ティーンエイジ・パパラッチ　レンズの向こうに見える、僕の未来

TVドラマ「アントラージュ★オレたちのハリウッド」でブレイクした俳優エイドリアン・グレニアーが大人に混じって自分を追い回す１３才の少年パパラッチ、オースティンに逆取材を敢行。13歳のパパラッチに興味を持ったことからメガホンを取ったドキュメンタリーです。

セレブVSパパラッチの果てしなき攻防とそれを取り巻く周囲の熱狂を１３才のパパラッチ少年を取材することから見つめ直し、現代アメリカ社会の狂気を一部垣間見たような気がしました。
有名人だとはいってもプライバシーは欲しいし、一方では彼らが記事にしてくれるので自分たちの商売が成り立つという側面もあり、そのあたりのジレンマが伝わってきて、面白かったです。セレブとパパラッチの関係は永遠のイタチごっこ。それを誰よりも分かっているパリス・ヒルトンが賢く見えました。

面白いのは、金髪で結構可愛いかったこともあり、少年自身が追いかけられるセレブと化して行くこと。セレブを追いかけていた少年が、追いかけられるようになり、１３才の等身大の姿と虚栄に溺れる未来像など現代の皮肉を描きつつ、少年の成長を感じさせるラストも好印象でした。

自分を取り囲むパパラッチの中に、小さな少年が・・・

昼間も深夜も、追跡して、レンズを覗き込んで、激写しまくる１３歳

それに気付いた俳優エイドリアン・グレニアーが、逆取材って形でドキュメンタリーフィルムにしたのがコチラ


思うに、セレブをセレブたらしめてるのは、パパラッチっていう側面もあるのかも
彼らに囲まれてナンボ
写真が雑誌に載ってナンボ
の世界
ハリウッド業界では、お互い共存してる一面もあるんですね

それを、一番よく分かってるのがパリス・ヒルトン
お騒がせセレブっていうイメージが強いけれど
プライベートが無くなろうが、パパラッチの事を決して悪くは言わない
自分の立ち位置っていうか、業界でのポジションを良く理解してる彼女は
イメージとは裏腹に、賢明なのかもしれません

その他にも
マット・デイモンや、ウーピー・ゴールドバーグといったセレブたちのインタビューを交え
少年の両親、その他のプロのパパラッチ
果ては、それを載せる側の出版業界、買う側の消費者
といった、色んな角度からアプローチ
エイドリアン自らがパパラッチに挑戦したりと・・・

映画やTVの中でしか存在しないスターを目の前に、激写を繰り返す
その興奮が、少なからずもコチラに伝わって来たのは事実ですし
その反面、このままでいいんだろうかっていう一抹の不安も・・・

その証拠に、映画は思いもよらない展開を見せ
結果として、この映画を撮ったエイドリアン、そして少年パパラッチが
１つの方向性を見出していく展開は
ドキュメンタリーとして、なかなか良く出来ているのでは、と思いました

少年の金髪の甘いルックスが、向こうでも話題になった要因なのかもしれませんね♪

しかし、まぁ〜、数十人のレンズに囲まれるセレブ
輪の外から見れば、異様な光景です（＾＾；）

少年パパラッチ（オースティン）が「少年パパラッチ」ということで逆にセレブになってしまうという、おもしろくて皮肉な作品です

１２歳から１４歳までパパラッチとして活動していたオースティンですが、作品では最後に一年間あいだをおいて彼が成長する姿を撮っています

パパラッチがパパラッチをやる理由や心理について、とってつけたように人類学から考察しているのもアメリカ映画らしいです
理由については生活のため、心理については人類学から語っています
これが確かにそうかもなと思わせるので結構おもしろいです

パパラッチのような仕事は日本人的感覚ではなかなかできませんよね

特典映像の監督インタビュー、オースティンインタビュー、未公開映像もおもしろいです

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ちょっと斬新でした。
監督がセレブであることと主演がパパラッチであること、この２つが相反しているのに、同じ画面の中に共存しているのがとても面白いと思いました。

それぞれに言い分があって、プライベートを侵害されるセレブの言い分も分かりますし、有名税として当然の対価だろうと主張するパパラッチの意見も一理ある。
これが永遠に対立する考え方である限り解消って手段はないでしょうね。(汗)

思ったよりもモンスターな奴ばかりでなく、それなりに高い意識を持って取り組んでいる人もいて驚きました。

オースティンが今後どうなるのか、少し楽しみであります。
パパラッチであり、また、セレブになる可能性にもある彼は新しい存在になるわけです。
どんな人生になるのか…。
ただ、どちらにせよ、まっとうな人生を送って欲しいものです。
子役上がりで失敗したハリウッドのセレブのような人生だけは送って欲しくないです。