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「秘密と嘘」「ヴェラ・ドレイク」の英国の名匠マイク・リー監督が、一組の初老夫婦の日常を静かに見つめたヒューマン・ドラマ。家庭菜園が趣味の夫婦と、彼らのもとを訪ねてくる家族や友人たちが織りなす穏やかにして愛情溢れる触れあいを、四季折々の風景と共に丁寧な筆致で紡いでいく。出演はジム・ブロードベント、ルース・シーン、レスリー・マンヴィル。地質学者の夫トムと医学カウンセラーのジェリーは長年連れ添ってきた初老の夫婦。それぞれ現役で働きながらも、休日は市民菜園での畑仕事に精を出し、穏やかで満ち足りた日々を送っていた。唯一の気がかりは、弁護士をしている息子ジョーが、30歳を過ぎてもいまだに結婚できずにいることくらいだったが…。
製作年: |
2010年 |
---|---|
製作国: |
イギリス |
原題: |
ANOTHER YEAR |
監督: |
マイク・リー |
---|---|
製作: |
ジョージナ・ロウ |
製作総指揮: |
ゲイル・イーガン 、 テッサ・ロス |
出演: |
ジム・ブロードベント 、 ルース・シーン 、 オリヴァー・モルトマン 、 デビッド・ブラッドリー 、 カリーナ・フェルナンデス 、 ミシェル・オースティン 、 フィル・デイビス 、 レスリー・マンヴィル 、 ピーター・ワイト |
脚本: |
マイク・リー |
---|---|
撮影: |
ディック・ポープ |
音楽: |
ゲイリー・ヤーション |
収録時間: | 字幕: | 音声: |
---|---|---|
130分 | 日本語 | 1:ドルビーデジタル//英語 |
レイティング: | 記番: | レンタル開始日: |
PDSZ300129 | 2012年05月11日 | |
在庫枚数 | 1位登録者: | 2位登録者: |
13枚 | 0人 | 0人 |
収録時間:
130分
字幕:
日本語
音声:
1:ドルビーデジタル//英語
レイティング:
記番:
PDSZ300129
レンタル開始日:
2012年05月11日
在庫枚数
13枚
1位登録者:
0人
2位登録者:
0人
DVD
収録時間: | 字幕: | 音声: |
---|---|---|
130分 | 日本語 | 1:ドルビーデジタル//英語 |
レイティング: | 記番: | レンタル開始日: |
PDSZ300129 | 2012年05月11日 | |
在庫枚数 | 1位登録者: | 2位登録者: |
13枚 | 0人 | 0人 |
収録時間:
130分
字幕:
日本語
音声:
1:ドルビーデジタル//英語
レイティング:
記番:
PDSZ300129
レンタル開始日:
2012年05月11日
在庫枚数
13枚
1位登録者:
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マイク・リー監督作品には独特な中毒性があると思います。
体に害はないけれど、気持ちがドクされる…
私は『秘密と嘘』でその毒にやられました。心地よい毒加減でした。
たぶん自分の内の自虐ジグゾーパズルに、ぴたっとはまるピースがあるのだと思います。
ピースがピタッとはまるたび、痛いです。
致命傷には至らない痛み。癒される苦痛でした。
近作はその毒ピースが多すぎてきつかったです。
俳優さんひとりひとりと個別に協議し登場人物像を作っていき、
他の俳優さんと即興合わせを繰り返すという独特な作り方をされる監督さんですが、
近作はその功が奏し過ぎた感じでした。
役者さん各々に演技感がなく、役でなく本人そのもののに見えてしまって、
台詞も本人自身の言葉に聞こえました。
映画ならでは”覗き”快感はなく、ほんとに覗いているみたいな気まずさがありました。
マイク・リーがマイクリーし過ぎ…。
毒ピース連発のメアリーでした。
私的によく使う”自分へのご褒美”(これくらいいいじゃない。がんばってるんだもの)
メアリーに同じこと言われて、その時はジョーといっしょに同感。
でもその後のメアリーのひとことはかなりな衝撃…ショックでした。
これから、自分へのご褒美って思うたびにこの台詞、思い出すだろうなと思うと悲しくなりました。
唯一の救いはタイトル。『Another Year』。
別な年にはもしかしたら?
でも、another年まで身が持たないような気がしました。
ともかく、元気溌剌で前途意気揚々な方にしか、そういう時にしかおすすめできない…
いえ、観ないでほしい完成度の高いよくできたマイク・リー監督作品でした。
このレビューは気に入りましたか? 10人の会員が気に入ったと投稿しています
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
地質学者のトム(ジム・ブロードベント)とカウンセラーのジェリー(ルース・シーン)の熟年カップル。
休日には市民菜園で畑仕事に精を出したり、友人を食事に招待したりしながら、穏やかに暮らしていて、30歳を過ぎた息子ジョーに、いまだ決まった相手がいないことくらいしか心配事はないように見える。
映画はそんなふたりの1年を季節ごとに追うが、ふたりを訪ねてくるのは、いわゆる人生が上手くいっていない人たち。
ひとりはジェリーの同僚メアリー(レスリー・マンヴィル)。
酒を飲んでは男運のなさを愚痴り、「いつもは吸わないのよ。」と言いつつ煙草を離せない。
もうひとりはトムの幼なじみケン。
過食の傾向があるのか、病的な太り方をしていて、決まった相手もいない。
好きかどうかは別にして、何かの縁があってかかわることになった人たちの力になりたい。きっとふたりはそんな気持ちなんだろうが、特にジェリーの方の「上から目線」がとても気になる。
メアリーが帰ったあと、ジェリーは決まって夫に愚痴めいたことを言うのだけど、それならいっそのこと付き合わなければいいのに。「(メアリーはあんなふうになったのは)私のせいなのよ。」と言っているシーンがあったが、映画の中では語られなかったなにかがあったのだろうか?
マイク・リーはこれまでの作品でも、社会の底辺で生きる人たちを描いていて、それらの作品にはかすかな希望も感じられたのだが、この作品の恵まれた人たちとそうでない人たちとの二重構造は、かなり居心地悪い。
冒頭、「ヴェラ・ドレイク」の主人公だったイメルダ・スタウントンが演じる、不眠を訴える患者が登場する。
「あなたの人生は10点満点で何点?」というジェリーの問いかけに対する、彼女は答えは「1点」。
わずか1点の人生。そんな人生を送っている人に、一体他人が何ができるというのだろう。
「あなたを助けたいのよ。」という言葉が、とても空しく響いた。
そしてラストに映し出されるメアリーの表情。
結局誰も彼女を助けることはできないのだ。
原題は「Another Year」。次の1年、夫婦を巡る人たちはどうなっているのだろう?
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※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
私にとっては、不快な映画でした。
はっきりと、容赦なく差別が描かれていて。
やっぱり、自分の立場に近い登場人物のほうに肩入れしてしまうからね。
地質学者の夫トムと、心療内科医(?)妻ジェリーの、初老の夫婦。
庭のある素敵な家で、おいしい手料理とワインで楽しむ夫婦は、独立している息子もいて、友人もいて、穏やかでやさしい日々を送っている。
対して、パートナーとは失敗を繰り返し、現在独身の友人のメアリー。
同じく独身で、食べることが制御できない肥満体のケン。
妻を亡くしたばかりのトムの兄。
独身者はそろって喫煙者で、料理をしない。
私自身、嫌煙家なのだけど、この映画ではタバコが差別の小道具として露骨に扱われている。
友人数人で集まっているパーティーで、タバコを吸おうとするメアリーから、パーッと人が離れるシーンがある。
そりゃ、赤ん坊の居る場所でタバコを取り出すメアリーもとんでもないが、あの画は悲しい。
「吸う人のほうが、あちらでどうぞ」と言ってあげるほうが不親切なの?
「普段は吸わないのよ」って、ずっと嘘をついている彼女にも不快感。
仕事はきちんとしているみたいだけど、もう専門医に相談するレベルにありそう。
裕福で、出来のいい伴侶を得てる人は「上」の人。
人生に失敗してきて、過去にすがりついている、ひとりモンは「下」の人。
きっぱりと描かれている。
そして、「下」の人は料理をせず、他人を値踏みばかりしていて、自分で責任をとろうとせず、自己制御もできずに孤独を振り回し、性格、人格に問題がある。
……そうですか?
確かにメアリーは、ずーっと年下の男性に気持ちが行ってしまうところとか、見るに忍びないほどみっともない。
私も、寂しいだの悲しいだの、孤独を振り回すプライドの低い人はきらいだ。
でもね……。
ラストも、これから楽しい家族の団らんという場に、孤独に陥ったメアリーが現れるというシーンで終わる。
彼女の表情はこわばったままだ。
せめて、自分の愚行に気づいて、その場を立つくらいの、先に光が見えるところで終わってほしかったな〜、と、しょうもないことを思う。
失敗してきた人には、そんなに救いがないんですかね?
いろいろ言ったって、どんな平和な環境だって辛いことは起こるんだし、未来は不安なんだし、
どんな人生にも意味があるのだし、回りの価値観だけに囚われて必要以上に自分を卑下する必要はないと、私は思っている。
これも負け犬人生の率直な感覚なのだけど、どちらにしてもマイノリティ(ここでは独身ってだけ)ってのは馬鹿にされるのは仕方ないのだけどね。
ま、誰しも自分のキズだけには特別に敏感だから、そんなレビューになりました。
メアリー役のレスリー・マンヴィルが、ナショナルボードオブレビューや、ロンドン映画批評家協会賞で主演女優賞を受賞したとのことで、納得の演技でした(イタくてイタくて・汗)。
それにしても、ルース・シーンはアゴがないので、ずーっと顔が気になって仕方なかった。
このレビューは気に入りましたか? 9人の会員が気に入ったと投稿しています
「睡眠薬を出してあげるわ。」
「あなたのためよ。よく考えて。」
最初の違和感は最後まで引きずり、もやもやとした抵抗感が拭えないまま終わってしまった。
家族の庭とは菜園の事か、家を指すのか。
「ここに集まると、楽しみは倍に悲しみは半分になる」
そうだろうか、私には「家族」だけの閉鎖的な場にしか見えないのだが。
何故、「友人」達はこの家に来るんだろう。
話を聞いてくれる人がいるから、席を作ってくれるから、でも居心地が良さそうには見えない。
夫婦は大きな懐を開いているようだが、訪問者は常に彼らの顔色を窺っているように思えるのだ。
一方は社会的成功者、もう一方は何かしら行き詰まり挫折している独身者と、彼らには物心両面に歴然と差がある。
常に自宅(自分のテリトリー)で友人達を迎える夫婦の側に、完全に優位性があるのだ。
話を聴いてあげる、団欒に加えてあげる、助言をしてあげる「施し」的な押しつけがましさ、目くばせし合う「意地悪」、過度な「潔癖」。
殊に新参者(息子の恋人)の身内づら、母親のおもねる(私にはそう見える)態度にはムッとする。
そして、ここに来ずにいられない彼ら(特にメアリー)にもイラ立つ。
救われたくて癒されたくて解放されたくて、ハイテンションと萎縮の繰り返し。
いい大人のていたらくは、イタくてイタくてどう仕様も無い。
家族になりたくて、縋って縋って、あげくがコレなんだから、全く……。
何という気分の悪い物語なんだろう。
奥底にある(かも知れない)高尚で深遠なものに、私が気付かないだけなのかも知れないが。
それにしてもメアリー役のレスリー・マンヴィル、(初めてだが)これが演技なら素晴らしい!
このレビューは気に入りましたか? 7人の会員が気に入ったと投稿しています
家族の庭
入力内容に誤りがあります。
内容をご確認のうえ、修正いただきますようお願いいたします。
ユーザーレビュー:14件
投稿日
2012/05/25
レビュアー
まみもぉマイク・リー監督作品には独特な中毒性があると思います。
体に害はないけれど、気持ちがドクされる…
私は『秘密と嘘』でその毒にやられました。心地よい毒加減でした。
たぶん自分の内の自虐ジグゾーパズルに、ぴたっとはまるピースがあるのだと思います。
ピースがピタッとはまるたび、痛いです。
致命傷には至らない痛み。癒される苦痛でした。
近作はその毒ピースが多すぎてきつかったです。
俳優さんひとりひとりと個別に協議し登場人物像を作っていき、
他の俳優さんと即興合わせを繰り返すという独特な作り方をされる監督さんですが、
近作はその功が奏し過ぎた感じでした。
役者さん各々に演技感がなく、役でなく本人そのもののに見えてしまって、
台詞も本人自身の言葉に聞こえました。
映画ならでは”覗き”快感はなく、ほんとに覗いているみたいな気まずさがありました。
マイク・リーがマイクリーし過ぎ…。
毒ピース連発のメアリーでした。
私的によく使う”自分へのご褒美”(これくらいいいじゃない。がんばってるんだもの)
メアリーに同じこと言われて、その時はジョーといっしょに同感。
でもその後のメアリーのひとことはかなりな衝撃…ショックでした。
これから、自分へのご褒美って思うたびにこの台詞、思い出すだろうなと思うと悲しくなりました。
唯一の救いはタイトル。『Another Year』。
別な年にはもしかしたら?
でも、another年まで身が持たないような気がしました。
ともかく、元気溌剌で前途意気揚々な方にしか、そういう時にしかおすすめできない…
いえ、観ないでほしい完成度の高いよくできたマイク・リー監督作品でした。
投稿日
2012/05/15
レビュアー
パープルローズ※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
地質学者のトム(ジム・ブロードベント)とカウンセラーのジェリー(ルース・シーン)の熟年カップル。
休日には市民菜園で畑仕事に精を出したり、友人を食事に招待したりしながら、穏やかに暮らしていて、30歳を過ぎた息子ジョーに、いまだ決まった相手がいないことくらいしか心配事はないように見える。
映画はそんなふたりの1年を季節ごとに追うが、ふたりを訪ねてくるのは、いわゆる人生が上手くいっていない人たち。
ひとりはジェリーの同僚メアリー(レスリー・マンヴィル)。
酒を飲んでは男運のなさを愚痴り、「いつもは吸わないのよ。」と言いつつ煙草を離せない。
もうひとりはトムの幼なじみケン。
過食の傾向があるのか、病的な太り方をしていて、決まった相手もいない。
好きかどうかは別にして、何かの縁があってかかわることになった人たちの力になりたい。きっとふたりはそんな気持ちなんだろうが、特にジェリーの方の「上から目線」がとても気になる。
メアリーが帰ったあと、ジェリーは決まって夫に愚痴めいたことを言うのだけど、それならいっそのこと付き合わなければいいのに。「(メアリーはあんなふうになったのは)私のせいなのよ。」と言っているシーンがあったが、映画の中では語られなかったなにかがあったのだろうか?
マイク・リーはこれまでの作品でも、社会の底辺で生きる人たちを描いていて、それらの作品にはかすかな希望も感じられたのだが、この作品の恵まれた人たちとそうでない人たちとの二重構造は、かなり居心地悪い。
冒頭、「ヴェラ・ドレイク」の主人公だったイメルダ・スタウントンが演じる、不眠を訴える患者が登場する。
「あなたの人生は10点満点で何点?」というジェリーの問いかけに対する、彼女は答えは「1点」。
わずか1点の人生。そんな人生を送っている人に、一体他人が何ができるというのだろう。
「あなたを助けたいのよ。」という言葉が、とても空しく響いた。
そしてラストに映し出されるメアリーの表情。
結局誰も彼女を助けることはできないのだ。
原題は「Another Year」。次の1年、夫婦を巡る人たちはどうなっているのだろう?
投稿日
2012/04/01
レビュアー
TOMY※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
私にとっては、不快な映画でした。
はっきりと、容赦なく差別が描かれていて。
やっぱり、自分の立場に近い登場人物のほうに肩入れしてしまうからね。
地質学者の夫トムと、心療内科医(?)妻ジェリーの、初老の夫婦。
庭のある素敵な家で、おいしい手料理とワインで楽しむ夫婦は、独立している息子もいて、友人もいて、穏やかでやさしい日々を送っている。
対して、パートナーとは失敗を繰り返し、現在独身の友人のメアリー。
同じく独身で、食べることが制御できない肥満体のケン。
妻を亡くしたばかりのトムの兄。
独身者はそろって喫煙者で、料理をしない。
私自身、嫌煙家なのだけど、この映画ではタバコが差別の小道具として露骨に扱われている。
友人数人で集まっているパーティーで、タバコを吸おうとするメアリーから、パーッと人が離れるシーンがある。
そりゃ、赤ん坊の居る場所でタバコを取り出すメアリーもとんでもないが、あの画は悲しい。
「吸う人のほうが、あちらでどうぞ」と言ってあげるほうが不親切なの?
「普段は吸わないのよ」って、ずっと嘘をついている彼女にも不快感。
仕事はきちんとしているみたいだけど、もう専門医に相談するレベルにありそう。
裕福で、出来のいい伴侶を得てる人は「上」の人。
人生に失敗してきて、過去にすがりついている、ひとりモンは「下」の人。
きっぱりと描かれている。
そして、「下」の人は料理をせず、他人を値踏みばかりしていて、自分で責任をとろうとせず、自己制御もできずに孤独を振り回し、性格、人格に問題がある。
……そうですか?
確かにメアリーは、ずーっと年下の男性に気持ちが行ってしまうところとか、見るに忍びないほどみっともない。
私も、寂しいだの悲しいだの、孤独を振り回すプライドの低い人はきらいだ。
でもね……。
ラストも、これから楽しい家族の団らんという場に、孤独に陥ったメアリーが現れるというシーンで終わる。
彼女の表情はこわばったままだ。
せめて、自分の愚行に気づいて、その場を立つくらいの、先に光が見えるところで終わってほしかったな〜、と、しょうもないことを思う。
失敗してきた人には、そんなに救いがないんですかね?
いろいろ言ったって、どんな平和な環境だって辛いことは起こるんだし、未来は不安なんだし、
どんな人生にも意味があるのだし、回りの価値観だけに囚われて必要以上に自分を卑下する必要はないと、私は思っている。
これも負け犬人生の率直な感覚なのだけど、どちらにしてもマイノリティ(ここでは独身ってだけ)ってのは馬鹿にされるのは仕方ないのだけどね。
ま、誰しも自分のキズだけには特別に敏感だから、そんなレビューになりました。
メアリー役のレスリー・マンヴィルが、ナショナルボードオブレビューや、ロンドン映画批評家協会賞で主演女優賞を受賞したとのことで、納得の演技でした(イタくてイタくて・汗)。
それにしても、ルース・シーンはアゴがないので、ずーっと顔が気になって仕方なかった。
投稿日
2013/02/22
レビュアー
まりこ「睡眠薬を出してあげるわ。」
「あなたのためよ。よく考えて。」
最初の違和感は最後まで引きずり、もやもやとした抵抗感が拭えないまま終わってしまった。
家族の庭とは菜園の事か、家を指すのか。
「ここに集まると、楽しみは倍に悲しみは半分になる」
そうだろうか、私には「家族」だけの閉鎖的な場にしか見えないのだが。
何故、「友人」達はこの家に来るんだろう。
話を聞いてくれる人がいるから、席を作ってくれるから、でも居心地が良さそうには見えない。
夫婦は大きな懐を開いているようだが、訪問者は常に彼らの顔色を窺っているように思えるのだ。
一方は社会的成功者、もう一方は何かしら行き詰まり挫折している独身者と、彼らには物心両面に歴然と差がある。
常に自宅(自分のテリトリー)で友人達を迎える夫婦の側に、完全に優位性があるのだ。
話を聴いてあげる、団欒に加えてあげる、助言をしてあげる「施し」的な押しつけがましさ、目くばせし合う「意地悪」、過度な「潔癖」。
殊に新参者(息子の恋人)の身内づら、母親のおもねる(私にはそう見える)態度にはムッとする。
そして、ここに来ずにいられない彼ら(特にメアリー)にもイラ立つ。
救われたくて癒されたくて解放されたくて、ハイテンションと萎縮の繰り返し。
いい大人のていたらくは、イタくてイタくてどう仕様も無い。
家族になりたくて、縋って縋って、あげくがコレなんだから、全く……。
何という気分の悪い物語なんだろう。
奥底にある(かも知れない)高尚で深遠なものに、私が気付かないだけなのかも知れないが。
それにしてもメアリー役のレスリー・マンヴィル、(初めてだが)これが演技なら素晴らしい!