マニアック

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「指輪」の帝王「イライジャ・ウッド」が独創的な変質殺人鬼として登場！

淫乱な母親のせいで幼い頃にトラウマを抱え寂しくも哀しく育った主人公。
大人になりマネキン修復士となった彼はマネキンしか愛せなくなっていた。
彼の歪んだ心は夜な夜な美女を殺し頭皮ごと髪を強奪するように・・（おめえはインディアンか！＾＾
血の滴る頭髪を持ち帰ってはマネキンの頭にくっつけて・・
ある日チョ〜美しい女性が現れ友人として仲良くしていたのだが、うごめく邪悪な欲望が・・

ショッキング・バイオレンス・スリラーらしいが
（アルジェントみたいな？）どこか懐かしい内容と音楽が醸し出す「サスペンス風味の猟奇ホラー」これはもうジャーロじゃろ。

少しでも多くの人に観て貰おうと日本では「Ｒ１５」にしたそうだ。
そのため「剥いだりえぐる描写６ヶ所」は編集され暗かったりボヤかされて良く見えなかった。
コアファンとしてはチョ〜ガッカリ・・しかも、Ｒ１５にした割には上映館も少なかったぞ・・＾＾
ま、それでも素晴らしい。特にオーラスに魅せる描写はもう完璧！ 緊張感が無いのが残念だが「キモイ演出」が売りなので仕方ない。

１９８０年のカルト・スラッシャー「マニアック」をリメイクした本作は終始ＰOＶ（主観映像）で撮影されている。
ＰOＶと言えば、手持ちカメラの手振れのせいで観客は目が回り非常に不快感を催すのだが、本作はそんな事はない。
一流スタッフらが実に上手く撮っているからだ。
もう「イライジャ・ウッド」はカメラを終始抱えっ放しなので大変だったであろう。

「ヒルズハブアイズ」「ハイテンション」「ミラーズ」「ピラニア」で有名な「アレクサンドル・アジャ」が製作・脚本。
「Ｐ２」で有名な「フランク・カルフン」が監督。この２人はいつも仲良しナイスコンビだ。
「イライジャ・ウッド」はホラーが好き過ぎて自らホラー映画専門の製作会社を興したそうな。

殺そうとしてる訳じゃない、お前を永遠に我が物にしたいんだ！とでも言いそうな「イライジャ・ウッド」が超ハマリ役！＾＾

＜物語＞マネキン修復の仕事をしているフランク（イライジャ・ウッド）は、連続殺人鬼。
彼は子ども時代のトラウマに苦しめられていたのだった。

本作では、観客は主人公の目を通しての映像を見る形になっていて、
彼の顔が見えるのは、鏡などにうつったときや彼の想像の中のシーンだけなんですが、
はっとするほど印象的。
イライジャ・ウッドの大人なんだか子供なんだかはっきりしないようなルックスと、
屈折して苦悩している表情がすばらしい雰囲気を醸し出しているのに、少ししか映らないのは残念。

主人公目線にしたのは、臨場感を出すためなのかもしれないけど、
下から彼の手が出てきたりするのは違和感あるし、妙に間延びしてる感じ。
この手法は短時間ならいいかもしれないけど、全編でやるのは逆効果だったかも。
殺しのシーンも、視点が一点なので単調になってしまうし。

彼のトラウマ、心理状態はしっかり描けていると思うけど、ホラーなんだからそこまで求めてないし、
それより怖い方がいいんじゃないの？！
美しい映像にこだわっているのは伝わってきたけれど、それほど個性的でもないし、すぐ忘れ去ってしまいそうな作品…。
総合的にはイマイチでした。

イライジャウッドが「シンシティ」に続き、悪役、というか
かなり凶悪犯を演じるってことで
おそるおそる行って来ました。

オリジナルは未見です。

ですが、見てビックリしたのが
まさかの「殺人鬼視点のＰＯＶ」だったってこと。

アレ？イライジャの姿、これ、もしや最後まで映らないんじゃ・・・・・（笑
なんて思いましたが・・・・大丈夫、ちゃんと出てきます。

しかし、ＰＯＶ苦手な私も、この「殺人鬼視点」ってのは
なかなか引き込まれましたよ。
いろいろナマナマしいのです（苦笑

もうね、主人公の設定からして
なんか、不穏な要素揃ってる。
幼い頃、母が目の前でいろんな男とセックスしまくる姿を
見て育ったせいで、
それがトラウマとなり、性的不能となり
マネキンが大好きに・・・・

マネキンの修復を仕事として生きているが
実は、女性を惨殺して頭皮を剥いでマネキンにかぶせて悦に入るという
なんともアレな趣味を持っている。

こんな変態サイコ野郎をイライジャが演じてる。

いつもはかわいらしいと思う、あの蒼くて大きな目が不気味なことこの上ないです。

そんなある日、彼の仕事に興味をもった女性とイイ感じに意気投合、
もしかして、彼に明るい未来が？？？

・・・・なんてことは、ありませんね、この手の映画。

主人公的には彼女とハッピーエンドのつもりかもしれないが、
それは、傍から見たら、惨劇です・・・・

曲がった愛情、屈折した心理
その行く果ては
こういうサイコキラーにかかるとああなるわけですな。

いやー、イライジャ新境地とか言われてたけど
「シンシティ」とともにひとつ幅広げた感。

あの顔立ちでも、演技力と、演出で
「かわいらしい」封印、不気味まっしぐら。

ここまでするなら、ボカシなしバージョンも限定公開でいいから上映してほしかったな。

トラウマから屈折した愛情に走り、狂気の殺人鬼を演じたイライジャにあっぱれ。

幼少時代に育った環境により
マネキンしか愛することができなくなった男の物語。
と、ありふれた設定と物語なんですが
これがなかなかどうして面白く
と、同時になんともやりきれなくて切ないです。
そんな主人公にイライジャ・ウッド
これはまさかのキャスティングですよね
しかし、「シンシティ」でも異常殺人鬼を見事に演じたように
彼は「こっち側」もイケる役者です。
その容姿が見事なギャップとなって
より異常性を際立たせますね。
もちろん演技力も素晴らしいです。
で、この作品はほぼ
それこそ９９．８パーセントぐらいＰＯＶ映像です。
ボクが気付いた限りでは
イライジャの目線（主観）映像じゃなくなったのは一度だけだったと思います
（違ったらごめんなさい）
それほど徹底しています。
で、これがカメラの主観映像とかではなく
あくまで目線ということにこだわったことで
切なさが増していきます。
と同時に
ずっと目線映像なので
イライジャが恋心を抱く女性を演じる
麗しのノラ・アルネゼデール嬢を見放題という嬉しい特典アリ
これはデート気分を疑似体験できるのではないでしょうか
なかなかのデートになっちゃいますが
覚悟して観る価値はあると思います。
ノラ嬢、カワイイです。

一番印象に残ったのは手を洗うシーン
あれが彼の内側の全てを表現しているんでしょうね。

結構ショッキングですが、
なぜか美しくも感じます。

考えるに　今のＰＯＶってのは　イタリヤのジャーロの窃視症的キャメラが走りなのだろうと　オリジナル「マニアック」は忘れたが
英国の「血を吸うカメラ」の方を思い出したりする　ストレートに模倣しているのがよろしい　クラシカルなジャーロとＰＯＶと
サイバー空間などが合体出会っているのだろう

冒頭の暗い街路と停電のアパートは　暗闇と照明がうまく噛み合わないなあと感じるんだけど　こちらは明るめの部屋でＤＶＤで
見てるせいかな　３０分くらいたつと映像がどんどん良くなって　室内とかも綺麗に撮れている　音楽もなかなか緩急つけてうまいかな　
もうちょいカルロルスティケリとかゴブリンみたいに扇情的でもいいかなと思うけど　まあこの抑制もあってるかな　
自分の顔を洗うシーンはＰＯＶがカメラに水をかけるってのが　馬鹿馬鹿しくて笑える

ＰＯＶもしかしどんどんのって来て　これで最後まで突っ走っちゃうとしたらやれやれなのだが　計算された美学になってきて　
地下鉄の襲撃シーンなんかは　ジャンプショットの様につじつまが合わないのに　流麗に撮られていて　ダリオアルジェントの
「スリープレス」の様に興奮させてくれる　そうか整合性のない画面優先のＰＯＶはいけるかもしれない

気合が入りまくりの　イライジャのホラーオタクらしい悪夢のモノローグとゆうシンプルな構成で良しとするのが潔い　
さてこのようなアナクロニズムがホラー映画と言うジャンルで　どのように生き残っていくのかってのは　まことに興味深いものがあります