マンディンゴ / ジェームズ・メイソン
マンディンゴ
/リチャード・フライシャー
平均評価点:
予告編を検索
全体の平均評価点: (5点満点)
(13)
解説・ストーリー
19世紀半ばのルイジアナの大農園を舞台に、奴隷問題にメスを入れたK・オンストットのベストセラーを映画化。牧場のように黒人奴隷を育て売買する農園主マクスウェルとその息子ハモンド。ハモンドは名門の娘ブランチと結婚するが、彼女が処女でなかったために怒り狂い、愛情を美しい黒人女に注いでいた。そしてブランチは、夫のお気に入りである“マンディンゴ”と呼ばれる優良種のミードを寝室に引き入れる。やがて黒人女はハモンドの子をみごもり、ブランチは黒い赤ん坊を産み落とす……。
19世紀半ばのルイジアナの大農園を舞台に、奴隷問題にメスを入れたK・オンストットのベストセラーを映画化。牧場のように黒人奴隷を育て売買する農園主マクスウェルとその息子ハモンド。ハモンドは名門の娘ブランチと結婚するが、彼女が処女でなかったために怒り狂い、愛情を美しい黒人女に注いでいた。そしてブランチは、夫のお気に入りである“マンディンゴ”と呼ばれる優良種のミードを寝室に引き入れる。やがて黒人女はハモンドの子をみごもり、ブランチは黒い赤ん坊を産み落とす……。
もっと見る▼
新規登録で
「定額レンタル4」月額1,026円(税込)を
14日間無料お試し!※
- ※本キャンペーンの無料お試しの対象者は、次の@Aのいずれかに該当する方に限ります。
- @「TSUTAYA DISCAS」の定額プラン(定額プランの種類は問いません。以下同じ)の利用開始時に「無料お試し」を利用したことがない方
- A2022年10月2日以前に「TSUTAYA DISCAS」の定額プランの利用を終了された方であって、2022年10月3日以降、「TSUTAYA DISCAS」の定額プランを利用していない方
- 無料お試し期間中(14日間)、新作はレンタル対象外です。
- 無料お試し期間終了後、登録プラン料金で自動更新となります。
「マンディンゴ」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
19世紀半ばのルイジアナの大農園を舞台に、奴隷問題にメスを入れたK・オンストットのベストセラーを映画化。牧場のように黒人奴隷を育て売買する農園主マクスウェルとその息子ハモンド。ハモンドは名門の娘ブランチと結婚するが、彼女が処女でなかったために怒り狂い、愛情を美しい黒人女に注いでいた。そしてブランチは、夫のお気に入りである“マンディンゴ”と呼ばれる優良種のミードを寝室に引き入れる。やがて黒人女はハモンドの子をみごもり、ブランチは黒い赤ん坊を産み落とす……。
「マンディンゴ」 の作品情報
「マンディンゴ」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
マンディンゴの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
123分 |
日本語 |
1:ドルビーデジタル/モノラル/英語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
IVCF5437R |
2012年04月03日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
8枚
|
0人
|
2人
|
マンディンゴの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
123分 |
日本語 |
1:ドルビーデジタル/モノラル/英語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
IVCF5437R |
2012年04月03日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
8枚
|
0人
|
2人
|
TSUTAYAだから可能な圧倒的作品数!!
洋画・邦画
約35,500
タイトル以上
国内ドラマも一部含まれております
※2022年2月 現在のタイトル数
新規登録で
「定額レンタル4」月額1,026円(税込)を
14日間無料お試し!※
- ※本キャンペーンの無料お試しの対象者は、次の@Aのいずれかに該当する方に限ります。
- @「TSUTAYA DISCAS」の定額プラン(定額プランの種類は問いません。以下同じ)の利用開始時に「無料お試し」を利用したことがない方
- A2022年10月2日以前に「TSUTAYA DISCAS」の定額プランの利用を終了された方であって、2022年10月3日以降、「TSUTAYA DISCAS」の定額プランを利用していない方
- 無料お試し期間中(14日間)、新作はレンタル対象外です。
- 無料お試し期間終了後、登録プラン料金で自動更新となります。
ユーザーレビュー:13件
「トラウマ映画館」全作見たくなりました
町山氏のトラウマ映画館という本で取り上げられてたので、興味本位でチョイスしてみました。
いやー、これは多感な中高生時代に観たらトラウマになりそうですね。納得です。
その他の作品も見たいけど、レンタルになさそうなレアな作品ばかり。ディスカスで特集して欲しいな。
ジャケ写にあるシーンは、白人のオッサンがリウマチの痛みを黒人に移そうとしてるところ。
酷いですねぇー。あと黒人には医者ではなく獣医が診察とか、奴隷娘は夜の相手にして
妊娠したら子供は商品として売る。特にマンディンゴという純血種は高額な値段で取引され
手持ちの奴隷娘と交配し、繁殖させる。まさに家畜扱い。宗教と字の読み書きは禁止にして弾圧。
登場人物の白人は、主のリユウマチじじい、息子の若旦那は足が不自由。花嫁はすでに汚れていた(笑
肉体が健康で清らかな黒人たちとは大違い(笑 皮肉なのかな?
奴隷娘の初夜権は行使するくせに、白人の花嫁が経験済みだったのは許せないらしく夫婦仲は悪化。
寂しさから酒に溺れる新妻を避けた亭主は、お気に入りの黒人娘を愛でる。やがて新妻は、夫の留守中に
マンディンゴの黒人を部屋に招く。その結果は・・・まあ、哀れというか自業自得の極みというか・・・
子供頃ハマった「ルーツ」ほどドラマチックなシナリオじゃないけど、最期まで目が離せませんでした。
本作が制作された時代もまだまだ人種差別が強かったのに、よくぞ撮りましたね(笑 でも秀作♪
このレビューは気に入りましたか?
10人の会員が気に入ったと投稿しています
不快ではあるが、ある種、誠実でもある。
腹ワタが煮えくりかえるような映画です。その出来ではなくて、描かれている事柄が。
奴隷制度や人種差別を扱った作品には秀作が多いけれど、これほどパンチの重いものは他にないかもしれない。
同テーマの作品て、そのほとんどは差別に反対する“良識ある”白人が主人公ですよね。でもそれって、「コッチ側にも分かってるヒトはいたんですよ」というエクスキューズが、多分に含まれてるような気もします。
その点、本作での白人の描かれ方はとことん非道。ジャケ写に使われている、リウマチの痛みを黒人の子供に移すために踏みつけにするシーンは象徴的でしょう。
奴隷は家畜。「やつらに魂はない」だの「アレとアレを交配させろ」だの、所有者たちの言葉には、人間に対するひとかけらの尊厳も感じられません。そしてこれが、文明史的に決して誇張した描写でないことに愕然とさせられます。
70年代特有の粒子の荒い映像も相まって、セミドキュメンタリーのようなリアルさがあるから余計に不快。おまけに後味も悪いので、とても万人にはオススメできないけど、人間の犯した大きな過ちを知る上で意義を感じる作品でした。
このレビューは気に入りましたか?
9人の会員が気に入ったと投稿しています
ハネケも真っ青
投稿日:2013/07/27
レビュアー:港のマリー
「ソイレントグリーン」と「絞殺魔」のフライシャーがさらにこんな凄い映画を作っていたとは…絶句。
アメリカの奴隷制度、人種差別の歴史を告発、などという生やさしいものではない。人間という存在の醜悪、愚かさ、グロテスクさを徹底的に暴き出した映画とみた。
膿んで爛れ悪臭を放つ病巣を切り開き白日のもとにさらす。見たくないものをあえて見せつける。方向性が似ていると、思いついたのはハネケの不快系諸作品。
しかしこの「マンディンゴ」を見てしまうとハネケが上品に思えてくる。メスと鉈の違いたろうか。家族など狭い範囲で人間のグロテスクをえぐって見せたハネケと違って、こちらは「歴史」を舞台にしている。その分、事態は大がかりで複雑でダイナミックで、えぐり方も豪快、執拗、繊細と、バラエティに富んでいる。
驚くべきは、とくに奇抜な部分もない普通の歴史大作ドラマの展開を見せながら、映し出される事柄がひとつとして普通ではないことである。
冒頭、黒人奴隷たちを庭先に整列させ奴隷商人が品定めをする場面。手のひらを見たり歯を調べたり家畜を選ぶのと全く同じだ。乳児を抱いた女性を前に「子ども付きでいくらだ?」「いや子どもは別売りだ」みたいな会話がある。
今の私たちにはとても信じられない、唖然とする光景が続く。しかし画面にはドキュメンタリーさながらのリアリティを感じてしまうのである。
農場主のジェームズ・メイスンも奴隷商人も、自分たちのしていることに何一つ疑問を持たない。彼らは奴隷制度という自明の制度のなかに生まれ落ちて、そこで育ち奴隷制度は空気のようなものになっている。最初から作り手の正義感をちらつかせたりせず、白人たちが黒人奴隷、黒人たちを見る目をそのまま映し取るところが上手い。
意識されない残酷さ、意識されない醜悪さ、意識されない愚かさほどグロテスクなものはなく、人間を退廃の淵に追いやるものはないことを、映画が進むにつれていやというほど知らされる。現代にだってあるかもしれない、知らずにはまり込んでいる差別の構造が。
農場主の息子のハモンドは父親たちとは少し違っていた。白人の妻よりも美しい黒人の女奴隷を愛し、マンディンゴと呼ばれるたくましい「純血種」の黒人奴隷、本物のボクサー、ケン・ノートンが演じている、に執着しどんなに金を積まれても売ったりはしなかった。しかし彼もまた結局、奴隷制度と差別の構造からは自由になれなかった。腐った空気を吸っていたのである。奴隷たちに肩入れした分、反動も大きかった。マンディンゴたるたくましく強く美しい奴隷ミードにハモンドは、自分の理想の半身見いだし同性愛的感情を寄せていたように見受けられる
それなのに裏切った。
ハモンドとその妻、ブランチとのこれまた爛れた性の葛藤は奴隷制度にさらに陰翳を付け加えて、映画に深みを与えている。人間を牛馬の如く売り買いし、働かせ、子どもを産ませてさらに売る、奴隷制度に支えられた白人の社会もどうしようもなく病んでいる。そういえば父はリウマチ、ハモンドは片足が不自由だ。ブランチは精神的に問題がありそうで秘密の罪も犯している。農場主の屋敷の広いがどんよりとした暗さ、どこか荒廃した雰囲気が白人たちの退廃ぶりを視覚化ている。
ハイビジョンのクリアな映像とは正反対の茶色い泥を塗りつけたような濁った色の画面に迫力がある。ハモンドの劣等感と怒りとそして恐怖が混ぜ合わされた色だろうか。何に対する恐怖か?おそらく、たくましい肉体をもち黙々と耐え続ける揺るぎない奴隷たちの姿に。敗北ももう近いことを予期しているからこそ狂気のような行為に及んだのだろう。
差別の意識は性と出産、血統の問題により露骨なかたちで現れることも知った。白人男性が黒人女性と思いのままにするのは何の問題もなかったが、白人女性と黒人男性の関係はタブーで怖ろしい結末を生んだ。今話題の婚外子の財産分与の問題などもこの系列につながるのだろうか。
本作、「フリークス」などよりはるかに見る者の差別意識を映す鏡と言えそうである。
付け加えれば「差別されている」こと、この場合は雇用主に利益をもたらすモノとして扱われるという意味だが、にもまた気付かされるではないか。奴隷商人が奴隷を子細に調べるようすと人事担当者が求職者を見極めようとする場面と本質的な違いはないような気がしてならなかった。どれだけ働けるかを判断して奴隷商人からではなく直接本人から労働力を買うのである。
このレビューは気に入りましたか?
7人の会員が気に入ったと投稿しています
蠅の王
投稿日:2012/09/08
レビュアー:ひろぼう
なにがすごいかっていうと、きちんとエンタメしていることですね。今の目で見てもショッキングなシーンが多く、公開当時は物議を醸したであろうと思われる重い物語なのに、分かり易く続きが気になる作りになっています。かといって興味本位だけの軽い物語では決してなく、人権問題とドラマ性の、高尚と低俗のバランス感覚が抜群なんです。
冷酷な農園主に男手ひとつで育てあげられた息子、ハモンドは、母を亡くしたのと同じ年の落馬事故で片足を引きずって歩くようになる。物語では語られていませんが、父とは違い、黒人に対し冷徹になりきれないハモンドの態度には、この二つの事件が影響しているのではと思いました。幼いハモンドの母代りは黒人のメイドで、歩くのも多くの黒人の助けがあったのだろうと想像できるからです。
しかし、持って生まれた血のためか当時の環境からか、黒人に対し完全に心を許すことはできず、自由への求めを拒絶し、激昂すれば父親と同じ振る舞いにでます。その黒人への接し方はペットの扱いに似て、自分に従順であれば褒美を与えるが、逆らうことは決して許しません。
たとえペットであったとしても許されないことを人に対して行うのは、絶対の王の、その力を知っているからでしょう。今まで父がしてきたことと同じなのだからと、倫理を捻じ曲げて正当化しているのでしょう。幼いハモンドの良心は、奴隷制度の風潮と父の愚行により捻じ曲がるでした、彼の足と同じように。
物語にもう一つ感じたのは女性蔑視です。ハモンドの妻の選択も、もとをただせば家族とハモンドのひどい扱いからで、彼女も被害者であったと言えるでしょう。
そういう意味で言えば、ハモンドもまた時代の被害者とも見えます。彼の気持ちを、誰を憎めばいいのか、ただこの時代に生きただけだと、エンディングの歌が代弁しているようです。このやりきれなさが本作を、「トラウマ映画」と言わしめるのでしょうか。
映像もけっこう凝ってて、DVDに収録されている解説で詳細に語られています。そのうち私の印象に強く残ったのは、鏡を使ったハモンド夫婦の写し方とミードが初めて屋敷に入る時の斜めに傾いだフレームです。薄暗い屋内の映像は、弱い光で浮かび上がる人物像に淫靡でおどろおどろしいムードを醸し出しており、大変魅入られました。
このレビューは気に入りましたか?
6人の会員が気に入ったと投稿しています
★★★★ 魅力的な役者たち
投稿日:2012/09/04
レビュアー:ガラリーナ
取り扱う題材とその描写から「カルト」と呼ばれることに何の異論もないのですが、
カルト作品が長く愛され続けるにはその特異性だけでは足りない。
本作を見て、そんなことがわかったような気がします。
それは時代を超えて観客をひきつける俳優たちの魅力です。
農園主マクスウェルのふてぶてしさ(奇妙なだみ声がまた強烈)や、いつも苛立ちを隠せないブランチもいいのですが、
私がいちばん惹かれたのは農園主の息子ハモンドを演じるベリー・キング。
黒人奴隷を家畜のごとく扱う父親を息子は人間としていささか斜めに見ているのだけど、
彼もまた足が不自由であることでコンプレックスを持っている。
彼が自分自身に向ける卑屈な心、そして黒人も同じ人間だと思いたい正義心。
複雑な思いに引き裂かれる葛藤がとても伝わってくるのです。ちょっと甘いマスクで優男なのもいいですね。
一方、マンディンゴの奴隷として農園にやってくる黒人ミードを演じるケン・ノートンも魅力的。
野性味あふれる健康的な肉体と素直な心根を持つ素朴な黒人青年。
(彼はボクサーなんですね。どうりでいい体していると思った)
身体的コンプレックスを持つハモンドと漆黒に輝く美しい肉体を持つミード。
主従関係にある2人だが、体の優位性はまるで逆。このねじれが物語に様々な意味を与えてくれます。
リュウマチを伝染させるために黒人の子どもの腹に足を置き、闘牛のように死ぬまで格闘技の試合をさせる。
ところが一方、黒人女性の処女喪失は白人男性が行い、ブランチも黒人男性の子を身ごもる。
黒人たちを家畜以下に扱っているくせに、性の対象ともなるというあたりが何とも理解しがたい。
しかし、それは私が「奴隷のように人間を扱う」ということがどういうことなのか、
本当の意味でわかっていないからかも知れない。あたたかい場所にいるから、理解できないのかも知れない。
そんなことを思ってしまうのでした。
このレビューは気に入りましたか?
6人の会員が気に入ったと投稿しています
ユーザーレビュー
「トラウマ映画館」全作見たくなりました
投稿日
2012/05/30
レビュアー
エコエコアザラク
町山氏のトラウマ映画館という本で取り上げられてたので、興味本位でチョイスしてみました。
いやー、これは多感な中高生時代に観たらトラウマになりそうですね。納得です。
その他の作品も見たいけど、レンタルになさそうなレアな作品ばかり。ディスカスで特集して欲しいな。
ジャケ写にあるシーンは、白人のオッサンがリウマチの痛みを黒人に移そうとしてるところ。
酷いですねぇー。あと黒人には医者ではなく獣医が診察とか、奴隷娘は夜の相手にして
妊娠したら子供は商品として売る。特にマンディンゴという純血種は高額な値段で取引され
手持ちの奴隷娘と交配し、繁殖させる。まさに家畜扱い。宗教と字の読み書きは禁止にして弾圧。
登場人物の白人は、主のリユウマチじじい、息子の若旦那は足が不自由。花嫁はすでに汚れていた(笑
肉体が健康で清らかな黒人たちとは大違い(笑 皮肉なのかな?
奴隷娘の初夜権は行使するくせに、白人の花嫁が経験済みだったのは許せないらしく夫婦仲は悪化。
寂しさから酒に溺れる新妻を避けた亭主は、お気に入りの黒人娘を愛でる。やがて新妻は、夫の留守中に
マンディンゴの黒人を部屋に招く。その結果は・・・まあ、哀れというか自業自得の極みというか・・・
子供頃ハマった「ルーツ」ほどドラマチックなシナリオじゃないけど、最期まで目が離せませんでした。
本作が制作された時代もまだまだ人種差別が強かったのに、よくぞ撮りましたね(笑 でも秀作♪
不快ではあるが、ある種、誠実でもある。
投稿日
2012/12/06
レビュアー
ゆういちろう
腹ワタが煮えくりかえるような映画です。その出来ではなくて、描かれている事柄が。
奴隷制度や人種差別を扱った作品には秀作が多いけれど、これほどパンチの重いものは他にないかもしれない。
同テーマの作品て、そのほとんどは差別に反対する“良識ある”白人が主人公ですよね。でもそれって、「コッチ側にも分かってるヒトはいたんですよ」というエクスキューズが、多分に含まれてるような気もします。
その点、本作での白人の描かれ方はとことん非道。ジャケ写に使われている、リウマチの痛みを黒人の子供に移すために踏みつけにするシーンは象徴的でしょう。
奴隷は家畜。「やつらに魂はない」だの「アレとアレを交配させろ」だの、所有者たちの言葉には、人間に対するひとかけらの尊厳も感じられません。そしてこれが、文明史的に決して誇張した描写でないことに愕然とさせられます。
70年代特有の粒子の荒い映像も相まって、セミドキュメンタリーのようなリアルさがあるから余計に不快。おまけに後味も悪いので、とても万人にはオススメできないけど、人間の犯した大きな過ちを知る上で意義を感じる作品でした。
ハネケも真っ青
投稿日
2013/07/27
レビュアー
港のマリー
「ソイレントグリーン」と「絞殺魔」のフライシャーがさらにこんな凄い映画を作っていたとは…絶句。
アメリカの奴隷制度、人種差別の歴史を告発、などという生やさしいものではない。人間という存在の醜悪、愚かさ、グロテスクさを徹底的に暴き出した映画とみた。
膿んで爛れ悪臭を放つ病巣を切り開き白日のもとにさらす。見たくないものをあえて見せつける。方向性が似ていると、思いついたのはハネケの不快系諸作品。
しかしこの「マンディンゴ」を見てしまうとハネケが上品に思えてくる。メスと鉈の違いたろうか。家族など狭い範囲で人間のグロテスクをえぐって見せたハネケと違って、こちらは「歴史」を舞台にしている。その分、事態は大がかりで複雑でダイナミックで、えぐり方も豪快、執拗、繊細と、バラエティに富んでいる。
驚くべきは、とくに奇抜な部分もない普通の歴史大作ドラマの展開を見せながら、映し出される事柄がひとつとして普通ではないことである。
冒頭、黒人奴隷たちを庭先に整列させ奴隷商人が品定めをする場面。手のひらを見たり歯を調べたり家畜を選ぶのと全く同じだ。乳児を抱いた女性を前に「子ども付きでいくらだ?」「いや子どもは別売りだ」みたいな会話がある。
今の私たちにはとても信じられない、唖然とする光景が続く。しかし画面にはドキュメンタリーさながらのリアリティを感じてしまうのである。
農場主のジェームズ・メイスンも奴隷商人も、自分たちのしていることに何一つ疑問を持たない。彼らは奴隷制度という自明の制度のなかに生まれ落ちて、そこで育ち奴隷制度は空気のようなものになっている。最初から作り手の正義感をちらつかせたりせず、白人たちが黒人奴隷、黒人たちを見る目をそのまま映し取るところが上手い。
意識されない残酷さ、意識されない醜悪さ、意識されない愚かさほどグロテスクなものはなく、人間を退廃の淵に追いやるものはないことを、映画が進むにつれていやというほど知らされる。現代にだってあるかもしれない、知らずにはまり込んでいる差別の構造が。
農場主の息子のハモンドは父親たちとは少し違っていた。白人の妻よりも美しい黒人の女奴隷を愛し、マンディンゴと呼ばれるたくましい「純血種」の黒人奴隷、本物のボクサー、ケン・ノートンが演じている、に執着しどんなに金を積まれても売ったりはしなかった。しかし彼もまた結局、奴隷制度と差別の構造からは自由になれなかった。腐った空気を吸っていたのである。奴隷たちに肩入れした分、反動も大きかった。マンディンゴたるたくましく強く美しい奴隷ミードにハモンドは、自分の理想の半身見いだし同性愛的感情を寄せていたように見受けられる
それなのに裏切った。
ハモンドとその妻、ブランチとのこれまた爛れた性の葛藤は奴隷制度にさらに陰翳を付け加えて、映画に深みを与えている。人間を牛馬の如く売り買いし、働かせ、子どもを産ませてさらに売る、奴隷制度に支えられた白人の社会もどうしようもなく病んでいる。そういえば父はリウマチ、ハモンドは片足が不自由だ。ブランチは精神的に問題がありそうで秘密の罪も犯している。農場主の屋敷の広いがどんよりとした暗さ、どこか荒廃した雰囲気が白人たちの退廃ぶりを視覚化ている。
ハイビジョンのクリアな映像とは正反対の茶色い泥を塗りつけたような濁った色の画面に迫力がある。ハモンドの劣等感と怒りとそして恐怖が混ぜ合わされた色だろうか。何に対する恐怖か?おそらく、たくましい肉体をもち黙々と耐え続ける揺るぎない奴隷たちの姿に。敗北ももう近いことを予期しているからこそ狂気のような行為に及んだのだろう。
差別の意識は性と出産、血統の問題により露骨なかたちで現れることも知った。白人男性が黒人女性と思いのままにするのは何の問題もなかったが、白人女性と黒人男性の関係はタブーで怖ろしい結末を生んだ。今話題の婚外子の財産分与の問題などもこの系列につながるのだろうか。
本作、「フリークス」などよりはるかに見る者の差別意識を映す鏡と言えそうである。
付け加えれば「差別されている」こと、この場合は雇用主に利益をもたらすモノとして扱われるという意味だが、にもまた気付かされるではないか。奴隷商人が奴隷を子細に調べるようすと人事担当者が求職者を見極めようとする場面と本質的な違いはないような気がしてならなかった。どれだけ働けるかを判断して奴隷商人からではなく直接本人から労働力を買うのである。
蠅の王
投稿日
2012/09/08
レビュアー
ひろぼう
なにがすごいかっていうと、きちんとエンタメしていることですね。今の目で見てもショッキングなシーンが多く、公開当時は物議を醸したであろうと思われる重い物語なのに、分かり易く続きが気になる作りになっています。かといって興味本位だけの軽い物語では決してなく、人権問題とドラマ性の、高尚と低俗のバランス感覚が抜群なんです。
冷酷な農園主に男手ひとつで育てあげられた息子、ハモンドは、母を亡くしたのと同じ年の落馬事故で片足を引きずって歩くようになる。物語では語られていませんが、父とは違い、黒人に対し冷徹になりきれないハモンドの態度には、この二つの事件が影響しているのではと思いました。幼いハモンドの母代りは黒人のメイドで、歩くのも多くの黒人の助けがあったのだろうと想像できるからです。
しかし、持って生まれた血のためか当時の環境からか、黒人に対し完全に心を許すことはできず、自由への求めを拒絶し、激昂すれば父親と同じ振る舞いにでます。その黒人への接し方はペットの扱いに似て、自分に従順であれば褒美を与えるが、逆らうことは決して許しません。
たとえペットであったとしても許されないことを人に対して行うのは、絶対の王の、その力を知っているからでしょう。今まで父がしてきたことと同じなのだからと、倫理を捻じ曲げて正当化しているのでしょう。幼いハモンドの良心は、奴隷制度の風潮と父の愚行により捻じ曲がるでした、彼の足と同じように。
物語にもう一つ感じたのは女性蔑視です。ハモンドの妻の選択も、もとをただせば家族とハモンドのひどい扱いからで、彼女も被害者であったと言えるでしょう。
そういう意味で言えば、ハモンドもまた時代の被害者とも見えます。彼の気持ちを、誰を憎めばいいのか、ただこの時代に生きただけだと、エンディングの歌が代弁しているようです。このやりきれなさが本作を、「トラウマ映画」と言わしめるのでしょうか。
映像もけっこう凝ってて、DVDに収録されている解説で詳細に語られています。そのうち私の印象に強く残ったのは、鏡を使ったハモンド夫婦の写し方とミードが初めて屋敷に入る時の斜めに傾いだフレームです。薄暗い屋内の映像は、弱い光で浮かび上がる人物像に淫靡でおどろおどろしいムードを醸し出しており、大変魅入られました。
★★★★ 魅力的な役者たち
投稿日
2012/09/04
レビュアー
ガラリーナ
取り扱う題材とその描写から「カルト」と呼ばれることに何の異論もないのですが、
カルト作品が長く愛され続けるにはその特異性だけでは足りない。
本作を見て、そんなことがわかったような気がします。
それは時代を超えて観客をひきつける俳優たちの魅力です。
農園主マクスウェルのふてぶてしさ(奇妙なだみ声がまた強烈)や、いつも苛立ちを隠せないブランチもいいのですが、
私がいちばん惹かれたのは農園主の息子ハモンドを演じるベリー・キング。
黒人奴隷を家畜のごとく扱う父親を息子は人間としていささか斜めに見ているのだけど、
彼もまた足が不自由であることでコンプレックスを持っている。
彼が自分自身に向ける卑屈な心、そして黒人も同じ人間だと思いたい正義心。
複雑な思いに引き裂かれる葛藤がとても伝わってくるのです。ちょっと甘いマスクで優男なのもいいですね。
一方、マンディンゴの奴隷として農園にやってくる黒人ミードを演じるケン・ノートンも魅力的。
野性味あふれる健康的な肉体と素直な心根を持つ素朴な黒人青年。
(彼はボクサーなんですね。どうりでいい体していると思った)
身体的コンプレックスを持つハモンドと漆黒に輝く美しい肉体を持つミード。
主従関係にある2人だが、体の優位性はまるで逆。このねじれが物語に様々な意味を与えてくれます。
リュウマチを伝染させるために黒人の子どもの腹に足を置き、闘牛のように死ぬまで格闘技の試合をさせる。
ところが一方、黒人女性の処女喪失は白人男性が行い、ブランチも黒人男性の子を身ごもる。
黒人たちを家畜以下に扱っているくせに、性の対象ともなるというあたりが何とも理解しがたい。
しかし、それは私が「奴隷のように人間を扱う」ということがどういうことなのか、
本当の意味でわかっていないからかも知れない。あたたかい場所にいるから、理解できないのかも知れない。
そんなことを思ってしまうのでした。
新規登録で
「定額レンタル4」月額1,026円(税込)を
14日間無料お試し!※
- ※本キャンペーンの無料お試しの対象者は、次の@Aのいずれかに該当する方に限ります。
- @「TSUTAYA DISCAS」の定額プラン(定額プランの種類は問いません。以下同じ)の利用開始時に「無料お試し」を利用したことがない方
- A2022年10月2日以前に「TSUTAYA DISCAS」の定額プランの利用を終了された方であって、2022年10月3日以降、「TSUTAYA DISCAS」の定額プランを利用していない方
- 無料お試し期間中(14日間)、新作はレンタル対象外です。
- 無料お試し期間終了後、登録プラン料金で自動更新となります。
ご利用の流れ
@ 会員登録
申し込みフォームへ記入したら登録完了!
A 作品をレンタル
借りたい作品をリストアップするだけ!
発送可能な商品を自宅にお届けします。
B ポストに返却
商品をポストに投函すればOK!
各プランはこちら
-
- 宅配レンタル 定額8プラン

-
- 「新作・準新作」が定額で月8枚レンタルできる!※1借り放題付き※2
- 新規登録する
-
- 宅配レンタル 定額4プラン

-
- 新規登録する
-
- 都度課金 プラン

-
- 新規登録する
※1 無料お試し期間中の「新作」レンタルは対象外です。
※2 借り放題はDVD「旧作」、CD「新作・準新作・旧作」が対象です。
マンディンゴ