桃の木　哀しき双子の物語

大きな目が印象的な女優「ク・ヘソン」が、演技派として定評のある「リュ・ドックァン」と「チョ・スンウ」を主演に迎え、監督した作品です。
ドラマ「神のクイズ１〜３」ですっかり好きになった「リュ・ドックァン」が出るので見てみました。

映画としては解釈が随分難しいなあという印象。
演技の方は、、、
「リュ・ドックァン」はいつも通り上手い。
「チョ・スンウ」はいつも以上に上手い。
好みで分かれるところでしょうけれど、私は「役者が好きなら見てみてもいいかな」という映画だと思いました。

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大きな疑問から小さな疑問まで、疑問だらけと言ってもいい。最も大きな疑問は、何故この作品が作られ、何を伝えたかったのかということ。男なら、桃を見てまずお尻を思い浮かべるかと思うが、脚本家であり監督でもあり、ついでに有名な女優でもあるク・ヘソンは女なので、別の見方をした。すなわち、桃の割れ目はお尻の割れ目ではなく、表裏にくっ付いた二つの頭の境目なのだと。たぶんそれに気付いた時にこの作品の芽は生まれたのだろうと推察するけど…だから、何？そのイスピレーションを効果的に利用できたとは残念ながら私には感じられなかった。
映像は、双子の現実が衝撃的な割に、柔らかく、確かに女性らしい繊細さを感じる雰囲気のある画ではあった。
小さな疑問もたくさんある。何故後ろ側が兄なのか？主体的に行動することが許されない側が”兄”である理由は何なのか？
双子の両方を生かすことを選択した父親は、自分の死んだ後の兄弟の行く末のことを、何故全く考えないのか？
通常双子には特別な心的交流があるとも聞くが、ただの双子でもない、体を共有している兄弟の心の交流には、何故ほとんど触れていないのか？
あの女性イラストレーターの役割は何だったのか？存在の必要があったキャラクターなのか？
そして韓国人というのは、アポもなく勝手にやって来て、たまたま開いていたからと言って、留守宅に勝手に入って、写真を撮りまくる、そんな無神経な民族なのか？いくらスクープだからと言って、本人の許可もなく、人権を無視して人の顔を撮りまくる、または、家主の許可もなく、勝手に家の中を歩きまくり、勝手に色々な部屋を開けて見ることに後ろめたさなど感じない、そんな民族なのか？そういう細かい、だけど、私にはとても気になったところには、この女性監督の配慮は感じられなかった。
一番残念だったのは、30年間も文字通り一心同体で過ごした兄を切り離した後の弟の、複雑であるはずの心情がほとんど描かれてなかったことだ。手術後目覚めて、兄さんがいないといって弟が涙を流す、その１シーンだけ。
この作品は、いっそ完全なファンタジーとして制作した方が良かったのではないのか、そんな多少のいらだちと惜しさを感じた私でした。
今後この作品を見た人が、私のたくさんの疑問を綺麗に解き明かしたレビューを上げてくれたら嬉しいな。

何がショックなのかはあえてネタバレになるので書き込みしません。
でも、序章1０分ぐらいかしら？心臓が止まるかと思うほどのショックでした。

「19歳の純情」でなんて可愛いんだろう？って思い、「花男」で大ブレークしたヘソン嬢。
あの娘（あえて表現します）が、一体何を思ってこういう作品を描くのだろうか？

小道具としてマネキンが登場しますが、そんなものひとつとってもあとで生きてくるし、
（あ、ネタバレだったらすみません）デティールも女性ならではの細やかさ。。。

ヒロインの女の子がヘソン嬢に似ていると思ったのは偶然かしら？

・・・とにかく、このページの写真に騙されました。