ラストホープ

２０１３年１月期のフジテレビ火曜９時のドラマ。
大学医学部附属病院の“高度先端医療センター”を舞台に、医療の限界や医者の葛藤、倫理観というものを描き出しています。
最先端医療に取り組む医師たちは、センター長・鳴瀬（高嶋政宏）によって選ばれた各分野の精鋭たちで、年齢もキャリアも専門も異なる実に個性的な人物たちです。
時折挿入される過去のエピソードによって、メンバーの全てが、何らかの秘密や事情を抱えていることが想像されます。
主役の相葉雅紀が演じるのは、聴診器で心音を聞いただけで症状を見立てることができるという“診断のプロ”波多野医師です。
父親の営む診療所を手伝っていた経歴から、仲間から「町医者」と呼ばれています。
本人が「僕は町医者だったので、基本、オールマイティーです」というだけあって、診断から手術までこなします。
相葉君なので、優秀なドクターという感じはありませんが（そのギャップがいいのかも）患者から慕われる人柄は伝わってきます。
多部未華子が演じるのは、元救命医の経験を持つ脳神経外科医。
仲間から「趣味は人命救助か？」といわれるくらいに患者や病気とストイックに向き合っています。
仲間の医師を呼び捨てにしタメ口をきくけれど、患者に対する時の態度や言葉遣いは丁寧です。
高木医師（田辺誠一）は、心臓と消化器の外科医で、本人曰くゴッドハンドの持ち主。
事情があって日本では医者ができなくなり、アメリカで医師免許を改めて取得したという経歴があります。
萩原雪代（小池栄子）は、バツイチの血液内科医。
高校生の時、機内で母親が倒れ医師に助けを求めるも、誰も手をあげてくれず、母を亡くしました。
その辛い体験から「自分は患者を見捨てる医師にだけはならない」という思いで人の生死に向き合っています。
副島医師（北村有紀哉）の専門は神経眼科。
副島グループの御曹司ながら、家を継ぐことよりも、自由診療部門のビジネスに野心を抱いています。
古牧医師（小日向文世）は、臨床医ではなくて高度先端医療センターの研究医という立場です。
何かと言うと医療の薀蓄を披露しますが、臨床医たちに違った視点からのアドバイスを与える役目も担っているように思います。
彼は、ある実験の成功を目前に、神の領域を侵そうとしています。
以上、高度先端医療センターの６人のメンバーの紹介でしたが、町医者の波多野の決まり文句は『ここは医療の最後の砦。ラストホープです』
HOPE-01〜HOPE-11までの全１１話のエピソードでは、他の病院からさじを投げられてしまった患者の絶望と希望、医療の限界と向き合いつつ、患者にラストホープを約束する医師たちの強い覚悟が描かれています。
６人の医師たちの謎めいた過去や真実は小出しに紹介され、すべてが明らかになるのは最終話まで待たされます。
自身が患者になった経験のある方、家族に患者を抱えている方、視聴者側の事情も色々でしょうが、ここまでお医者さんたちが懸命に向き合ってくれたなら、患者本人も家族も納得できるのではないかと感じました。
生死と真っ向から向き合うのは大変な苦悩であり、患者にとっても家族にとっても医者にとっても、非常に辛い選択と決断を強いるものだと思いました。

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

先端医療をテーマに患者を助けるという医療もの。

町医者、外科、救急、眼科医など、
各分野の隠れたエキスパートを集めた先端医療センターを、
舞台に、患者を助けていく。
それとともに、全体を通したストーリーとして、
このチームのそれぞれの人の、
物語が付随していく。

各話は、医療ドラマとして、標準的。
正直、医者から見たら、このチーム構成で、
高度な医療と、その外科に挑む形は、たぶん、
相当、おかしなことなんだろうと思う。

でも、それぞれの話で、出てくる医者を変えるわけのも、
ドラマとしては、どうかと思うし・・・

ただ、話としてはおかしいし・・・

私が何よりも、問題にするのは、
よくある、アメリカ映画のコピー。
ネタバレになるが、本作も、アメリカ映画の、とても優秀な作品を、
完全にパクっている部分がある。

だから、どうしても、本作は、一定以上の評価は不可能だと思った。

配役に関しては、
嵐の相葉が主人公を演じる。
これまで、他の嵐のメンバーと比較して、主役が少ない彼だが、
本作は、可も無く、不可もなくというところか。

普通にありえない、スーパー町医者を演じるだけに、
正直、役作りといっても、ないものを演じる訳で、
ま、脚本が変なだけで、悪くはないと思う。

その他、多部未華子が、ロボットと呼ばれる冷徹な救急医、
田辺誠一が、プレイボーイな外科医、
小池栄子が、ギャンブル好きの内科医を演じ、脇を固める形。

田辺誠一、小池栄子はいいとしても、
多部未華子は、そんな冷徹な感じがもともとないだけに、
配役ミスだと思う。

ま、標準的な医療ドラマとしては、ありとは思うが、
駄目な部分も散見された、そんなドラマだった。