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灼熱の魂 / ルブナ・アザバル

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「灼熱の魂」 の解説・あらすじ・ストーリー

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解説・ストーリー

亡くなった母の遺言に従い、父と兄を探す旅に出た双子の姉弟が、やがて激しい宗教対立に翻弄され続けた母の数奇にして壮絶な運命と向き合っていく姿を力強い筆致で描いた衝撃のヒューマン・ミステリー。主演は「愛より強い旅」のルブナ・アザバル。監督は「渦」のドゥニ・ヴィルヌーヴ。2010年度のアカデミー賞外国語映画賞ノミネート作品。中東系カナダ人女性ナワル・マルワンが亡くなり、公証人から遺された双子の姉弟ジャンヌとシモンに遺言が伝えられた。それは、父親と兄を見つけ出し、それぞれに宛てた母からの手紙を渡してほしいというもの。死んだと思い込んでいた父ばかりか、存在すら知らなかった兄がいることに当惑する姉弟だったが…。

「灼熱の魂」 の作品情報

作品情報

製作年:

2010年

製作国:

カナダ/フランス

原題:

INCENDIES

「灼熱の魂」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

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1〜 5件 / 全40件

自分のルーツ探しで初めて知る母の本当の姿

投稿日:2012/05/11 レビュアー:ミルクチョコ

原作は、レバノン内戦に着想を得た戯曲らしいです。宗教対立が招いた理不尽な悲劇が胸に突き刺さります。
映画開始後、少年達が「戦士」になるべく、坊主頭にされるシーンが出て来ます。
丸刈りにされる少年たちの中で、一人カメラに向かって睨みつける少年のかかとには刺青がありました。
今思うと、このシーンが、後に続く「悲劇」の伏線だったと思います。

中東系カナダ人の双子の姉ジャンヌと、弟シモンは、急死した母ナワル(ルブナ・アザバル)の遺言で2通の手紙を受け取ります。
宛名は、死んだはずの父と、存在すら知らなかった兄。
姉弟は母の足跡を辿る謎解きの旅に出ます。 ミステリータッチの構成が、母の生まれ育った故郷で起きた惨禍と、巻き込まれ翻弄された彼女の過酷な運命が、現在と過去を交錯させながら明らかになっていきます。

父親探しの旅にオーバーラップして、見えてくる母の封印された過去。キリスト教徒でありながらイスラム教徒の男を愛し、異教徒の子を産んだナワルは、子を奪われて、村を追われ、さらに内戦で子の行方を見失います。生き別れになった我が子を探す中絶望の末、テロに加担して捉えられた彼女は、「歌う女」と称され彼女の身に起きた悲劇が、重すぎて絶句してしまいました。

「憎しみの連鎖」を断ち切りたいという思いは、世界に広がっているのだと感じます。
ところで、双子の姉弟は復讐の連鎖が生んだこんなにも過酷な運命を受け入れる事が出来るのでしょうか?

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かかとの刺青 ネタバレ

投稿日:2012/03/15 レビュアー:パープルローズ

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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窓から見える、中東の国と思われる風景。
その窓がある部屋には、たくさんの少年たちがいる。
彼らの服は薄汚れ、なかには血を流している少年も。彼らの髪が次々にバリカンで剃られてゆく。
カメラはその中のひとりにフォーカスをあてる。少年のかかとには小さな刺青。
カメラをにらみつけるような少年の目。果たして彼を待ち受ける運命は?
(隣の席の女性は冒頭から爆睡してたけど、この刺青は鍵!!)

カナダに住むジャンヌとシモンの双子の兄妹。
ふたりの母ナワルが突然死んでしまうが、公証人に渡された遺言はふたりにとって驚きの内容だった。
ふたりが存在さえ知らなかった兄がいること。父と兄を探し出し、手紙を渡すまでは自分の墓に墓碑を立ててはいけないという遺言に、納得できないシモンは無視を決めつけるが、ジャンヌは父を探すため母の出身地である中東の某国を尋ねる。そこで初めて知った母の壮絶な過去。そしてそれは、ジャンヌとシモンの出生の秘密へとつながってゆく。

母に投獄された経験があったことを知ったジャンヌは、シモンを呼び寄せる。
シモンは兄を探し始めるのだが・・・。

「1+1=2。だけど、1+1=1だなんていうことがあるえるのだろうか?」
さらに明らかになる衝撃の事実。

ラストに明かされる事実に、「それはいくらなんでもやりすぎじゃないか?」と思ってしまったのは、所詮平和な国で能天気に暮らしているからでしょうか。
激しい宗教紛争と封建的な地域社会に翻弄されるナワルのような女性が、この世の中にはたくさんいることを、身近に感じることができなかったからでしょうか。

並々ならぬ緊迫感のある作品でしたが、こんな辛い真実を果たして打ち明ける必要があったのか、このあと兄と妹は一体どんなふうに生きていくのか、と考えると、手放しでおすすめする気にはなれない作品でした。

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誠実に人間に向き合い、人間とはなんなのか?を真正面から描いた傑作

投稿日:2012/03/02 レビュアー:KASPAR

予告編があまりにも素晴しかったので『灼熱の魂』を観てみました♪
いやー、とんでもない映画を観てしまった。傑作やんコレ。
予告編がエエ映画で、本編がそれを余裕で超えるって何?なんなん?正直ちょっとパニックなってもーた。
素晴しすぎて何を書いてええのか全くわからんし!
いやー、書けない。
何かを抜き出して文章にしてしまうと陳腐になってまいそうで、この映画についてなにも書けないです。

ある意味、コレが映画です。
映画を観ないと何も伝わらない映画。
まさにコレが映画。

全ての感情と全てのメッセージ、人間の全てが映画の中に描かれてます。
あー文章にならん!とにかく、オススメです(この書き方が陳腐すぎてこの映画に失礼です)

もうとにかく必見てことですんません。

◇◆◇

この映画を観て、何を思い出したって、実は「ゴッドファーザー」やったりします。

もちろん全然ジャンルは違う映画やけど、なんつーか、「ザ・映画」っつー意味で、
現実を下敷きにしながら、大胆にフィクションを織り交ぜた濃密な人間ドラマという意味で、
観終わって直ぐの感覚に非常に近い印象を持ったっすね。

あらゆる人が、あらゆる立場で観て、共感できる映画。
どの角度から切ってもかならず芯に当たる。
必ず心を揺さぶられる。
当事者が観ても、部外者が観ても、西洋人が観ても、東洋人が観ても、大人が観ても、子供が観ても、男が観ても、女が観ても・・・

痛みを感じるかもしれない。
悲しみを感じるかもしれない。
苦しみを感じるかもしれない。
しかし、喜びも感じるに違いない。温かみも感じるに違いない。
美しさも感じるに違いない。
ここにあるのは、良き部分も悪しき部分も全て含んだ人間性。
誠実に人間に向き合い、人間とはなんなのか?を真正面から描いた傑作です。
人間ならば、痛みも喜びも何もかも感じずにはいられない・・・

個人的満足度 88点! オススメ度 80点!(しかし重い!)

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灼熱の続く物語 ネタバレ

投稿日:2012/05/30 レビュアー:まみもぉ

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姉弟が、自分たちの父が誰であるかが分かって飛び込んだプール。
丸まって水中に。胎児のように。
我武者羅に泳いで水の中で見つめ合い言葉はない。
そんないくつかのプールのシーンが印象的でした。
それがなければ焼き切れていたかもしれません。
水は熱を冷ましますが、この作品の水は混ぜるためのもののようでした。
一滴に一滴を加えても一滴。水を美しく撮り続け異国の地で果てた映画監督を思い出しました。
この作品の水はでも美しくはありませんでした。
命を包む逞しい水でした。

母の遺志をついで届けられた二通の手紙。
それで怒りの連鎖が断たれたと、ふたりに宛てられた母の手紙にありました。
が、断たれたのだろうか…と思いました。
共にいることが何よりも大切…それはあらたな連鎖を憎しみに変えないためのように思えてしまいました。
自分に信仰心がないからなのでしょう。信じる宗教があって対立が起き、
報復が報復を招き悲劇を生み、
その断ち切りがたい連鎖を切るために救いの手を貸ししてくれるのも宗教。
永遠と続くだろうこの連鎖は、わかります。

沈黙が破られ約束が守られ、墓石が置かれその名が刻まれましたが、
守らなくてはいけない約束だったのか。
真実を前に沈黙したままでよかったのではないかと、
…水の中に飛び込みたくなるラストでした。




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語られるべき物語だろうか?

投稿日:2012/04/04 レビュアー:よふかし

 終盤までは惹きつけられるところも少なくなかった。緊迫感のある映画だが、その緊迫感の演出が押しつけがましいのが惜しい。
 時間軸がいったりきたりして、次第に事実を明かしていくタイプの作品。複雑ではなく分かりやすい。 その語りはなめらかだ。
 しかし、よくできたパズルのようでもあり、カチっとはまりすぎて余白がない。 ひとつひとつのシーンが、物語るための意味を持ち過ぎていて、息苦しいのだ。
 僕は、ほんとうによい映画というのは、たいして物語的な意味がないシーンがよい映画だと思う。
 プロットについては、過酷な運命の物語――だが何か本質を描き出したというよりは、どこか薄っぺらく、文学青年の第一作のような生硬さを感じる。幼い。
 偶然が勝ち過ぎているということもあるが、パープルローズさんが書かれているように、「なんで母親はあんなことを子供たちみんなに教えなくてはならないのか」という疑問は残る。
 映画は、最初からこれは「語られるべき、知られるべき物語」と決めてかかっているのだ。
 僕はそうは思わなかった。
 作り手は悲劇を小出しにする(弁護士の重々しい演技がその典型)。生硬、という所以だ。
 母親の立場にたって、その運命に涙することはできるかもしれないし、母親はひょっとして精神の均衡を失っていたということなのかもしれないが…ムード優先の作品という印象は否めまい。60点。

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灼熱の魂

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自分のルーツ探しで初めて知る母の本当の姿

投稿日

2012/05/11

レビュアー

ミルクチョコ

原作は、レバノン内戦に着想を得た戯曲らしいです。宗教対立が招いた理不尽な悲劇が胸に突き刺さります。
映画開始後、少年達が「戦士」になるべく、坊主頭にされるシーンが出て来ます。
丸刈りにされる少年たちの中で、一人カメラに向かって睨みつける少年のかかとには刺青がありました。
今思うと、このシーンが、後に続く「悲劇」の伏線だったと思います。

中東系カナダ人の双子の姉ジャンヌと、弟シモンは、急死した母ナワル(ルブナ・アザバル)の遺言で2通の手紙を受け取ります。
宛名は、死んだはずの父と、存在すら知らなかった兄。
姉弟は母の足跡を辿る謎解きの旅に出ます。 ミステリータッチの構成が、母の生まれ育った故郷で起きた惨禍と、巻き込まれ翻弄された彼女の過酷な運命が、現在と過去を交錯させながら明らかになっていきます。

父親探しの旅にオーバーラップして、見えてくる母の封印された過去。キリスト教徒でありながらイスラム教徒の男を愛し、異教徒の子を産んだナワルは、子を奪われて、村を追われ、さらに内戦で子の行方を見失います。生き別れになった我が子を探す中絶望の末、テロに加担して捉えられた彼女は、「歌う女」と称され彼女の身に起きた悲劇が、重すぎて絶句してしまいました。

「憎しみの連鎖」を断ち切りたいという思いは、世界に広がっているのだと感じます。
ところで、双子の姉弟は復讐の連鎖が生んだこんなにも過酷な運命を受け入れる事が出来るのでしょうか?

かかとの刺青

投稿日

2012/03/15

レビュアー

パープルローズ

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窓から見える、中東の国と思われる風景。
その窓がある部屋には、たくさんの少年たちがいる。
彼らの服は薄汚れ、なかには血を流している少年も。彼らの髪が次々にバリカンで剃られてゆく。
カメラはその中のひとりにフォーカスをあてる。少年のかかとには小さな刺青。
カメラをにらみつけるような少年の目。果たして彼を待ち受ける運命は?
(隣の席の女性は冒頭から爆睡してたけど、この刺青は鍵!!)

カナダに住むジャンヌとシモンの双子の兄妹。
ふたりの母ナワルが突然死んでしまうが、公証人に渡された遺言はふたりにとって驚きの内容だった。
ふたりが存在さえ知らなかった兄がいること。父と兄を探し出し、手紙を渡すまでは自分の墓に墓碑を立ててはいけないという遺言に、納得できないシモンは無視を決めつけるが、ジャンヌは父を探すため母の出身地である中東の某国を尋ねる。そこで初めて知った母の壮絶な過去。そしてそれは、ジャンヌとシモンの出生の秘密へとつながってゆく。

母に投獄された経験があったことを知ったジャンヌは、シモンを呼び寄せる。
シモンは兄を探し始めるのだが・・・。

「1+1=2。だけど、1+1=1だなんていうことがあるえるのだろうか?」
さらに明らかになる衝撃の事実。

ラストに明かされる事実に、「それはいくらなんでもやりすぎじゃないか?」と思ってしまったのは、所詮平和な国で能天気に暮らしているからでしょうか。
激しい宗教紛争と封建的な地域社会に翻弄されるナワルのような女性が、この世の中にはたくさんいることを、身近に感じることができなかったからでしょうか。

並々ならぬ緊迫感のある作品でしたが、こんな辛い真実を果たして打ち明ける必要があったのか、このあと兄と妹は一体どんなふうに生きていくのか、と考えると、手放しでおすすめする気にはなれない作品でした。

誠実に人間に向き合い、人間とはなんなのか?を真正面から描いた傑作

投稿日

2012/03/02

レビュアー

KASPAR

予告編があまりにも素晴しかったので『灼熱の魂』を観てみました♪
いやー、とんでもない映画を観てしまった。傑作やんコレ。
予告編がエエ映画で、本編がそれを余裕で超えるって何?なんなん?正直ちょっとパニックなってもーた。
素晴しすぎて何を書いてええのか全くわからんし!
いやー、書けない。
何かを抜き出して文章にしてしまうと陳腐になってまいそうで、この映画についてなにも書けないです。

ある意味、コレが映画です。
映画を観ないと何も伝わらない映画。
まさにコレが映画。

全ての感情と全てのメッセージ、人間の全てが映画の中に描かれてます。
あー文章にならん!とにかく、オススメです(この書き方が陳腐すぎてこの映画に失礼です)

もうとにかく必見てことですんません。

◇◆◇

この映画を観て、何を思い出したって、実は「ゴッドファーザー」やったりします。

もちろん全然ジャンルは違う映画やけど、なんつーか、「ザ・映画」っつー意味で、
現実を下敷きにしながら、大胆にフィクションを織り交ぜた濃密な人間ドラマという意味で、
観終わって直ぐの感覚に非常に近い印象を持ったっすね。

あらゆる人が、あらゆる立場で観て、共感できる映画。
どの角度から切ってもかならず芯に当たる。
必ず心を揺さぶられる。
当事者が観ても、部外者が観ても、西洋人が観ても、東洋人が観ても、大人が観ても、子供が観ても、男が観ても、女が観ても・・・

痛みを感じるかもしれない。
悲しみを感じるかもしれない。
苦しみを感じるかもしれない。
しかし、喜びも感じるに違いない。温かみも感じるに違いない。
美しさも感じるに違いない。
ここにあるのは、良き部分も悪しき部分も全て含んだ人間性。
誠実に人間に向き合い、人間とはなんなのか?を真正面から描いた傑作です。
人間ならば、痛みも喜びも何もかも感じずにはいられない・・・

個人的満足度 88点! オススメ度 80点!(しかし重い!)

灼熱の続く物語

投稿日

2012/05/30

レビュアー

まみもぉ

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

姉弟が、自分たちの父が誰であるかが分かって飛び込んだプール。
丸まって水中に。胎児のように。
我武者羅に泳いで水の中で見つめ合い言葉はない。
そんないくつかのプールのシーンが印象的でした。
それがなければ焼き切れていたかもしれません。
水は熱を冷ましますが、この作品の水は混ぜるためのもののようでした。
一滴に一滴を加えても一滴。水を美しく撮り続け異国の地で果てた映画監督を思い出しました。
この作品の水はでも美しくはありませんでした。
命を包む逞しい水でした。

母の遺志をついで届けられた二通の手紙。
それで怒りの連鎖が断たれたと、ふたりに宛てられた母の手紙にありました。
が、断たれたのだろうか…と思いました。
共にいることが何よりも大切…それはあらたな連鎖を憎しみに変えないためのように思えてしまいました。
自分に信仰心がないからなのでしょう。信じる宗教があって対立が起き、
報復が報復を招き悲劇を生み、
その断ち切りがたい連鎖を切るために救いの手を貸ししてくれるのも宗教。
永遠と続くだろうこの連鎖は、わかります。

沈黙が破られ約束が守られ、墓石が置かれその名が刻まれましたが、
守らなくてはいけない約束だったのか。
真実を前に沈黙したままでよかったのではないかと、
…水の中に飛び込みたくなるラストでした。




語られるべき物語だろうか?

投稿日

2012/04/04

レビュアー

よふかし

 終盤までは惹きつけられるところも少なくなかった。緊迫感のある映画だが、その緊迫感の演出が押しつけがましいのが惜しい。
 時間軸がいったりきたりして、次第に事実を明かしていくタイプの作品。複雑ではなく分かりやすい。 その語りはなめらかだ。
 しかし、よくできたパズルのようでもあり、カチっとはまりすぎて余白がない。 ひとつひとつのシーンが、物語るための意味を持ち過ぎていて、息苦しいのだ。
 僕は、ほんとうによい映画というのは、たいして物語的な意味がないシーンがよい映画だと思う。
 プロットについては、過酷な運命の物語――だが何か本質を描き出したというよりは、どこか薄っぺらく、文学青年の第一作のような生硬さを感じる。幼い。
 偶然が勝ち過ぎているということもあるが、パープルローズさんが書かれているように、「なんで母親はあんなことを子供たちみんなに教えなくてはならないのか」という疑問は残る。
 映画は、最初からこれは「語られるべき、知られるべき物語」と決めてかかっているのだ。
 僕はそうは思わなかった。
 作り手は悲劇を小出しにする(弁護士の重々しい演技がその典型)。生硬、という所以だ。
 母親の立場にたって、その運命に涙することはできるかもしれないし、母親はひょっとして精神の均衡を失っていたということなのかもしれないが…ムード優先の作品という印象は否めまい。60点。

1〜 5件 / 全40件