風と樹と空と

風と樹と空との画像・ジャケット写真

風と樹と空と / 吉永小百合

全体の平均評価点:(5点満点)

6

全体の平均評価点:

DVD

ジャンル :

「風と樹と空と」 の解説・あらすじ・ストーリー

DVD

解説・ストーリー

解説・あらすじ・ストーリーは、ただいま準備中です。

「風と樹と空と」 の作品情報

作品情報

製作年: 1964年

「風と樹と空と」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

キャスト・スタッフ

関連作品

関連作品

男の怒りをぶちまけろ

まむしの兄弟 二人合わせて30犯

夜中の薔薇

ユーザーレビュー:6件

入力内容に誤りがあります。

内容をご確認のうえ、修正いただきますようお願いいたします。

  • 入力内容に誤りがあります。

この作品に関するあなたの感想や意見を書いてみませんか?

1〜 5件 / 全6件

誰かサユリちゃんをいじめて下さい。 

投稿日:2015/05/15 レビュアー:ぴよさん


 サユリちゃんを乗せたオート三輪が田舎道を走ってゆく冒頭、ああこれはリアルトトロ
の風景じゃないかと思ってしまう。時は1964年、そんなに昔でも無いのにまるで遠い遠い
前時代の風景にも見えてしまう。考えてみれば私の子供時代だって、大人たちは電車のこと
を「汽車」と呼んでいたし、集団就職もまだ続いていた頃だったのだ、かろうじて。

 同じ石坂洋次郎の『青い山脈』ほどの青春群像ではなく、ドラマチックな何かが起こる
わけでもない。どこかのどかでのんき、でも妙な野心だけはある若者達の姿が描かれる。
彼らの言動はいかにも軽薄に見えるが、今の時代の軽薄とは別種のものだ。当時には
リアルだった感覚も、時代が変われば、ただ気恥ずかしく感じられるということ。
(どうやら原作は『ふぞろいの林檎たち』のような物語だったらしい。陰の無さは、
石坂の作風か)

 さて、こういう映画の意義の一つは、作られた瞬間には意識されていなかった画が
タイムカプセルのように閉じ込められていて、それを未来の観客が観られることだ。
 例えばサユリちゃん達の車が通るのは、作りかけの首都高羽田線(おそろしく雑な保安
が見える)行き先は、まだ国際線に使われていた頃の羽田空港。駐車場にチラリと写るの
は移設しようとする度に関係者に不幸をもたらした「あの鳥居」だ。
 上野駅、日比谷公園、そしてサユリちゃんの奉公先の田園調布。どれも懐かしい昭和の
風景だ。そして改めてすごいなぁと思ってしまうのが、勝手口から勝手に入ってくる
「御用聞き」の男たち。しかも、よってたかってお手伝いさんを口説くのだから、今
だったら、即通報だ。

 社長さんのお宅へご奉公とくれば、期待されるのはイビリやイジメだが、社長夫人の
加藤治子も、ばあやの高橋とよも、なにしろ一家全員が善人ばかりで、拍子抜けする。
小遣いばっかやってないで、誰かイジメてやれよ(笑)
 仲間達の挫折も描かれるが、あまりにサユリちゃんに陽が当たりすぎてしまっていて
影もかき消されてしまう。しかしこれも、この時代の「青春スター」の扱いというもの
が保存されていると思って観れば、興味深くもあるということだ。


 あ、一番懐かしかったのが、谷内六郎氏の挿絵。当時はこの素朴な絵がカレンダーや
雑誌の表紙に欠かせなかった。この絵を観るだけで、子供の頃の思いが胸によみがえって
甘酸っぱくなる。


 (ykk1976さんの映画会・第56回)


このレビューは気に入りましたか? 8人の会員が気に入ったと投稿しています

吉永小百合は、日本映画史上も稀な「聖なる女優」

投稿日:2015/05/15 レビュアー:ロキュータス

( ネタばれあり )
 本作は1964年7月公開。 
東京オリンピックを目前に控え、ミロのヴィーナスの特別展が劇中に出てくるなど、高度経済成長真っ只中に集団就職で上京した主人公の少女とその仲間たちを描く。
活気あふれる時代の空気が画面からも伝わってくる気がする青春ドラマ。

吉永小百合は当時19歳。 同じ年に『 潮騒 』『 愛と死を見つめて 』などに主演、翌年には早稲田大学に進み、アイドル女優としての全盛期の頃。

原作の石坂洋次郎は、僕は読んだことはないですが、「 青い山脈 」「 若き人 」などで知られ、戦前から1960年代くらいまでの人気作家では、獅子文六や源氏鶏太らは小市民を描き、石坂は新しい世代の若者たちを描いていた。

その若者たちは、泥臭く義理人情のしがらみの人間関係である従来の日本の風土とは違った、自由と個人の自立を模索して、都会的で近代的な戦後の新しい価値観を持っている。
それは戦後の時代のあこがれであり、理想ではあるけれど、同時に、『 陽のあたる坂道 』が『 エデンの東 』みたいと評されたように、どこかバタくさく、現実とはかけ離れてちょっとうそ臭い。

本作の、多喜子が住み込む安川家も、扱いが女中からお手伝いさんにな「民主的」で、使用人に対してものわかりのいい( 酔っぱらって外泊しても何も怒らないし、仕事を途中で友達に会いに行ってもそれを認める。 )、気前のいい主人( 車に乗せて送ってくれたり、洋服やお小遣いをくれたりする、)一家は現実には考えにくく、特に加藤治子演じる奥様はいつもおだやかなできた人で、生身の人間とは思えない。

ただ一見能天気なタッチのドラマにも現実の陰は見えていて、集団で上京した仲間たちもそれぞれの生き方を選択して、いつまでも仲良しではいられない。
美容師から歌手、水商売の女となっても都会で生きて行こうとするかね子( 安田道代 。
現・大楠道代の初々しいデビュー作 )だし、思いあう新二郎( 浜田光夫 )とも生き方の違いで別れることになり、せつないが、それでも多喜子前を向いて生きていく。
さわやかで溌剌として美しい吉永小百合のオーラはさすが。

吉永小百合も現在70歳。 長嶋茂雄らとともに「 戦後日本の青春 」を象徴する存在だが、いまだにまったく老いを感じさせず若々しい。 
同じく清純派の女優でも、歳を重ねた八千草薫のようにおばあさん役とか考えられない。 高倉健亡き今、神秘的な「銀幕のスター」と言える最後の存在。
男たちを、みな初恋の女性に接した時のようにさせ、吉永小百合はアイドルから、今や、日本の「 真・善・美 」を象徴するアイコンとなった。

過去には殺人犯やベッドシーンや汚れた役柄もやってはいるがそのイメージは圧倒的であまりにも強烈であり、まったく崩れていない。  
そうして魅力的なスターなのに、出演作、特に近年のものが必ずしも評価されないのは、完璧な人間のいいお話し、予定調和的な美談というのは、リアリティがなくて、作品としてつまらなく思わせるからかな。

ともあれ、本作の吉永小百合はみずみずしく、生命感がある。
おてんばなスポーツ少女であり、酔っぱらって乱れても、ガールズ・トークでセックスの話をしても、まったく下卑たところがない。
まさか、吉永小百合の口から「オ○ン○ン」と言う言葉が出るとは・・・・・。

 吉永小百合は、日本映画史上も稀な「聖なる女優」と言えます。

( ykk1976さんの映画会 第56回のレビュー )

このレビューは気に入りましたか? 7人の会員が気に入ったと投稿しています

これも「吉永小百合」

投稿日:2015/05/15 レビュアー:まりこ

竹宮女史の「風と樹の詩」を思い出し、しばしぼおっと。
モノローグなんか朗読して、ひとりひたっていた少女の頃の想ひ出……なんてのは全くの余談です。
ついでに浮かんだのが「風と雲と虹と」(NHK大河。なんと40年も前!)。
これは吉永さんにしては珍しく妖しい役柄で「へぇ〜」って驚いた記憶が有ったような無かったような。
そしてこちら「風と樹と空と」は、多少のわだかまりはあるものの、おおむね超ポジティブな青春ドラマでありました。
(「深み」・「含み」と「ペラペラ感」が同居する便利な言葉を羅列した安易な題名に思えましたが、これは原作どおりなんでしょうか?)

若い頃からこの種の日活青春映画の「明るさ」が嫌いで、殆ど観る事がありませんでした。
高度経済成長期、「古い日本を脱ぎ捨てて明るく元気に自由を謳歌する若者達」は単に自己中のカタマリにしか見えなかったのです。
正しいと信じれば周囲の思惑無視で突き進むのが若さの特権、それが自然で正直だと肯定しているように感じました。
社会の矛盾に苦しむ一面も有りながら、その「苦悩」さえ一種のポーズに見えていたのは、単に私が天の邪鬼だったからかも知れません。
で、幾星霜……。
観ず嫌いで通してきたものの、この度映画会のお題になって「仕方無く」(笑)観てみれば……案外面白いやないの♪
雇い主にタメ口きくわ、未成年の分際で飲酒するわ、あれやこれやカチンとくる場面は多々あるものの、昔ほど腹も立たないとは、私もトシ取ったってことでしょうか。
さすがに汽車の中での大騒ぎ、リンゴの皮剥き騒動と多喜子の馬鹿笑いには本気でキレましたが(笑)。
ま、「みんな一生懸命だったんだなぁ」とまぁ、私もしみじみ感じ入る年齢に至ったワケですねぇ。
ヒロイン多喜子にロマンスも無く(←有ったかな?)、坊ちゃんと恋人の成り行きも深刻に描かれず、ですがこの曖昧さもいいじゃないですか。
本心は「中途半端なだけ?」と思いつつ、石坂洋次郎ってだけで「意図的な深み」を探す俗物おばさんの自分も少しばかり実感しました。
石坂作品は一作も読んでいないクセに、なんですが。

吉永小百合という人は何を演っても「吉永小百合」で、ちっとも面白く無いんですが。(あくまで主観です。ファンの皆様、怒らないでください…汗)
これも「吉永小百合」なんですねぇ。(なにワケの分からないコト言ってるんだろう)

(ykk1976さんの映画会・第56回)

このレビューは気に入りましたか? 5人の会員が気に入ったと投稿しています

小百合と小百合と小百合と

投稿日:2015/05/21 レビュアー:ykk1976

公開は1964年(昭和39年)7月、東京オリンピック直前。
映画の内容そのものよりも、映画の中の風景に、その当時の東京を感じて、違う意味で画面から目が離せなくなりました。
まだ「蒸気機関車」で福島から上京する時代なのね・・・東海道新幹線が開通するのがこの10月。
東京駅に羽田空港まで出てきて、後からこの時代を振り返るのに、あまりにもピッタリの映画で、そういうつもりで作ったのかな・・・
なんていぶかしんでしまいました。

このころ「小百合・浜田」コンビで多数映画を作られていたうちの一つの日活作品です。
早世した叔父(父の弟)が、石坂洋二郎のファンで、彼の書庫に石坂作品が残っていたので、
私の世代にしては珍しく、石坂洋二郎を読んでいた私ですが、この映画の原作は知りませんでした。
「小百合・浜田」コンビの映画も数作見ていますが、本作は今回初めて見ました。
コンビの映画ではありますが、役柄上、小百合ちゃんの単独主演という感じで、
なかなか小百合ちゃんのアイドルぶりが光っていて、私のようなファンには楽しい映画でした。
他にも十朱幸代さんとか山本陽子さんとか出てるけど、やっぱりスターの輝きは小百合ちゃんが一番でした。

それにしても、若者ってあんなに元気でキラキラしているものなんでしょうか。
わたしは、バブル崩壊後に青春時代を迎えたので、あんなキラキラしている人は、とんと見かけませんでした。
時代がブイブイしていると、みんなあんな感じになるのでしょうか。
なんだか足元おぼつかないくらいみんな浮かれていて(それなりに上京や結婚や恋や将来など悩みはありそうだけど)、
これから先もどんどん生活はよくなる、豊かになるっていう未来の展望は、若者をあんなふうにしちゃうのですね。それともこれはやはり映画の虚構かな。
セックスの話はあんなにおおっぴらにするもの?!
「金とセックスの話はしない」(下ネタはおおっぴらに話すけど)私には、一種のカルチャーショックでした。

ひとつだけ・・・。
小百合ちゃん演じるタキちゃんがやたらと雇い主から1000円もらっていましたが、
あの伊藤博文の1000円は、私が子どものころまで使われていました。
500円がお札であったのを知っている最後の世代がこの昭和50年前後に生まれた私たちではないでしょうか。
あの頃のお札は大きくてよかったなあ・・・とついつい見ているこちらを振り返らせてばっかりの映画でした。

このレビューは気に入りましたか? 4人の会員が気に入ったと投稿しています

吉永小百合さん大好き

投稿日:2020/06/29 レビュアー:1967年生まれの男性

吉永小百合さんの天真爛漫な演技が光ります
こういう無邪気なキャラのほうが合っていたんですね
冒頭の上野に上京するシーンや
後半の酔っ払ってしまう場面は最高でした
数多くの作品の中でも最高傑作に
あげられる一本だと感じました

このレビューは気に入りましたか? 0人の会員が気に入ったと投稿しています

1〜 5件 / 全6件

風と樹と空と

ユーザーレビュー

入力内容に誤りがあります。

内容をご確認のうえ、修正いただきますようお願いいたします。

  • 入力内容に誤りがあります。

ユーザーレビュー:6件

誰かサユリちゃんをいじめて下さい。 

投稿日

2015/05/15

レビュアー

ぴよさん


 サユリちゃんを乗せたオート三輪が田舎道を走ってゆく冒頭、ああこれはリアルトトロ
の風景じゃないかと思ってしまう。時は1964年、そんなに昔でも無いのにまるで遠い遠い
前時代の風景にも見えてしまう。考えてみれば私の子供時代だって、大人たちは電車のこと
を「汽車」と呼んでいたし、集団就職もまだ続いていた頃だったのだ、かろうじて。

 同じ石坂洋次郎の『青い山脈』ほどの青春群像ではなく、ドラマチックな何かが起こる
わけでもない。どこかのどかでのんき、でも妙な野心だけはある若者達の姿が描かれる。
彼らの言動はいかにも軽薄に見えるが、今の時代の軽薄とは別種のものだ。当時には
リアルだった感覚も、時代が変われば、ただ気恥ずかしく感じられるということ。
(どうやら原作は『ふぞろいの林檎たち』のような物語だったらしい。陰の無さは、
石坂の作風か)

 さて、こういう映画の意義の一つは、作られた瞬間には意識されていなかった画が
タイムカプセルのように閉じ込められていて、それを未来の観客が観られることだ。
 例えばサユリちゃん達の車が通るのは、作りかけの首都高羽田線(おそろしく雑な保安
が見える)行き先は、まだ国際線に使われていた頃の羽田空港。駐車場にチラリと写るの
は移設しようとする度に関係者に不幸をもたらした「あの鳥居」だ。
 上野駅、日比谷公園、そしてサユリちゃんの奉公先の田園調布。どれも懐かしい昭和の
風景だ。そして改めてすごいなぁと思ってしまうのが、勝手口から勝手に入ってくる
「御用聞き」の男たち。しかも、よってたかってお手伝いさんを口説くのだから、今
だったら、即通報だ。

 社長さんのお宅へご奉公とくれば、期待されるのはイビリやイジメだが、社長夫人の
加藤治子も、ばあやの高橋とよも、なにしろ一家全員が善人ばかりで、拍子抜けする。
小遣いばっかやってないで、誰かイジメてやれよ(笑)
 仲間達の挫折も描かれるが、あまりにサユリちゃんに陽が当たりすぎてしまっていて
影もかき消されてしまう。しかしこれも、この時代の「青春スター」の扱いというもの
が保存されていると思って観れば、興味深くもあるということだ。


 あ、一番懐かしかったのが、谷内六郎氏の挿絵。当時はこの素朴な絵がカレンダーや
雑誌の表紙に欠かせなかった。この絵を観るだけで、子供の頃の思いが胸によみがえって
甘酸っぱくなる。


 (ykk1976さんの映画会・第56回)


吉永小百合は、日本映画史上も稀な「聖なる女優」

投稿日

2015/05/15

レビュアー

ロキュータス

( ネタばれあり )
 本作は1964年7月公開。 
東京オリンピックを目前に控え、ミロのヴィーナスの特別展が劇中に出てくるなど、高度経済成長真っ只中に集団就職で上京した主人公の少女とその仲間たちを描く。
活気あふれる時代の空気が画面からも伝わってくる気がする青春ドラマ。

吉永小百合は当時19歳。 同じ年に『 潮騒 』『 愛と死を見つめて 』などに主演、翌年には早稲田大学に進み、アイドル女優としての全盛期の頃。

原作の石坂洋次郎は、僕は読んだことはないですが、「 青い山脈 」「 若き人 」などで知られ、戦前から1960年代くらいまでの人気作家では、獅子文六や源氏鶏太らは小市民を描き、石坂は新しい世代の若者たちを描いていた。

その若者たちは、泥臭く義理人情のしがらみの人間関係である従来の日本の風土とは違った、自由と個人の自立を模索して、都会的で近代的な戦後の新しい価値観を持っている。
それは戦後の時代のあこがれであり、理想ではあるけれど、同時に、『 陽のあたる坂道 』が『 エデンの東 』みたいと評されたように、どこかバタくさく、現実とはかけ離れてちょっとうそ臭い。

本作の、多喜子が住み込む安川家も、扱いが女中からお手伝いさんにな「民主的」で、使用人に対してものわかりのいい( 酔っぱらって外泊しても何も怒らないし、仕事を途中で友達に会いに行ってもそれを認める。 )、気前のいい主人( 車に乗せて送ってくれたり、洋服やお小遣いをくれたりする、)一家は現実には考えにくく、特に加藤治子演じる奥様はいつもおだやかなできた人で、生身の人間とは思えない。

ただ一見能天気なタッチのドラマにも現実の陰は見えていて、集団で上京した仲間たちもそれぞれの生き方を選択して、いつまでも仲良しではいられない。
美容師から歌手、水商売の女となっても都会で生きて行こうとするかね子( 安田道代 。
現・大楠道代の初々しいデビュー作 )だし、思いあう新二郎( 浜田光夫 )とも生き方の違いで別れることになり、せつないが、それでも多喜子前を向いて生きていく。
さわやかで溌剌として美しい吉永小百合のオーラはさすが。

吉永小百合も現在70歳。 長嶋茂雄らとともに「 戦後日本の青春 」を象徴する存在だが、いまだにまったく老いを感じさせず若々しい。 
同じく清純派の女優でも、歳を重ねた八千草薫のようにおばあさん役とか考えられない。 高倉健亡き今、神秘的な「銀幕のスター」と言える最後の存在。
男たちを、みな初恋の女性に接した時のようにさせ、吉永小百合はアイドルから、今や、日本の「 真・善・美 」を象徴するアイコンとなった。

過去には殺人犯やベッドシーンや汚れた役柄もやってはいるがそのイメージは圧倒的であまりにも強烈であり、まったく崩れていない。  
そうして魅力的なスターなのに、出演作、特に近年のものが必ずしも評価されないのは、完璧な人間のいいお話し、予定調和的な美談というのは、リアリティがなくて、作品としてつまらなく思わせるからかな。

ともあれ、本作の吉永小百合はみずみずしく、生命感がある。
おてんばなスポーツ少女であり、酔っぱらって乱れても、ガールズ・トークでセックスの話をしても、まったく下卑たところがない。
まさか、吉永小百合の口から「オ○ン○ン」と言う言葉が出るとは・・・・・。

 吉永小百合は、日本映画史上も稀な「聖なる女優」と言えます。

( ykk1976さんの映画会 第56回のレビュー )

これも「吉永小百合」

投稿日

2015/05/15

レビュアー

まりこ

竹宮女史の「風と樹の詩」を思い出し、しばしぼおっと。
モノローグなんか朗読して、ひとりひたっていた少女の頃の想ひ出……なんてのは全くの余談です。
ついでに浮かんだのが「風と雲と虹と」(NHK大河。なんと40年も前!)。
これは吉永さんにしては珍しく妖しい役柄で「へぇ〜」って驚いた記憶が有ったような無かったような。
そしてこちら「風と樹と空と」は、多少のわだかまりはあるものの、おおむね超ポジティブな青春ドラマでありました。
(「深み」・「含み」と「ペラペラ感」が同居する便利な言葉を羅列した安易な題名に思えましたが、これは原作どおりなんでしょうか?)

若い頃からこの種の日活青春映画の「明るさ」が嫌いで、殆ど観る事がありませんでした。
高度経済成長期、「古い日本を脱ぎ捨てて明るく元気に自由を謳歌する若者達」は単に自己中のカタマリにしか見えなかったのです。
正しいと信じれば周囲の思惑無視で突き進むのが若さの特権、それが自然で正直だと肯定しているように感じました。
社会の矛盾に苦しむ一面も有りながら、その「苦悩」さえ一種のポーズに見えていたのは、単に私が天の邪鬼だったからかも知れません。
で、幾星霜……。
観ず嫌いで通してきたものの、この度映画会のお題になって「仕方無く」(笑)観てみれば……案外面白いやないの♪
雇い主にタメ口きくわ、未成年の分際で飲酒するわ、あれやこれやカチンとくる場面は多々あるものの、昔ほど腹も立たないとは、私もトシ取ったってことでしょうか。
さすがに汽車の中での大騒ぎ、リンゴの皮剥き騒動と多喜子の馬鹿笑いには本気でキレましたが(笑)。
ま、「みんな一生懸命だったんだなぁ」とまぁ、私もしみじみ感じ入る年齢に至ったワケですねぇ。
ヒロイン多喜子にロマンスも無く(←有ったかな?)、坊ちゃんと恋人の成り行きも深刻に描かれず、ですがこの曖昧さもいいじゃないですか。
本心は「中途半端なだけ?」と思いつつ、石坂洋次郎ってだけで「意図的な深み」を探す俗物おばさんの自分も少しばかり実感しました。
石坂作品は一作も読んでいないクセに、なんですが。

吉永小百合という人は何を演っても「吉永小百合」で、ちっとも面白く無いんですが。(あくまで主観です。ファンの皆様、怒らないでください…汗)
これも「吉永小百合」なんですねぇ。(なにワケの分からないコト言ってるんだろう)

(ykk1976さんの映画会・第56回)

小百合と小百合と小百合と

投稿日

2015/05/21

レビュアー

ykk1976

公開は1964年(昭和39年)7月、東京オリンピック直前。
映画の内容そのものよりも、映画の中の風景に、その当時の東京を感じて、違う意味で画面から目が離せなくなりました。
まだ「蒸気機関車」で福島から上京する時代なのね・・・東海道新幹線が開通するのがこの10月。
東京駅に羽田空港まで出てきて、後からこの時代を振り返るのに、あまりにもピッタリの映画で、そういうつもりで作ったのかな・・・
なんていぶかしんでしまいました。

このころ「小百合・浜田」コンビで多数映画を作られていたうちの一つの日活作品です。
早世した叔父(父の弟)が、石坂洋二郎のファンで、彼の書庫に石坂作品が残っていたので、
私の世代にしては珍しく、石坂洋二郎を読んでいた私ですが、この映画の原作は知りませんでした。
「小百合・浜田」コンビの映画も数作見ていますが、本作は今回初めて見ました。
コンビの映画ではありますが、役柄上、小百合ちゃんの単独主演という感じで、
なかなか小百合ちゃんのアイドルぶりが光っていて、私のようなファンには楽しい映画でした。
他にも十朱幸代さんとか山本陽子さんとか出てるけど、やっぱりスターの輝きは小百合ちゃんが一番でした。

それにしても、若者ってあんなに元気でキラキラしているものなんでしょうか。
わたしは、バブル崩壊後に青春時代を迎えたので、あんなキラキラしている人は、とんと見かけませんでした。
時代がブイブイしていると、みんなあんな感じになるのでしょうか。
なんだか足元おぼつかないくらいみんな浮かれていて(それなりに上京や結婚や恋や将来など悩みはありそうだけど)、
これから先もどんどん生活はよくなる、豊かになるっていう未来の展望は、若者をあんなふうにしちゃうのですね。それともこれはやはり映画の虚構かな。
セックスの話はあんなにおおっぴらにするもの?!
「金とセックスの話はしない」(下ネタはおおっぴらに話すけど)私には、一種のカルチャーショックでした。

ひとつだけ・・・。
小百合ちゃん演じるタキちゃんがやたらと雇い主から1000円もらっていましたが、
あの伊藤博文の1000円は、私が子どものころまで使われていました。
500円がお札であったのを知っている最後の世代がこの昭和50年前後に生まれた私たちではないでしょうか。
あの頃のお札は大きくてよかったなあ・・・とついつい見ているこちらを振り返らせてばっかりの映画でした。

吉永小百合さん大好き

投稿日

2020/06/29

レビュアー

1967年生まれの男性

吉永小百合さんの天真爛漫な演技が光ります
こういう無邪気なキャラのほうが合っていたんですね
冒頭の上野に上京するシーンや
後半の酔っ払ってしまう場面は最高でした
数多くの作品の中でも最高傑作に
あげられる一本だと感じました

1〜 5件 / 全6件