ファースター　怒りの銃弾

　なかなか面白い、渋めのアクション映画だ。イントロダクションはちょっとネタバレ過ぎる気がするので、読まない方がいい。
　この映画、序盤がいい。刑務所を出た男（ドウェイン・ジョンソン）が、その瞬間から突っ走る。酒にも女にも振り向かず、台詞も笑顔もない。猪突猛進、迷いの欠片もなく走って、銃をガンガンぶっ放す。彼の目的がはっきりしないまま、弾丸のように突っ走るところが魅力的。
　前置きなく始まって、短期決戦の香りがぷんぷんと漂い、自然映画は緊張感を保つ。あれよあれよというまに銃撃戦やカーアクションやナイフでの一対一の肉弾戦に突入。なので、イントロダクションは書きすぎと思うのだ。分かってしまえばよくある話だが、語り方でこうも魅力的になるというのに。
　ビリー・ボブ・ソーントンの「やさぐれ刑事」も合わせて、70年代的にまっすぐなハードアクション――たとえばウォルター・ヒルとか――の雰囲気を感じて喜んでいたところに、90年代的な異物が侵入。――ヘンテコな完璧主義のイケメン殺し屋だ。こういうのを出さないと今風にならないというのはよくわかるが、惜しいかな、このキャラと主人公の持ち味が相いれない。これが相乗効果を生んでいれば相当な傑作になったかもしれないが……終盤に向かうにつれ、そこそこ楽しめる作品に落ちついてしまった。60点。

私からつけ加えることは何もない。う〜ん・・何か書きたかった。

2010年(アメリカ)
「処刑人」みたいな映画です。
ハードボイルド・タッチで、容赦なく虚しい。

ドライバー(ドウェイン・ジョンソン)は、兄を殺された上にはめられて、10年の刑期を終えて出獄します。

コップ(ベテラン刑事のビリー・ボブ・ソーントン)は、ある意味でキーパーソンです。

復讐に燃えるドライバーは、自分たちをはめた男を一人、二人と秒殺して行く。

三人目位から迷いが出てくる。

はめた元締めは分からない。
迷うドライバー。

しかし復讐相手が、ドライバーを止めるためにキラー(殺し屋)を雇う。

ドウェイン・ジョンソンが非情だけれど、迷いながら処刑する
復讐に燃える男をクールに演じています。

カップの正体がこの映画の、ほんと鍵です。

「ワイルド・スピードMEGA MAX」出演直前の映画で、
大物になる以前のロック様の出演作でした。

普通人の日常においては起こりえない復讐劇を
泥臭くチープな匂いを振りまきながら描いたＢ級映画。
主役がマッチョで、男の映画丸出しなのですが、男向け映画にしてはエロがほとんどない。
この手の映画にはよくある酒場に半裸の女性がいるようなシーンもなかったような気がします。
女は不要だといった、より男くささを狙ったのかもしれません。
しかし、格闘技のチャンピオンのような風貌の主人公が素手ではなく銃を使って戦うのは、少し疑問。
優男ならまだしもマッチョなんだから、もっと素手で勝負してほしかった
−といった不満もありましたが、楽しめる映画でした。
復讐に燃えるマッチョ男にからんでくる殺人を趣味兼職業とする二枚目、
自堕落な刑事と垢抜けないキャラの三人の個性や人生の背景が、
胡散臭くもあり、チープさを強調していて、Ｂ級らしくて良いです。
最後のオチも意外性があってよかった。
結末の付け方も納得のいくもので、
今ではほとんどなくなってしまいましたが場末の映画館で観るのが似合うＢ級映画の典型でした。
こういった良質のＢ級映画を観るのも映画の楽しみのひとつなので、
こういうドロ臭い映画は作り続けてほしいです。

評価７１点（１００点満点）
ザ・ロックことドウェイン・ジョンソン主演のアクション作品で期待度を上回る出来と言えよう。
名前はなく、ドライバーと呼ばれる男、１０年の刑期を終えて出所したとたんにハメられて殺された兄貴の復讐を開始、最初の標的をなんの迷いもなく問答無用で始末、二人目の標的もしかり。なんせあの肉体で仁王立ちすれば誰にも止められない感じでなかなかの迫力。何故こんな復讐をすることになったかという背景は殺人捜査のプロセスで明らかになつてゆくのだが、ここに登場するのが少し得体の知れないコップ（刑事）、定年間際みたいだがいろいろと謎が多い、そしてイケメンで豪勢な暮らしをしているキラー（殺し屋）、何者かに依頼を受けてドライバーを狙う。
それぞれ家族や幼い時の話がでてくるが、メインはドライバー、コップ、キラーの三つ巴の戦いと誰が１０年前の銀行強盗事件でドライバーをハメたのかというところがポイント。ドライバーと呼ばれるだけあって流石の運転テクニックで豪快なカーチェイス場面を見せてくれるしキラーは一流の殺し屋らしく車や武器はすごいものを持っている、しかし最後の場面で報酬は１ドルだと言う台詞にはちよっと笑ってしまった。
まぁ細かいところはともかくＢ級作品なりの面白さは充分ある作品。