ミス・パイロット

全然、観る予定のなかったドラマでしたが、帰宅の遅い家族を待ちながら観るともなく観ていると、意外にも面白く真剣に観てしまいました。
「アテンション・プリーズ」のパイロット育成版という感じで、その過程も結末も容易に想像できるのですが、―特別に優秀でもない普通の女の子が、数々の困難や壁を乗り越えて立派に成長していく―という物語は人を惹きつける何かがあるようです。

主演のパイロットを目指す候補生・手塚晴を演じるのは堀北真希。
就職試験に散々落ちた末に巡り合った自社養成パイロットの訓練生でした。
そのライバル役・小田千里を演じるのが、相武紗季です。
東大卒。同期の訓練生の中でもずば抜けて優秀で、自分にも他人にも厳しい
はっきりした性格。
パイロット候補生グループＡ指導教官・国木田に斉藤工。
ＡＮＡ史上最年少の機長で、誰もが認める天才パイロット。

ＡＮＡの前面協力があり、パイロットの訓練風景だけではなく、グランドスタッフの頑張りや航空整備の現場なども見られ、私たちの知らないところで多くの人たちが、安全なフライトのために力を尽くしてくれているのが分かりました。

ちょっと前なら相武紗季が主役だったり、斉藤工の役はキムタクが演じたんだろうなぁ〜などと思いながら観ていました。

　日本のドラマのセオリー通り、現実世界では有り得ない登場人物やシチュエーション、御都合主義の連発、しょうもないドタバタ、恋愛ドラマではないのに何かとストーリーに恋愛を絡ませたがる、ド天然で未熟なくせに上司に楯突いてくる主人公にイライラと、ストーリーやキャラは×だが、ディテールを観るのは面白い。為になる蘊蓄や心に沁みる名言がちょうど良いタイミングで折り込まれているのだ。
　｢航空会社の自社養成パイロット｣というテーマの目の付け所も良い。中々観られない貴重な映像が次々出て来るのだ。次回予告に｢このドラマはフィクションです。｣｢実際の訓練とは異なる部分があります。｣と書かれていたが。
　第3話は、傑作ドキュメンタリーシリーズ『FLY!FLY!FLY!』の『飛行機の墓場 モハベ空港』『空港で働く人 グランドスタッフ』を題材にした、完成度が高い感動作。

航空関係のドラマは『ミスパイロット』の他に上戸彩主演の『アティションプリーズ」や木村拓哉主演の『ＧＯＯＤＬＵＣＫ』などを観ていたけど、ここまで丁寧に描かれている話ははじめて。

ごく普通の就活に苦労している女子大生手塚晴（堀北真希）。
優秀で年上の小田千里（相武紗季）。
天才と呼ばれているパイロットの国木田（斎藤工）。

パイロットになるための課程が丁寧に描かれている。
まず説明会・次に三度にわたる面接。
そして採用となる。
だが、採用になってもパイロットになるまで4年かかる。

その過程が丁寧に描かれている。
まずは地上勤務（グランドスッタフ）。
飛行機の整備。
そしてはれてパイロット訓練生（ｐ訓）として海外での1年半の厳しい訓練に入る。日本にもどってからはシュミレーターでの訓練など。様々な訓練の様子が丁寧に描かれていてみていて応援したくなってしまった。

親子関係やチームの仲間や千里との友情が絵描かれていて。
なかでも、国木田教官と手塚晴のやり取り。
晴が国木田に対して素直に気持ちをぶつけていき、それに本気で答える。観ていて気持ちが伝わってきた。

色々なことを観ていてまなべて楽しめました。