渋谷

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

物語はいたってシンプル。
渋谷で孤独を抱えながら彷徨う若者の魂を引きあわせ、互いに欠けた部分を埋め合わせて再生する物語。
（は、大げさな表現。(笑)）

前提として、やっぱりノンフィクションをフィクションにするって無理があるかもね。(汗)
感覚だけど、透明なものに無理矢理色をつけた感じ。
いびつなんだよな。
だから、それをキレイに感じる人もいれば汚れて感じる人もいる。
賛否両輪。

佐津川愛美は好きだけど、今回の役にはハマってない感じ。
綾野剛は…悪くない。
カメラ構える姿、結構、あっていると思います。
大島優子の使い方、雑じゃね？(笑)
演技はできるので、もっと絡めて欲しかった。
あとARATAもね。(笑)
てか、この時はまだ井浦新じゃなかったんだ。(笑)

この作品の作り方だと正直「渋谷」って街じゃなくて物語が作れませんかね？
多分、原作はきっと渋谷でなければいけない理由が書かれているのだとは思うのですが…。

題材や映像、音楽は悪くないです。
ちょっとザラッとした感じ。

作品としてまとまってないので、そこのところ残念です。
渋谷との関わり方がもう少し丁寧に描かれていればよかったんじゃないかな〜って思いました。

2010年公開作品。78分の小品。

綾野剛(フリーカメラマン)と佐津川愛美(家出して渋谷のヘルスで働く少女)とのほとんど2人芝居です。

綾野剛がともかく痩せている。
紙のように“薄っぺらい”髪もロン毛で顔も別人の様です。
ともかく、存在感もまるで“薄い”
卵の殻を破って雛が“孵る”瞬間・・・に立ち会える感じ・・かな？

佐津川愛美も清純で芯の強い“傷つきやすい少女”
を、リアルに演じていて、良かったです。

駆け出しのフリーカメラマンの綾野剛は、『渋谷に生息する女』
をテーマに写真と記事を任されます。
漫然と多数の女性の写真を撮って編集長(石田えり)に見せると
『1人の女性の写真から、その女の人生を切り取る・・・ような
写真を撮る事』と指摘されます。

渋谷で見かけた母親と娘。
娘は母親に「死んでも、いいじゃん！うぜえんだよ！」と、毒付いて、風俗店の階段を上がって行きます。

取材で知り得た、佐津川愛美の母親との確執は、
カメラマン綾野剛の母親への後悔の“思い”と、共通するのです。
ブレーク寸前の綾野剛の硬質な透明感が良く出ている作品です。

綾野剛、井浦新、石田えりに松田みゆき。
これだけの俳優を集めたのにちょっと残念。
テーマとか内容は悪くないのに時間が短かすぎ。
内容が詰め込まれた感じはしないが、78分なのに逆に間伸びしている。
もう少し他のキャストとの絡みを描く事は出来なかったのか。
好きな俳優陣で、テーマも期待していた為、その点が残念でなりません。

時間が短いし、ドキュメンタリータッチで、面白くないかと思ったけど、以外に良かったです。
去年までの渋谷の雰囲気が出ていると思いました。
渋谷もだんだんと少女の街ではなくなってきていますからね。
消えゆく渋谷の雰囲気という感じですよ。
ヘルスも正直行ったことがあるけど、その微妙な空気を表現していたと思います。
カメラマンの目線で撮った映画ということですかね。