モーレツ宇宙海賊

　　『モーレツ宇宙海賊（パイレーツ）』を全話、観終わりました。いやぁ、アニメでスペースオペラというのは最近、少ないもんで感動しました。まず、主人公が女子高生で宇宙海賊の船長という設定がいいですね。萌えの要素はあっても萌えアニメではなく、かなり真面目にＳＦしているのが好もしいです。ワープはこういった銀河を股にかけた作品の場合どうしても不可欠なので、科学的考証とか野暮なことは言いません。しかし、それ以外では無重量空間の移動の仕方とか、細かい所を丁寧に描いております。
　また、宇宙海賊の存在をリアルに観客に納得させるための私掠船というアイディアは秀逸だと思いました。海明星（うみのあけほし）星系が独立する際の戦争中に民間の武装船に私掠船免状を与えて戦力としたという過去の歴史から、平和になった現在でも私掠船免状が効力を持っていて、警備や軍の演習や試験の補助などを宇宙海賊が請け負っているという設定なのです。
　１７世紀イギリスのエリザベス女王がスペインとの戦争の際に、一定の財貨を自分たちのものにすることを許可するという条件で、スペインの輸送船を襲わせたのが実際の私掠船ですが、大方、本作での私掠船の役割も、そういう敵の兵站を妨害したり、後方攪乱的な仕事をしたんでしょうね。
　さて、本作の主人公、加藤茉莉香（声：小松未可子）が死んだと思っていた父親が実は宇宙海賊として最近まで生きていたことを知らされ、形見の指輪と宇宙船「弁天丸」を託され、私掠船免状の継続のために船長になる破目になります。しかし、明るく前向きな彼女は、その運命を受け入れて海賊船船長として生きる道を選択します。この弁天丸のクルーがまた、それぞれにユニークで専門技能に長けたキャラクターで脇を固めています。
　副長兼医師でマネジメントの腕が抜群のミーサ（声：伊藤静）、一見、優男だが操舵の腕前は一級のケイン（声：松風雅也）、普段はどてらにひっつめの髪、ビン底眼鏡で持ち場にお菓子を持ち込んでいる電子戦担当のクーリエ（声：堀江由衣）、白兵戦担当で全身サイボーグ化したシュニッツァー（声：三宅健太）などの面々が茉莉香をサポートして活躍します。
　また、茉里香のもうひとつの顔である女子高白凰学園では友人でバイト仲間の遠藤マミ（声：小見川千秋）、やはり海賊船船長を父に持つチアキ・クリハラ（声：花澤香菜）は最初、クールビューティといった風情で、茉里香に海賊としての自覚を持たせようと頑張りますが、実はツンデレで、恥ずかしがり屋であることが徐々にバレてきます（私も彼女のファンであります。）さらに茉里香が所属する宇宙ヨット部のメンバーも後に海賊船に乗り込んでコスプレ姿で客船襲撃の余興を楽しんだりします。他にも魅力的なキャラが登場しますが、全員を紹介していたのでは紙幅が足りませんので、ここらで見所のご紹介とまいりましょう。
　冒頭でも書きましたように、ＳＦとして成立していること（これは原作者の笹本祐一氏の力が大きいと思います。原作の「ミニスカ宇宙海賊」はＳＦマガジンのブックレビューでも取り上げられておりましたし。）。さらに、その中で個性的なキャラクターが違和感なく活躍すること。美少女だけでなく、むさくるしい海賊たちも魅力的に描かれていること。恋あり陰謀ありのストーリーも構成がかっちりとできており、手に汗を握るという形容がぴったりの次週が待ち遠しくなるアニメーションであります。
　個人的には、メインの登場人物が多いこともあって、贔屓の声優さんが大勢出ているのも魅力であります。例えば、『けいおん』の澪ちゃんでまいってしまった日笠陽子さんが、ヨット部部長のリンの声を充てております。恥ずかしがり屋で怖がりの澪ちゃんと正反対のボーイッシュというか、むしろマニッシュと言ってもいい活動的なキャラクターです。あと、セレニティ王国のお姫様グリューエルとグリュンヒルデの姉妹の声を、これもお気に入りの戸松遥さんと金元寿子さんが充てており、聡明で、かつ可愛らしいキャラであります。もちろん、主人公の茉里香の声を充てている小松さんも元気で前向きで優しいキャラクターを表現していて大好きです。
　とまあ様々な楽しみ方ができますので、ＳＦ好きでなくても一度ご覧になってみることをお奨めします。

＊＊＊＊＊全２６話みての感想＊＊＊＊＊
女子高生が、宇宙海賊船の船長に！？…
…面白そうな設定、面白そうな世界観。

が、全体的に、イマイチだったかも……。

海賊船とか、バトルシーンとか…、迫力あってかっこいいのに…
なんせ、主役は女子高生……
せっかくの格好良さが、半減……
なんか、＜海賊ごっこ＞みたい…… (￣~￣；)

それはそれで、和めて可愛らしかったけど…
やっぱ、物足りない………。

もうちょっと、緊張感が欲しかったかも……。

見終わってみると、
海賊がメインではなく、
女子高生のかわいらしさがメインだったような…。

結局、宇宙が舞台なだけで、
内容は、女の子達の青春アニメって感じでした。

劇場版が楽しみです(*´▽｀*)ノ゛

ちょっと何故か懐かしいかおりがします。
ラブコメとかそういうのは基本なくて、高校生（だったっけ）のまりかが宇宙海賊の継承者だから、お願い船長になってください　という話です。
血つながってないと継承できないというのはやっかいです。
楽しみどころはメガネちゃんと主人公の友情テイストでしょうか。最近こういう女同士の友情テイストなアニメが増えた気がするのですが、気のせいでしょうか。

で、宇宙的にも合法的な海賊として認められて海原へ云々という話です。
基本的にはわいわいと和やかな話が多いので、ドキッとするような展開などがあるともっと楽しいかなと思います。

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加藤茉莉香という女子高生が、
親の代を受け継ぎ、弁天丸という海賊船の船長となる。

といっても、地上の話ではなく、SF.
しかも、なんか、宇宙風みたいなので運行する、
ヨット的なものが宇宙船となっている設定。

といっても、帆は張ってないけど・・・

そのあたり、よくわかんないけど、
ま、細かいところはいいと思う。

基本、彼女を中心とした成長物語。

非常に予定調和的に進む。
だから、つまんなくはないが、
面白くもないという感じがした。

非常に既視感があり、
それでいて、あまり、コメディ的にも、
逸脱したところもない。
新しいチャレンジを感じない作品だった。

音楽はアニメらしくていいね。