拳銃無宿

拳銃無宿Ｖｏｌ．２（１９５８年〜１９６１年・アメリカ、カラー、１００分）：原版はモノクロ

今年（２０２３年）の観初めは、最も好きな俳優スティーヴ・マックィーンの「拳銃無宿」。
Ｖｏｌ．１を２０１９年１２月８日に観ており、約３年余りが経っている。

１話２５分のドラマが４話挿入されており、合計１００分の編集。
嬉しいことに、本編中の第２話にはジェームズ・コバーンがゲスト出演しており、後に「荒野の七人」（６０年）で共演することになるので興味深い。

スティーヴ・マックィーンは、無口で孤高なガンマン ‘ジョッシュ・ランダル’ に扮し、本作でＣＢＳのドル箱スターとなる。
ポール・ニューマン主演の「傷だらけの栄光」（５６年）で映画デビューはしているものの、ノンクレジットのチョイ役であった。
彼の初主演作は「マックィーンの絶対の危機（ピンチ）」（５８年）であるが、日本では「ＳＦ人喰いアメーバの恐怖」という邦題が付けられたホラー映画だった。それはそれでクラシック感もあって良かったのだが、
やはり、マックィーンの原型はこの「拳銃無宿」ではなかろうか。

マックィーン演ずるジョッシュ・ランダルは賞金稼ぎである。
だが、得た報酬は人のため、世のため、弱者のために差し出すのだ。
そして、寡黙な男で紳士である。
銃の扱いに長けており、腕っぷしも強い。
こんなヒーローに、男が憧れを抱かないはずはない。
そう感じるのは俺だけなのだろうか。
オンザロックが腸に染み入る！

拳銃無宿Ｖｏｌ．１（１９５８年・アメリカＴＶ映画、カラー、１２０分）：原版はモノクロ

我らが英雄スティーヴ・マックィーンの原型がここにある。
孤独の影を引きずる寡黙な賞金稼ぎ、ジョッシュ・ランダルを好演し、彼は一躍有名俳優となった。

子どもの頃に観たテレビ放映のオリジナルはモノクロ映像であったが、このＤＶＤはカラー処理が施されており、それはそれで観やすくていい。
マックィーンは薄いブルーのシャツ、グレーっぽいズボン、腰にはウィンチェスター銃を短くしたようなランダル銃（メアーズレッグというもの？ 銃に詳しい‘ちゅく’さんにお聞きしないと．．．）がホルスターに収められている。そしてガンベルトには、２０発から３０発ほどの銃弾が横並びに装着されている。う〜〜ん、この姿を観ているだけでほれぼれする。

１話３０分の編集なので展開が早いが、起承転結がちゃんと成立しており、ドラマ性のある西部劇。
それが複数作挿入されているのだから、マックィーン・ファンならずとも楽しめる。
マックィーン演ずるジョッシュ・ランダルは ‘賞金稼ぎ’ の男だが、目的を達成して得た賞金は、弱者のために差し出したりするパターンが殆どで、ラストは清々しい男として締めくくられている。
（第一話では、殺された保安官の奥さんに匿名で渡してくれと語っている ⇒ 思わず涙腺が緩む）

第二話にはジェームズ・コバーンがアイパッチを付けた片目の男で出演しているのをはじめ、全体的にみても懐かしい顔がゲスト出演している。
マイケル・ランドン（ＴＶ「大草原の小さな家」の父親役）、ニック・アダムス、ラルフ・ミーカー等。

この「拳銃無宿」のジョッシュ・ランダル役をさらにスケールアップしたのが、６０年の名作「荒野の七人」におけるヴィンの役で、この時点でマックィーンは、拳銃とライフルを颯爽と使い分けるガンプレイを見せている。

孤高の反逆児マックィーン、寡黙に戦う男マックィーン、私のこころの中で、スティーヴ・マックィーンは永遠に生き続けている。

拳銃無宿VOL.1
昔からマックイーンのファンであるにも関わらず、この作品は観てなかったので借りてみました。当時はちょうど私の母世代あたりが観ていた番組だと思います。
若かりし日のマックイーンかっこいいですね！彼の瞳の色、透明なブルーでとても美しく、もう見入ってしまいます。
思いがけなくジェームズ・コバーンが悪役で出てい嬉しい発見でした。
この作品は白黒だった気がしていて、そのつもりで借りたので、「え？カラーなの？」と思いましたが画像をカラーと白黒に選択選出来るといいのになぁ！と思いました。あとは5話目が日本語吹き替え出来ないので日本語字幕にして観ました。←この件に関しては但し書きが欲しいです。
何はともあれやっぱりマックイーンは素敵な俳優です！

DVD1枚目を見たときからどうも色合いが変だなあと思ってました。あとで調べたら、元は白黒作品でした。DVD化するときカラー化しなくてよい。してはいけない。白黒作品はそれで味があります。

本シリーズをVol.1から順番にレンタルしていってるのだが中にジェームス・コバーン、ウォーレン・オーツ、ドン・ゴードン等と共演しているエピソードがあるのが楽しい。コバーンとは後の「荒野の七人」「大脱走」等の共演前にこういう縁があって後にブルース・リーの葬儀で二人がリーの棺を先頭で運ぶつき合いがあったのだと思うとこの二人は仲良かったんだなと想像出来て嬉しい。後の映画で共演はないのだが共にサム・ペキンパーの作品で輝くマックィーンとオーツがこのシリーズで何度か共演しているのも意外で面白かった。後の「ブリット」「タワーリンング・インフェルノ」等でマックィーンに役を貰って得したドン・ゴードンもこの時点でマックィーンと知り合ってウマが合ったのだと納得した。そしてVol.18までレンタルしてきてその中の一遍「人質」でマックィーンとリー・ヴァンクリーフが共演していたなんて驚きだ。クリーフは記憶では確か「真昼の決闘」でゲーリー・クーパーに対する悪党一味の一人だったと思うが何といっても正・続「夕陽のガンマン」でイーストウッドと互角に渡り合いマカロニで華開いた彼がマックィーンとも共演していたなんて驚きと喜びである。このシリーズは僅か正味23分程で中身を起承転結しなければならないシナリオに工夫が必要でエピソード毎にアクョン、サスペンス、人間ドラマ、コメディと幅広い内容を網羅している。この「人質」はサスペンスタッチが良くマックィーンとクリーフががっぷり相対するので見応えがあるし後にこの二人は組むことは無かったと思うのでとても嬉しい。（多分ユル・ブリンナーみたいにウマが合わなかったのかなと勝手に想像してしまう。）