ハロウィン　Ｅｘｔｅｎｄｅｄ　Ｅｄｉｔｉｏｎ

市川崑嫌いなので おとうとはこちらを評価します ははへ
しかし3回は見てるのにこの物語の記憶が何故ないのかの 今回は
何十年ぶりの検証です それにしてもマッドマックスもスタウォズ
ハロウィンもリアルタイムで見てる人は50台近いのかな 昔ずら

冒頭はPOVの先取りみたい しかしマイケルの背後から撮っていて
主観にあらず客観的 ナイフを握る少年で「サスペリア2」ここ掴み
マイケルの精神病院からの脱出前後 前半40分位までが再見して
一番驚いたところで シネマスコープの画面をただひたすら無人の
街路を人物あるいは車が移動するのをとことん粘り強く意識的に
撮っていること こりゃ普通のホラーファンは退屈だよ

そして一転して夜のシネマへ この転換がお見事なのね 唸ったよん
照明も実に繊細だ 映画的にはこの構成が最大の見どころなのに
同時に忘れてしまう原因なのだ まさに映画だからだ

あるいは最初の女の子が殺されるまでの周到な演出にも唸るところ
鍵のマクガフィン 家から家への移動 TVのハワードホークス しかし
殺し自体はあっさりで またも普通のホラーファンには刺激が足りない

物語的に不可思議なのは 何故マイケルは姉に懸想するのか そして
何故それはジェイミーリーカーティスに転移するのか？ またマイケル
は如何にして不死身なのか まあ適当なだけなんだけどねwこれも
記憶から消える遠因だ 二軒の家だけのシチュエーションも渋いの
だけど 実は生家の三軒目の家もあるのにこれが無視される不可解
記憶の混乱は増すばかりだ

このように忘れられる要素ばかりのしかし実に地味な傑作に仕上がっ
ていて あらためてジョンカーペンターの偉大な才能を示す一本で
あったのだと はっきりしたのでした

すすすす・・・　すけきよ？？？？

てっきり昔見ていたかと思い込んでたら、全く覚えがなかった！
こちらのextended editionではオリジナルと何が違うのか調べたところ
子供時代のマイケルの様子と、逃げたマイケルを追う医師の心理描写を
長く描くことによって作品に深みを出したとこと
テレビ版でカットされてた暴力と性描写が追加で入っているらしい。
（そんなカットするようなシーンだと思わなかったけど）

ブギーマンの名前も知ってたし、内容もうっすら知ってたんだけど、
まさか見てないと思わず、オリジナルじゃなくこっちから見てしまった。笑

今の時代に見ると、流血シーンも少なく、ただストーカーのようにそこにいる
白いマスクのブギーマンが怖いというより不気味なだけですが、
粘着質なカメラワークでじわりじわりと迫る恐怖は楽しめました。
THE FOGでも思ったけど、なんて不気味な雰囲気をまとわりつかせるのが
巧い監督なんだろうと。何も起こらないシーンでさえ、少しのことでビクッとなったわ。

『ハロウィン(1979)』の“完全版”といったところか。
どこが追加編集された部分なのか、私はマニアじゃないので正確には分からない。けれど、ルーミス博士がマイケルの危険性を訴える場面など、吹き替えのないところは追加された可能性が高いだろう。

全体的にしっかりした印象で、『／オリジナル劇場公開版』は性急な展開だったが、本作品は間然とするところがない。ローリーと女友達との関係などもキチンと語られている。
“クール”ではないが、観客は彼女を生身の人間として受け入れるため、クライマックスで手に汗握ることになる。

ただ、ルーミス博士がマイヤーズ家の前で張り込みしているのが、いささかマヌケに見えてしまうのが難点か……。(苦笑)
――そう、ルーミス博士の印象が薄くなっているのが、本作品で最も変わった部分かも知れない。

でも、『エイリアン２《完全版》』よりは、価値ある追加編集だろう。個人的には、こちらの方が好みだ。(笑)

また、『／オリジナル劇場公開版』に較べると、更に色調がよくなったように見える。「暗くてよく分からない」なんて場面はなくなった。(笑)
追加されたシーンの影響もあるだろうが、意外と色彩が豊かだ。映画って編集によって印象が変わるんだなと、改めて気づかされた。

音声も、日本語吹き替えの出来映えがいい。ちゃんとした声優さんがアテている。正直、感激した。(笑)
何しろ、これまでドナルド・プレザンスをアテていた声優さんが、とてつもなくヘタクソだったからだ。ビックリするくらいヘタクソ。こんなんで声優がつとまるなら、私でも声優になれる。
ああいう声優さんには早めに引導を渡して、業界から手をひかせるべきだと思う。百害あって一利なしだ。
……まぁ、世の中には「声優になりたい！」とか言ってるザンネンな子たちが多いから、彼らに『／オリジナル劇場公開版』を吹き替えで見せて、声優さんがヘタクソだと如何に作品をダメにしてしまうか、教えるくらいの役には立つかな……。

さて、本シリーズを観ると、いつも不思議に思ってしまうことは、マイケルは、いつ車の運転を覚えたのかってこと。(笑)
ルーミス博士は、「病院で教えたんだろ！」と怒鳴っていた。確かにギアとアクセルとブレーキを覚えれば運転できてしまう。それでもねぇ……。
だいたいマイケルが交通法規を守って運転しているのってヘンじゃない？
だから、つい「免許は持っているのか？」とか「教習所には通ったのか？」とか、茶々をいれたくなる。(笑)
本シリーズの最大の弱点（ウィークポイント）だな。

残念なのは、本ディスクには、映像特典が収録されていないこと。(溜息)
本作品こそ、関係者のインタビューが必要だと思うな。何故、本エディションが存在するのか、何故カットしなければならなかったのか、削除シーンにどんな価値を見出しているのか、――訊いてみたいところだ。
それとも、セル版には特典ディスクが付いているのかな？
幾つものバージョンが存在するからには、何かしら意図があるはずだ。是非とも、それを知りたい。(笑)

オススメ！

リアルタイムで地上波放映をみていた世代は、懐かしい気分で鑑賞できます。
劇場版よりも長尺で、それについては意見も様々でしょうがカーペンターが好きなら観る価値はあります。
私は吹き替えとオリジナル音声、それぞれ楽しみました。

内容については言うまでもなく傑作です。
ただ、『13日の金曜日』のようなスラッシャー映画ではなく、サスペンス要素の高い作品なので「血まみれ映画」を観たい方には不向きです。
リメイクのロブ・ゾンビ版を借りたほうがいいです。個人的には、あちらも傑作だと思います。
（とくに洋楽ロック・ファンに強くおすすめします）

特典はありがちに劇場予告編。
あとはアホらしい他の映画予告のみです。