レジェンド・オブ・トレジャー　大武当

雲霞たなびく山中に数々の寺院が山にへばりつくように点在している。
山道は、そそりたつ山肌に巻きつくかのように頂上の寺院へと延々と続いている。
あ〜あ此処が「ベスト・キッド」でジャッキー・チェンとジェイデン・スミス君が汽車に揺られて訪れた、「グリーン・デスティニー」ではチャン・ツィーが最後に切なくも霧深い渓谷に身を投げた少林寺と並ぶ中国武術の聖地・武当山か・・ゆら〜り、ゆら〜り、ときに激しく境内で修行に励む道士達の動きを映すオープニング・クレジットのシーンが美しい。
もうこれだけで観光気分になれるので十分です、・・・なんてねぇ。

で内容の方はやっぱり、ゆるいですね・・・盛り上がりません。
せっかくの腕も名もある男優陣の競演なんだから、この美しい景観を背にしてガチンコの功夫ファイトでもっと盛り上げてほしかった。
それに比べヤン・ミーちゃん？さん？それはともかく、凄く頑張ったじゃないですか。
映像ではゆるいワイヤーアクションといえども、実際ワイヤーに吊られて不安定な状態でのスタントはかなり難しいはず。にもかかわらず身をひるがえす・反転する・すり抜ける、長尺ものの武器を持つ相手に対しては、体を捌きながらその武器を奪い取ることも出来る理にかなった握りかた（順手握り・逆手握り）をさらりと見せる等結構ハードなトレーニングを積んだじゃないかと思えます。
カット割りで誤魔化そうと思えばどの様にもできるのに、今回しっかりと見せてくれています。
緩いともとれるワイヤーアクションや不粋なＣＧに不満は有りつつも、こうゆうところの功夫アクションには好感が持てました。

それにしても華流には綺麗でアクションもできる女優さんが次から次へと出てきますね。

　亜細亜版インディ・ジョーンズというふれこみはやっぱり大げさで、主人公のチウ・マンチェクのいでたちが近い感じがするだけです。
　それでも出だしは楽しいアドヴェンチャー映画が始まるぞって感じを与えてくれてうれしかったんですが。
　宝探しに天下一武道会が絡むというお話。武道会に潜入して秘密を探るなんて、ちょっと『燃えよ！ドラゴン』チックじゃないですか。
　ですが、この武道会の描写があまりにも……特に女性陣、娘役の『ミラクル7号』のシュー・チャオが達人かつ難病という設定がつらいです。
　ＣＧ＆ワイヤー駆使でスローモーなアクションも、映画をのんびりさせるばかり。
　シュー・チャオ＆頭の弱いルイス・ファンのコミカルなラブストーリーも、幼いだけですね。
　そもそも、デニス・トーやルイス・ファンはいいとしても、マンチェクがあまり魅力的に見えないんですよね。
　唯一ちょっと楽しめたのは、マンチェクと女性軍団の水上の戦いでしょうか。ここはアクション設計に手法が合っていたような気がします。
　ラストもあまりにＣＧ頼みなので、ちょっと白けちゃいました。お暇かつ、このジャンルがお好きなら、というところですね。20点。