台詞で……。それも、何度も……。その度に緊張感や集中力が削がれてしまう。(嘆息)

そんな中、マリア役を演じたニコール・ムニョスが、個人的には好みの顔立ちをしており、そこだけは楽しかった。
ＣＧのクオリティも高く、褒めて上げたいところだが、それよりも「ホラー映画は女優さん次第」ってところがあるので、ご勘弁を。（季節を夏にして、ビキニやランジェリー姿でウロウロする場面を挿入して、クライマックスはピチピチの白のタンクトップで泥だらけになって頑張るのが、良いなぁ）

「ちょっとＢ級モンスターＴＶMの『クリムゾン(15)』と似てるなぁ」と思っていたら、同じプロデューサー、同じ監督さんの作品だった。(笑)
女の子の趣味が良いのは認めます。いいなぁ。私も製作に参加したい♪

ちょっぴりオススメ！(笑)

舞台はある田舎町、毎年１０月２６日から３日間”かかし祭り”が開催されるのですが、今年はちょうど１００年目なので、いつもより賑わいそうです。
高校教師のアーロンは、６人の生徒を連れ、昨年”かかし祭り”が開催されたとうもろこし畑に囲まれている農場に向かう。
実は、昨年の使い古しの案山子（かかし）を再生して出品しようと考えたのです。
農場に到着し合流したのは、アローンの元カノで家族が全員殺され農場主となったクリステンと男友達のエディーです。
その後、広〜いとうもろこし畑に突如何者かが現れ、み〜んなパニックに！！ギャーッ！！助けてー！！
実は、アーロンたち一行が到着する前に、男女２人の生徒がみんなを驚かせようと一足先に着いていたのです。
２人は納屋の２階でエッチでもしようと梯子を上ったその時、梯子が壊れ床に転落。女生徒の脚が切り裂け血が流れ、それがすーっと床下に吸い込まれていく・・・。
こうして、不気味なモンスターが１００年の眠りから覚めたから大変です。
このモンスターは黒い骸骨のようで、指が長〜くしなやかで強い。身体能力が優れているのか機敏で力が強い。また人間の口の中から出て来たのにはビックリ！
土の中からも天井からも出没し彼らを襲い、１人・２人・３人・・・と殺していきます。ミンチ状態になった死体も・・・。
・・・モンスターにはある都市伝説がありました。　”案山子は　我々を殺す　ヤツは埋めておけ”と・・・。

アメリカのとうもろこし畑ってホラーにはうってつけの題材なのですね。広くってまるで迷路のように恐怖を感じる。出口が分らなくて夜になったら、きっと案山子のモンスターが襲ってくる！！
そんなホラー映画をご覧になりたい方に、私が面白かった３本お勧め致します。「ジーパーズ・クリーパーズ　暗黒の都市伝説」　「ジーパーズ　恐怖の都市伝説」　「ヒューマン・キャッチャー」です。

「カカシが３０人ほど殺害して以来、１００年欠かさず”カカシ祭り”を開催しています！」
なんていう、一風変わった田舎町が舞台。
言い伝えでは、カカシは不死身だったけれど埋められて終わったとのこと。
この１００年間、特段カカシによる被害は出ていなかったにもかかわらず、
今年の祭りの準備目的で高校生達が畑へ行ってみたところ、
カカシが出てきて一人ずつ殺されていきました。
どうしてなんでしょうね？というお話。

どうやら原因は、冒頭のさかりのついた高校生カップル。
彼らがオンボロ納屋でエロいことをしよう！
なんて考えたものだから、床が抜け、閉じ込められていたカカシが出てきたと
（埋められてないのでは・・・）。
カカシはカカシで、地面からも出てくるし（埋められたらダメだったんでは・・・）。
主人公達は主人公達で、一向に埋めにかからないし・・・。
と、何だかなぁという点はあるものの、
昼日中から活動するカカシさんなので、映像はクリアで観やすいのは良い点でしょうか。
グロというほどのグロはなく、エロは皆無ですが。
ヒマがあれば。