ノーウェアボーイ　ひとりぼっちのあいつ

「キック・アス」のアーロン・ジョンソンが若き日のジョン・レノンを演じ、彼の黎明期が描かれています。
厳格な伯母ミミ（クリスティン・スコット・トーマス）に育てられたジョンは、伯父の急死後、実母のジュリア（アンヌ＝マリー・ダフ）と１０年ぶりに再会します。彼女の影響でロックに目覚め、音楽に没頭するジョンとミミは対立します。
それからというもの、ジュリアからバンジョーの弾き方を習ったり、エルヴィス・プレスリーのロックンロールの影響を受けることとなります。
ビートルズの映画は色々ありますが、伝記ドラマは少ないような気がします。今まで知らなかった彼の意外な事実も垣間見れて嬉しかったです。
彼の才能の裏に２人の母の存在があったとは。。。

物語の中心は、音楽よりも二人の母を巡るジョンの精神的な葛藤の方で、名曲「マザー」のルーツが分かります。
自由に思うままに生きようとしたジュリア、自分の子供がいなかったことでジョンを我が子のように育て、堅実な人生を歩んで欲しいと願ったミミ。
どちらの母親もジョン・レノンにとって大きな影響を与えた女性だったのだと思います。

この作品には、視点の妙があるような気がします。
長年別々に暮らしていたジョンと母親ジュリアとの関係の捉え方です。ジョン・レノンという偉人を生んだ母親に対する侮蔑的な文句も辞さない辺り。かなりの勇気がいることを本作はやってのけたように思います。
形がどうであれ、生みの親と育ての親である二人は同じくらいにジョンを愛していたのでしょう。

奔放な実母とのシーンに男と女の香りがするのは、女性監督のサム・テーラー・ウッドが主演を演じた２３歳年下のアーロン・ジョンソンと結ばれた愛の形でしょうか？

劇場で見逃したので、観てみました。
評判も悪くないような気がしたので、
そこそこの期待をしちゃったのがダメだったのか、
どうもノレなかった。

ジョンレノンに２人の母がいた、とか、彼の学生時代はこんな感じだったのか、
なんていうことは確かに描かれてるんですが、
そこまでなんですねえ・・・・・。

ジョンレノンに疎いと、正直そんなに楽しめない気がします・・・（すみません）
ジョンレノン好き、興味ある、ならそれこそとても楽しめると思います♪

まあ、フツーの青春映画として観ればＯＫだったかもしれません。


こんな感想ですみません・・・・（汗

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生みの母と育ての母、ふたりの母の間で揺れ動く、青年時代のジョン・レノンの物語です。

ジョンは育ての親である叔父、叔母夫婦のもとで、穏やかな生活を送っているが、ある日突然叔父が亡くなってしまう。そして、叔父の葬式を遠くから見ていた女性が自分の実の母であり、彼女が叔母の家から歩いていけるようなところに住んでいることを知るのだった。

育ての母であるミミ叔母（クリスティン・スコット・トーマス）は、ひっ詰めた髪に地味な出で立ちで、細かいことにも口うるさい。
それと対照的に実の母ジュリア（アンヌ＝マリー・ダフ）は明るく奔放。ジョンをダンスに誘ったり、数々のロックミュージックを聞かせ、彼の音楽的バックグラウンドは実の母によるところが多かったのだなと思わせられる。しかし、ジュリアは母親としては明らかに不適格。長く離れて暮らしていた若者の目には、母というより女として映るのではないかと不安になる。

ジョンは次第に実母の家に入り浸るようになるが、ぼんやりとした記憶の残る父との別れの場面の真相を知り、育ての母の愛を認識するようになるのだった。

どの程度が実話なのかはわかりませんが、ジョン・レノンのバックグラウンドとなったのであろう、たくさんの音楽（プレスリーの曲が多かったです。）は楽しめました。ビートルズの曲は、エンドクレジットで流れる「Mother」を含めて、２曲くらいしかなかったと思います。
ポールとジョージとの出会いも織り込まれています。

特におもしろかったのが、ジョンが友だちと万引きしたジャズのEPレコードを、海に投げ捨てるシーン。ジョンの音楽にはジャズの下地はなかったんですね。ビリー・ホリデーと言われても、「Who is HE?」と女性であることも知らなかったみたいだし。

私は育ての母親であるミミにずっと感情移入してみてしまったのですが、ラストでドイツに行くことになったジョンが、パスポート申請のためにミミにサインを頼むシーンで、ミミの「私はｐarentかguardianか、どっち？」という問いかけに、ジョンが「Both.」と答えるところでウルウルしてしまいました。やっぱり、母親は煙たがられても時には厳しくしないといけないし、子供はそのことをわかってくれるときがくるってことですよね。

主役のアーロン・ジョンソンを楽しみにしていましたが、だいぶ大人になって顔つきがかなり変わってました。胸板なんかもものすごく厚くなってたし、これは私が好きだった「ジョージアの日記」のロビーではもはやありません（泣）。あの体で監督を妊娠させちゃったのね（涙）。

なるほど。
ジョン・レノンの母ジュリアへの愛は
その後にオノ・ヨーコという年上の女性にオバーラップしていき
あのBEATLESの名曲『Julia』が生まれたワケだ。
この若き日のジョンの物語を見て
”僕に触れて、僕は愛の歌を歌うよ、ジュリア”
と歌ったあの究極のラブソングは、母への愛が強くでていることを改めて知った。

母とも父とも一緒に暮らすことが出来なかったジョン。
自分を捨てた母を、それでも最愛のママと慕う。
どこか退廃的で母親らしくないジュリア。
ジョンを愛しているというが、ならば何故捨てた？
ジョンにバンジョーを教えたのはジュリア。
ジョンの才能を開花させたのは、彼女だったとは・・

一方、厳格でしつけに厳しいミミ伯母（ジュリアの姉）、幼いジョンを引き取り育ててきた。
彼女もまた、彼女なりの愛情をジョンに注いでいた。

二人の母の間で揺れ動く若き日のジョン・レノン。
学校では、アウトロウなはみ出しもの。
これがけっこうイヤな奴だったりするのだ。
でも、無理に不良っぽくしているが、その心はいつも悲しくて、いつも愛に飢えている孤独な少年。
（少年と呼ぶにはあまりにも大人びてはいるが・・）
そんな繊細でいかにも傷つきやすい若きジョンを演じたアーロン・ジョンソン。
実に良かった。

そしてポール・マッカートニーとの出会いのシーン、胸が熱くなったのは、私だけではないだろう。

ジョン・レノンはこれまで映画でいろんな人が演じていましたが、
アーロン・ジョンソンとてもぴったりでしたね。
冒頭は、実際のジョンよりハンサム過ぎるのでは・・・と思いましたが、
話し方とかも似ているのはもちろんですが、アーロンの演じたジョン自身にも
それなり雰囲気や存在感を感じて、とってもよかった気がします。

恵まれた子供時代ではなかったことは、知っていましたが、
ふたりの母がいた事実など、
この映画を観て新しく知ったことがたくさんありました。
ファンにも楽しい映画だと思います。
変にオシャレにされていないのも、いいです。
５０年代の等身大のリバプールってこんな感じだったのだろうなとか、
空気感を楽しめました。
伯母で育ての母のクリスティン・スコット・トーマスや実母のアンヌ＝マリー・ダフも好演でしたが、
ポール役のトーマス・ブローディ・サングスター、子役の頃から考えると、大きくなりました。
美形には、育たなかったようですが、味がある俳優になってきたのではないかと思います。

さすがに、音楽の選曲がとってもいいですね。
サム・テイラー＝ウッド監督は、長編映画これが初めてだそうですが、
センスを感じるので、先々が楽しみです。
アーロン・ジョンソンと２３歳差を飛び越えて、恋愛中。
飛び越えるくらいの魅力を兼ね備えているのではと、なお期待が高まります。