ハロルドとモード/少年は虹を渡る / バッド・コート
ハロルドとモード/少年は虹を渡る
/ハル・アシュビー
平均評価点:
予告編を検索
全体の平均評価点: (5点満点)
(12 )
解説・ストーリー
老女と青年の奇妙だが純粋な恋愛を描いたヒューマン・ドラマ。19にして狂気と思えるほど自らの死に取り付かれたハロルド、一方対照的に80を数えなお若々しくふるまうモード、こんな二人がいつしか互いを包みあうように寄り添ってゆく……。
老女と青年の奇妙だが純粋な恋愛を描いたヒューマン・ドラマ。19にして狂気と思えるほど自らの死に取り付かれたハロルド、一方対照的に80を数えなお若々しくふるまうモード、こんな二人がいつしか互いを包みあうように寄り添ってゆく……。
もっと見る▼
新規登録で 「定額レンタル4」月額1,026円(税込)を
14日間無料お試し!※
※本キャンペーンの無料お試しの対象者は、次の@ABのいずれかに該当する方に限ります。
@「TSUTAYA DISCAS」の定額プラン(定額プランの種類は問いません。以下同じ)の利用開始時に「無料お試し」を利用したことがない方
A2022年10月2日以前に「TSUTAYA DISCAS」の定額プランの利用を終了された方であって、2022年10月3日以降、「TSUTAYA DISCAS」の定額プランを利用していない方
B上記@Aのほか、当社が不定期で実施する期間限定キャンペーンにおいて、キャンペーン開始時に、当社が定める参加条件を満たした方
無料お試し期間中(14日間)、新作はレンタル対象外です。(但し、上記Bの対象者に限り、新作もレンタル対象となる場合があります)
無料お試し期間終了後、登録プラン料金で自動更新となります。
「ハロルドとモード/少年は虹を渡る」 の解説・あらすじ・ストーリー
作品詳細
解説・ストーリー
老女と青年の奇妙だが純粋な恋愛を描いたヒューマン・ドラマ。19にして狂気と思えるほど自らの死に取り付かれたハロルド、一方対照的に80を数えなお若々しくふるまうモード、こんな二人がいつしか互いを包みあうように寄り添ってゆく……。
「ハロルドとモード/少年は虹を渡る」 の作品情報
「ハロルドとモード/少年は虹を渡る」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
ハロルドとモード/少年は虹を渡るの詳細
収録時間:
字幕:
音声:
92分
日英
1:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/英語
レイティング:
記番:
レンタル開始日:
PDSV101210
2012年03月09日
在庫枚数
1位登録者:
2位登録者:
13枚
1人
1人
ハロルドとモード/少年は虹を渡るの詳細
収録時間:
字幕:
音声:
92分
日英
1:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/英語
レイティング:
記番:
レンタル開始日:
PDSV101210
2012年03月09日
在庫枚数
1位登録者:
2位登録者:
13枚
1人
1人
TSUTAYAだから可能な圧倒的作品数!!
洋画・邦画
約35,500 タイトル以上
国内ドラマも一部含まれております
※2022年2月 現在のタイトル数
新規登録で 「定額レンタル4」月額1,026円(税込)を
14日間無料お試し!※
※本キャンペーンの無料お試しの対象者は、次の@ABのいずれかに該当する方に限ります。
@「TSUTAYA DISCAS」の定額プラン(定額プランの種類は問いません。以下同じ)の利用開始時に「無料お試し」を利用したことがない方
A2022年10月2日以前に「TSUTAYA DISCAS」の定額プランの利用を終了された方であって、2022年10月3日以降、「TSUTAYA DISCAS」の定額プランを利用していない方
B上記@Aのほか、当社が不定期で実施する期間限定キャンペーンにおいて、キャンペーン開始時に、当社が定める参加条件を満たした方
無料お試し期間中(14日間)、新作はレンタル対象外です。(但し、上記Bの対象者に限り、新作もレンタル対象となる場合があります)
無料お試し期間終了後、登録プラン料金で自動更新となります。
ユーザーレビュー:12件
人生賛歌
生きる意味や生きる希望を失っていた青年ハロルドが、一人の老婆モードとの出会いをきっかけに生まれ変わるまでの過程を描いた作品。 70年代ニューシネマ全盛時代ですから、この時代を生きるための悪なき探求心を求める作品なのかもしれません。 そういう時代背景を考えるならば、今ならハロルドは自殺ごっこを趣味としているなんて、単なる我が儘なお坊ちゃんにしか見えないですよね。けれど、彼には彼なりの焦燥感があり、体制への反発は、何になるのでしょう?しいて言うならば、無理に結婚を薦める母だったり、入隊を薦める軍人の伯父だったりが背景にあるのかもしれません。 そして生きる意味をハロルドに促すのが、79歳の老婆だというところが面白いです。 二人が親密になった後半、さりげなく示される彼女の過去、腕にナチス収容所時代の刻印が映し出されます。 それが分かった時、モードは単なるヒッピー思想の持ち主で、破天荒で自由気ままな生活を愛している訳でもないことが分かります。 彼女の本意が明らかになり、これまで戦争を引きづって生きざるを得なかった事の反動が身を持って生きることの素晴らしさをハロルドに教えてくれたのではないでしょうか? 彼女自身も生き長らえて良かったと、胸にあの最後の決断をしたのでしょう。 彼女の自由な魂が選んだ人生の結末、それは、身をもって、死をハロルドに教えたとも言えますし、人生のすべてを込めた愛だといえるのではないでしょうか? モードの生きる姿勢を受け止めたハロルドのラストは、ちょっと嬉しいです。 もう死をもてあそび、自殺の真似事をする事もないでしょうね。
このレビューは気に入りましたか?
はい
15人 の会員が気に入ったと投稿しています
いのちの輝きについて。
死んでいるように日々を生きる19歳の少年ハロルドが、生を謳歌する79歳の老女モードと出会い、恋をし、人生を見つめ直していく物語。 主人公の寄る辺ない焦燥感と無気力さは、同時期に作られた『卒業』の主人公ベンジャミンにも見られました。自分自身を生きていないような気がするこういう悩みって、当時は富裕層の若者だけに許された一種の贅沢病だったと思うんだけど、世の中が豊かになった今は、より多くの人が抱えてるものな気がします。 “自分探し”なんていうポジティブ方面の言葉に置き換えられていますが、根っこはきっと同じなんじゃないかなぁ。そういう点では、現在の方が普遍的な意味を持った作品と言えるかもしれません。 若者と老女の恋愛という、一歩間違えばグロテスクになりそうな題材。それに彼女の過去を深追いすれば、戦争によるトラウマといった悲壮な展開もあり得る。でも、そこをサラリと流して、前を向くキッカケにしているのがいいです。決してハッピーなだけではないラストなのに、なぜか清々しいものを感じました。 ルース・ゴードン演じるモードがとても魅力的ですね。長い人生から学んだ知恵と同時に、女としての生々しさも持ち、時には少女のように無垢。生きる喜びに満ちた彼女を見ていると、生命の本質というものが、肉体と精神、どちらに属するものなのか分からなくなってしまいます。 これが超然とした老いだと、まったく違った意味合いの作品になっていた事でしょう。 それとモードが語る輪廻や、草木にも生命が宿るという考え方って、キリスト教ではなくて、仏教とかアニミズム的な思想ですよね。当時のヒッピー文化の影響なのかな?あまりアメリカ映画では見られないものなので、このあたりもとても新鮮で身近に感じられました。 それはそうと、あの三人目のお見合い相手って、いったいどーなったんでしょうね?
このレビューは気に入りましたか?
はい
8人 の会員が気に入ったと投稿しています
「共感」なんていらない
投稿日:2012/03/07
レビュアー:よふかし
監督ハル・アシュビーは心優しい映画をつくるという印象の人。『さらば冬のかもめ』『帰郷』『チャンス』『ウディ・ガスリー わが心のふるさと』……すごい傑作ではないかもしれないが、心に残る。脚本のコリン・ヒギンズは後に『ファールプレイ』『9時から5時まで』など、いくつか面白いコメディを生んだ人。お下劣かつドタバタなギャグを放りこみながら、(ジョン・ランディス以降のような)ギャグ映画にはせず、おすまし顔を崩さない作風。そんな二人の顔合わせなので、前から観たかった作品がリバイバル上映された。 とても面白い作品だった。やっぱり僕はこの頃の映画は好きだ。老女と少年の奇妙な恋という、一歩間違えばグロテスクになりかねないプロット、ドタバタに落ちそうになるギャグの数々にもかかわらず、軽やかで心地よい作品に仕上がっている。昨今の映画は、観客の顔いろをうかがって、「共感」をねだるものばかりだ。映画に「共感」なんてなくてもいいし、主人公の気持なんて分からなくてもよい。 おかしな自殺ごっこや葬式ごっこ(『永遠の僕たち』はこの映画を参照しているのだろうか?)繰り返すハロルド、もらった指輪をその場で海に投げ捨てるモード。 なんて魅力的だろう。彼らは、少しも観客のことなんて見ていない。脚本と演出がほどよくかみ合った、心優しく滑稽、そして凛として爽やかな一篇。70点。
このレビューは気に入りましたか?
はい
8人 の会員が気に入ったと投稿しています
「生」も「性」 も「死」も軽やかに描いていながら軽薄ではない
(ややネタバレです) 71年の作品。とても不思議な雰囲気が漂っていて、現実と幻想が地続きのような感覚がある。リアリティのない物語なのに「映画の世界」としてはしっかり存在し得ているというか。上手く言えないけど、とっつきにくいお話のわりには手触りが良いです。う〜ん、ホントぜんぜん説明できてない(汗)。 正直、開巻しばらくはノレませんでした。自殺の真似ごとを繰り返す孤独な少年ハロルドと風変わりで天真爛漫な老女モードとの交流。「不思議ちゃん」が苦手な自分はこういうのダメで(苦笑)。「個性的で非凡な人間はどうしても世の中から浮いちゃうのよね〜、なんか文句ある?」的な、自己愛の強そうな人々を見ていると気が滅入ってしまう。でも、モードがホロコーストの生き残りであることが分かってからは(ここの描写もすごく控えめでイイです)、物語が違って見えてきました。「死」にとり憑かれたハロルドが彼女に惹かれたのは、彼女の魅力的な「生き方」にではなくて彼女に漂っていた「死」の匂いの方だったのかもしれない。もちろん彼自身にそんな意識はないだろうが。 少年が大人になるための通過儀礼としてはシビアすぎる結末を迎え、映画は幕を閉じる。説教臭くも押しつけがましくもないラスト。「生」も「性」 も「死」も軽やかに描いていながら軽薄ではないところが「映画力」を感じさせる、いつまでも余韻の残る作品でした。
このレビューは気に入りましたか?
はい
6人 の会員が気に入ったと投稿しています
はぐれ鳥が飛び立つ時
ロキュの69日連続レビューU その8 いろはレビューの「は」 (ネタバレあり) 公開当時は『 少年は虹を渡る 』という邦題でした。 『 ハロルドとモード 』というのは、最近のリバイバル上映の時の題名 (『 007 ロシアより愛をこめて 』と同じパターン ) まあ、変わったテイストの映画です。 音楽はヒッピー世代を感じさせるキャット・スティーヴンス( : イスラム教に入信してユスフ・イスラムと改名 )だし、70年代はじめの、既成の価値観がひっくり返ったアメリカン・ニュー・シネマの「時代」を感じさせると思われる方もいらっしゃるでしょう。 母親の前で自殺の真似を繰り返す19歳の少年と、天衣無縫な79歳のモードの恋物語。 このユニークな物語を書いたのは、のコリン・ヒギンズ。 『 大陸横断超特急 』や『 ファール・プレイ 』などの脚本家だから、やっぱりちょっと変わってる。(笑) 監督のハル・アシュビーは、『 さらば冬のかもめ 』『 ウディ・ガスリー わが心のふるさと 』『 帰郷 』 『 チャンプ 』など、世の中からちょつと外れてしまった人間たちを、温かいまなざしで描いていた監督ですね。 観ていて主役の二人に共感しづらいと思う人もいらっしゃるでしょう。 ハロルドが自殺の真似を繰り返すなんて悪趣味だし「 マッカーサーの右腕 」のおじさんとはベトナム戦争の当時の世相への皮肉ですが、一方でこのおじさんの存在は「そんなに死にたかったら、戦争に行け」とは、何不自由ない裕福な環境にいて、ウジウジといじけている、この青年への皮肉でもあります。 でも、死にたいというより、生きづらいのです。 人から愛されたいけど、いやがられるようなことばかりしてしまう。 自分自身の存在を「からっぽ」に感じているので、どういうふうに人を愛したらわからない。 自分でもそんな自分自身が大嫌いだし、「他人からはあらかじめ共感も同情もされない悩み」だけど、どうしていいか「わからない」んじゃないでしょうか。 今こういう若い人、少なくないと思います。 いっぽうのモードも、おまわりをからかったり、他人の迷惑かえりみず、エキセントリックにやりたい放題。アナーキーですね。 狂気と言ってもいい。 だんだんモードがどんな人生を歩んできたかが わかってきたところでの突然の別れ。 遺されたハロルドは、人生の新たな一歩を踏み出します。 それはモードの過去の悲惨な体験の重みと自分の悩みを引き比べて、自分のことなどささいなことと思ったからでしょうか。 それもあるかもしれませんが・・・・。 モードはそんな説教がましいことなど考えないでしょうし、ハロルドのことをかわいそうな子などと思ったこともないでしょう。 たしかに彼女の過去の悲惨な体験は、深刻で重い。 しかし彼女は「年寄りらしく」とか「被害者らしく」しませんでした。 人を勝手なレッテル、記号づけで縛らないでくれ。 「花は一輪一輪ちがうのよ」と。 自分の人生が、悲痛で重々しく塗りつぶされるなんてまっぴら。 それこそ自分たちの命と人生を否定したものたちの思うつぼ。 地獄を見た彼女の、明るいニヒリズム。 「80歳になったら・・・」の突然の別れも、悲壮感がなくて、どこか突拍子もない彼女らしい。 生死を達観した終わり方は、「私の命、私の人生は私のものよ」と言っているかのようです。 彼女に愛され、そして愛していることに彼は気づく。 自分はからっぽではなく生きているのだ、と実感させ、自分自身を取り戻させます。 デカルト流に言うなら「 われ愛する ゆえに我あり 」といったところ。 ハロルドの記憶の中で生きているモードが、新たな一歩を踏み出す彼の背中を押すのですね ハロルドを演じたバッド・コートは『マッシュ』などに出ていました。 アメリカン・ニュー・シネマの時代を感じさせる俳優。 モードを演じたルース・ゴードン。 若いときは舞台でピーターパンなどを演じた女優ですが、夫のガーソン・カーニンとともに、キャサリン・ヘップバーンとスペンサー・トレイシーの『女性NO.1 』などの脚本を書いた人です。 新しい女をコメディで表現したオールド・フェミニストではないでしょうか。 それなのに戦後はさして仕事に恵まれず端役が多かったというのは、夫が「ボーン・イエスタディ」を書いたことなどから察すると、赤狩りで干されたかな・・・・・と、これは勝手な推測。 60歳を過ぎた頃から注目され、72歳にして『ローズマリーの赤ちゃん』でアカデミー賞助演女優賞を獲得してブレイク、本作をはじめ、他にクリント・イーストウッド作品などで晩年は活躍。 モードのもつ存在感は、そんなルース・ゴードンの経歴をみると、筋金入りです。
このレビューは気に入りましたか?
はい
5人 の会員が気に入ったと投稿しています
ユーザーレビュー
人生賛歌
投稿日
2012/08/22
レビュアー
ミルクチョコ
生きる意味や生きる希望を失っていた青年ハロルドが、一人の老婆モードとの出会いをきっかけに生まれ変わるまでの過程を描いた作品。 70年代ニューシネマ全盛時代ですから、この時代を生きるための悪なき探求心を求める作品なのかもしれません。 そういう時代背景を考えるならば、今ならハロルドは自殺ごっこを趣味としているなんて、単なる我が儘なお坊ちゃんにしか見えないですよね。けれど、彼には彼なりの焦燥感があり、体制への反発は、何になるのでしょう?しいて言うならば、無理に結婚を薦める母だったり、入隊を薦める軍人の伯父だったりが背景にあるのかもしれません。 そして生きる意味をハロルドに促すのが、79歳の老婆だというところが面白いです。 二人が親密になった後半、さりげなく示される彼女の過去、腕にナチス収容所時代の刻印が映し出されます。 それが分かった時、モードは単なるヒッピー思想の持ち主で、破天荒で自由気ままな生活を愛している訳でもないことが分かります。 彼女の本意が明らかになり、これまで戦争を引きづって生きざるを得なかった事の反動が身を持って生きることの素晴らしさをハロルドに教えてくれたのではないでしょうか? 彼女自身も生き長らえて良かったと、胸にあの最後の決断をしたのでしょう。 彼女の自由な魂が選んだ人生の結末、それは、身をもって、死をハロルドに教えたとも言えますし、人生のすべてを込めた愛だといえるのではないでしょうか? モードの生きる姿勢を受け止めたハロルドのラストは、ちょっと嬉しいです。 もう死をもてあそび、自殺の真似事をする事もないでしょうね。
いのちの輝きについて。
投稿日
2012/09/12
レビュアー
ゆういちろう
死んでいるように日々を生きる19歳の少年ハロルドが、生を謳歌する79歳の老女モードと出会い、恋をし、人生を見つめ直していく物語。 主人公の寄る辺ない焦燥感と無気力さは、同時期に作られた『卒業』の主人公ベンジャミンにも見られました。自分自身を生きていないような気がするこういう悩みって、当時は富裕層の若者だけに許された一種の贅沢病だったと思うんだけど、世の中が豊かになった今は、より多くの人が抱えてるものな気がします。 “自分探し”なんていうポジティブ方面の言葉に置き換えられていますが、根っこはきっと同じなんじゃないかなぁ。そういう点では、現在の方が普遍的な意味を持った作品と言えるかもしれません。 若者と老女の恋愛という、一歩間違えばグロテスクになりそうな題材。それに彼女の過去を深追いすれば、戦争によるトラウマといった悲壮な展開もあり得る。でも、そこをサラリと流して、前を向くキッカケにしているのがいいです。決してハッピーなだけではないラストなのに、なぜか清々しいものを感じました。 ルース・ゴードン演じるモードがとても魅力的ですね。長い人生から学んだ知恵と同時に、女としての生々しさも持ち、時には少女のように無垢。生きる喜びに満ちた彼女を見ていると、生命の本質というものが、肉体と精神、どちらに属するものなのか分からなくなってしまいます。 これが超然とした老いだと、まったく違った意味合いの作品になっていた事でしょう。 それとモードが語る輪廻や、草木にも生命が宿るという考え方って、キリスト教ではなくて、仏教とかアニミズム的な思想ですよね。当時のヒッピー文化の影響なのかな?あまりアメリカ映画では見られないものなので、このあたりもとても新鮮で身近に感じられました。 それはそうと、あの三人目のお見合い相手って、いったいどーなったんでしょうね?
「共感」なんていらない
投稿日
2012/03/07
レビュアー
よふかし
監督ハル・アシュビーは心優しい映画をつくるという印象の人。『さらば冬のかもめ』『帰郷』『チャンス』『ウディ・ガスリー わが心のふるさと』……すごい傑作ではないかもしれないが、心に残る。脚本のコリン・ヒギンズは後に『ファールプレイ』『9時から5時まで』など、いくつか面白いコメディを生んだ人。お下劣かつドタバタなギャグを放りこみながら、(ジョン・ランディス以降のような)ギャグ映画にはせず、おすまし顔を崩さない作風。そんな二人の顔合わせなので、前から観たかった作品がリバイバル上映された。 とても面白い作品だった。やっぱり僕はこの頃の映画は好きだ。老女と少年の奇妙な恋という、一歩間違えばグロテスクになりかねないプロット、ドタバタに落ちそうになるギャグの数々にもかかわらず、軽やかで心地よい作品に仕上がっている。昨今の映画は、観客の顔いろをうかがって、「共感」をねだるものばかりだ。映画に「共感」なんてなくてもいいし、主人公の気持なんて分からなくてもよい。 おかしな自殺ごっこや葬式ごっこ(『永遠の僕たち』はこの映画を参照しているのだろうか?)繰り返すハロルド、もらった指輪をその場で海に投げ捨てるモード。 なんて魅力的だろう。彼らは、少しも観客のことなんて見ていない。脚本と演出がほどよくかみ合った、心優しく滑稽、そして凛として爽やかな一篇。70点。
「生」も「性」 も「死」も軽やかに描いていながら軽薄ではない
投稿日
2012/05/20
レビュアー
ポッシュ(卒業)
(ややネタバレです) 71年の作品。とても不思議な雰囲気が漂っていて、現実と幻想が地続きのような感覚がある。リアリティのない物語なのに「映画の世界」としてはしっかり存在し得ているというか。上手く言えないけど、とっつきにくいお話のわりには手触りが良いです。う〜ん、ホントぜんぜん説明できてない(汗)。 正直、開巻しばらくはノレませんでした。自殺の真似ごとを繰り返す孤独な少年ハロルドと風変わりで天真爛漫な老女モードとの交流。「不思議ちゃん」が苦手な自分はこういうのダメで(苦笑)。「個性的で非凡な人間はどうしても世の中から浮いちゃうのよね〜、なんか文句ある?」的な、自己愛の強そうな人々を見ていると気が滅入ってしまう。でも、モードがホロコーストの生き残りであることが分かってからは(ここの描写もすごく控えめでイイです)、物語が違って見えてきました。「死」にとり憑かれたハロルドが彼女に惹かれたのは、彼女の魅力的な「生き方」にではなくて彼女に漂っていた「死」の匂いの方だったのかもしれない。もちろん彼自身にそんな意識はないだろうが。 少年が大人になるための通過儀礼としてはシビアすぎる結末を迎え、映画は幕を閉じる。説教臭くも押しつけがましくもないラスト。「生」も「性」 も「死」も軽やかに描いていながら軽薄ではないところが「映画力」を感じさせる、いつまでも余韻の残る作品でした。
はぐれ鳥が飛び立つ時
投稿日
2012/06/16
レビュアー
ロキュータス
ロキュの69日連続レビューU その8 いろはレビューの「は」 (ネタバレあり) 公開当時は『 少年は虹を渡る 』という邦題でした。 『 ハロルドとモード 』というのは、最近のリバイバル上映の時の題名 (『 007 ロシアより愛をこめて 』と同じパターン ) まあ、変わったテイストの映画です。 音楽はヒッピー世代を感じさせるキャット・スティーヴンス( : イスラム教に入信してユスフ・イスラムと改名 )だし、70年代はじめの、既成の価値観がひっくり返ったアメリカン・ニュー・シネマの「時代」を感じさせると思われる方もいらっしゃるでしょう。 母親の前で自殺の真似を繰り返す19歳の少年と、天衣無縫な79歳のモードの恋物語。 このユニークな物語を書いたのは、のコリン・ヒギンズ。 『 大陸横断超特急 』や『 ファール・プレイ 』などの脚本家だから、やっぱりちょっと変わってる。(笑) 監督のハル・アシュビーは、『 さらば冬のかもめ 』『 ウディ・ガスリー わが心のふるさと 』『 帰郷 』 『 チャンプ 』など、世の中からちょつと外れてしまった人間たちを、温かいまなざしで描いていた監督ですね。 観ていて主役の二人に共感しづらいと思う人もいらっしゃるでしょう。 ハロルドが自殺の真似を繰り返すなんて悪趣味だし「 マッカーサーの右腕 」のおじさんとはベトナム戦争の当時の世相への皮肉ですが、一方でこのおじさんの存在は「そんなに死にたかったら、戦争に行け」とは、何不自由ない裕福な環境にいて、ウジウジといじけている、この青年への皮肉でもあります。 でも、死にたいというより、生きづらいのです。 人から愛されたいけど、いやがられるようなことばかりしてしまう。 自分自身の存在を「からっぽ」に感じているので、どういうふうに人を愛したらわからない。 自分でもそんな自分自身が大嫌いだし、「他人からはあらかじめ共感も同情もされない悩み」だけど、どうしていいか「わからない」んじゃないでしょうか。 今こういう若い人、少なくないと思います。 いっぽうのモードも、おまわりをからかったり、他人の迷惑かえりみず、エキセントリックにやりたい放題。アナーキーですね。 狂気と言ってもいい。 だんだんモードがどんな人生を歩んできたかが わかってきたところでの突然の別れ。 遺されたハロルドは、人生の新たな一歩を踏み出します。 それはモードの過去の悲惨な体験の重みと自分の悩みを引き比べて、自分のことなどささいなことと思ったからでしょうか。 それもあるかもしれませんが・・・・。 モードはそんな説教がましいことなど考えないでしょうし、ハロルドのことをかわいそうな子などと思ったこともないでしょう。 たしかに彼女の過去の悲惨な体験は、深刻で重い。 しかし彼女は「年寄りらしく」とか「被害者らしく」しませんでした。 人を勝手なレッテル、記号づけで縛らないでくれ。 「花は一輪一輪ちがうのよ」と。 自分の人生が、悲痛で重々しく塗りつぶされるなんてまっぴら。 それこそ自分たちの命と人生を否定したものたちの思うつぼ。 地獄を見た彼女の、明るいニヒリズム。 「80歳になったら・・・」の突然の別れも、悲壮感がなくて、どこか突拍子もない彼女らしい。 生死を達観した終わり方は、「私の命、私の人生は私のものよ」と言っているかのようです。 彼女に愛され、そして愛していることに彼は気づく。 自分はからっぽではなく生きているのだ、と実感させ、自分自身を取り戻させます。 デカルト流に言うなら「 われ愛する ゆえに我あり 」といったところ。 ハロルドの記憶の中で生きているモードが、新たな一歩を踏み出す彼の背中を押すのですね ハロルドを演じたバッド・コートは『マッシュ』などに出ていました。 アメリカン・ニュー・シネマの時代を感じさせる俳優。 モードを演じたルース・ゴードン。 若いときは舞台でピーターパンなどを演じた女優ですが、夫のガーソン・カーニンとともに、キャサリン・ヘップバーンとスペンサー・トレイシーの『女性NO.1 』などの脚本を書いた人です。 新しい女をコメディで表現したオールド・フェミニストではないでしょうか。 それなのに戦後はさして仕事に恵まれず端役が多かったというのは、夫が「ボーン・イエスタディ」を書いたことなどから察すると、赤狩りで干されたかな・・・・・と、これは勝手な推測。 60歳を過ぎた頃から注目され、72歳にして『ローズマリーの赤ちゃん』でアカデミー賞助演女優賞を獲得してブレイク、本作をはじめ、他にクリント・イーストウッド作品などで晩年は活躍。 モードのもつ存在感は、そんなルース・ゴードンの経歴をみると、筋金入りです。
新規登録で 「定額レンタル4」月額1,026円(税込)を
14日間無料お試し!※
※本キャンペーンの無料お試しの対象者は、次の@ABのいずれかに該当する方に限ります。
@「TSUTAYA DISCAS」の定額プラン(定額プランの種類は問いません。以下同じ)の利用開始時に「無料お試し」を利用したことがない方
A2022年10月2日以前に「TSUTAYA DISCAS」の定額プランの利用を終了された方であって、2022年10月3日以降、「TSUTAYA DISCAS」の定額プランを利用していない方
B上記@Aのほか、当社が不定期で実施する期間限定キャンペーンにおいて、キャンペーン開始時に、当社が定める参加条件を満たした方
無料お試し期間中(14日間)、新作はレンタル対象外です。(但し、上記Bの対象者に限り、新作もレンタル対象となる場合があります)
無料お試し期間終了後、登録プラン料金で自動更新となります。
ご利用の流れ
@ 会員登録
申し込みフォームへ記入したら登録完了!
A 作品をレンタル
借りたい作品をリストアップするだけ! 発送可能な商品を自宅にお届けします。
B ポストに返却
商品をポストに投函すればOK!
各プランはこちら
宅配レンタル 定額8プラン
「新作・準新作」が定額で月8枚 レンタルできる!※1 借り放題付き※2
新規登録する
宅配レンタル 定額4プラン
新規登録する
都度課金 プラン
新規登録する
※1 無料お試し期間中の「新作」レンタルは対象外です。
※2 借り放題はDVD「旧作」、CD「新作・準新作・旧作」が対象です。
ハロルドとモード/少年は虹を渡る
(C)1971 Paramount Pictures and Mildered Lewis and Colin Higgins Productions, Inc. All Rights Reserved. TM, (R) & Copyright (C) 2012 by Paramount Pictures. All Rights Reserved. ※こちらはイメージ画像になります。