ラストキング・オブ・スコットランド

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ラストキング・オブ・スコットランド / フォレスト・ウィテカー

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「ラストキング・オブ・スコットランド」 の解説・あらすじ・ストーリー

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解説・ストーリー

悪名高い実在のウガンダ大統領イディ・アミンの実像に迫る政治サスペンス。当初は英雄として国民の期待を一身に集めながら、権力の座に就くや独裁者へと変貌、冷酷な殺人を繰り返すさまを、彼の側近となったスコットランド人青年の視点からスリリングに描き出す。主演は本作の演技で数々の映画賞に輝いたフォレスト・ウィテカー。監督は「運命を分けたザイル」のケヴィン・マクドナルド。スコットランドの医学校卒業後ウガンダへとやって来た青年ニコラスは、ひょんなことから新大統領イディ・アミンの主治医に抜擢される。やがてアミンから深く信頼されていくニコラスだったが…。

「ラストキング・オブ・スコットランド」 の作品情報

作品情報

製作年: 2006年
製作国: アメリカ/イギリス
原題: THE LAST KING OF SCOTLAND
受賞記録: 2006年 アカデミー賞 主演男優賞
2006年 ゴールデン・グローブ 男優賞(ドラマ)
2006年 NY批評家協会賞 男優賞
2006年 LA批評家協会賞 男優賞

「ラストキング・オブ・スコットランド」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

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Oscar主演男優賞の必然 ネタバレ

投稿日:2007/08/27 レビュアー:masamune

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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アミン大統領と聞いて、ホラー好きは「食人大統領アミン」を思い出すかも。しかしタイトルとは裏腹に、残酷描写も少なく意外と全うな伝記映画(笑)。カニバリズムが有るかは不明だが、彼がクーデターで独裁政権を樹立し、これに異を唱える国民を数十万人も殺したので、この名が付いたと先の映画でも語られる。実際の氏は2メートルの巨漢を活かし、ボクシングのヘビー級チャンピオンに成った事も有るスポーツマンだ。
本作はGiles Fodenの同名小説の映画化。物語はギャリガン医師役のJames McAvoyの視点で、アミンの生き様を描く。舞台となるウガンダ共和国は、元々イギリスの植民地で宗教観の対立から内乱が絶えず、今でこそ日本に大使館も在るが、正当な選挙が行われたのは昨年と言う辺りもアフリカの混迷振りを垣間見る。
ハリウッドもアフリカを取り上げる作品が目立つ。直近でも「ホテル・ルワンダ」「ダーウィンの悪夢」「ナイロビの蜂」と多種多彩。極東に住む我々は彼の地を知る機会も少ないが、もっと能動的に知る事も大事と思うし、その意味で本作は格好のマテリアルだ。

Forest Whitakerについて、今更語る必要も無いが、印象的と言えばClint Eastwoodの「バード」。これでカンヌ国際映画祭男優賞を受賞。その後も娯楽作品を熟しながら、監督業にも進出する多彩な才能を発揮。本作も熱演が沸騰!と言うフレーズがピッタリ。演技とモノマネは違うが、迫力で体現してる点も高く評価したい。
監督のKevin Macdonaldは「ブラック・セプテンバー」でOscarドキュメンタリー長編賞を得た様に、リアル系が得意。前作「運命を分けたザイル」同様に、原作の雰囲気を見事に映像化してる点は及第点以上だが、演出の腕も上げたと手放しで褒めたい。

本作のテーマは「西洋文明への批判」。James McAvoyをイギリス政府に置き換えると、ウガンダの内乱と見事にシンクロする。言葉は悪いが「やり逃げ」だ。企業でも理念の無い会社は栄えないが、人も理想とか信条を規範しない人生は儚いもの。しかし本作は其処に留まらない高いテーマ性を謳う。ギャリガン医師が実在の人物で無く、大統領と交流の有った複数の人物像を基に作られた架空と鑑賞後に知った。
つまり本作は、著名な人物をベースに練り上げられた秀逸なサスペンスと気付く。もっと史実を掘り下げて焦点を大統領に絞るなら、そのままドキュメンタリーを作ればよい。監督がいい意味で原作を咀嚼した点に全く異論は無い。

大統領の視点を敢えて遮り、ギャリガンの目線で描く事で先の読めない展開も心地良い。アミンの魂が乗り移った、熱に絆された演技で分かる様に、臨場感は最近の映画に無い感触。「お前達にとってはゲームかもしれないが、俺達にとってはリアルなんだ」と語るシーンは本作を饒舌に貫く。
後半はジェットコースターな展開だが、監督は無駄な描写を避け一気呵成に見せる演出も悪くない。作家性を発揮する誘惑を抑え、アミンと同じ感性が宿る事への恐怖を感じて脱走するモーメントを、見事に描いた。
この演出が凡骨なら本作は並の逃亡劇に終るが、前半の物語性を上手く繋いで、映画的手法に徹する事で本作はドキュメンタリーを超えた、一級のサスペンスと賛辞を惜しまない。描かれる「悪魔」とは紛れも無く「人間」なのだと監督は静かにアンサーしてる。
クライマックスに実際に起こったエンテベ空港のハイジャック事件を持ってくる事で、緊張感を醸し出す事にも成功し、ドキュメンタリーとサスペンスの調合を美味く吟味した点も評価したい。
本作はサスペンスで最も大切な主観性と客観性を上手く操る事に成功した、社会派サスペンスの傑作。是非多くの方に見て頂きたい。

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白人医師が 自ら招いた悪夢

投稿日:2007/10/16 レビュアー:ミルクチョコ

強烈なカリスマ性と、「人食い大統領」と呼ばれた凶暴さを併せもっていたウガンダの独裁者「イディ・アミン」の実像を、側近だったスコットランド青年医師の目を通して描かれています。
皆さんもご指摘の通り、この青年医師は架空人物で、アミンを主人公としながらも、語り部的な役割として、欧米人を側近としたことは、リアリティを損なわずに観れたのかもしれません。

1971年、医学校を卒業したニコラスは、慈善医療活動のため、ウガンダへ・・・
偶然、アミンが手首を捻挫したことから、手当てをすることに。
物怖じしない態度をアミンに気に入られたことから、アミンの主治医に任命され、果ては側近にまで登りつめ・・・

この映画の隠れたテーマは、欧米の植民地主義による、旧植民地の政治的荒廃を告発している映画でもあると思います。
成り上がりのアミンにとっても、最初は、自国で黒人社会を確立したかったに違いないと思います。
ホテルルワンダ、ブラッドダイヤモンド叱り・・・
白人社会から、折角独立しても、圧力をかけられたり、資源搾取などなど、間接的に支配されてしまう・・・悲しい現実がそこにあります。
アフリカ人の純粋さと、欧米人の傲慢さとでも言ったらよいのでしょうか?

そして、ニコラスの全く独りよがりな、善意が、彼を意図も簡単に、側近の道へと進みます。
しかも、独創体制の暴走の、一歯車として・・・
やがて、彼がアミンに不用意に漏らした一言で、厚生大臣が殺され、それが引き金となり、アミンの恐怖政治と、殺戮の荒らしに直面することに・・・

この映画での山場、空港でのニコラスと、アミンの対話シーン。
アミンは、「ボクは、白人。君は原住民。ごっこをしているつもりか?」と。
俺が独裁者になってしまった原因は、お前にもあるといったところでしょうか?
ニコラスが持っているアフリカに対する考え、中途半端な救済心、上から見下ろす優越感といったところなのでしょうね。
人の土地に土足で踏み入れるという舐めた態度で、アフリカに身を投じた彼が支払った代償は、どんなものだったのでしょうか?


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私、待〜つ〜わ(え?そのあみんじゃない?失礼しました〜) ネタバレ

投稿日:2007/10/16 レビュアー:こんちゃん

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 庶民的でお茶目なリーダー、家族思いのパパ、疑心暗鬼にさいなまれる孤独な独裁者、気まぐれなパラノイア。魅力的であると同時にぞっとするほど恐ろしいアミンの多面的なキャラクターを、フォレスト・ウィテカーは非常にうまく表現していました。イディ・アミンの名前はよく知っていても、マスコミからの情報しか持たない私にとって、本当はどんな人物であったかはわかりません。が、本当にこんな人物であったのではないかと思わせるリアリティがありました。セリフ回しなど、もともと下手ではないフォレスト・ウィテカーの全身を使った熱演は、オスカーに充分値するとは思いますが、最近の形態模写のような演技がもてはやされているのは、ちょっと食傷気味ですな(「Ray」のジェイミー・フォックスも「カポーティ」のシーモア・ホフマンも素晴らしいとは思いますが)実在の人物によく似ているのが、良い演技と評価されるのは、ちょっと違うんじゃないかなあ・・・・。
 あ、Miching Mallechoさんやパープル・ローズさんがおっしゃるように、主演はジェームス・マカヴォイでしょう・・・。イギリスでは、彼が主演男優賞にノミネートされたと言いますよ。

 欲を言えば、国民のためにとクーデターを起こした理想に燃える英雄が、冷酷なパラノイアに変貌していく、その葛藤や経緯をもっと上手に描けていればなと思いますが。その辺は「オール・ザ・キングスメン」と同様で、2時間程度の映画の中では厳しいのでしょうか。
「軍服を着ていても、心は君らと同じ普通の男だ」
と言ったアミンの言葉は、その時は本当の思いだったのでしょう。それが、誰も信じられなくなっていく、その過程を描き込めれば、もっと深みが増したと思うのですが・・・。 
 
 どうも、おちゃらけた(理想に燃えているとはとても思えない)ニコラス・ギャリガンが好きになれません。
 ウガンダに到着するや否や、バスに乗り合わせた女の子と途中下車していたしちゃうわ、先輩医師の奥さんのサラも口説くわで、エロエロドクターにしか見えんです。ケイを初めに観たときも、そういう目で見てたしね。サラを口説いて、なんとかいけそうと思ったときにサラが
「やっぱりだめ。ごめんなさい」
と帰ろうとするのを押しとどめて、
「いいから」
って・・・。
「いいからじゃねえだろ!!」
思わず、かみさんと同時に突っ込んでました。

 そんな行動や言動に不快感を感じてしまっていたので、彼が殺されそうになっても
「仕方がないね。自業自得でしょ」
としか思えなかったし、命からがら逃げ切れたときも、
「ああ、よかった」
とは思えなかったんですよね。あの後、彼に何かが出来たのでしょうか?
「お前は殺されても当然の人間だ。
だが死んだ人間には何もできない。
生きていれば、罪を償うこともできるだろう。
生きてアミンの実像を世界中に知らせろ。
君の言うことならみんな信じるだろう。
なぜなら君は、白人だから」
と、彼を助けたジュンジュ医師に同情を禁じ得ないのです。(まあ、架空の人物なんですけど)
 アフリカの現実はアフリカ人しかわからない。ニコラスは欧米人の傲慢さの象徴と言えるんでしょうね。彼は一生懺悔することになるでしょう。

 映画としては、なかなかの出来で、見終わった後に、
「映画を観たなあ」
という満足感を与えてくれるものでした。劇場で観たら、もっとその思いは強かったかもしれません。
 ただ、個人的には、アフリカの悲惨さを伝える昨今の映画の中では、悲惨ではあっても、その未来に希望を感じさせてくれる「ツォツィ」や、たった1人でも出来ることはあるんだという感動を与えてくれた「ホテル・ルワンダ」の方が好きですね。

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ホラー級の怖ろしさ ネタバレ

投稿日:2010/02/16 レビュアー:ホヨマックス

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炎で燃えたぎる彼の通り過ぎ去った街はネズミすら死に絶える!
このチカラは天が与えしもの!
命の根源等とうの昔に忘るる!
世を悲劇の渦に巻き込むウガンダ最強の暴君!
その名はイディ・アミン!

映画館の大画面で観たせいか、この大統領役の黒人、鋭い眼力が物凄く怖ろしい印象を与え、手足が震えるほど観る者の度肝を抜く威圧感と迫力が瞬時に駆け抜ける。こ〜の黒人、まさに適役!

その独裁者アミンに一体誰が物を言える事でしょうか・・
彼が馬を鹿だと言ったらならば、鹿として扱うしか道はありません!
怖ろさの余りに言葉を失った私は、もはやお祈りモードしかなく、ビビリながら皆の無事を願うのみでした。

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完成度の非常に高いサスペンス。秀作! ネタバレ

投稿日:2007/11/11 レビュアー:MonPetit

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ここ最近のアフリカを舞台にした映画とはやや趣が違う感じで脚本的にもリアルな
部分もさることながらサスペンス的な要素も多く映画としての完成度は非常に高い。
もちろん、背景には歴史的なものが実在しているし、大量虐殺を行っていた人食
大統領の異名をもつアミン大統領の話なのでドキュメンタリー的要素もなくはない。

アミン大統領ではなくギャラガンの目線というところがこの作品の肝であることは
言うまでもない。さしたる特別な志もない新米ドクターが大統領主治医に簡単にな
れてしまうところから異常さは始まっていて、最後につるされるまでのギャラガンの
心理描写もから十分な恐怖は伝わってくる。
ケイの死体と、ギャラガンが吊るされるシーンはさすがに強烈なシーンではあるが
他は残虐なシーンもほとんどなく、それがリアルさを増してたような気もする。

昨今のアフリカものは秀作が非常に多いなか、ドキュメンタリー性をあえて抑えて
サスペンス色を前面にだした本作は秀作といわざる得ないでしょう。
タイトルの使い方も個人的にはお気に入り。

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ラストキング・オブ・スコットランド

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Oscar主演男優賞の必然

投稿日

2007/08/27

レビュアー

masamune

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アミン大統領と聞いて、ホラー好きは「食人大統領アミン」を思い出すかも。しかしタイトルとは裏腹に、残酷描写も少なく意外と全うな伝記映画(笑)。カニバリズムが有るかは不明だが、彼がクーデターで独裁政権を樹立し、これに異を唱える国民を数十万人も殺したので、この名が付いたと先の映画でも語られる。実際の氏は2メートルの巨漢を活かし、ボクシングのヘビー級チャンピオンに成った事も有るスポーツマンだ。
本作はGiles Fodenの同名小説の映画化。物語はギャリガン医師役のJames McAvoyの視点で、アミンの生き様を描く。舞台となるウガンダ共和国は、元々イギリスの植民地で宗教観の対立から内乱が絶えず、今でこそ日本に大使館も在るが、正当な選挙が行われたのは昨年と言う辺りもアフリカの混迷振りを垣間見る。
ハリウッドもアフリカを取り上げる作品が目立つ。直近でも「ホテル・ルワンダ」「ダーウィンの悪夢」「ナイロビの蜂」と多種多彩。極東に住む我々は彼の地を知る機会も少ないが、もっと能動的に知る事も大事と思うし、その意味で本作は格好のマテリアルだ。

Forest Whitakerについて、今更語る必要も無いが、印象的と言えばClint Eastwoodの「バード」。これでカンヌ国際映画祭男優賞を受賞。その後も娯楽作品を熟しながら、監督業にも進出する多彩な才能を発揮。本作も熱演が沸騰!と言うフレーズがピッタリ。演技とモノマネは違うが、迫力で体現してる点も高く評価したい。
監督のKevin Macdonaldは「ブラック・セプテンバー」でOscarドキュメンタリー長編賞を得た様に、リアル系が得意。前作「運命を分けたザイル」同様に、原作の雰囲気を見事に映像化してる点は及第点以上だが、演出の腕も上げたと手放しで褒めたい。

本作のテーマは「西洋文明への批判」。James McAvoyをイギリス政府に置き換えると、ウガンダの内乱と見事にシンクロする。言葉は悪いが「やり逃げ」だ。企業でも理念の無い会社は栄えないが、人も理想とか信条を規範しない人生は儚いもの。しかし本作は其処に留まらない高いテーマ性を謳う。ギャリガン医師が実在の人物で無く、大統領と交流の有った複数の人物像を基に作られた架空と鑑賞後に知った。
つまり本作は、著名な人物をベースに練り上げられた秀逸なサスペンスと気付く。もっと史実を掘り下げて焦点を大統領に絞るなら、そのままドキュメンタリーを作ればよい。監督がいい意味で原作を咀嚼した点に全く異論は無い。

大統領の視点を敢えて遮り、ギャリガンの目線で描く事で先の読めない展開も心地良い。アミンの魂が乗り移った、熱に絆された演技で分かる様に、臨場感は最近の映画に無い感触。「お前達にとってはゲームかもしれないが、俺達にとってはリアルなんだ」と語るシーンは本作を饒舌に貫く。
後半はジェットコースターな展開だが、監督は無駄な描写を避け一気呵成に見せる演出も悪くない。作家性を発揮する誘惑を抑え、アミンと同じ感性が宿る事への恐怖を感じて脱走するモーメントを、見事に描いた。
この演出が凡骨なら本作は並の逃亡劇に終るが、前半の物語性を上手く繋いで、映画的手法に徹する事で本作はドキュメンタリーを超えた、一級のサスペンスと賛辞を惜しまない。描かれる「悪魔」とは紛れも無く「人間」なのだと監督は静かにアンサーしてる。
クライマックスに実際に起こったエンテベ空港のハイジャック事件を持ってくる事で、緊張感を醸し出す事にも成功し、ドキュメンタリーとサスペンスの調合を美味く吟味した点も評価したい。
本作はサスペンスで最も大切な主観性と客観性を上手く操る事に成功した、社会派サスペンスの傑作。是非多くの方に見て頂きたい。

白人医師が 自ら招いた悪夢

投稿日

2007/10/16

レビュアー

ミルクチョコ

強烈なカリスマ性と、「人食い大統領」と呼ばれた凶暴さを併せもっていたウガンダの独裁者「イディ・アミン」の実像を、側近だったスコットランド青年医師の目を通して描かれています。
皆さんもご指摘の通り、この青年医師は架空人物で、アミンを主人公としながらも、語り部的な役割として、欧米人を側近としたことは、リアリティを損なわずに観れたのかもしれません。

1971年、医学校を卒業したニコラスは、慈善医療活動のため、ウガンダへ・・・
偶然、アミンが手首を捻挫したことから、手当てをすることに。
物怖じしない態度をアミンに気に入られたことから、アミンの主治医に任命され、果ては側近にまで登りつめ・・・

この映画の隠れたテーマは、欧米の植民地主義による、旧植民地の政治的荒廃を告発している映画でもあると思います。
成り上がりのアミンにとっても、最初は、自国で黒人社会を確立したかったに違いないと思います。
ホテルルワンダ、ブラッドダイヤモンド叱り・・・
白人社会から、折角独立しても、圧力をかけられたり、資源搾取などなど、間接的に支配されてしまう・・・悲しい現実がそこにあります。
アフリカ人の純粋さと、欧米人の傲慢さとでも言ったらよいのでしょうか?

そして、ニコラスの全く独りよがりな、善意が、彼を意図も簡単に、側近の道へと進みます。
しかも、独創体制の暴走の、一歯車として・・・
やがて、彼がアミンに不用意に漏らした一言で、厚生大臣が殺され、それが引き金となり、アミンの恐怖政治と、殺戮の荒らしに直面することに・・・

この映画での山場、空港でのニコラスと、アミンの対話シーン。
アミンは、「ボクは、白人。君は原住民。ごっこをしているつもりか?」と。
俺が独裁者になってしまった原因は、お前にもあるといったところでしょうか?
ニコラスが持っているアフリカに対する考え、中途半端な救済心、上から見下ろす優越感といったところなのでしょうね。
人の土地に土足で踏み入れるという舐めた態度で、アフリカに身を投じた彼が支払った代償は、どんなものだったのでしょうか?


私、待〜つ〜わ(え?そのあみんじゃない?失礼しました〜)

投稿日

2007/10/16

レビュアー

こんちゃん

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 庶民的でお茶目なリーダー、家族思いのパパ、疑心暗鬼にさいなまれる孤独な独裁者、気まぐれなパラノイア。魅力的であると同時にぞっとするほど恐ろしいアミンの多面的なキャラクターを、フォレスト・ウィテカーは非常にうまく表現していました。イディ・アミンの名前はよく知っていても、マスコミからの情報しか持たない私にとって、本当はどんな人物であったかはわかりません。が、本当にこんな人物であったのではないかと思わせるリアリティがありました。セリフ回しなど、もともと下手ではないフォレスト・ウィテカーの全身を使った熱演は、オスカーに充分値するとは思いますが、最近の形態模写のような演技がもてはやされているのは、ちょっと食傷気味ですな(「Ray」のジェイミー・フォックスも「カポーティ」のシーモア・ホフマンも素晴らしいとは思いますが)実在の人物によく似ているのが、良い演技と評価されるのは、ちょっと違うんじゃないかなあ・・・・。
 あ、Miching Mallechoさんやパープル・ローズさんがおっしゃるように、主演はジェームス・マカヴォイでしょう・・・。イギリスでは、彼が主演男優賞にノミネートされたと言いますよ。

 欲を言えば、国民のためにとクーデターを起こした理想に燃える英雄が、冷酷なパラノイアに変貌していく、その葛藤や経緯をもっと上手に描けていればなと思いますが。その辺は「オール・ザ・キングスメン」と同様で、2時間程度の映画の中では厳しいのでしょうか。
「軍服を着ていても、心は君らと同じ普通の男だ」
と言ったアミンの言葉は、その時は本当の思いだったのでしょう。それが、誰も信じられなくなっていく、その過程を描き込めれば、もっと深みが増したと思うのですが・・・。 
 
 どうも、おちゃらけた(理想に燃えているとはとても思えない)ニコラス・ギャリガンが好きになれません。
 ウガンダに到着するや否や、バスに乗り合わせた女の子と途中下車していたしちゃうわ、先輩医師の奥さんのサラも口説くわで、エロエロドクターにしか見えんです。ケイを初めに観たときも、そういう目で見てたしね。サラを口説いて、なんとかいけそうと思ったときにサラが
「やっぱりだめ。ごめんなさい」
と帰ろうとするのを押しとどめて、
「いいから」
って・・・。
「いいからじゃねえだろ!!」
思わず、かみさんと同時に突っ込んでました。

 そんな行動や言動に不快感を感じてしまっていたので、彼が殺されそうになっても
「仕方がないね。自業自得でしょ」
としか思えなかったし、命からがら逃げ切れたときも、
「ああ、よかった」
とは思えなかったんですよね。あの後、彼に何かが出来たのでしょうか?
「お前は殺されても当然の人間だ。
だが死んだ人間には何もできない。
生きていれば、罪を償うこともできるだろう。
生きてアミンの実像を世界中に知らせろ。
君の言うことならみんな信じるだろう。
なぜなら君は、白人だから」
と、彼を助けたジュンジュ医師に同情を禁じ得ないのです。(まあ、架空の人物なんですけど)
 アフリカの現実はアフリカ人しかわからない。ニコラスは欧米人の傲慢さの象徴と言えるんでしょうね。彼は一生懺悔することになるでしょう。

 映画としては、なかなかの出来で、見終わった後に、
「映画を観たなあ」
という満足感を与えてくれるものでした。劇場で観たら、もっとその思いは強かったかもしれません。
 ただ、個人的には、アフリカの悲惨さを伝える昨今の映画の中では、悲惨ではあっても、その未来に希望を感じさせてくれる「ツォツィ」や、たった1人でも出来ることはあるんだという感動を与えてくれた「ホテル・ルワンダ」の方が好きですね。

ホラー級の怖ろしさ

投稿日

2010/02/16

レビュアー

ホヨマックス

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炎で燃えたぎる彼の通り過ぎ去った街はネズミすら死に絶える!
このチカラは天が与えしもの!
命の根源等とうの昔に忘るる!
世を悲劇の渦に巻き込むウガンダ最強の暴君!
その名はイディ・アミン!

映画館の大画面で観たせいか、この大統領役の黒人、鋭い眼力が物凄く怖ろしい印象を与え、手足が震えるほど観る者の度肝を抜く威圧感と迫力が瞬時に駆け抜ける。こ〜の黒人、まさに適役!

その独裁者アミンに一体誰が物を言える事でしょうか・・
彼が馬を鹿だと言ったらならば、鹿として扱うしか道はありません!
怖ろさの余りに言葉を失った私は、もはやお祈りモードしかなく、ビビリながら皆の無事を願うのみでした。

完成度の非常に高いサスペンス。秀作!

投稿日

2007/11/11

レビュアー

MonPetit

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ここ最近のアフリカを舞台にした映画とはやや趣が違う感じで脚本的にもリアルな
部分もさることながらサスペンス的な要素も多く映画としての完成度は非常に高い。
もちろん、背景には歴史的なものが実在しているし、大量虐殺を行っていた人食
大統領の異名をもつアミン大統領の話なのでドキュメンタリー的要素もなくはない。

アミン大統領ではなくギャラガンの目線というところがこの作品の肝であることは
言うまでもない。さしたる特別な志もない新米ドクターが大統領主治医に簡単にな
れてしまうところから異常さは始まっていて、最後につるされるまでのギャラガンの
心理描写もから十分な恐怖は伝わってくる。
ケイの死体と、ギャラガンが吊るされるシーンはさすがに強烈なシーンではあるが
他は残虐なシーンもほとんどなく、それがリアルさを増してたような気もする。

昨今のアフリカものは秀作が非常に多いなか、ドキュメンタリー性をあえて抑えて
サスペンス色を前面にだした本作は秀作といわざる得ないでしょう。
タイトルの使い方も個人的にはお気に入り。

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