みんな元気

ドリュー・バリモア。
ケイト・ベッキンセール。
サム・ロックウェル。
そしてロバート・デ・ニーロ。
この面子で何で未公開映画なのだ？
この素晴らしさで何で未公開映画なのだ？
実に勿体無い。

人生は一度きりだ。
そして誰もが一回目だ。
その人生の一回目だ。
あなたの息子の一回目だ。
あなたの娘の一回目だ。
きみたちの親の一回目だ。
一回目で一度きりだ。
一回目なんだから、上手くいかないことが多い。
一回目だから、一度きりだから、多くを求めてしまう。
多くを求めて。
多くを与えて。
きっと多くを返して欲しいんだ。
リキんじゃって。
余計な力入っちゃって。
子供も一回目なら、親も一回目。
失敗だってあるよ。
むしろ失敗だらけかも。
だけど、その失敗で傷ついても。
その失敗を悔やみ続けても。
ちゃんとその失敗をアルバムの１ページとして整理できる日が訪れる。
そんな日がきっと訪れる。
そんな日が訪れるのを待ってあげるのが。
そんな日が訪れるまで気付かないでいることが。
それが出来るのがファミリーなんじゃないかなぁ。
ひとつのテーブルを家族で囲むのは、きっとそれからでも遅くはない。

ジャケットに「それは家族へ戻る旅」とありますが、戻るんじゃなくて、「これも家族」だと思う。
そういうページです。
色んなページがあったっていい。
旅の前も、旅の後も、ちゃんと家族だと思う。

無条件の愛は親の特権。
無条件なんだから何も求めない。
愛せてることが幸せです。
愛した子供が育っていくことが幸せです。
尊敬は求めない。
それは勝ち取るものです。
子供の中で無意識に育っていくものです。
大事なのは、ありのままの君が好きってことです。
生まれたときは、きっとそう思えたんじゃないかなぁ。
生まれてきてありがとう。
デ・ニーロ演じる父親を観ながら、そんなことを感じました。

子供も、そして親も、両方が成長していく物語。
認めあう、受け止める。
そう言ったほうがしっくりくるかも。
冒頭からたまりません。
デ・ニーロが家族で集まる日を楽しみに、せっせと準備して・・・・
こういうの弱いです。
既に涙腺が・・・・
終盤までの、親子の関係。
わかるなぁ。
それって結局「愛」だもん。
切なくてたまらないけど、愛ゆえにだもんなぁ。
またしてもデ・ニーロで涙腺が・・・
だけどラストの涙は、心から流したい涙でした。
もっと泣け俺！って感じで。
たまらん。
実にたまらん。

１枚の写真・・・、１枚の絵・・・
この映画って全てを語ろうとしない
親がいて、子供がいて、そんな皆さんなら分かるでしょ、感じるでしょ、って
こっちを完全に信頼してくれてるんですよね
それがとても強く伝わる作品でした

冒頭の、お父さん(デニーロ)がせっせと空気を入れる
お庭に出されたビニールプール
もう誰も遊ぶ事のないプール
それが父親の心境、存在、子供に対する思い、全てを物語っている・・・

妻を亡くしてはじめて、子供たちと向き合おうと旅に出る父親
次第に後ろから襲い始める後悔
でも
この父親は子供を追い詰めた悪い父親ではなく
子供の為に、家族の為に、体を壊すまで工場で働き続けた
それが父親としての愛情表現だった
子供４人を育て上げる為に、経済的な面を支え続けた
立派な働き者のお父さん、そんな気がするんですよね

あの時、ああしていれば・・・
そんな後悔が頭をよぎったとしても
１枚の写真を見れば鮮明によみがえる家族の笑顔
「あの時をもう一度」
そう思える“あの時”が存在すること自体
素敵な家族を築き上げた証拠、だと思うのです☆

子供が幸せであればいい
これって、シンプルなようですごく果てしなく大きな、全ての親に共通する希望
幸せであればいいから
子供に良かれと思う助言をする
子供にとっての幸せを模索し続けるのです・・・

父親役のデニーロ、よかったです

息子の絵画に涙があふれました

３歳の子供がいる私は、母親歴３年のまだまだアマちゃんなのです
将来よかったと思える“あの時”を、今、築いていこうと思います
それと同時に、親孝行もしなくちゃなって
忙しいのを理由に「ま、いっか」って流してはいけないな
って、深く反省もしました

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「ニューシネマ・パラダイス」のジュゼッペ・トルナトーレ監督の１９９０年の作品が元ネタだそうですが、とてもよかったです。劇場未公開は惜しい作品です。
ロバート・デ・ニーロは、マフィアとか警官とかの役の印象が強いですが、こういう普通のおじさんの役もなかなか味があっていいですね。さすがに名優です。

妻に先立たれ、寂しい引退生活を送っているフランク（デ・ニーロ）。
独立した４人の子供たちが訪ねてくるのを楽しみにしていたが、忙しいからと全員にキャンセルされてしまう。一念発起、フランクは子供たちを訪ねる旅に出る。

ふたりの娘（ケイト・ベッキンセール、ドリュー・バリモア）と息子（サム・ロックウェル）は、それぞれ問題を抱えているが、父親にはそのことを話せず、「大丈夫、幸せだよ。」と取り繕う。
そして、もうひとりの息子が行方不明になっていることも、子供たちはフランクに話せない。

列車の中で隣合わせた見ず知らずの女性に、
「あなたは今、僕の作品をずっと見てるんですよ。」
と話しかけ、ケーブルのコーティング加工の仕事をしていた現役時代の自慢話をするシーンが印象的でした。
とても地味な仕事だけど、それを一生懸命やって家族を養ってきた男。
その分、子供たちに過度の期待をかけ、それが子供たちにとっては重荷だったことに、ちっとも気づいていなかったんですね。

何かに秀でているとか、社会的に成功するとか、そんな特別なことはなく、平凡な大人になって平凡な人生を送っていても、恥じることなどない。
親はいつも、子供を誇りに思うべきなんですよね。
私も自分の親に会いに行かなくっちゃ！と思いました。

デ・ニーロが赤ん坊をあやすシーンがありますが、そういえば「ミート・ザ・ペアレンツ」の続編「Little Fockers」の公開はまだかしら？？
それから、「タクシー・ドライバー」のトラヴィス役を一瞬再現してるシーンにはびっくりしました。

親にとって子供はいくつになっても子供
心配の種はいつも子供のこと
何歳になっても子供のことが気になる

一方、子供にとって大人になると親は遠い存在
親に干渉されたくない気持ちが強くなる
親に内緒ごとが増えてくる
一人で大人になった気になっている

親の気持ち子知らず

子を持って知る親心


哀愁たっぷりのロバート・デニーロ　
イタリアのオリジナル映画の方ではこの役をマルチェロ・マストロヤンニが好演した。
オリジナルでもえらく感動した記憶がある。
（残念ながらDISCASにはないようだ、というかDVD化されていないのかも？）
その子供たちに、ケイト・ベッキンセール、サム・ロックウェル、ドリュー・バリモアという豪華な面々。

ああ、中盤以降はもう涙、涙でどうしようもなかった。

親の気持ちも子供の気持も、両方判るようになった今、
これは心にジーンと染みいる話しだ。
なんてことはない老人のロードムービーなれど、我が子が幸せに暮らしていることだけを願って旅する老いた父親の姿に、今は亡き自分の父を重ね合わせて、最後は涙が止まらなかった。

みんな元気！
これこそ親の願いなのだ。

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大人になった子供と、
いつまでも子供だと思っている親。

親と子の間には、知らない間に
距離が空いてしまっていた。

集まる約束をしていたのに
子供達はみんなドタキャン。

妻を亡くして初めて、父親は
子供達との間に距離がある事に気付き、
子供達を訪ねる事で絆を深めようとする。

その事で、自分が思い描いていた
子供達への理想と、実際とのくい違いや
それぞれの思いを知る事になります。


親はいつまでも子供の事を子供だと思い心配し、
子供は年老いた親の事を心配する。

予定をドタキャンしたのも、ある事で
親に心配を掛けない為の優しい子供達の
思いからだったりします。

ドタキャンの理由を父親が知るシーンは
ホロっと来るし、末の子が夢で
父親に会いに来て交わした会話にも
ジーンと来ます。

どんな状況にいようとも、
「みんな元気」で居てくれるのが一番。

家族がテーマのなかなか味わい深い作品でした。