悪霊病棟

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２０１３年深夜枠でかかったホラードラマ。
お化け屋敷プロデューサー・五味弘文による、お化け屋敷「呪い歯」（五味弘文プロデュース）、小説「憑き歯」（著・五味弘文）と展開したホラープロジェクトのドラマ部門。総監督はＪホラーの重鎮、鶴田法男。

主人公尾神琉奈（おがみるな・夏帆）は、家ではコットンライフで飾り気のないナチュラル女子、職場では常に猫背で小走り、地味で暗くてドンくさい平ナース。
小声で自信なさげに患者と接するためか、患者から担当ナースを替えてくれと言われることもしばしば。
そのため仕事にも自信が持てず落ち込む彼女の部屋をちょくちょく訪れて慰めるのは、中学時代からの同級生で、映像製作会社に勤めるポジティブな愛美（高田里穂）だ。

実は琉奈は、退魔師の血筋で、最強な霊感と後半では調伏する能力があることも判ってくる。
その能力ゆえ死亡した母親を心から愛していた父親（嶋田久作）は、折に触れ彼女の身を気遣う。

が、琉奈が勤める隈川病院には、旧病棟と呼ばれる廃屋があり、患者やナースから霊の目撃談など不吉な噂が絶えず、ある日備品を取りに行った琉奈自身も名前を呼ばれ、怖い目にあったりする。
けれどなぜか病院側は、いまだ備品や資料置き場として使い、取り壊そうとしない。

ナースや患者らの旧病棟の悪い噂を渋い顔で聞いているのは、若手研修医の隈川朝陽（大和田健介）だ。
彼は病院の跡継ぎだが、特に優遇されることなく、よく働き気遣いがあって優しい好青年。
院長隈川圭太（春日純一）は旧病棟を取り壊さない理由については頑なに口を閉ざしているが、困り果てていることを知る息子は、あえて父を問い詰めることなく火消しに勤める毎日。
また、主任ナースの木藤（森脇英理子）は、口はキツいが強い精神力の持ち主で、琉奈や同僚の彩香（川上ジュリア）ら後輩のふがいなさにキレつつも彼女たちのカバーに余念がない。

前半は怪奇現象や心霊シーンの目白押しだしグレードも高いので面白いんだけど、半ば頃から琉奈役夏帆の妙な色気がどうにも気になってしまいｗ
その上、琉奈と朝陽がやはりの急接近、その頃からようやく愛美のボス斑目和也（鈴木一真）が旧病棟の秘密を暴くと本格参戦、中盤のクライマックスでは彩香がスゴイことになったりで、ホラーなのは確かだけどなにかととっ散らかったまま進行。

終盤にかけては恐怖や謎解きよりやたら素人くさいＰＯＶだの感染ゾンビだの悪霊調伏だのとスペクタクル＆アクションメインになっていくのが残念すぎ。
その上、お化け屋敷や書籍が抱き合わせなので、そっちもよろしくね！的な終わりだったのには、やはり激オコ感は否めないわけだけど、まぁ、それは直前ＳＰからお化け屋敷作家さんが仕込んでますよーと言っちゃってるわけだから予想範囲内なのかも。
プロジェクトのフルコンプした方がいらしたら、ぜひ感想を拝聴したいところです。

だがしかし。今作の見所は実はそこじゃない気がするｗ
夏帆は、どんなにサエない役だろうが真っ赤なワンピの退魔師だろうがｗ旅ルポだろうが絵になるし、なんつーか、仄エロいｗ
彼女のファンは、冒頭の猫背小走りにドン引きせず、ぜひがっつり見ていただきたい。

傍らで美人主任役の森脇英理子や、同僚彩香役の川上ジュリアがどんだけ体張ってても、夏帆の空気感はびくともしないとこなんか、昨今レイキャビク・ホエールなんちゃらで妙な具合に再燃し始めてる裕木奈江と妙にかぶってしまうのはアタシだけ？

必ず毎回出て来るのは白装束の女のバックショットとその女が振り向いて黒い汚い歯をシャーッとむくシーン。夜中に見てると、結構毎回ビクッとしてしまうんだけど、怖いなぁと思うのは
それ位で、後は特にはホラーファンとしては面白みが欠けたまま。
でも見始めたんだから最後まで見ようと頑張りました。主演の夏帆は思い切り猫背なんですが、多分ご本人は相当苦労されたと思いますよ。
本物の猫背の人以上に前のめりになってたから、あれじゃぁ撮影終わりに直ぐマッサージ屋さんにGO!！だったでしょうね。
最後に着てたあの赤いワンピース、驚きました。お母さんは多分、祈祷師というか、お祓い専門の職の方だったんだろうと思ってたので、お父さんから受け取ったお母さんの仕事着は絶対に巫女さんの形だと思ってたのに、何と真っ赤なワンピース！エッ？？と一瞬言葉が止まる程驚きました。
でも、夏帆はモデルなのに今回随分頑張りましたねぇ。女優だと言ってもおかしくないくらいでした。

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お化け屋敷プロデューサーの五味弘文氏が、お化け屋敷から発展させて作られた作品で
病院の使われていない旧病棟を中心として繰り広げられる心霊ドラマ。
なので、後から思えば後半のゾンビみたいな展開とか、ラスボスなんかもお化け屋敷チック
だったなあと感じます。
Ｊホラー界の巨匠：鶴田法男が総監督を務めているので、幽霊の登場のさせかたなんか、
「ほん怖」路線でＧＯＯＤです。
この病院のセットになっている建物ですが、最近あちこちのホラー映画でつかわれていますね。
（また、ここかって感じです。）
ストーリーはまあ、シンプルですが、ある意味色々な派生ストーリーが無く、登場人物も少なくて
見やすい内容だと思います。
過去の怨念に基づく呪いと、その呪いを解く者の戦いって事になるのですが、後半ゾンビっぽく
なったのはなんだかな〜って感じと、無理やりPOVを入れたのは、臨場感を増すための演出と
お化け屋敷視点って事なのかと思いますけど。（ちょっとキツかった！！）
で、主役の夏帆ですが、確かに猫背で小走りで涙・鼻水ぐちゃぐちゃの演技が、故意の演出によるものなのか、
自然の演技によるものなのか、見方によってはこのドラマの非常に特徴的な部分で、面白く見る事が出来ました。
最終話の赤いワンピース（鶴田監督のトレードマークなのか？）で颯爽とのりこんで、現場をまのあたりに
素の状態に戻る部分なんかは、すこし「トリック」の様なノリを感じました。
主任が「幽霊が怖くてナースがやってられるか！！」って喝を入れますが、正しくその通りだと思います。
人の生死に関わる場所であるので、気にしていたら勤まらないって事なのですが、
でも、やっぱりこわいですよね〜。
後、疑問に思うのですが院長室の肖像画はまぎれもなく麿赤兒さんだと思うけど、肖像画のみの出演だったのかな、
三輪ひとみも写真だけかと思っていたら、終盤で登場したけど。