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あの夏の子供たち / キアラ・カゼッリ

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「あの夏の子供たち」 の解説・あらすじ・ストーリー

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解説・ストーリー

映画プロデューサーだった父の突然の自殺に直面し、遺された家族がそれぞれの形でその悲劇を乗り越えていく姿を優しく見つめた感動ドラマ。監督はこれが長編2作目のミア・ハンセン=ラヴ。映画プロデューサーのグレゴワール・カンヴェルは、精力的に働く“仕事人間”ながら、妻シルヴィアと3人の娘たちを心から愛する良き家庭人でもあった。ところが、彼は会社の資金繰りに行き詰まり、追いつめられた末に自殺してしまう。やがてシルヴィアは、グレゴワールの遺志を継ぎ製作中だった映画の完成のために奔走する。一方、幼さゆえに父の死をよく理解できない次女と末娘に対し、年頃の長女クレマンスは、父の死を受け止めるべく彼女なりの形で悲劇と向き合っていく。

「あの夏の子供たち」 の作品情報

作品情報

製作年:

2009年

製作国:

フランス

原題:

LE PERE DE MES ENFANTS/THE FATHER OF MY 

「あの夏の子供たち」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

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ユーザーレビュー:18件

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1〜 5件 / 全18件

映画は魔物

投稿日:2011/02/03 レビュアー:JUCE

この映画はある家族の物語を描いているのですが、
ハートフルな作品というよりはかなり社会派な映画です。

映画制作プロダクションを舞台に展開されますが、
そこには映画制作に魅了される人々の姿と同時に
映画産業が抱える問題。良い映画とはどんな作品か?
など様々な示唆が含まれています

実際私の知っている映像プロダクションも映画に手を出し、監督(=社長)の
こだわりの為に制作費が膨らんでしまい、もともと経営体質が万全でないところに
映画での赤字がキッカケとなって会社崩壊へとつながってしまいました。
でも映像に携わる人間は一度は本編(映画)を撮ってみたいという思いに
取り憑かれます。まさに映画は魔物なのです。

映画の中で触れられていますが、「良い映画とはどんな映画なのか」ということも
考えされれる映画です。良い映画であっても、一般受けしなければ興行的には成功しない。
でも製作者は自ら信念を抱いている「良い映画」を作りたい。
この映画自身も明確な答えを出す映画では無いので、広く一般に受け入れられる
作品では無いのかもしれません。
もしかするとミア・ハンセン=ラブ監督 はこの映画を通じて観客に
「あなたにとってこの作品はどう映りますか?」という問いかけ、
もしくは挑戦状を送りつけているのかもしれません。
そうだとすると監督はこの作品にかなりの自信を持っているといえるでしょう。
逆に作品中にグレゴワールの娘が事務所を訪れた時に、ある監督の作品を
褒めるのですが、監督はデビュー作だからアラが多くて、今見ると恥ずかしいというような
ことをやり取りする場面。あの劇中の監督も監督自身の思いを投影している気がします。

この作品は2部構成になっています。そこで主人公も入れ替わります。
作品全体的にこの手の作品としては珍しいくらいカット数の多い作品ですが、
特に前半はカットの切り替えが早いです。また被写体も常に移動している印象です。
どこかの携帯キャリアのCMのように携帯をしながら歩いて行くカットは繋ぎ方が
絶妙でした。

堅実な業界で仕事をされている方にはちょっと感情移入しにくい作品かもしれません。
私にとってはかなり身近な話題でもあり、こころにズシリと来る作品です。
この映画の残された娘たちの姿をみて、そこに我が子を重ね、何があっても私は生きよう。
そう思うのです。

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死ではなく、生き抜くことを主題とした映画

投稿日:2011/01/26 レビュアー:ミルクチョコ

父親を自殺で失った遺族の姿を綴ったドラマです。
監督はこの作品が長編映画2作目となる29歳の新鋭ミア・ハンセン=ラブ。重苦しいテーマを瑞々しいタッチで描き、カンヌ映画祭「ある視点」部門賞を受賞したらしいです。彼女の長編第1作のプロデュースをするはずだった知人のアンベール・バルザンの自殺をきっかけに彼への敬意をこめつつ、生への渇望と死への衝動といった一人の人間に起こる葛藤を描いたところが面白いと思います。

映画プロデューサーのグレゴワール(ルイ=ド・ドゥ・ランクサン)は撮影中の新作の予算オーバーに頭を痛め資金繰りが上手くいかなくなるものの、プライベートでは家庭を大切にしています。しかしさらに資金繰りに行き詰まったグレゴワールは拳銃自殺をしてしまいます。
父を主に描く前半は意外と長く、仕事にも家族にも深い愛を注いでいる日常をたっぷりと見せていきます。
しかし、仕事を一生懸命にし、家族を大切にして、とても死にそうになかった人の突然の自殺。
思い詰められてているのにそぶりを見せず突然行動に移すシーンでは、かなりびっくりしてしまいました。

そして夫の自殺により、妻の奮闘により、彼の残した映画が成功するそんなストーリーを勝手に描いてしまいましたが、何とここらへんもとことんリアルでびっくりでした。
そして、もういない人を怨むよりも自分たちはまだ生きていかなければならないから。ここでも家族が抱えている喪失感を描くより事後処理に忙殺される様子を追い、かえってグレゴワールの不在を際立たせています。
そして会社の清算とともに、あっけなく、妻は、娘3人を連れて、生まれ故郷イタリアへ帰って行きます。
何故かこの変もあまりに唐突でびっくりしてしまいました。
言って見れば悲劇なのですが、決して絶望的な話ではありません。
どんなに辛くとも明日への希望を失わないことの大切さを訴え、明快なエンディングテーマを聞きながら、う〜んと考え込んでしまったのでした。

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わたしの中のあなた

投稿日:2011/01/27 レビュアー:よふかし

 この映画はまだ若い女性監督の作品ですが、昨年観た新作のフランス映画の中ではもっとも胸を打たれた一編でした。派手なクライマックスで無理にまとめる作品、ハリウッド型の娯楽志向の荒い作品が公開されるフランス映画に増えているので、こうした作品はとても嬉しいところです。
 実のところ、イントロダクションにあることすら知らずにご覧になるとこの映画の描き出した「喪失感」が実感できると思うのですが。僕は、中盤にあるショッキングな出来事を、ほんとうに知らずに観たので、ほんとうにびっくりして、後半の彼の不在を悲しみました。

 父親を追い詰めたのは、ある映画監督のこだわり(これには実際にモデルがあって、discasにもある『倫敦から来た男』ではないかと言われています)らしいということもあって、映画製作に関心がある僕としては、「やはり映画は人を殺すこともあるのだな」と思います。しかし、それほど描写は懇切丁寧ではなかったと記憶するので、ひとつの原因に帰するのはテーマを先取りしてしまいかねません。

 この映画は、歩くシーンがとても素晴らしいと思います。いまでも思いだすのは、まず、父親がその瞬間に向かって歩いて行くところ。何の変哲もない路地を歩いて行くときの、切羽詰まった歩み。いや一年近く前に観たきりなので、記憶は書き換えられているかもしれませんが、その「歩み」のシーンがなんとも映画的に思えます。また、後半の、妻と子供たちが川岸だったかを歩くシーン。手をつないだり、離したりして、歩いていく、台詞のないシーン。実はこれはどのあたりのシーンなのかすら覚えていませんが、その瞬間だけは僕の脳に刻まれています。
 秀作です。85点。。
 

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「私の子供の父」 ネタバレ

投稿日:2012/08/16 レビュアー:まみもぉ

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上記イントロを読んで、よくある再生ドラマかとそれなりの感動を期待して観始めましたが、
どうも違う…淡々と家族の営みが映し出されていく…だけ?
父親の死、夫の死への反応も同じく、期待していた予想内なことは何もなく淡々。
当然、説明が少ないので、勝手に想像して案じてみないといけません。
余白に近いくらいの巾の広いしかも深い行間、であるのに、行がエピソードはとても多い。
だからといってごちゃごちゃと大雑把なわけでなく、行太でしっかりしていました。
女性達が主人公ということもあってかチェホフの小説のようでした。

三姉妹が素晴らしかったです。
普段着(衣装?)もよかった。それぞれの個性と好みが一貫していて、演出の細やかさを感じました。
台詞もその歳相応の、ごく普通のもの。
そんな中、グレゴワールの自殺シーンが強く印象に残ってしまったのは残念でした。
それ以前の彼の表情や子供達への言葉から察することができなかったこちらの観力不足もあるでしょうが、
説明不足過多だったのではと思われました。

ラスト、イタリアへ向かう一家。
車の中から生まれ育ったパリの街並みを見ながら、長女クレマンスの頬をつたういじらしく美しい涙。
今までのように無駄な言葉はなく映し出されたその横顔を観ながら、
グレゴワールを失ってからの母娘の会話が思い出されていきました。
その静かな回想を邪魔してくれたのが、流れ始めた名曲『ケ・セラ・セラ』。
ずっと余計な説明はせず、何も押し付けず静かに観せてくれていたのに、
♪成り行きにまかせるだけ、先のことなんかわからない〜
なんて名曲を…。
最後の最後がとても残念でした。


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ケセラセラ

投稿日:2011/02/02 レビュアー:パープルローズ

映画館でも観たのですが、改めて観直してみて、しみじみといい映画だなと思いました。

映画プロデューサーのグレゴワールが、資金繰りの苦しい映画会社をなんとか立て直そうと奮闘しながらも、衝動的に自殺を図るまでの前半。
グレゴワールは携帯電話をかたときも離せないような仕事人間だけど、妻と3人の娘たちを本当に大切にしていることが伝わってきます。特に下のふたりの娘と戯れるシーンは、とても自然で美しく、こんなにも娘を愛しているのになぜ?と思ってしまいます。
それほどグレゴワールの自殺は衝撃的なのですが、人間には大切なものや愛する人の存在をすべて忘れてしまうほどの辛い瞬間があり、そして人は本当に簡単に死んでしまうんだなと思わずにいられませんでした。

後半は残された家族が悲しみと向き合ってゆく様子を、淡々と描いています。
その後半で中心となるのが、長女のクレマンス(14、5歳と思われる)。
クレマンスは、父グレゴワールが自分の母と結婚する前にもうけた息子(自分の兄)の存在を知り衝撃を受けますが、そのことも含めて、父の死を少しずつ受け入れてゆきます。
「田舎で休暇なんか過ごしたくない。」「友だちと遊んでいるほうが楽しい。」と、父の自殺の前はごく普通の不機嫌なティーンエージャーだったクレマンス。
ラストシーンで車の中からパリの街並みを眺め、一筋の涙を流すクレマンスの表情をみて、ちょっと早いけど彼女はもう大人になったんだと思いました。

そしてエンドクレジットで流れる「ケセラセラ」。
父を失った悲しみは一生消えることはない。
けれども彼は、彼が愛した映画と家族の中にずっと生き続ける。
そして、残された家族の人生は続く。
どうにかなる。クレマンスもふたりの妹も、素敵な大人の女性になって、恋をして、生きてゆくに違いない。そんなことを思いながら、この曲を聞きました。

3姉妹が着ている洋服が、さりげなくおしゃれでかわいくて、とても素敵でした。

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あの夏の子供たち

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映画は魔物

投稿日

2011/02/03

レビュアー

JUCE

この映画はある家族の物語を描いているのですが、
ハートフルな作品というよりはかなり社会派な映画です。

映画制作プロダクションを舞台に展開されますが、
そこには映画制作に魅了される人々の姿と同時に
映画産業が抱える問題。良い映画とはどんな作品か?
など様々な示唆が含まれています

実際私の知っている映像プロダクションも映画に手を出し、監督(=社長)の
こだわりの為に制作費が膨らんでしまい、もともと経営体質が万全でないところに
映画での赤字がキッカケとなって会社崩壊へとつながってしまいました。
でも映像に携わる人間は一度は本編(映画)を撮ってみたいという思いに
取り憑かれます。まさに映画は魔物なのです。

映画の中で触れられていますが、「良い映画とはどんな映画なのか」ということも
考えされれる映画です。良い映画であっても、一般受けしなければ興行的には成功しない。
でも製作者は自ら信念を抱いている「良い映画」を作りたい。
この映画自身も明確な答えを出す映画では無いので、広く一般に受け入れられる
作品では無いのかもしれません。
もしかするとミア・ハンセン=ラブ監督 はこの映画を通じて観客に
「あなたにとってこの作品はどう映りますか?」という問いかけ、
もしくは挑戦状を送りつけているのかもしれません。
そうだとすると監督はこの作品にかなりの自信を持っているといえるでしょう。
逆に作品中にグレゴワールの娘が事務所を訪れた時に、ある監督の作品を
褒めるのですが、監督はデビュー作だからアラが多くて、今見ると恥ずかしいというような
ことをやり取りする場面。あの劇中の監督も監督自身の思いを投影している気がします。

この作品は2部構成になっています。そこで主人公も入れ替わります。
作品全体的にこの手の作品としては珍しいくらいカット数の多い作品ですが、
特に前半はカットの切り替えが早いです。また被写体も常に移動している印象です。
どこかの携帯キャリアのCMのように携帯をしながら歩いて行くカットは繋ぎ方が
絶妙でした。

堅実な業界で仕事をされている方にはちょっと感情移入しにくい作品かもしれません。
私にとってはかなり身近な話題でもあり、こころにズシリと来る作品です。
この映画の残された娘たちの姿をみて、そこに我が子を重ね、何があっても私は生きよう。
そう思うのです。

死ではなく、生き抜くことを主題とした映画

投稿日

2011/01/26

レビュアー

ミルクチョコ

父親を自殺で失った遺族の姿を綴ったドラマです。
監督はこの作品が長編映画2作目となる29歳の新鋭ミア・ハンセン=ラブ。重苦しいテーマを瑞々しいタッチで描き、カンヌ映画祭「ある視点」部門賞を受賞したらしいです。彼女の長編第1作のプロデュースをするはずだった知人のアンベール・バルザンの自殺をきっかけに彼への敬意をこめつつ、生への渇望と死への衝動といった一人の人間に起こる葛藤を描いたところが面白いと思います。

映画プロデューサーのグレゴワール(ルイ=ド・ドゥ・ランクサン)は撮影中の新作の予算オーバーに頭を痛め資金繰りが上手くいかなくなるものの、プライベートでは家庭を大切にしています。しかしさらに資金繰りに行き詰まったグレゴワールは拳銃自殺をしてしまいます。
父を主に描く前半は意外と長く、仕事にも家族にも深い愛を注いでいる日常をたっぷりと見せていきます。
しかし、仕事を一生懸命にし、家族を大切にして、とても死にそうになかった人の突然の自殺。
思い詰められてているのにそぶりを見せず突然行動に移すシーンでは、かなりびっくりしてしまいました。

そして夫の自殺により、妻の奮闘により、彼の残した映画が成功するそんなストーリーを勝手に描いてしまいましたが、何とここらへんもとことんリアルでびっくりでした。
そして、もういない人を怨むよりも自分たちはまだ生きていかなければならないから。ここでも家族が抱えている喪失感を描くより事後処理に忙殺される様子を追い、かえってグレゴワールの不在を際立たせています。
そして会社の清算とともに、あっけなく、妻は、娘3人を連れて、生まれ故郷イタリアへ帰って行きます。
何故かこの変もあまりに唐突でびっくりしてしまいました。
言って見れば悲劇なのですが、決して絶望的な話ではありません。
どんなに辛くとも明日への希望を失わないことの大切さを訴え、明快なエンディングテーマを聞きながら、う〜んと考え込んでしまったのでした。

わたしの中のあなた

投稿日

2011/01/27

レビュアー

よふかし

 この映画はまだ若い女性監督の作品ですが、昨年観た新作のフランス映画の中ではもっとも胸を打たれた一編でした。派手なクライマックスで無理にまとめる作品、ハリウッド型の娯楽志向の荒い作品が公開されるフランス映画に増えているので、こうした作品はとても嬉しいところです。
 実のところ、イントロダクションにあることすら知らずにご覧になるとこの映画の描き出した「喪失感」が実感できると思うのですが。僕は、中盤にあるショッキングな出来事を、ほんとうに知らずに観たので、ほんとうにびっくりして、後半の彼の不在を悲しみました。

 父親を追い詰めたのは、ある映画監督のこだわり(これには実際にモデルがあって、discasにもある『倫敦から来た男』ではないかと言われています)らしいということもあって、映画製作に関心がある僕としては、「やはり映画は人を殺すこともあるのだな」と思います。しかし、それほど描写は懇切丁寧ではなかったと記憶するので、ひとつの原因に帰するのはテーマを先取りしてしまいかねません。

 この映画は、歩くシーンがとても素晴らしいと思います。いまでも思いだすのは、まず、父親がその瞬間に向かって歩いて行くところ。何の変哲もない路地を歩いて行くときの、切羽詰まった歩み。いや一年近く前に観たきりなので、記憶は書き換えられているかもしれませんが、その「歩み」のシーンがなんとも映画的に思えます。また、後半の、妻と子供たちが川岸だったかを歩くシーン。手をつないだり、離したりして、歩いていく、台詞のないシーン。実はこれはどのあたりのシーンなのかすら覚えていませんが、その瞬間だけは僕の脳に刻まれています。
 秀作です。85点。。
 

「私の子供の父」

投稿日

2012/08/16

レビュアー

まみもぉ

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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上記イントロを読んで、よくある再生ドラマかとそれなりの感動を期待して観始めましたが、
どうも違う…淡々と家族の営みが映し出されていく…だけ?
父親の死、夫の死への反応も同じく、期待していた予想内なことは何もなく淡々。
当然、説明が少ないので、勝手に想像して案じてみないといけません。
余白に近いくらいの巾の広いしかも深い行間、であるのに、行がエピソードはとても多い。
だからといってごちゃごちゃと大雑把なわけでなく、行太でしっかりしていました。
女性達が主人公ということもあってかチェホフの小説のようでした。

三姉妹が素晴らしかったです。
普段着(衣装?)もよかった。それぞれの個性と好みが一貫していて、演出の細やかさを感じました。
台詞もその歳相応の、ごく普通のもの。
そんな中、グレゴワールの自殺シーンが強く印象に残ってしまったのは残念でした。
それ以前の彼の表情や子供達への言葉から察することができなかったこちらの観力不足もあるでしょうが、
説明不足過多だったのではと思われました。

ラスト、イタリアへ向かう一家。
車の中から生まれ育ったパリの街並みを見ながら、長女クレマンスの頬をつたういじらしく美しい涙。
今までのように無駄な言葉はなく映し出されたその横顔を観ながら、
グレゴワールを失ってからの母娘の会話が思い出されていきました。
その静かな回想を邪魔してくれたのが、流れ始めた名曲『ケ・セラ・セラ』。
ずっと余計な説明はせず、何も押し付けず静かに観せてくれていたのに、
♪成り行きにまかせるだけ、先のことなんかわからない〜
なんて名曲を…。
最後の最後がとても残念でした。


ケセラセラ

投稿日

2011/02/02

レビュアー

パープルローズ

映画館でも観たのですが、改めて観直してみて、しみじみといい映画だなと思いました。

映画プロデューサーのグレゴワールが、資金繰りの苦しい映画会社をなんとか立て直そうと奮闘しながらも、衝動的に自殺を図るまでの前半。
グレゴワールは携帯電話をかたときも離せないような仕事人間だけど、妻と3人の娘たちを本当に大切にしていることが伝わってきます。特に下のふたりの娘と戯れるシーンは、とても自然で美しく、こんなにも娘を愛しているのになぜ?と思ってしまいます。
それほどグレゴワールの自殺は衝撃的なのですが、人間には大切なものや愛する人の存在をすべて忘れてしまうほどの辛い瞬間があり、そして人は本当に簡単に死んでしまうんだなと思わずにいられませんでした。

後半は残された家族が悲しみと向き合ってゆく様子を、淡々と描いています。
その後半で中心となるのが、長女のクレマンス(14、5歳と思われる)。
クレマンスは、父グレゴワールが自分の母と結婚する前にもうけた息子(自分の兄)の存在を知り衝撃を受けますが、そのことも含めて、父の死を少しずつ受け入れてゆきます。
「田舎で休暇なんか過ごしたくない。」「友だちと遊んでいるほうが楽しい。」と、父の自殺の前はごく普通の不機嫌なティーンエージャーだったクレマンス。
ラストシーンで車の中からパリの街並みを眺め、一筋の涙を流すクレマンスの表情をみて、ちょっと早いけど彼女はもう大人になったんだと思いました。

そしてエンドクレジットで流れる「ケセラセラ」。
父を失った悲しみは一生消えることはない。
けれども彼は、彼が愛した映画と家族の中にずっと生き続ける。
そして、残された家族の人生は続く。
どうにかなる。クレマンスもふたりの妹も、素敵な大人の女性になって、恋をして、生きてゆくに違いない。そんなことを思いながら、この曲を聞きました。

3姉妹が着ている洋服が、さりげなくおしゃれでかわいくて、とても素敵でした。

1〜 5件 / 全18件