野獣死すべし / 松田優作
野獣死すべし
/村川透
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全体の平均評価点: (5点満点)
(38)
解説・ストーリー
ハードボイルド作家大藪春彦の同名小説を1959年の仲代達矢主演作につづき再映画化。遊戯シリーズのコンビ、村川透監督、松田優作主演。伊達邦彦は、通信社のカメラマンとして世界各国の戦場を渡り歩き、帰国して退社した今、翻訳の仕事をしている。普段は落ち着いた優雅な日々を送っているが、戦場で目覚めた野獣の血が潜在しており、また、巧みな射撃術、冷徹無比な頭脳の持ち主であった。ある日、大学の同窓会に出席した伊達は、その会場でウェイターをしていた真田に同じ野獣の血を感じ、仲間に入れ、銀行襲撃を企む。
ハードボイルド作家大藪春彦の同名小説を1959年の仲代達矢主演作につづき再映画化。遊戯シリーズのコンビ、村川透監督、松田優作主演。伊達邦彦は、通信社のカメラマンとして世界各国の戦場を渡り歩き、帰国して退社した今、翻訳の仕事をしている。普段は落ち着いた優雅な日々を送っているが、戦場で目覚めた野獣の血が潜在しており、また、巧みな射撃術、冷徹無比な頭脳の持ち主であった。ある日、大学の同窓会に出席した伊達は、その会場でウェイターをしていた真田に同じ野獣の血を感じ、仲間に入れ、銀行襲撃を企む。
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「野獣死すべし」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
ハードボイルド作家大藪春彦の同名小説を1959年の仲代達矢主演作につづき再映画化。遊戯シリーズのコンビ、村川透監督、松田優作主演。伊達邦彦は、通信社のカメラマンとして世界各国の戦場を渡り歩き、帰国して退社した今、翻訳の仕事をしている。普段は落ち着いた優雅な日々を送っているが、戦場で目覚めた野獣の血が潜在しており、また、巧みな射撃術、冷徹無比な頭脳の持ち主であった。ある日、大学の同窓会に出席した伊達は、その会場でウェイターをしていた真田に同じ野獣の血を感じ、仲間に入れ、銀行襲撃を企む。
「野獣死すべし」 の作品情報
「野獣死すべし」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
野獣死すべしの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
118分 |
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レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
D*DABP1193 |
2007年08月11日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
11枚
|
0人
|
1人
|
【Blu-ray】野獣死すべし Blu-ray(ブルーレイ)の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
118分 |
|
1:リニアPCM/モノラル/日本語 2:リニアPCM/ステレオ/日本語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
DAXR1125 |
2011年01月07日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
10枚
|
0人
|
0人
|
1:リニアPCM/モノラル/日本語
2:リニアPCM/ステレオ/日本語
野獣死すべしの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
118分 |
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レイティング: |
記番: |
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D*DABP1193 |
2007年08月11日
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在庫枚数 |
1位登録者: |
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11枚
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1人
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【Blu-ray】野獣死すべし Blu-ray(ブルーレイ)の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
118分 |
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1:リニアPCM/モノラル/日本語 2:リニアPCM/ステレオ/日本語
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レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
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DAXR1125 |
2011年01月07日
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在庫枚数 |
1位登録者: |
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1:リニアPCM/モノラル/日本語
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ユーザーレビュー:38件
原作の伊達邦彦とは別人の伊達邦彦がそこにいた!
投稿日:2004/12/20
レビュアー:RUSH
この作品を見た時、往復ビンタを食らったかのようなショックを受けた記憶がある。私は大藪春彦のファンだったので原作を読んでおり、伊達邦彦のイメージを持ってこの作品を見てしまい、全く別人と化している事にもの凄くショックを受けたのだ。見ながら「伊達邦彦はこんなヤツじゃない!違う!」と心の中で叫びながら見ていた記憶が蘇ってきた(笑)。しかもラストであんなことになっちゃうなんてもう二重のショックだったのである(笑)。見終えてとても腹が立っていた記憶が段々蘇ってくる(笑)。
ただ、全く別人の伊達邦彦を松田優作が怪演していたのには、役者としての凄さを思い知らされた気がした。あのリップ・バン・ウィンクルの話をする彼の演技はとても怪しく恐ろしく狂気さえ感じた。演技とは思えない程のものであった。それから鹿賀丈史も彼らしい野生的な演技(今ではもう見られない?)を披露してくれている。とても「料理の鉄人」に出ていた人には見えない(笑)。
ところが、作品としてみた場合、正直つまらない。原作とは全く違うし、伊達邦彦のキャラも違うので個人的には完全に引いてしまった。アクションもたいしたことないし、小林麻美(懐かしい、今どうしているのかな?)の存在が希有で茶番に見えてしまい残念だった。
リメイクして欲しい気持ちもあるが、伊達邦彦を演じられそうな俳優は日本にはいないので無理かもしれない。松田優作をしのぐような俳優が登場してきて欲しい昨今である。
松田優作が役作りで、あの表情を作るために、減量して、奥歯を抜いて頬をコケさせたという伝説の映画である。彼のファンなら見逃せない一本だろう。
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リップ・ヴァン・ウィンクルの話って知ってます?
投稿日:2007/11/18
レビュアー:こんちゃん
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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様々な意味で、邦画のあり方に問題を投げかけている作品ですな。
大藪春彦の原作では、クールで野性的なタフガイだった伊達邦彦は、この作品の画面では、神経質でどこかつかみ所のないエキセントリックな人物になっています。当時の世相が、そういうキャラクター設定にさせたのでしょうが、それを松田優作が演じていることが奇妙なミスマッチで作品の厚みにもつながっているのでしょう。
松田優作は、私たちの世代にとっては、もう神格化されたような存在なのですが、あらためて見ると演技はさほどうまくないんですね。独特な雰囲気というかオーラをまとってはいるものの、戦場での経験を狂気のごとく語り出すシークエンスでは、活舌も悪く、何を言っているのかわからない。同じフレーズを何度も繰り返すのは、おそらく台本にあったのでなく、彼のアドリブなのだろうと想像するのですが、逆にあの場面では、セリフが聞き取れない方が雰囲気は出ています。
伊達邦彦の目的は金ではないのでしょう。彼が求めているのは、過剰な暴力の中に自分自身を置くこと。彼は自分を戦争の中に存在させたいがために、都会の雑踏とコンクリートジャングルの中で、果敢なゲリラ戦をや労としたのです。刑事殺しもカジノ襲撃も銀行を襲うのも、自らの高揚感のための方便でしかないのでしょう。
そういった人物像を、松田優作は見事に演じきっています。30年近く経った今観ても、そのキャラクターには引き込まれるものがありました。
「おお、こんな人が出ている」
と発見することの楽しさも、古い映画を観るときにあるのですが、東大の同級生に岩城洸一や阿藤海がいるのには笑いました(まあ、風間杜夫はいいとして・・・)泉谷しげるや安岡力弥もいるし、おっと佐藤慶を忘れちゃいけません。鹿賀丈史は、まだまだ線が細く、松田優作に圧倒されてますが、室田日出男の存在感はさすがですね。
この映画に比べると、「蘇る金狼」は、凡作に思えてしまうのですね。「太陽にほえろ」のジーパン以来、強面の「男」というイメージでありながら、どこかユーモラスな一面も兼ね備えた(探偵物語などは、もろに喜劇ですが)松田優作というキャラクターの根底は、こういうストイックな男なのだろうと思わせます。
時代が時代なので、もたついた表現もたまにあるものの、映画的な作りとして、かなり完成度の高い物だと思います。エンディングがよくわからないと言われることもありますが、いろんな観方、考え方をしてかまわないんじゃないかと個人的には思います。死んだはずなのに現れた柏木は、伊達の心の中の恐怖の象徴であって、実際そこにいたのは警官隊だったとか・・・。
それにしたって、ゴダールなんかよりは、はるかにわかりやすい(笑)(私の鑑賞力では、まだゴダールに歯が立たんのです・・・)んじゃないでしょうか。
もし、まだ未見の方がいらして、興味があるのなら、是非観てもらいたいですね。
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鉄は熱いうちに打て
投稿日:2007/08/18
レビュアー:シニソーヤ
大藪春彦の主人公は、貧しくひどい生活を送っています。だから、〈鉄を熱いうちに打つ〉ように自分を鍛えに鍛え、精神を氷のように、自ら、冷たくしていきます。
対して、この映画の主人公は、戦場で悲惨な場面に立会い、〈狂って〉ゆきます。有名になったキャメラマン、例えばロバート・キャパはじめ、戦場の多くのキャメラマンは、この映画の主人公のような精神で、写真で訴えていたのでは、もちろんありません。
心理の核が違う主人公を持ってくるのに、なぜ〈大藪春彦原作〉を持ってこないといけなかったのか?そこには金儲けの臭いがぷんぷんして、しかも芸術ぶろうという精神が、自分は嫌いです。
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サイコパス
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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私的な優作の最高傑作。今回、見直すまでは、戦場カメラマンが殺人をきっかけに快楽殺人に目覚めると解釈していたが、これは「レクタ−博士3部作」と同様なサイコパスな殺人鬼を描いた作品と気付いた。音楽に傾倒している芸術性、銀行を襲う計画にみる高い知性はレクタ−と共通している。優作の演技は一貫して人間性を感じさせないモンスタ−を演じきっており、その狂気はアンソニ−ポプキンスをしのぐ。
小林麻美を撃ち殺した時、めまいがして全身が痺れたが、映画を見てこんな経験はなかった。異常心理物の映画としてぜひ再評価してほしい作品である。
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野獣を殺したかったのか、優作。
ロキュの69日連続レビューU その40
いろはレビューの「や」
(,ネタばれあり )
監督・村川透、脚本・丸山昇一、主演・松田優作のトリオの傑作という印象でしたが、たぶん20年ぶりぐらいに今回改めてみると、全然印象が違いました。
後述するように、すばらしい点はありますが、作品としては失敗作ではないでしょうか。
残念なところが目に付きました。
たとえば同窓会のシーン。 阿藤海と鹿賀丈史のトラブルが画面の外側で起こっていて、何のことかよくわからないから、鹿賀丈史のイラつきがよくわからない。 ここはていねいに描くべきじゃないでしょうか。
がチャがチャ音を立てて食べるマナーの彼らは、エリートには見えないし、また「豚」にも見えないですね、
バーで酔っ払ってブルースを歌うホステス、とか いらないでしょう。
妙な雰囲気づくりのシーンは、今の時代の感覚からすると、いささかウザイしダサい。
おそらく、製作の角川春樹や監督の村川透らがやりたかったのは、『遊戯』シリーズや『蘇える金狼』で成功した、ハードボイルド・アクションだったのでしょう。
ハードボイルドが「一匹狼の美学」であるとするなら、これらの作品での優作はワイルドな反逆児、ヒーローでした。
しかし肝心の優作と、意を受けた脚本・丸山昇一の考えは違っていたようです。
転がる石に苔はつかない。 自己模倣を嫌った優作が演じたかったのは、狂気の主人公であり、虚無と退廃だったのではないでしょうか。 真逆の冷たい心の異端者を演じて、自分に持たれている熱いワイルドな反逆児像をぶち殺したかったのでしょう。
10キロの減量、4本の歯を抜いた役作りがそれを物語ります。
しかし、虚無と退廃を描くには5年ほど早すぎたと思います。
監督や他の俳優たちにはそうした感覚はないですし、狂気をみごとに演じてはいますが、優作も熱い人であり、人間くさいのですね。
その後のバブル、その崩壊。 オウム事件、神戸児童連続事件、二度の大震災・・・などを経てきた現代、腐敗した社会を実感している現在からみれば、この映画の無機的な狂気は、残念ながら、いかにもつくりものに見えてしまう。
たとえば岡本麗が裸体をくねらせても、それはエロスという意味をもった演技。
ロマン・ポルノの時代の「ぬくもり」「有機性」を感じます。
アダルトビデオの即物的な劣情の対象が持つ、身もフタもなさとは違います。
戦場で目覚めた狂気と暴力性という設定が、現代日本の平和ボケの腐敗と無機質な空っぽさの前ではかすんでしまった。 不幸なことですが、現実が映画を飛び越えてしまいました。
とはいえ・・・「リップバン・ウィンクル」のシーンやラスト・シーンは日本映画史に残るすばらしい出来映え。 狂気を果敢に演じた優作には、やはり拍手を贈りたい。
そして一匹狼の美学を優作に替わって担った室田日出男。 しぶいなあ。 男のロマンがありました。
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4人の会員が気に入ったと投稿しています
ユーザーレビュー
原作の伊達邦彦とは別人の伊達邦彦がそこにいた!
投稿日
2004/12/20
レビュアー
RUSH
この作品を見た時、往復ビンタを食らったかのようなショックを受けた記憶がある。私は大藪春彦のファンだったので原作を読んでおり、伊達邦彦のイメージを持ってこの作品を見てしまい、全く別人と化している事にもの凄くショックを受けたのだ。見ながら「伊達邦彦はこんなヤツじゃない!違う!」と心の中で叫びながら見ていた記憶が蘇ってきた(笑)。しかもラストであんなことになっちゃうなんてもう二重のショックだったのである(笑)。見終えてとても腹が立っていた記憶が段々蘇ってくる(笑)。
ただ、全く別人の伊達邦彦を松田優作が怪演していたのには、役者としての凄さを思い知らされた気がした。あのリップ・バン・ウィンクルの話をする彼の演技はとても怪しく恐ろしく狂気さえ感じた。演技とは思えない程のものであった。それから鹿賀丈史も彼らしい野生的な演技(今ではもう見られない?)を披露してくれている。とても「料理の鉄人」に出ていた人には見えない(笑)。
ところが、作品としてみた場合、正直つまらない。原作とは全く違うし、伊達邦彦のキャラも違うので個人的には完全に引いてしまった。アクションもたいしたことないし、小林麻美(懐かしい、今どうしているのかな?)の存在が希有で茶番に見えてしまい残念だった。
リメイクして欲しい気持ちもあるが、伊達邦彦を演じられそうな俳優は日本にはいないので無理かもしれない。松田優作をしのぐような俳優が登場してきて欲しい昨今である。
松田優作が役作りで、あの表情を作るために、減量して、奥歯を抜いて頬をコケさせたという伝説の映画である。彼のファンなら見逃せない一本だろう。
リップ・ヴァン・ウィンクルの話って知ってます?
投稿日
2007/11/18
レビュアー
こんちゃん
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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様々な意味で、邦画のあり方に問題を投げかけている作品ですな。
大藪春彦の原作では、クールで野性的なタフガイだった伊達邦彦は、この作品の画面では、神経質でどこかつかみ所のないエキセントリックな人物になっています。当時の世相が、そういうキャラクター設定にさせたのでしょうが、それを松田優作が演じていることが奇妙なミスマッチで作品の厚みにもつながっているのでしょう。
松田優作は、私たちの世代にとっては、もう神格化されたような存在なのですが、あらためて見ると演技はさほどうまくないんですね。独特な雰囲気というかオーラをまとってはいるものの、戦場での経験を狂気のごとく語り出すシークエンスでは、活舌も悪く、何を言っているのかわからない。同じフレーズを何度も繰り返すのは、おそらく台本にあったのでなく、彼のアドリブなのだろうと想像するのですが、逆にあの場面では、セリフが聞き取れない方が雰囲気は出ています。
伊達邦彦の目的は金ではないのでしょう。彼が求めているのは、過剰な暴力の中に自分自身を置くこと。彼は自分を戦争の中に存在させたいがために、都会の雑踏とコンクリートジャングルの中で、果敢なゲリラ戦をや労としたのです。刑事殺しもカジノ襲撃も銀行を襲うのも、自らの高揚感のための方便でしかないのでしょう。
そういった人物像を、松田優作は見事に演じきっています。30年近く経った今観ても、そのキャラクターには引き込まれるものがありました。
「おお、こんな人が出ている」
と発見することの楽しさも、古い映画を観るときにあるのですが、東大の同級生に岩城洸一や阿藤海がいるのには笑いました(まあ、風間杜夫はいいとして・・・)泉谷しげるや安岡力弥もいるし、おっと佐藤慶を忘れちゃいけません。鹿賀丈史は、まだまだ線が細く、松田優作に圧倒されてますが、室田日出男の存在感はさすがですね。
この映画に比べると、「蘇る金狼」は、凡作に思えてしまうのですね。「太陽にほえろ」のジーパン以来、強面の「男」というイメージでありながら、どこかユーモラスな一面も兼ね備えた(探偵物語などは、もろに喜劇ですが)松田優作というキャラクターの根底は、こういうストイックな男なのだろうと思わせます。
時代が時代なので、もたついた表現もたまにあるものの、映画的な作りとして、かなり完成度の高い物だと思います。エンディングがよくわからないと言われることもありますが、いろんな観方、考え方をしてかまわないんじゃないかと個人的には思います。死んだはずなのに現れた柏木は、伊達の心の中の恐怖の象徴であって、実際そこにいたのは警官隊だったとか・・・。
それにしたって、ゴダールなんかよりは、はるかにわかりやすい(笑)(私の鑑賞力では、まだゴダールに歯が立たんのです・・・)んじゃないでしょうか。
もし、まだ未見の方がいらして、興味があるのなら、是非観てもらいたいですね。
鉄は熱いうちに打て
投稿日
2007/08/18
レビュアー
シニソーヤ
大藪春彦の主人公は、貧しくひどい生活を送っています。だから、〈鉄を熱いうちに打つ〉ように自分を鍛えに鍛え、精神を氷のように、自ら、冷たくしていきます。
対して、この映画の主人公は、戦場で悲惨な場面に立会い、〈狂って〉ゆきます。有名になったキャメラマン、例えばロバート・キャパはじめ、戦場の多くのキャメラマンは、この映画の主人公のような精神で、写真で訴えていたのでは、もちろんありません。
心理の核が違う主人公を持ってくるのに、なぜ〈大藪春彦原作〉を持ってこないといけなかったのか?そこには金儲けの臭いがぷんぷんして、しかも芸術ぶろうという精神が、自分は嫌いです。
サイコパス
投稿日
2004/10/17
レビュアー
trygun
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私的な優作の最高傑作。今回、見直すまでは、戦場カメラマンが殺人をきっかけに快楽殺人に目覚めると解釈していたが、これは「レクタ−博士3部作」と同様なサイコパスな殺人鬼を描いた作品と気付いた。音楽に傾倒している芸術性、銀行を襲う計画にみる高い知性はレクタ−と共通している。優作の演技は一貫して人間性を感じさせないモンスタ−を演じきっており、その狂気はアンソニ−ポプキンスをしのぐ。
小林麻美を撃ち殺した時、めまいがして全身が痺れたが、映画を見てこんな経験はなかった。異常心理物の映画としてぜひ再評価してほしい作品である。
野獣を殺したかったのか、優作。
投稿日
2012/07/18
レビュアー
ロキュータス
ロキュの69日連続レビューU その40
いろはレビューの「や」
(,ネタばれあり )
監督・村川透、脚本・丸山昇一、主演・松田優作のトリオの傑作という印象でしたが、たぶん20年ぶりぐらいに今回改めてみると、全然印象が違いました。
後述するように、すばらしい点はありますが、作品としては失敗作ではないでしょうか。
残念なところが目に付きました。
たとえば同窓会のシーン。 阿藤海と鹿賀丈史のトラブルが画面の外側で起こっていて、何のことかよくわからないから、鹿賀丈史のイラつきがよくわからない。 ここはていねいに描くべきじゃないでしょうか。
がチャがチャ音を立てて食べるマナーの彼らは、エリートには見えないし、また「豚」にも見えないですね、
バーで酔っ払ってブルースを歌うホステス、とか いらないでしょう。
妙な雰囲気づくりのシーンは、今の時代の感覚からすると、いささかウザイしダサい。
おそらく、製作の角川春樹や監督の村川透らがやりたかったのは、『遊戯』シリーズや『蘇える金狼』で成功した、ハードボイルド・アクションだったのでしょう。
ハードボイルドが「一匹狼の美学」であるとするなら、これらの作品での優作はワイルドな反逆児、ヒーローでした。
しかし肝心の優作と、意を受けた脚本・丸山昇一の考えは違っていたようです。
転がる石に苔はつかない。 自己模倣を嫌った優作が演じたかったのは、狂気の主人公であり、虚無と退廃だったのではないでしょうか。 真逆の冷たい心の異端者を演じて、自分に持たれている熱いワイルドな反逆児像をぶち殺したかったのでしょう。
10キロの減量、4本の歯を抜いた役作りがそれを物語ります。
しかし、虚無と退廃を描くには5年ほど早すぎたと思います。
監督や他の俳優たちにはそうした感覚はないですし、狂気をみごとに演じてはいますが、優作も熱い人であり、人間くさいのですね。
その後のバブル、その崩壊。 オウム事件、神戸児童連続事件、二度の大震災・・・などを経てきた現代、腐敗した社会を実感している現在からみれば、この映画の無機的な狂気は、残念ながら、いかにもつくりものに見えてしまう。
たとえば岡本麗が裸体をくねらせても、それはエロスという意味をもった演技。
ロマン・ポルノの時代の「ぬくもり」「有機性」を感じます。
アダルトビデオの即物的な劣情の対象が持つ、身もフタもなさとは違います。
戦場で目覚めた狂気と暴力性という設定が、現代日本の平和ボケの腐敗と無機質な空っぽさの前ではかすんでしまった。 不幸なことですが、現実が映画を飛び越えてしまいました。
とはいえ・・・「リップバン・ウィンクル」のシーンやラスト・シーンは日本映画史に残るすばらしい出来映え。 狂気を果敢に演じた優作には、やはり拍手を贈りたい。
そして一匹狼の美学を優作に替わって担った室田日出男。 しぶいなあ。 男のロマンがありました。
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野獣死すべし