ロング・ライダーズ

　ロングコートを翻して馬を駆るジェシー・ジェイムズ一味が、たまらなく格好いい映画だ。
　『ゲッタウェイ』の脚本も担当したウォルター・ヒルが、ペキンパーの『ワイルドバンチ』にささげた、スタイリッシュなウェスタン。『ワイルドバンチ』から１１年後の製作だが、その間に西部劇というジャンルはほぼ壊滅してしまった。
　自動車の登場などに代表される時代の移り変わり、そこに取り残されていく無法者集団の哀しみという物語。さらにラストのミネソタでの銀行襲撃は、『ワイルドバンチ』冒頭の銀行襲撃に対応して、スローモーションの使い方までほとんどソックリで、ここまであからさまなオマージュも、逆に珍しいのではないだろうか。
　ただし・・・同じ無法者集団といっても、本作のジェシー・ジェイムズ一味は、皆、根無し草の生活に飽き、家族をつくって足を洗おうとしている者もいる。『ワイルドバンチ』のパイク一味が、時代の変化を拒否するかのように、アウトローなりの矜持を全うして破滅していったのに対し、『ロングライダーズ』のアウトローたちは、新しい時代にはかなわないのだと、あきらめに似た感情を抱いているようだ。
　ウォルター・ヒルがウェスタンに向けるまなざしは、ロマンティックに過ぎるような気もするけれど、ライ・クーダーの魅力的なスコアと共に、忘れがたい作品だ。いろんな兄弟俳優が競演しているのも楽しいね。７５点。

ジェシー・ジェームズってアメリカでは、むっちゃ人気があるらしいっっすねー！

最近もブラッド・ピット主演で映画化されとるしね〜♪（『ジェシージェームズの暗殺』2007アンドリュー・ドミニク監督、未見・・・つーか観る気なし）

そういうアメリカ国内ではジェシー・ジェームズについての知識もあるやろから、こんなゆるいドラマでもそれなりに感情移入して観れるんかもしれんけど、"ジェシー・ジェイムズ？誰それ？"っつー程度の自分にはこんな描き方やとじぇーんじぇんおもんないっす！

もうちょっと深く内面まで描いてくれんとねー・・・

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ただ、流石ウォルター・ヒル監督だけあって、アクションシーンはほんま素晴らしーっすね！

ドラマシーンで常にウトウトして、アクションシーンになる度に目が覚めるっつーのの繰り返し（´艸｀）

なんで、脚本にタッチせーへんかったんやろー？

監督が脚本に手つけてたらもっとオモロなったと思うんやけどなぁー・・・

個人的満足度　69点！

たぶん私がいちばん見ていないジャンルはウエスタンだと思うのですが、先日「ジェシー・ジェームスの暗殺」のレビューを読んでいたら、この作品に行き当たりました。 そしてdiscasにはちゃーんとよふかしさんのレビューが。いつもほんとにお世話になっています。ダグラス・サークの作品も、必ず制覇したいと思っています。

ロングコートを翻し、駆ける馬から列車に飛び移るシーンが、とてもかっこいい映画でした。
苗字の同じ俳優がやたらと出てるなあと思ったら、実の兄弟が兄弟の役で出てるんですね。私はデニス・クエイドしかわかりませんでしたが。

ジェシー・ジェームスのこともちょっとはわかったので、ブラピのジェシー・ジェームスを見にいってみようかなと思ってます。「決断の３時１０分」のリメイク版はかなりヒットしたようですし、ブラピもどっかの映画祭で主演男優賞をとり、ウエスタン回帰の動きがあるのでしょうか？？

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　ウォルター・ヒルの作品は時としてアイディアが先走って、格好いいんだけれど、どうも無理が目立つものがありますが（例えば「ザ・ドライバー」）この作品は実に情感たっぷりに破滅へと突き進む若い無法者の肖像を描いていて好感が持てます。
　イントロダクションにあるようにジェームズ兄弟、ヤンガー兄弟、最後にジェシー・ジェームズを裏切って背後から撃つことになるボブ・フォードも兄弟がいます。これを全て兄弟の俳優が演じるというのが売りになっていますが、それが際物になっていないのはキーチ兄弟、キャラダイン兄弟といった実力を持った俳優をキャスティングできたことが大きいと思います。
　もうひとつ強調しておきたいのが考証の正確さという点です。例えば彼らが乗馬の際に身に付けるロング・コートやズボンをサスペンダーで吊っている点、ズボンの裾はブーツの中にたくし込んでいる点、また彼らが使う拳銃がコルト・ピースメーカー一本やりでなく雷管を使うパーカッション・リボルバーを薬莢式に改造したモデルを使うなど細かいところに気を配っているのが嬉しいところです。特にジェシーの死後、兄のフランクが官憲に投降する際に差し出す拳銃が実際に今も残っているＳ＆Ｗの中折れ式リボルバー（アメリカンモデルかラッシャンモデルのどちらかでした。）というのも感心しました。
　映画は緑なす南部の自然を背景に、敗れた側にいたがために無法の道に堕ちていかざるを得なかった若者達の心情と、何もしていない家族まで攻撃するピンカートン探偵社など北部の情け容赦ない官憲側の行動を描きながら、若者達を悲劇のヒーローとしてでなく一定の距離を置いた描き方をしているのも好ましい。
　西部劇がすでに過去のものとなったと思われた、この時期に敢えて本格的な西部劇を目指し、相当なレベルの作品を作り上げたことに拍手を送りたいと思います。

『明日に向かって撃て』のコメディー部分とって、サム・ペキンパーばりのアクションを足したような映画でしょうか？
キャラダイン、キーチ、クウェイド兄弟そろいぶみ。