偶然の恋人

純粋に好きだな、このストーリー。
ベン・アフレックも本作ではかなりかっこいい。
彼って好き嫌いがはっきり分かれるタイプの俳優さんで、日本人向けにはちょっと濃すぎで、抵抗ありの人が多いようですが、この作品ではいい感じですよ。
グフィネスも本作では不健康さもなく純粋にきれい。
二人のそれぞれのゆれる思いに胸が熱くなりました。
ラブ・ストーリー好きなら見逃せない作品ですよ。

原題はbounceで、どうやら立ちお直ると言う意味のようですね。
それがどうして「偶然の恋人」なんて邦題に？？？
しかも、全然、偶然じゃないし・・・
ちょっとセンスを疑っちゃいます。

ストーリーは、最初から最後まで展開が読めるような
かなりベタで、直球勝負の作品ですね。
それはそれで、悪くはないけれど
大きな感動・・・ということもないです。

グウィネス・パルトローは私の中ではもっと透明感のある
女優さんのイメージなんですけど、今作では割と普通。
髪の色や髪型でずいぶん違って見えるのかもしれませんね。

この映画でも子役の子達がいい味を出していて
とっても可愛いです。

親切心でした事が、最悪の事になったら！自分ならどうなるだろうと、考えてしまいました。
バディの立場でもアビーの立場でも辛いですよね。この作品ではハッピーエンドで終っているのがせめてもの救いです。
ただ、タイトルから想像して観てしまうとチョット？？？な、感じです。

（2000年製作・アメリカ）
雪のシカゴ、悪天候のため、オヘア空港で足止めを食らったバディ（ベン・アフレック）。
臨時便のチケットを手に入れるが、帰宅を急いでいた男性に譲ってあげる。
しかし、その男性の乗った飛行機が墜落してしまった・・。
自分が殺してしまったと悔やむバディは、アルコールに逃げ、依存症になり施設に入所する。
一年後、償いをしたい一心で彼の遺された妻アビー（グウィネス・パルトロウ）に会いに行く。
一方、アビーも幼い子ども二人を抱え、生きてゆくため慣れぬ仕事を始めていた。悲しみを忘れるためニコチン中毒になり、今それも克服しようとしていた。
バディは自分がチケットを交換した本人だということをアビーに告げられないまま、アビーに惹かれてゆく・・。

マズイですねぇー。早く言わなくちゃ、どんどん言えなくなってしまいますよ。
いつ打ち明けるのかと、私はヘンにドキドキしてしまいました。
打ち明ける前に何回キスするんだろうか。（かえって、コワイなー！）
子供たちと一緒にプールで遊んだり、外堀埋めて楽しそうなバディ。
しかし、来るべきものは形を変えてやってくる。
意外な方面から「交換相手」は誰か知ってしまうアビー。

この映画は、アビーがそれと知った時の衝撃の場面を描かない。
トイレに長時間こもるというシーンで暗示する。
そうだよなぁー。恋人になる前に言ってくれたら、ならなかったかもしれないのに。
愛してしまってから事実を聞かされて、気持ちの整えようがないよね。
この後、二人は別れ、しかし再会の余韻をもって映画は終わります。
乗り越えるべきものが大きい人間は、かえって相手を大事に思う心があるのかもしれません。

　描かれているのは運命を狂わせるような悲劇なのだが、主演ふたりの演技を含めて、大げさでも、凝りすぎた演出でもなく、とてもナチュラル、好感が持てる。原色を抑えた色使いで、穏やかでやさしい雰囲気になっている。

　雪で足留めを食ったシカゴの空港で、たまたま知り合った構成作家のグレッグに、ほんの気まぐれからバディは帰りのチケットを譲る。その飛行機が墜落し、運命の偶然で死を免れたバディは一生背負うような責任を感じて、アルコール依存症になるほどに苦しむ。

　事故から１年後、グレッグの妻アビーを訪ねたバディは、残された家族を密かに気遣ううちに、思いもかけず互いに惹かれ合うようになってしまう。誰の責任でもなく、誰が悪いのでもないのに、どんな結果になったとしても、さらに傷つかずには済まない展開に、心が痛くなる。

　完全なハッピーエンディングを望むのは難しいストーリーを、希望が感じられる、余韻のある終り方にしていて、とても上品。アビーの友人ドナやバディの部下セス等も好演で、明るく元気を添えてくれる。