５０歳の恋愛白書

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邦題や、予告編からすると、豪華キャストによる群像劇のように思えましたが、ヒロインの一代記です。
３０歳年上の人気作家ハーブ（アラン・アーキン）と結婚し、２人の子供を育て、誰もが認める理想の妻として歩んできたピッパ・リー（ロビン・ライト・ペン）。
都会から、老人人口の多い郊外に引っ越して来て以来、退屈な毎日を送っていた彼女は、有り余る時間の中で過去を振り返り、不安を抱いてしまいます。

どの部分を取っても、普段の生活では起こり得ない話で、リアリティは感じられませんでした。ピッパ・リーの過去は今の理想の妻とは真逆の謎めいた人生で面白かったです。
皆がそれぞれ様々なものを背負って生きてきたのでしょうが、何故か共感できる人は、一人もいませんでした。
そして、上半身にタトゥを入れたクリス（キアヌ）が登場します。
キアヌとの恋愛の部分は、今一ピンと来ませんでした。
ピッパを演じたロビン・ライト・ペンは実年齢４３歳です。キアヌは３５歳という設定ですが、お腹がたるみすぎていて、違和感ありすぎです。実年齢はロビンより、２歳も年上で、４５歳だそうです。

ピッパは、いわゆる略奪婚で、前妻が彼女の目の前で自殺したことが、ピッパのトラウマとなり苦しんでいました。
彼女は、夫の浮気によって背負っていた過去から解放されたのだと思います。
基本的には、母とピッパ、ピッパと娘という親子関係がベースにあると思います。
しかし、ピッパの背負ってきたものが、何故か伝わって来ませんでした。

私が勝手につくったジンクスですが、

「キアヌ・リーブスが上半身裸で登場する映画はつまらない。」（たとえば「スィート・ノーベンバー」）

この映画も、キアヌはへんなタトゥーをいれて、プヨプヨした上半身を披露。
この時点で悪い予感がしたのですが、ほんとにつまらん映画でした。

その上この邦題、こんなふうにはっきりと年齢を入れるのは失敗じゃないでしょうか。
微妙なお年頃の私としては、「５０歳の・・・」なんてチケット売り場で言いいたくないんですけど。
しかも、内容が「恋愛白書」なんてものではないですし。

原題があらわす通り、ある女性の一代記のような内容です。
主人公ピッパ（ロビン・ライト・ペン）は、若い頃は薬に溺れた無軌道な暮らしをしていたが、うんと年上の作家（アラン・アーキン）と出会って結婚。以来、理想の妻、母であり続けてきた。そのことへの反動からか夢遊病に。ところが夫が自分の親友（ウィノナ・ライダー）と浮気していることが発覚。隣家に引っ越してきて年下の男（キアヌ）に心ひかれる。

実際にはロビン・ライトよりもキアヌのほうが年上なのに、キアヌを３５歳に、そしてロビン・ライトを５０歳に設定したことにまず無理があります。年下の男との恋を描きたいなら、もっと若い人をキャスティングしないと。
っていうか、５０くらいの女にとって、キアヌなら３５に見えるでしょ？といわれてるようで、非常に不愉快。なめんなよ。
ふたりのラブシーンもつまらなくて、ドキッともしなかったぞ。

ロビン・ライト・ペンの若い頃を演じているのがブレイク・ライブラリー。「ゴシップ・ガール」のセリーヌ役で大人気の彼女。確かにロビン・ライトに雰囲気似てます。ひょっとしてメインに使いたかったのは、ロビン・ライトの方ではなくて、ブレイクの方だったのか？

だいたい、主人公の過去の話が長すぎます。ピッパのお母さんの話なんか、どうでもいいような気がするけど。
３０歳も年上の夫に従って隠居生活を送ることになった疎外感とか、娘との確執とか、ほかに描くことはいろいろあると思うけど。

キャストも無駄に豪華で、ちっとも生きてないですね。
ジュリアン・ムーアなんか、なんであんな役をやらなきゃいけないのか、ちっともわかりませんでした。

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観終わった後の感想は「何が言いたかったのかわからない」
でした。

複雑な事情で育った少女ピッパが３０歳年上の作家と結婚（略奪婚）して、
結局略奪されてしまうという・・・・。

多分、よき妻よき母として尽くしてきた女性が
ある日「私は何のために？」みたいな
虚無感に駆られるというところがメインなのかもしれないけど、
どーも、伝わってこないというか、
よき母っぽいところも、よき妻っぽいところも端折られて
イライラする母・妻の描写ばかり目立つものだから、
どうも、観ていて共感はできずでした。

旦那が亡くなってもお葬式にも出ないというのは
いくら冷め切った夫婦でも、どうなのかなあ。
そこは感情押し殺して参列した方がリアルじゃないか。

近所の出戻り男クリス（キアヌ）も
イマイチよくわからないキャラで、
彼に何があったのかはあまり触れられず、
しかも、ピッパと恋仲になるのも急すぎる感じがあって
どこに惹かれあったのかよくわからない。

無理やりなハッピーエンド風な終わり方も
なんだかピンとこない。

やっぱり、よくわからない映画でした。

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確かに、
「ピッパ・リーの秘密の生涯」（まだ彼女は若いから「人生」かも）では、映画館に人は入らないと思いますし、
大当たりした「恋愛適齢期」みたいなニュアンスで、
「５０歳の恋愛白書」という内容とまったく違うタイトルは、
みなさんおっしゃるように
いかがなものか。
確かに、
ロビン・ライトはいい女優さんですが、日本では名前だけで
観客が入るほどではないとはいえ、
日本で大人気と言う理由だけで、夫役のアラン・アーキン
を差し置いて、キアヌ・リーブスとツーショットなのは、
いかがなものか。

映画は、すっごく感動するとか涙するとかではないけど、
女の本音が描かれている気がしました。

どんな人生を送っているにすれ、
自分で選び取ったきたはずとはいえ、
子どもも夫もいて、それなりに幸せとはいえ、
わたしは、なぜここに、こんな風にいるのだろうと
考えてしまう気持ちを、きちんと表現されていました。

特に、夫から別れ話を切り出された時の彼女の反応。
そう、分かるよそれ、と思いました。
彼女のような、特別な事情がなくても。

生活形態は、アメリカと日本では違うけど、
わたしが受け取った雰囲気は、
近所の奥さんの顛末を聞いたみたいな気がしました。

ラブストーリーを観たい人には、お勧めできません。
男性が観るのは、どうなんだろう。
意味不明なだけだと思います。
デートにも、もちろん向いていません。

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　レビューは酷評の嵐ですなぁ。

　アーヴィング調のヒューマン・コメディなんでしょうけど、う〜む、なんだか色んな要素が少しずつ足りてない感じかしらん。ヒロインのピッパが体験する悲劇も幸福も、それほど悲惨じゃないしそれほど素敵じゃない。現実を超えた面白さをフィクションに徹して描くでもなく、誰もが身につまされるようなエピソードをリアルに描くでもなく。

　ドラッグ、機能不全家族、レズビアン、芸術家、パーティ、自殺、略奪婚、良妻賢母、認知症、精神病、親子の葛藤、不倫、脳死、旅立ち。

　以上の「記号」でオハナシを作りました、というところでしょうか。いやぁ、ちょっとセンスのいい人だったら、これだけでこの作品の全てが分かってしまうかも。大変なネタバレじゃ（笑）。

　監督のレベッカ・ミラーは作家アーサー・ミラーの娘だそうです。原作は彼女の処女小説。お嬢の道楽か。

　たぶん、やりたかったのは「ガープの世界」の世界（くどい）だと思うのだけど、非現実のてんこ盛りだったあちらの物語が現実的なパワーを感じさせてくれたのに比べて、ピッパ・リーの世界は表層的で掴みどころがないのでした。