しあわせの雨傘

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しあわせの雨傘 / カトリーヌ・ドヌーヴ

全体の平均評価点:(5点満点)

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「しあわせの雨傘」 の解説・あらすじ・ストーリー

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解説・ストーリー

カトリーヌ・ドヌーヴが衝撃的なジャージ姿を披露したハートフルコメディ。ブルジョア主婦・スザンヌは、朝のジョギングを日課とする優雅な生活を送っていた。そんな折、雨傘工場を経営する夫・ロベールが病に倒れ、スザンヌが工場の運営を任される。

「しあわせの雨傘」 の作品情報

作品情報

製作年: 2010年
製作国: フランス
原題: POTICHE

「しあわせの雨傘」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

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女性の自立を描くオゾン流女性賛歌

投稿日:2011/08/12 レビュアー:ミルクチョコ

フランソワ・オゾン監督がカトリーヌ・ドヌーブと「8人の女たち」以来8年ぶりに組み、飾り妻(原題=飾り壷)だったスザンヌが政治家になるまでを描いたハートフルコメディーです。
軽妙な笑いだけではなくて、女性の自立というテーマを追加し、現代にも通じるドラマですね。

相変わらずオゾン監督は女性を描くのが巧いと思います。亭主関白な夫の言いなりで、ジョギングと詩作と刺繍に精を出す専業主婦。カーラーを巻き、赤いジャージ姿で朝ランに励むというお飾り女にドヌーブを起用し、キャスティングにおける選択眼の確かさが強みです。
70年代のフランスでは、自ら行動し意見するなどとんでもなく、雨傘工場を経営する夫の影にかくれ、それなりに満ち足りた生活を送っていたはずでした。夫が心臓発作で倒れるまでは。
女性の地位はまだまだ低く、夫に代わって雨傘工場を経営するなど考えられない時代。しかし、飾り壷だった妻は、夫とは真逆な経営方針で、ストライキで息まく労働者たちをなだめ、傾きかけた工場を立て直します。
面白いのが社会に出たことも無い彼女が、社員と信頼関係を築き、亭主の浮気相手の秘書までもスザンヌの魅力の虜になってしまうのだから可笑しいです。

ストーリーは、意外にも先読みを許さない展開で、労働者階級出身の市長とスザンヌの過去の関係に驚くのは序の口です。未婚の母、不倫など実はスキャンダラスな青春を送って来たアヴァンギャルドさの絶妙なバランスを見事にスクリーンに投影していると思います。
病気の回復により、戻って来た夫によって彼女は再び飾り壷の座に逆戻りするかと思いきや、一度壷から流れ出た水は元には戻りませんね。離婚を決意した彼女は、女性の地位向上を訴えて、何と議会に立候補してしまいます。
日に日に活気づき輝いていく妻に比べて、夫がどんどんしょぼくれていくのが可笑しいです。
夫役のルキーニ最高!

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大好きです!

投稿日:2011/07/01 レビュアー:よふかし

 とても可愛らしく面白いコメディで、大好きな作品です。もしかしたら同時期に公開された『Ricky』も含めて、フランソワ・オゾン作品ではもっとも好きかもしれません。
 ドヌーヴで雨傘ですから、つい「シェルブール?」と思ってしまいますが、かなりの映画マニアでもあるオゾンがストレートなオマージュにするはずもなく、シニカルでナンセンスな笑いを散りばめながら、人生に温かい眼差しを送るという離れ業を軽やかにこなしていて、とても素晴らしいと思いました。
 裕福な家庭のマダムにおさまっていたドヌーヴは、ひょんなことから強権的な夫に代わって雨傘工場の社長業に就く。そこにかつてのロマンスが絡み、秘密も明らかになって……という物語からは、「女性の自立」とか「自己実現」のようなテーマが見え隠れするのですが、そこはあまり重要ではないでしょう。70年代後半を舞台にしたホームコメディに現代の観客を入り込みやすくするための方便とも言えるからです。
 なんといってもドヌーヴは出色です。彼女が演じるシュザンヌは、自分で望んだわけではなく、状況に押されて経営に乗り出したのですが、しかしだんだん仕事が面白くなる。お嬢様育ちで世間知らず、人の良い感じで登場した彼女は、次第に実はそう単純ではない人物であることが分かってきますが、どこまでも品よく、色っぽく(当時63、4歳でしょうか)、可愛らしく、精神が安定していて静かに意思が強い。ひじょうに魅力的な女性です。もちろん衣装は冒頭の赤いジャージもふくめてどれも素晴らしいし、髪形でも楽しませてくれます。ドパルデューと怪しげなクラブでディスコティックなダンスを踊るシーンは実に楽しいし、トラックをヒッチハイクして帰るときの、運転手との間の妙にセクシャルな雰囲気もまた面白い。
 情けない男たちを見事に演じるドパルデュー、夫役のロメール作品でおなじみファブリス・ルキーニもいいですが、秘書ナデージュ役のカリン・ヴィアールのコメディエンヌぶりが愉しかった。
 往年のコメディ映画よろしく、人を横に動かして笑いを誘うオゾンの演出は安定していて、カラフルな画面づくり、分割画面では枠の角を丸くするなど、細かなところにも気を配っています。セクシャルな笑いも含めて、感傷は周到に排されているので、アメリカンなコメディがお好きな人にはお勧めできない大人向けの秀作です。
ラストのあっけらかんとしたドヌーヴ・オン・ステージには、うっとりしますよね笑。85点。

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中身のある飾り壷 ネタバレ

投稿日:2011/05/28 レビュアー:パープルローズ

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趣味は詩作とお台所。夫からも子供たちからも、「飾り壷」と呼ばれる妻スザンヌ。
ところが、夫が経営する雨傘工場でストライキが起こり、経営者と労働者の対立が激化する中、夫が倒れてしまい、スザンヌはしぶしぶ工場を引き継ぐことに。次第に自信を取り戻してゆくと同時に、思わぬ過去が明らかになる。
ストーリー自体は陳腐で、ややこしさもありません。

舞台劇のような仕立てが「8人の女たち」に似ていて、これはオゾンの中でも苦手な方のオゾンかも、とちょっと構えてみてしまったせいもあり、私はあまり乗れなかったのですが、とにかくカトリーヌ・ドヌーブがすごいです。

1970年代の雨傘工場という設定といい、始めの方のラジオから流れてくる歌の歌詞といい、「シェルブールの雨傘」を意識しているのは明らかなのですが、あんなに暗い話ではないところはいいです。

とにかくドヌーブが美しい!!冒頭の赤いジャージ姿、あんな格好をしていてさえも美しいのですが、その後のとっかえひっかえの素敵な衣装の数々といったら!!

スザンヌは雨傘工場の労働者たちとの仲介を、左翼の市長ババン(ジェラール・ドパルデュー)に依頼するのだが、若き日ふたりは情事を楽しんだ仲だったのだ。
団交に臨むスザンヌが、 勝負服として選んだのは、若いふたりが初めて会ったときに着ていた服。
ババンはそれに気がついて、「あの時と同じ服だね。」というのだけど、まさかサイズが同じとは思えないにしても、あんなピンクの花模様のついたドレスを着こなせるドヌーブ、すごい!!

そして、スザンヌにはババン以外にも多くの情事があったことが明らかになり、息子の父親は誰なのかという話になっていくんです。貞淑な女だと誰も疑わない妻。だけど、女にはいろいろあるわよ。

冒頭のシーンで、赤いジャージを着てジョギングするスザンヌは、草むらで交尾するウサギをみて、あきれた顔をするのですが、若い頃は彼女だってあのウサギと変らなかったってことですね。

工場の経営者から議員へと、華麗な転身を遂げるスザンヌをみて、夫がひとこと。
「ただの飾り壷だと思ったけど、中身のある壷だった。」
中身は大事だけど、綺麗じゃないと飾ることはできないので、やっぱり見た目の美しさは重要だなと思ったりしました。

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女は強く、しぶとく、したたかに生きよ

投稿日:2011/07/08 レビュアー:飛べない魔女

若くハンサムな(その形容詞はどうでもいいか(^^ゞ)オゾン監督の『8人の女たち』が好きだ。
あの映画に登場する1950年代の女たちも強くしぶといしたたかさを持ち合わせた女たちで、ミュージカル仕立てのブラックな殺人劇場が面白かった。
そして今度もまたカトリーヌ・ドヌーヴを主役に迎えて、1970年代後半の男性から解放されることに意義を見いだし始めた女性のお話し。
テンポも良くなかなか面白かった。
カトリーヌ・ドヌーヴはちょいと太めにはなったけど、あの年代になったら太めぐらいの方が美しいとさえ思わせる品格で素敵だった。


生活に多少は不満を持ちながらも、その不満をぶちまけることもなく、夫の浮気にも目をつぶり、
自分の趣味と孫たちがいれば幸せと感じていた主婦スザンヌが
ある日夫の雨傘工場を否応なしに経営することになり、そのほんわかした性格が功を奏したのか
子供たちの協力もあり、組合側とうまく折り合いをつけて経営を立て直していく。
貞淑な妻だとばかり思っていた彼女にも、実は夫には今まで黙っていた秘密がいろいろあって・・
秘密があるのは男ばかりじゃあないのよ。
ふふふ、私はいくらでも頂点を目指すわ・・ってなもんで、したたかなスザンヌなのでした。

自分の娘に『ママは置き物の壺よ』と言われるくらいただのお飾り妻だったとしても
ちょっとした気持ちの入れ替えで、女は中身のある壺に変身していくのだということを
世の夫たちは肝に銘じておいた方がいい。

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飾り壺が羽ばたく

投稿日:2011/09/05 レビュアー:蒼生



「水がこぼれるのよ!飾り壺があふれちゃうの!」

彼女はなにも、社長夫人という立場に満足していたわけじゃなかった。
満足していると自分に思いこませようとしていただけ。
「私はピュジョル夫人」と、毎朝自分に言い聞かせなくてはならないほど。
その前に、スザンヌというひとりの個性であるということは、
きっと無意識に、押し殺していた。
だから、彼女の壺にはひとしずくずつ、水が溜まり続けていた。

それが溢れはじめたら、
もう止まらない。誰にも止められない。

状況は書きませんが、
彼女が夫に「兄妹じゃなかったら?」「よく考えて。」と言うシーンが
思わず拍手しそうになったほど爽快でした。


この手のジャンルにしては、少―し展開が速い気がして、そこがものたりなかったですが、
展開が遅すぎてウンザリする作品が多いような気がする中で、これはめずらしいと思います。
彼女が社長代理の座を追われた後、
方向転換をするあたりをもう少し丁寧に描いてほしかったですが、
作品全体としては痛快で、後味もよかったです。

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しあわせの雨傘

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女性の自立を描くオゾン流女性賛歌

投稿日

2011/08/12

レビュアー

ミルクチョコ

フランソワ・オゾン監督がカトリーヌ・ドヌーブと「8人の女たち」以来8年ぶりに組み、飾り妻(原題=飾り壷)だったスザンヌが政治家になるまでを描いたハートフルコメディーです。
軽妙な笑いだけではなくて、女性の自立というテーマを追加し、現代にも通じるドラマですね。

相変わらずオゾン監督は女性を描くのが巧いと思います。亭主関白な夫の言いなりで、ジョギングと詩作と刺繍に精を出す専業主婦。カーラーを巻き、赤いジャージ姿で朝ランに励むというお飾り女にドヌーブを起用し、キャスティングにおける選択眼の確かさが強みです。
70年代のフランスでは、自ら行動し意見するなどとんでもなく、雨傘工場を経営する夫の影にかくれ、それなりに満ち足りた生活を送っていたはずでした。夫が心臓発作で倒れるまでは。
女性の地位はまだまだ低く、夫に代わって雨傘工場を経営するなど考えられない時代。しかし、飾り壷だった妻は、夫とは真逆な経営方針で、ストライキで息まく労働者たちをなだめ、傾きかけた工場を立て直します。
面白いのが社会に出たことも無い彼女が、社員と信頼関係を築き、亭主の浮気相手の秘書までもスザンヌの魅力の虜になってしまうのだから可笑しいです。

ストーリーは、意外にも先読みを許さない展開で、労働者階級出身の市長とスザンヌの過去の関係に驚くのは序の口です。未婚の母、不倫など実はスキャンダラスな青春を送って来たアヴァンギャルドさの絶妙なバランスを見事にスクリーンに投影していると思います。
病気の回復により、戻って来た夫によって彼女は再び飾り壷の座に逆戻りするかと思いきや、一度壷から流れ出た水は元には戻りませんね。離婚を決意した彼女は、女性の地位向上を訴えて、何と議会に立候補してしまいます。
日に日に活気づき輝いていく妻に比べて、夫がどんどんしょぼくれていくのが可笑しいです。
夫役のルキーニ最高!

大好きです!

投稿日

2011/07/01

レビュアー

よふかし

 とても可愛らしく面白いコメディで、大好きな作品です。もしかしたら同時期に公開された『Ricky』も含めて、フランソワ・オゾン作品ではもっとも好きかもしれません。
 ドヌーヴで雨傘ですから、つい「シェルブール?」と思ってしまいますが、かなりの映画マニアでもあるオゾンがストレートなオマージュにするはずもなく、シニカルでナンセンスな笑いを散りばめながら、人生に温かい眼差しを送るという離れ業を軽やかにこなしていて、とても素晴らしいと思いました。
 裕福な家庭のマダムにおさまっていたドヌーヴは、ひょんなことから強権的な夫に代わって雨傘工場の社長業に就く。そこにかつてのロマンスが絡み、秘密も明らかになって……という物語からは、「女性の自立」とか「自己実現」のようなテーマが見え隠れするのですが、そこはあまり重要ではないでしょう。70年代後半を舞台にしたホームコメディに現代の観客を入り込みやすくするための方便とも言えるからです。
 なんといってもドヌーヴは出色です。彼女が演じるシュザンヌは、自分で望んだわけではなく、状況に押されて経営に乗り出したのですが、しかしだんだん仕事が面白くなる。お嬢様育ちで世間知らず、人の良い感じで登場した彼女は、次第に実はそう単純ではない人物であることが分かってきますが、どこまでも品よく、色っぽく(当時63、4歳でしょうか)、可愛らしく、精神が安定していて静かに意思が強い。ひじょうに魅力的な女性です。もちろん衣装は冒頭の赤いジャージもふくめてどれも素晴らしいし、髪形でも楽しませてくれます。ドパルデューと怪しげなクラブでディスコティックなダンスを踊るシーンは実に楽しいし、トラックをヒッチハイクして帰るときの、運転手との間の妙にセクシャルな雰囲気もまた面白い。
 情けない男たちを見事に演じるドパルデュー、夫役のロメール作品でおなじみファブリス・ルキーニもいいですが、秘書ナデージュ役のカリン・ヴィアールのコメディエンヌぶりが愉しかった。
 往年のコメディ映画よろしく、人を横に動かして笑いを誘うオゾンの演出は安定していて、カラフルな画面づくり、分割画面では枠の角を丸くするなど、細かなところにも気を配っています。セクシャルな笑いも含めて、感傷は周到に排されているので、アメリカンなコメディがお好きな人にはお勧めできない大人向けの秀作です。
ラストのあっけらかんとしたドヌーヴ・オン・ステージには、うっとりしますよね笑。85点。

中身のある飾り壷

投稿日

2011/05/28

レビュアー

パープルローズ

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趣味は詩作とお台所。夫からも子供たちからも、「飾り壷」と呼ばれる妻スザンヌ。
ところが、夫が経営する雨傘工場でストライキが起こり、経営者と労働者の対立が激化する中、夫が倒れてしまい、スザンヌはしぶしぶ工場を引き継ぐことに。次第に自信を取り戻してゆくと同時に、思わぬ過去が明らかになる。
ストーリー自体は陳腐で、ややこしさもありません。

舞台劇のような仕立てが「8人の女たち」に似ていて、これはオゾンの中でも苦手な方のオゾンかも、とちょっと構えてみてしまったせいもあり、私はあまり乗れなかったのですが、とにかくカトリーヌ・ドヌーブがすごいです。

1970年代の雨傘工場という設定といい、始めの方のラジオから流れてくる歌の歌詞といい、「シェルブールの雨傘」を意識しているのは明らかなのですが、あんなに暗い話ではないところはいいです。

とにかくドヌーブが美しい!!冒頭の赤いジャージ姿、あんな格好をしていてさえも美しいのですが、その後のとっかえひっかえの素敵な衣装の数々といったら!!

スザンヌは雨傘工場の労働者たちとの仲介を、左翼の市長ババン(ジェラール・ドパルデュー)に依頼するのだが、若き日ふたりは情事を楽しんだ仲だったのだ。
団交に臨むスザンヌが、 勝負服として選んだのは、若いふたりが初めて会ったときに着ていた服。
ババンはそれに気がついて、「あの時と同じ服だね。」というのだけど、まさかサイズが同じとは思えないにしても、あんなピンクの花模様のついたドレスを着こなせるドヌーブ、すごい!!

そして、スザンヌにはババン以外にも多くの情事があったことが明らかになり、息子の父親は誰なのかという話になっていくんです。貞淑な女だと誰も疑わない妻。だけど、女にはいろいろあるわよ。

冒頭のシーンで、赤いジャージを着てジョギングするスザンヌは、草むらで交尾するウサギをみて、あきれた顔をするのですが、若い頃は彼女だってあのウサギと変らなかったってことですね。

工場の経営者から議員へと、華麗な転身を遂げるスザンヌをみて、夫がひとこと。
「ただの飾り壷だと思ったけど、中身のある壷だった。」
中身は大事だけど、綺麗じゃないと飾ることはできないので、やっぱり見た目の美しさは重要だなと思ったりしました。

女は強く、しぶとく、したたかに生きよ

投稿日

2011/07/08

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飛べない魔女

若くハンサムな(その形容詞はどうでもいいか(^^ゞ)オゾン監督の『8人の女たち』が好きだ。
あの映画に登場する1950年代の女たちも強くしぶといしたたかさを持ち合わせた女たちで、ミュージカル仕立てのブラックな殺人劇場が面白かった。
そして今度もまたカトリーヌ・ドヌーヴを主役に迎えて、1970年代後半の男性から解放されることに意義を見いだし始めた女性のお話し。
テンポも良くなかなか面白かった。
カトリーヌ・ドヌーヴはちょいと太めにはなったけど、あの年代になったら太めぐらいの方が美しいとさえ思わせる品格で素敵だった。


生活に多少は不満を持ちながらも、その不満をぶちまけることもなく、夫の浮気にも目をつぶり、
自分の趣味と孫たちがいれば幸せと感じていた主婦スザンヌが
ある日夫の雨傘工場を否応なしに経営することになり、そのほんわかした性格が功を奏したのか
子供たちの協力もあり、組合側とうまく折り合いをつけて経営を立て直していく。
貞淑な妻だとばかり思っていた彼女にも、実は夫には今まで黙っていた秘密がいろいろあって・・
秘密があるのは男ばかりじゃあないのよ。
ふふふ、私はいくらでも頂点を目指すわ・・ってなもんで、したたかなスザンヌなのでした。

自分の娘に『ママは置き物の壺よ』と言われるくらいただのお飾り妻だったとしても
ちょっとした気持ちの入れ替えで、女は中身のある壺に変身していくのだということを
世の夫たちは肝に銘じておいた方がいい。

飾り壺が羽ばたく

投稿日

2011/09/05

レビュアー

蒼生



「水がこぼれるのよ!飾り壺があふれちゃうの!」

彼女はなにも、社長夫人という立場に満足していたわけじゃなかった。
満足していると自分に思いこませようとしていただけ。
「私はピュジョル夫人」と、毎朝自分に言い聞かせなくてはならないほど。
その前に、スザンヌというひとりの個性であるということは、
きっと無意識に、押し殺していた。
だから、彼女の壺にはひとしずくずつ、水が溜まり続けていた。

それが溢れはじめたら、
もう止まらない。誰にも止められない。

状況は書きませんが、
彼女が夫に「兄妹じゃなかったら?」「よく考えて。」と言うシーンが
思わず拍手しそうになったほど爽快でした。


この手のジャンルにしては、少―し展開が速い気がして、そこがものたりなかったですが、
展開が遅すぎてウンザリする作品が多いような気がする中で、これはめずらしいと思います。
彼女が社長代理の座を追われた後、
方向転換をするあたりをもう少し丁寧に描いてほしかったですが、
作品全体としては痛快で、後味もよかったです。

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