宮部みゆきミステリー　パーフェクト・ブルー

2012年10月から12月まで放送されていたテレビドラマで、原作は宮部みゆきの「パーフェクト・ブルー」と「こころとろかすような―マサの事件簿」

蓮見加代子（瀧本美織）は、母の蓮見杏子（財前直見）が所長を務める蓮見探偵事務所の調査員である。
7年前に新聞記者をしていた父、蓮見浩一郎が手首を切って自殺。
しかし、家族は誰も浩一郎が自殺したとは信じられず、彼が残した「パーフェクト・ブルー」という謎の言葉の意味と死の真相を今も追っている。
蓮見探偵事務所は、調査員が全て女性であり、女性による女性のための探偵事務所というわけだ。
蓮見家では「マサ」という元警察犬だったシェパードを飼っていて、いつも加代子と行動を共にしている。
蓮見家の人々及び関係者が集う場所として、「BAR・ラ・シーナ」がある。
ここのマスターの名の椎名悠介から取った店名らしい。

第1話から11話目の最終話まで、蓮見探偵事務所に持ち込まれた調査依頼を中心にストーリーが進んでいく。
後半から一気にパーフェクト・ブルーの謎に迫る展開となっていく。
ラ・シーナのマスター椎名悠介と、探偵事務所の調査員、通称ナナ（平山あや）が最初の段階から怪しい気配が漂っているが、巧みにラストまで引っ張っていってくれる。
巧みに・・・と言えば、自殺したことになっている蓮見浩一郎の遺影は、何かの陰になっていたり、光が反射していたりで、その顔をなかなか見せてもらえない。
しかし、お粗末なことには、オープニングクレジットの段階でバレている。
最終的な謎解きの段階では、ちょっとした“どんでん返し”が用意されており、第1話のオープニングでの映像につながっていくことになる。

さて、蓮見浩一郎が掴んだ「パーフェクト・ブルー」とは、一体何を意味するものだったのか？
新聞記者だった浩一郎が、公開を躊躇する理由とは？
彼が残した証拠は、どこに、どのような形で隠されたのか？
察しのいい人なら、早い段階で証拠の隠し場所に気づくはず。
元警察犬のマサの活躍も見所の一つ。
マサの耳の動きが、何とも言えない。

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母（財前直見）が経営する探偵事務所で働く、主人公・加代子（瀧本美織）。
新聞記者をしていた父が自殺で亡くなっているが、
パーフェクトブルーという謎の言葉を残して亡くなっていた。
父は、はぜ、亡くなったのか？
という全体の話と、個々の事件解決をする、
並列型のドラマ。

話は、悪くないが、なんとなく、
脚本がとてもちゃちい。

いわゆる、典型的な並列型ドラマなんだが、
その場合、全体のは、もっと重厚感がある感じが欲しいのだが、
本作には、それがなく、なんか、ありきたりな事件解決物となっている。
そういう意味では、普通のドラマではある。

ただ、面白い話が多い宮部みゆき作品なだけに、ちょっと残念。
たぶん、脚本の能力不足かなと思った。

相次いで日本ドラマのレビューを上げましたが、決して韓流から離脱したわけではありません。本作は韓国で映画化された「火車」つながりですし、「リアル鬼ごっこ」は李成桂の“王姓”殺戮に共通点があるとみたからです。

本作は宮部みゆき氏の長編ミステリー小説のデビュー作と同名のドラマではありますが、医療ミスと新薬パーフェクト・ブルーの真相を追うという原作とは幾分異なった展開となっています。彼女の同じシリーズとして同一の登場人物たちで描かれた「心とろかすような　マサの事件簿」を合体させたような作りになっている感じです。
サスペンスの手法としては、「火車」と同様、点と点を如何にして結びつけるかというオーソドックスなスタイルながら、元警察犬“マサ”（声：船越英一郎）が喋る犬として蓮見加代子（瀧本美織）とともに謎解きをしていくという斬新なアイデアが、発表から20年以上たった今でも全く色褪せていませんし、その後の彼女の活躍を裏付けていると思います。

ＮＨＫの朝ドラ「てっぱん」の瀧本美織ちゃんが順調に女優として育ってきているのが嬉しいですね。余談ですが、「てっぱん」は現在ＢＳで再放送されていまして、本放送時、東日本大震災で1回分未録画になっていましたのでこれで全話揃うと今から楽しみにしています。