踊る大捜査線　ＴＨＥ　ＭＯＶＩＥ　３　ヤツらを解放せよ！

(重大なネタバレあり)

まあ同窓会映画で、おまけにオールスター映画だから、大味な作品になることは折込済みで観始めたんですけど、予想以上につまらない映画ですね。
ダメ映画でもダメぶりを楽しみ、つっこみを入れる楽しみかたがあって、そういう映画にはラズベリー賞ものという称号を贈れるけど、そういうおもしろみもない。

いや小泉今日子の「女ハンニバル・レクター」はなかなかだし、内田友紀はきれいだし、これだけの俳優さんがそろってるのだから出演者の顔ぶれを見る楽しみはあるのだけど、それだけに内容のさむさが身にしみるかな。
作品を観るまでは、水野美紀のことを、前に所属した事務所との関係で一人だけ今回出演していないのが残念と思ってましたが、出なくてよかった、残念なのはむしろ出演した人たちと思いました。
柳場敏郎なんて顔出しに終わったし、つまらない役をすることになった織田裕二が一番かわいそうかな。

いわゆる戦犯を挙げるとしたら、俳優ではなく、プロデューサーの亀山千広、監督の本広克行、脚本の君塚良一の３人でしょうね。

今回湾岸暑引越作業の業者に変装した犯人に侵入され、おまけに警察署から銃が盗まれ殺害に使われ、また要塞化した新湾岸暑警備システムのマニュアルも盗まれすりかえられる。
さらに赴任してきたばかりの新人刑事、しかもマニュアルを読んだだけで研修もシミュレーションもしたことない者に操作させ、犯人の罠にかかって新湾岸暑を封鎖させてしまう。
その責任者は誰か? 「引越し作業の本部長」である、青島俊作です。
ドサクサまぎれなんて以前のエピソードでもありましたが、彼はもはやヒラではなく、管理責任者なのですから言い訳になりません。　　『野良犬』とは違います。　引越しに伴う危機管理の意識が欠落していたのです。　過失ではなく、怠慢です。　また盗まれた銃の犠牲者など記号的な描き方です。

警察ドラマ、あるいは階級社会や官僚制度といった緊張があり、「マジすか?」と笑ってしまうような現実があるから、この作品のナンちゃって感は面白かったのに、さらに健康診断で医師のミスという設定にしてあったりと、そんなにミスだらけでは、弛緩しては話はグダグダ。　笑えない。
無能で無責任なのは青島にしてしまって、小木茂光演じる管理官が「ショカツは引っ込んでろ」というセリフに快哉を贈りたくなりました。
「これはシナリオではなくて、ストーリーだ」どころではなくて、俳優を放り込むためのギョーカイの事情、ただの「段取り」ですね。

滝藤賢一演じる中国から研修に来ている刑事、ポーズを決めますがアクション・シーンはなく倒した結果だけ。　こういうのは「はずし」と言わず「手抜き」というのではないでしょうか。

プロ野球などもそうですが、ファンとはありがたいもので、また悲しいもので、どれだけダメでも応援するし、チェックはしておこうと観るものです。
観客動員さえすればよい、と思うかはプロとしての意識の問題ですね。

これ、カネ出して見た人お気の毒様でした。

もともとテレビシリーズから程よい悪ふざけ感が魅力のひとつのこのシリーズなのだが、
今回はちょっといただけないと思った。

前半いろいろ積み重ねているつもりのようだが、
後半それがきれいに積み上がるでもなく、はたまた豪快に崩されるわけでもなく、
ぷすぷすと不発を繰り返して、ぼろぼろと破綻していくのみ。
この不様さは一体どうしたことか。
想像するに、脚本をいじくり倒した結果、ぼろぼろのずたずたになったのではと思われる。
最初は、青島が死ぬとかどうとかいった件がもっとメインの柱だったのではないか。
尾ひれをつけるうちにどうでもよくなってしまって、結果あの有様だ。

頑丈な壁に杭を打ち付ける、その行動原理がわからない。
とりあえずこうしておけばなんとなく感動的になるんじゃないかというような、
意味の無いスローモーションとコーラスとストリングスが寒い。
時限装置のくだりは落としどころの意図が不明。あれっていらないんじゃないか？
小泉今日子の熱演は、ただただ空しい。
そして最近の君塚良一作品でおなじみの、携帯かざしたネット住民わらわらがここにも。
ラスト、またしてもスローモーションとコーラスとストリングス。嗚呼。

テレビシリーズ第一回に出演してた、元祖加藤清史郎こと森廉くんが、すっかり大きくなって登場してるのはよかった。そんだけかなあ。

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私が残念だったのは、和久さんがいないことだけです。
どうしようもないことなだけに。
余計に寂しさを感じました。
甥っ子が登場しても…嬉しくない。

雪乃さんがいないのも残念でしたが、
彼女はいつか戻ってきてくれると思えますし。

後は、定番メンバーが、定番テイストを観せてくれれば
それでよいです。

もうすぐ死ぬと思いこんだ青島が
開き直って、更に暴走する。

今回のキメは、
「俺に部下はいない。いるのは仲間だけだ！」
でしょうか？
そして、それに乗っかった署長〜

署長、引退で新しい署長が就任してましたが、
次回作では和久さんみたいに指導員になるのでしょうか。

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今回、ヒールはあの日向真奈美。
そう小泉今日子演じるシリアルキラーだ。

湾岸署はというと引越しのさなかに拳銃が強奪され。。。
相変わらず事件自体には説得力を欠くがもはや作品として確立されて
いるので細かいことはどうでもよくなってきてる（褒めてますｗ）
青島がいて、室井さんがいて。それだけで成立。
日本のドラマでここまできているのはそうはないはず。
好き嫌いは別として続けていって欲しいものです。
今回で再スタートを切ったのではないだろうか。そう思いたい。

今回の新キャラは和久さんの甥っことエリート官僚。
どちらも、パワーはない。
いや、他のキャラが確立されすぎてるせいだからだろうな。
とにかく良くも悪くも「踊る大捜査線」そのもの。
２年に１度ぐらいやればいいのにね。

それにしても日向真奈美怖すぎだろ。。。

エンドロールの後に映像あります。
だけど、「？」でしたｗ