ラスト・シャンハイ

評価７８点(１００点満点)
舞台は１９２０年代、日中戦争直前の「魔界」と称された上海で繰り広げられるマフィア同士の抗争を描いたアクション作品ながらせつない恋もあるなかなかの作品。
貧民として生まれ育ったチェン・ダーチ、事件に巻き込まれて投獄されるところから彼の運命は大きく変わり、シャンハイマフィア界の大ボス　ホン・ショウディンの片腕として頭角を現すようになる。当時のシャンハイは闇社会が牛耳る街、政治家も警察も賄賂になびき、街には世界の列強がそれぞれの租界をつくりまさしく「魔界」というにふさわしい処であったようだ。
ここに日本軍の侵略があり上海は崩壊してゆくことになるのだが、そんな激動の時期に活躍したチェン・ダーチはなかなか義に厚い男、従う部下も個性的な強者でこれまた義を大事にする。
基本的には上海マフィアの争いに日本軍が絡むアクション作品でかなり派手なシーンもある。もう一人の主役は昔チェン・ダーチと相思相愛の中であったイエ・ジーチウ、彼女は京劇のスターとなり抗日運動に関わっている大学教授の妻、そんな二人が再会するが住む世界はもう違っている。でもチェン・ダーチは優しさをみせ彼女を支える。
しかし日本軍の侵攻で状況は一変、権力構図は変わり追いつめられるチェン・ダーチ。
ラストに近い京劇の場面はなかなか良い見せ場、ラストシーンは哀愁の漂うエンディングとなっている。
かくして「魔界」は消失する。

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　1930年代の上海を舞台にマフィアとしてのし上がっていく青年が初恋の女性との想いを忘れずにいたりしつつ、香港映画らしい激しい銃撃戦に香港映画らしい裏社会を描き、香港映画らしい義に生き義に殉じる男たちを描き、香港映画らしいそんな男たちを支える女性たちが出てきて、香港映画らしい悪い日本軍との戦いを描く。

　上海の街並みから豪華絢爛でそこを白背広でコルトガバメントをぶっ放つチョウ・ユンファが最高にカッコいいです。
　田舎から上海でのし上がっていくことを夢見て、マフィアのボスのサモ・ハンと出会う青年時代。上海の顔役まで上り詰めた主人公が、自分たちを苦しめる日本軍と戦うというのを交互に見せていきます。

　いろんな要素がてんこ盛りで男が惚れる男がいっぱい出てきて、それに初恋の女性との別れがあり再会があり人妻になってしまった初恋相手との想いだったり、現在の妻との想いだったりが丁寧に描かれつつ。
　合間に激しい銃撃戦や若い時は包丁もってみんなで殴り込みしたりと激しいです。

　そしてクライマックスの京劇がきっかけとなる銃撃戦なんかも面白かったです。結ばれなかった初恋相手とも奥さんともベタベタな感じですが、それが泣けちゃうという。
　ちょっと年代が行ったりきたりするので1本しっかりとしたストーリーがつかみにくいかな?　とも思わなくもないですが、逆に1人の人生を120分でまとめるのがなかなかすごい映画でした。

大人の恋の物語ですね。
周潤發の若い頃を演じた黄暁明が潤發にどことなく似ていてよく撮れているなと思いました。
上海って夢のある賑やかなところとして描かれていますが
その裏にはいろんな思惑がうごめいているのです。
そんな時代に翻弄される主人公と幼なじみの女の子。
一途な思いが悲しいです。

とても良い作品でした。
奥さんの一途な愛に泣けました。

良い作品でした。
物悲しく、悲しい、思い
泣けました。