おじいさんと草原の小学校

題名とジャケから想像されるようなのんきな作品ではなく、そこが逆によかったです
マルゲが読み書きを習いたい理由がちゃんとあって、アフリカ、ケニアの英国統治下からの独立という歴史的背景も交えていますので、ストーリーがきちんとしています

ただのおじいさんが小学校に通って子供たちと心通わせるハートフルムービーではありません

マルゲは英国統治下に反体制勢力として英国と戦い悲惨な過去があります
ケニア共和国になる前の部族差別もいまだに残っていて、そこでの悶着もあります

ケニアの歴史的背景を描きながら、アフリカの子供たちへの教育がいかに大切かが描かれていておもしろかったです

２００３年にようやく無償教育が出来あがったケニア。
イギリスから独立をしたとはいえ、そこには民族対立が色濃く残る中、
国家を統一するまでには苦難の道があったに違いない。

８４歳にして小学生になったことで、今でも史上最高齢の小学生としてギネスブックに載っているマルゲじいさん。
イギリスからの独立紛争のときの戦士であるおじいさんは
イギリス兵から虐待をうけ、耳を聞こえなくされ、足の指を切断され、
もっと酷いのは、目の前で妻子を銃殺されたこと。
体の傷よりも、心の傷の方がもっと重傷であるじいさんが、
小学校で勉強したいとせつに願い、字を読めるようになりたいのは聖書を読みたいからという純粋な動機。
最後まで諦めない執念で、小学生になることが出来たマルゲじいさんと、そんなマルゲの熱意にうたれ、それを容認した心優しい教師の話です。

絶対感動するストーリーなのに、何故かそこまで感動出来なかったのは、作りかたにどこか甘さがあるからでしょうか？
感動の実話なのに、どこか惜しい気がするのは何故なんでしょう？
特典映像に本物のマルゲが出てきます。
その姿は映画の中のマルゲよりもはるかに小さく、はるかに弱々しいおじいさんなのに、
その瞳はキラキラしていて、周りの子供達となんら変わりのない輝きを放っていたことに驚きました。

時間が合わずに劇場に観に行けなかった「おじいさんと草原の小学校」を見ました！

案外重い！
そしてイギリス映画にもかかわらずかなり踏み込んで描いてる！

作品としては決して良く出来てる映画とはいえないけど、誠実な映画なのは間違いないですね。

過去の歴史を受け入れて、決して忘れることなく、前進する為の力に変える。
「過去」は「今」の為に存在し、「今」は「未来」の為に存在する。
「過去」が無ければ「今」は存在せず、「今」が無ければ「未来」は存在しないということ。
過去に囚われるのではない、否定しないということ、受け入れて、前に進むということ。

うん、さっきから同じことばっか書いてるぞ←

とりあえず、特典映像が素晴しいので、本編を観た後に必ず観るべきでしょう！

個人的満足度　73点！
オススメ度　70点！

題名からもっとほのぼのしたものを想像していたら、植民地時代の虐待などのつらい話も多い重い映画でした。
一年生の娘と見ようかと思ってたけど、これはまだ無理だ。

おじいさんの信念と行動力、これが実話というところは感動したけれど、私は映画としてはそこまで魅力的には思えませんでした。
マルゲやジェーン先生が、どうして子供にあそこまで人気があるのかもう少し見てみたかった。

特典に本物のマルゲや先生の映像が入っていて、この映画はかなり忠実にあったことを描いてるんじゃないかと想像できました。

ただ、ラストがねえ・・。
あそこまでそのために勉強したのになぜ？と疑問です。
そこも事実だから仕方ないのかな。

もう少し明るい話かと思いましたが全くそうではありませんでした。現実にあった話を元にして製作した映画として観るには良いと思います。イギリスがケニアで行った行為、ケニアの中での民族問題、賄賂の問題など現実を突きつけられます。