エイリアン・ビキニの侵略

『エイリアン』作品を鑑賞していた流れで、欲望のままに…

だって、タイトルに”ビキニ”があるしジャケ写も白ビキニだし！
（原題にも”BIKINI”ってあるしねっ！）

街の治安を守るヨンゴンは、4人の男に暴行を受けていた女性を助け
手当の為に自宅へ連れ帰るのだが、彼女の正体はエイリアン。

純潔の精子を求めて地球にやってきたらしい。
まさに、『スピーシーズ』のプロットではないですか。
しかも、”チョメチョメ”シリーズの方のやつです。

普通の男ならホイホイと本番に臨むところですが、
ヨンゴンは純潔を貫き、婚前交渉を良しとしない性格。

果たして、エイリアンとヨンゴンの攻防はいかに。

エイリアンからあの手この手のお誘いを受けるヨンゴンが
エイリアンのネライを知り下した答えが何とも『一休さん』っぽい。

エイリアンの誘惑に負けると地球滅亡を意味するという時間軸の仕掛けと
日本昔話っぽいオチが何とも技あり！

予算が無いため、細かい世界観は全て紙芝居で済ます潔さも好感が持て
期待の白ビキニはありませんでしたが、意外な拾い物に感じました。

映画への愛情が感じられる作品であると、どんなにヘタな映画であっても好意的に迎えられるのでしょう。
本作は、昨年のゆうばり映画祭グランプリ作品とのこと。
素人が撮ったような画面構成、ダラダラした話の展開と、超低予算なＺ級映画を絵に描いたような作品。
エイリアンものですが、シリアスなＳＦ映画でないことは間違いなく、ホラーでもありません。
コメディタッチなのですが、これをコメディと呼べるのかも疑問。
真面目な映画ファンからは嫌悪されることは間違いない作品なのですが、捨てがたい。
ここに出てくるエイリアンの女性のように、美人ではないのに、なぜか心引かれる。
冒頭の美しい景色、それに続くグラインドハウス映画ノリのタイトルと、出だしはよかったものの、
その後は、登場人物の顔を大写しにした、とても見ていられない演出が続いたりして、オソマツ。
しかし、こりやナンジャイとあきれ返る極めつけのシーン＝ダラダラとジェンガ（ゲーム）を行うシーン＝があって、
アホらしくなったのですが、ラストの中国の怪異譚を集めた「述異記」からのお話があって、
ここで、このシーンを入れた理由がわかり、ナルホドと膝を叩いてしまいます。
行き当たりばったりでつくったような作品のようでありながら、
意図されたものかどうかは不明ながら計算もされているようにも思える、グランプリ受賞も納得の怪作。

俺ならこの身をよろこんでＤＮＡを差し出します

『アジョシ』なんかを観ると、韓国映画はすごいなあーと素直に思うのだが、この作品のようになんじゃらほいな作品もある。
　どこかで聞いたようなプロットではある。トビー・フーパーの『スペースバンパイア』とか、『スピーシーズ』とかね。美女エイリアンとセックスするという話なのだが、この作品は選ばれし英雄はなんと童貞。20代後半ぐらいの、白ブリーフ一丁の、あまりかっこうよくない男ですけど。純潔主義者なんですよ。……。なので、美女エイリアンに誘われても、応じようとしない。ここで笑えれば良かったんですけど……狭く安っぽいアパートのシーンの演出がグズグズで、もう退屈極まりなかったです。ぜんぜんエロティックでもないし。結局無理やりやられちゃうわけですが、描写は大したことはありません。しかし男が精神的に錯乱状態になったりして、笑いどころか陰で重いムードになってしまいます。中途半端に血まみれグロいというのも、作品のトーンが固まらずに「何を観ろというのだ」という思いばかりが沈殿します。ヘンテコを偏愛するしか方法はなさそうですが、僕のタイプではありませんでいｓた。
　女が生んだ時間の進行をどんどん早める超人と、男の最終決戦というクライマックスは、ちょっと特撮ヒーローというかカンフーアクションの香りがして、それまでの閉塞感を払拭してくれるのか……と思いかけましたが、そこに至るまでがあまりにヒドいので、プラス材料にはなりませんでした。『隣りのゾンビ』同様に、駄作。5点。

ジャケに騙されないようにしましょう
こんなに酷いのは　テハンノでバラバラに〜以来です